ビットコイン (BTC) 決済とは?
ビットコイン決済とは、現金やクレジットカードなどの代わりにビットコインを使って商品購入代金や食事代等の支払いを行うことです。
2017年以来、ビットコインの認知度が高まるにつれ、「ビットコイン決済システム」導入店舗は増加してきています。ビットコインを保有している方は、「ウォレット」を使うことで簡単に決済ができます。
ビットコイン (BTC) と電子マネー決済の違い
ビットコイン決済と似た決済方法に「電子マネー決済」があります。この2つには「決済に使用するのが仮想通貨か法定通貨か」という違いがあり、仮想通貨の場合は日本円が使えない国外でも使用することができます。
例えば、みなさんが持っている「Suica」という電子マネーがありますが、これをアメリカのサブウェイで使うことはできませんよね。それは「Suica」に入っているのが日本円だからです。一方、仮想通貨は「世界共通の価値を持つ」通貨なので、世界中どこでもビットコインを使って決済をする事ができます。
ビットコイン (BTC) 決済の普及を阻害する要因
現在ビットコインは現在決済手段としてそれほど使われていません。2017年以降、確かに世界中でビットコインを使用できる店舗やウェブサイトは増えてきましたが、なぜ企業は便利なはずのビットコインを使いたがらないのでしょうか。
スケーラビリティ問題
ビットコイン決済が普及しない原因の一つが、「スケーラリビティ問題」です。
結論から言えば、ビットコインは少額の決済に向いていません。
ビットコインは、既に行われた取引を束にして「ブロック」という単位にまとめて管理します。ブロックチェーンは、このブロックを鎖錠に繋ぐことで取引を管理しています。
ビットコインはこのブロックのサイズが常に一定 (1MB) であり、保存できる取引の数にも上限があります。ここで問題なのは、ビットコインのブロックは10分に一回しか生成されないということです。
ブロックに入る取引の量に限界があるのにブロックが一定に時間でしか生成されなければ、急激に取引が増えたときに対応しきれない取引が出てきます。すると一回あたりの取引にかかる時間と手数料がどんどん増大してしまう。これが「スケーラリビティ問題」です。スケーラリビティは「拡張可能性」を意味し、利用者や仕事の急増に適応できる能力のことを指します。
価格変動の激しさ
更に、ビットコインは価格変動が激しいことでも有名です。2021年の5月には一日で30%近く下落したこともあります。そのような場合、店舗がビットコインで決済を行っても、想定より少ない売上になってしまう恐れがあります。もちろん売上が上がる可能性はありますが、普段からキャッシュフローの割合が高い飲食店などでは、急激に価値が下がる危険性のあるビットコインは大きなリスクになり得ます。
こうした要素を取り除くことが、ビットコインを決済通貨として普及させるためには不可欠です。実際に、現在では様々な手法でこれらの課題を解決しようとする動きが見られます。今後ビットコインのアップデートが発表された際は、注意して見てみると良いかもしれません。
ビットコイン (BTC) 決済のメリット
では逆に、ビットコインを決済通貨として使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
手数料が安い
先程スケーラビリティ問題を解説した際に、ビットコインの問題点は「手数料が増大すること」と説明しました。確かにそれは事実です。しかし、実は他の決済手段と比較してみると、まだビットコインの手数料は安いことがわかります。
例えば、クレジットカードの場合は、カード決済を導入する店舗がカード会社に決済手数料を支払う仕組みです。店舗形態やカード会社によって数字は異なりますが、大手カード会社の決済手数料は3%〜4%程度です。また、スイカやQUICPayなども、3%を超える手数料がかかります。[1] Square, Suica決済の基礎知識。手数料やメリット、導入方法を解説, 2021年6月15日参照一方、ビットコイン決済の場合は、1%の決済手数料しかかかりません。[2]
確かに仕組み上、これらの決済手段と単純に比較できるわけではないですが、キャッシュレス決済として、ビットコインが手数料面で優れているのは確かです。
海外でも決済が可能
ビットコインはブロックチェーンを通じて「世界共通の価値」を実現しています。そのため、利用したい店舗がビットコイン決済を導入していればどの国であっても決済が可能です。つまり、海外であっても現地の通貨に両替せずに決済をすることができます。
両替をするためのコストや手間を省けるため、これはビットコインならではのメリットといえるでしょう。
今後ビットコイン (BTC) 決済が再普及する可能性はあるのか?
ビットコイン決済が拡大する動きは2017年頃からありました。当時はビットコイン決済にかかる手数料が安いことや、訪日外国人向けの決済手段として利便性が高いことから、日本でも多くの企業・店舗で導入が進んでいました。
しかし、やはり先述した「スケーラビリティ問題」に対応する現実的な対抗策が不足していることや、1日に10%を超える大幅な価格変動にリスクを感じる企業・ユーザーが増えたことで、中にはビットコイン決済から撤退する企業もありました。
これからビットコイン決済が再普及する可能性について、結論から言えば、一般に普及するのは難しいというのが現状です。理由はビットコイン自体が少額決済に向いていないこと、そして価格変動のリスクが決済店舗にとって大きいことです。特に価格の急激な上昇や下降が起きたときには、小売店が税金処理を行う必要があるため、必要以上に負荷がかかってしまいます。
ただし、普及に向けた前向きな兆しがあることも見逃せません。それは、ライトニングネットワークの実装です。
ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークは、個人間にチャネルを作成してビットコイン取引を行うことができるシステムです。
ビットコインはブロックチェーンネットワーク上で取引を行いますが、ライトニングネットワークはブロックチェーン外での取引です。ブロックチェーンを経由せずに取引を行うことで、ブロックチェーン上で行う処理を減らすことができ、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決する可能性が指摘されています。
ビットコインの決済手順
ビットコイン決済の方法は、大きく分けて2つのSTEPに分けられます。まずは、ビットコインをウォレットに入れる必要があります。ウォレットは文字通り「仮想通貨専用の財布」で、決済のときはこのウォレットを使う必要があります。店舗決済の場合はバーコード読み取りの場合が多いので、スマホで使える「取引所ウォレット」や「モバイルウォレット」、「ハードウェアウォレット」の中でもモバイル端末として使えるものを選ぶと良いでしょう。初心者の方は少額のビットコインを購入して、そのまま「取引所ウォレット」に保管するのがおすすめです。
続いて、支払いを行う必要があります。ビットコインの店舗支払いは、支払い先の送金アドレス (QRコード) をアプリを使って読み込むだけで可能です。手順自体はpaypayの支払い方法とよく似ています。
ビットコイン (BTC) 決済を実店舗で導入する手順
店舗で行う決済の手順
まずは導入業者を選び、契約を行います。国内では 「GMO payment gateway」「BitWire Shop 2,1」「CoinCheck payment」などが有名です。
HPから資料請求ができるため、問い合わせをして最も自分の店舗にあった会社を選ぶと良いでしょう。Bitwire shop 2.1と CoinCheck paymentは初期費用・基本使用料0円、決済手数料を1%と公表しています。業者によっては、価格変動のリスクを抑えるために、予めビットコインと円の交換レートを定めるオプションがある場合があります。価格の急落に備えたいという方は使ってみても良いでしょう。 GMO payment gatewayや BitWire Shop 2.1 はこのオプションを無料で提供しています。
そしてHP上で店舗情報・平均単価などを登録すると審査が行われ、承認されるとビットコイン決済を行えるようになります。ここからの手順は業者・取引所によって様々です。商品ごとにURLを作る場合もあれば、会計ごとに金額を入力して決済をするところもあります。是非資料請求をして、確認してみてください。
出金申請して現金を受取る方法
仮想通貨の出金申請には、基本的に電話番号の確認と本人確認書類の提出が必要です。(業者によっては必要のないところもあります) 提出と承認が終わったら、振込先の口座を登録して出金申請を行うだけです。振込手数料がかかる場合があるので注意しましょう。