- SFDはbitFlyer Lightningと現物価格の価格剥離を是正するための制度
- 価格剥離率が5%以上のときに価格剥離を拡大する注文を出すとSFD手数料を差し引かれる
- SFDを回避することは難しい
bitFlyer (ビットフライヤー) でレバレッジ取引が行えるbitFlyer Linghtning。ここで取引するときに適用されるSFD制度についてくわしく解説します。「SFDって何なの?」「何の目的で設定されたの?」と疑問に思う方は、本記事を読むことでその疑問を解決できるでしょう。
bitFlyer (ビットフライヤー) の基本情報
bitFlyerは、国内最大級の仮想通貨取引所です。現物のビットコイン取引量はLiquid by Quoineについで第2位。差金決済取引市場においては、国内第1位の取引所です。取引所と販売所、レバレッジ取引所があるため、初心者から中〜上級者まで楽しめます。
SFD制度とは
SFD (Swap For Difference)制度とは、bitFlyerが設定している手数料のひとつです。bitFlyer Lightningの価格剥離を縮小するために導入されている制度で、レバレッジ取引を行えるLightning FXで取引したときに適用されます。
価格剥離を広げる注文者からは約定金額×**0.25〜0.2%**のSFDを徴収し、価格剥離を縮小する注文者 (新規注文のみ) に対してはボーナスを付与します。
SFDがどのような場合に徴収されるかというと、現物価格とLightning FXの価格が5%以上離れているときです。
たとえばビットコインの現物価格が74万円でLightning FXのビットコイン価格が78万円だったとき。このとき価格剥離率は5.1% ((78万円÷74万円-1)×100)です。このタイミングで注文を行うとSFD制度が適用されます。
bitFlyer (ビットフライヤー) のSFDの特徴
SFDが導入された経緯
SFDが導入された理由は、現物とLightning FXの価格があまりにも剥離していたためです。価格剥離率は当時**30%**を超えることもありました。
価格が剥離すると相場が不安定になります。ユーザーが安心して取引できる環境を整えるために、bitFlyerは価格剥離を是正する制度設計に取り組みはじめました。
SFDが導入された結果
2018年1月16日、bitFlyerはSFD制度の導入を発表し2月8日から適用し始めました。しかし結果的にうまくいきませんでした。なぜならSFD制度の抜け穴を突いたトレードが横行したためです。SFD制度の抜け穴を突いたトレードにより、価格剥離は縮小するどころか広がってしまいました。
当時SFDが適用される価格剥離率は10%以上のときでした。そのため価格剥離率が9%近くあったとしても、新規で買い注文を出す (価格を上げる) 場合にSFDが徴収されなかったのです。
そして「剥離率が10%超になったときに決済で売り注文を出す」ことでボーナスを得ることができました。ゆえに「価格剥離率が10%間近に迫っているとき」に「買い注文を行って価格剥離を拡大させる」ことが横行しました。さらには価格剥離率が大きいほどもらえるボーナスが大きくなるため、剥離率を拡大させようと大口の買い注文が相次ぐ結果になったのです。
つまりSFDは価格剥離を是正するどころか、価格剥離を拡大させてしまいました。
SFDの変更点
価格剥離が拡大してしまった事態を受けて、SFD制度を開始した2週間後にはルールの一部を変更することを発表。具体的には、以下の3点を変更しました。
SFD制度を適用する価格剥離率:10%→5%
価格剥離を縮小する決済注文を行うときのボーナス付与:あり→なし
価格剥離率20%超のときのSFD比率:3%→2%
一番大きな変更点は、価格剥離を縮小する決済注文を行うときにボーナスが付与されないことです。
価格縮小が推奨されるときに「剥離率5%未満で新規買いを行い、5%超で決済売り」を行ったとしても、ボーナスは付与されません。このためボーナス狙いのトレードはなくなり、価格剥離が拡大することは少なくなったようです。
bitFlyer (ビットフライヤー) のSFD まとめ
SFDが適用されない価格剥離率であればSFDは徴収されませんが、価格剥離率に合わせてトレードすることは非常に難しいものです。SFDのコントロールはユーザーにとっては難しいため、あまり気にかけずにトレードを行うことが望ましいでしょう。