アルトコインとは
アルトコインとは、ビットコイン以外の仮想通貨すべてを指します。個性にあふれた通貨が揃っているので、気になる銘柄があったら特徴を調査してみましょう。
アルトコインは、2021年5月時点で実に1万種類もあるといわれています。日本の取引所が扱っているのはその内の10数種類のみですが、イーサリアムやリップルなど、人気の銘柄は日本でも購入できます。
アルトコインの多くは、ビットコインが持つ課題を解決する目的で生まれました。そのため、ほとんどの銘柄がビットコインには無い、独自の特徴を持っています。例えばイーサリアムのブロックチェーン上ではゲーム開発や金融システムの構築が自由にできますし、リップルはたった数秒で国際送金をすることが可能です。ビットコインのブロックチェーン上では、まだゲーム開発などは行えないですし、送金には10分かかります[1] BitinfoCharts, Bitcoin Block Time historical chart, 2021年6月1日参照から、これらは大きな違いであるといえるでしょう。
また、アルトコインの特徴として値動き (ボラティリティ) の大きさが挙げられます。ビットコインと比べて取引される量が少ないため、買いや売りの注文が少し偏るだけで、暴落や急騰を起こすことがあります。投資の際には大きなリターンが見込める一方、ほぼ無価値になってしまうコインもあるため、リスクを見据えた判断が必要です。
以上のように、アルトコインはバラエティ豊かな特徴を持っており、投資対象としてもビットコインには無い魅力を持っていることがわかります。
ビットコイン (BTC) に対するアルトコインの意義
「アルトコインの存在意義」を理解するには、ビットコインとアルトコインの関係を知ることが欠かせません。先程、アルトコインにはビットコインの持つ問題点を解決するために開発されたものが多い、と記述しました。
例えば、リップルはビットコインが抱える問題の一つ「スケーラビリティ問題」を解決しています。「スケーラビリティ問題」とは、ビットコイン取引を保管する「ブロック」のサイズが小さいために、長い時間と高額な手数料がかかってしまう問題です。
リップルは、これを独自の送金ネットワークの開発により解決し、ビットコインよりも早く、迅速な送金を可能にしました。アルトコインは殆どの場合、こうした「ビットコインとの差別化」がなされています。新しい銘柄を見つけたときは、是非その銘柄の特徴に注目してみましょう。
また、単純な投資対象としても注目です。ビットコインは一定の需要がありインフレが起きにくい安定した投資先として優秀ですが、短期的に大きな利益を得ることは難しいです。一方でアルトコインはボラティリティが大きいため、短期間で大きなリターンを期待することができますが、その分損失を抱える可能性も高くなります。そこで、それぞれのメリットを活かしつつ上手に分散投資をすれば、リスクを分散させた状態で大きな利益を狙うことも可能というわけです。
ビットコイン (BTC) とアルトコインの違い
時価総額の違い
最初の違いは時価総額です。時価総額は「発行量 × 市場価格」で計算され、その通貨の信用や注目の度合いを表しています。2021年6月現在、ビットコインの時価総額は6000億円を超えており、時価総額2位のイーサリアムの2400億円を大きく上回っています[2] かそ部, ビットコイン(BTC) - 基本情報, 2021年6月1日参照。「仮想通貨といえばビットコイン」というイメージが、世界中に浸透しているのが見て取れます。
流動性の違い
流動性はその銘柄がどれだけ活発に取引されているかを表す言葉で、高ければ高いほど安定した取引が可能です。出来高や注文の量が多いほど流動性が上がります。ビットコインは仮想通貨のなかでも人気が飛び抜けているため、流動性に優れています。
一方でアルトコインは流動性で劣るため、不安定な相場が見られがちです。取引の安定性は人気に影響されます。
取引所数の違い
仮想通貨の種類によって購入可能な取引所の数も異なります。人気の高いビットコインは世界中のほとんどの取引所が扱っていますが、アルトコインは種類によっては国内だと1カ所でしか入手できないものもあります。また海外でしか買えないものも多いです。人気の低い種類ほど、扱っている取引所の数が少ない傾向があります。
ビットコイン (BTC) のドミナンスとアルトコインの関係
ビットコインとアルトコインは「ドミナンス」という概念で関係性を説明できます。詳細を見ていきましょう。
ドミナンスとは
ドミナンスとは、仮想通貨市場全体の時価総額のうち、特定銘柄が占める割合です。たとえば市場全体の時価総額が15兆円で、そのうちある銘柄が7兆円を占めていれば、ドミナンスは約46.7%になります。
仮想通貨のドミナンスは、市況を正確に確かめるうえで重要です。シェアが大きいほど需要が高く、取引が活発に行われていることになります。
ビットコイン (BTC) のドミナンスが下がるとアルトコインが上がる?
ビットコインのドミナンスが下がっていれば、アルトコインの価値が上がる可能性が高いとといえます。ビットコインから他の種類へ資金が流れているサインだからです。
2021年4月には、ビットコインのドミナンスが下がりました。仮想通貨全体の時価総額は最近急上昇しているので、 アルトコインへの資金流入が考えられます。このようにドミナンスの推移を見れば、どのような仮想通貨が注目を受けているかがわかるのです。
目当ての仮想通貨の時価を調べ、市場全体と比べましょう。割合がアップしていれば注目度が上がっている証拠です。ダウンなら興味を示す投資家が少なくなっていると考えましょう。
アルトコインにはさまざまな種類があるため、通貨単体での魅力が世界中に認められている必要があります。ビットコインのドミナンスが下がっていても、目当ての銘柄に興味を示す人が少なければ、価値は上がらないでしょう。
アルトコインのシェアはビットコインの行方にも左右されます。しかし最終的に生き残る通貨は、独自の強みを持ったものです。市場全体だけでなく、特定の通貨に関する情報を集め、将来性の高い銘柄を見極めましょう。
ビットコイン (BTC) から分岐 (ハードフォーク) したアルトコイン
ビットコインからのハードフォークにより、アルトコインが生まれた例があります。代表例はビットコインキャッシュやビットコインゴールドです。
ハードフォークとは仮想通貨のシステムを変えた結果、従来の通貨と新しいものの2種類への分岐が起きることです。システム変更後に生まれた通貨に対しては、古い仕組みが使われません。新しいルールによってブロックチェーンの生成が起きます。
しかしハードフォーク前からあったブロックも伸び続けるので、2種類がそれぞれ独自の動きを見せるようになります。
以上の形で生まれた代表的な通貨がビットコインキャッシュです。ビットコインの送金に時間がかかる「スケーラビリティ問題」があり、解決のために生み出されました。ビットコインゴールドは従来の通貨よりも、取引のためのデータ処理スピードを上げる目的で作られています。
ハードフォークは、分岐元の通貨を持っている人に無償で配布されるため、投資家にとっては大きな収入源となる可能性があります。そのため人気のある通貨からの分岐は、世界中からの注目を集めることになるのです。
ビットコイン建てでアルトコインを購入できる
いくつかの仮想通貨取引所では、ビットコインを払ってアルトコインを買うことが出来ます。なぜなら、ビットコインは多くの取引所で「基軸通貨」として扱われているからです。DMM BitcoinやCoincheck、BINANCEなどは法定通貨の他にビットコイン建てで取引が可能です。
ビットコインは最初に開発された仮想通貨であり、時価総額も常に1位をキープしているため、多くの取引所で基軸通貨としての役割を与えられています。そのため、例えば日本円が使えない海外の取引所でも、ビットコインを日本の取引所で購入していれば、他の銘柄を購入することが可能です。
ビットコイン (BTC) アルトコインに関するまとめ
アルトコインとはビットコインを除いたすべての仮想通貨です。ほとんどはビットコインのデメリットをカバーするために開発されました。そのためビットコインとの関係は深いといえます。
アルトコインは世界中で1万種類以上あるといわれています。目当ての種類を決めたら、その魅力や機能に注目しましょう。特定の通貨に対する深い知識が、投資の成功につながります。さらにアルトコインからビットコインの全体像をつかむきっかけにもなるでしょう。
仮想通貨の世界を知るうえで、アルトコインも大切な要素です。