- ブロックチェーンエンジニアの需要が高まっている
- ブロックチェーンを学べるおすすめの本3選とプログラミングスクールを紹介
- ブロックチェーン技術はインターネットに匹敵する技術である
インターネット以来の大発明とされるブロックチェーン。それは自宅でも開発する事ができます。本記事では、ブロックチェーンのプログラミングに関する書籍とプログラミングスクールをご紹介します。
ブロックチェーンプログラマーの需要はあるのか
黎明期である現段階で学ぶべき!
ブロックチェーンは現在は開発段階であり、実用されて流通し一般の方が身近に感じるようになるまでには、あと数年はかかるでしょう。しかし、だからこそこの黎明期に学ぶことは良いタイミングであると言えます。
ブロックチェーンを用いたサービスの開発を行なっている大手企業は多数あります。この先時代が進むにつれて、ブロックチェーンを深く理解しているプログラマーの需要は非常に高まるでしょう。
すでにブロックチェーンを用いたサービスの開発を行う企業からの、ブロックチェーンプログラマーの求人が存在し、今後はその数は増えていくと考えて良いでしょう。
ブロックチェーンのプログラミングに必要な言語は?
ライブラリはJavaScriptが多い
JavaScriptは多くのブロックチェーンライブラリで採用されている、プログラミング言語です。ビットコイン、イーサリアム、リップル、リスクなどのブロックチェーンで、トランザクション (取引情報)の署名やアドレス生成などがJavaScriptでも実装されています。
JavaScriptはウェブ上で動作するプログラミング言語です。ウェブアプリ開発ではJavaScriptがよく登場します。そのためビットコインなどのブロックチェーンでは、JavaScriptでコードを書くことでブラウザを活用した投げ銭や、ウォレットサービスなどが実装しやすくなっています。
ビットコイン (Bitcoin/BTC)・ビットコインキャッシュ (Bitcoin Cash/BCH)・ライトコイン (Litecoin/LTC)の開発に適応
ビットコインやビットコインキャッシュ、ライトコインの3つの仮想通貨については、C++という言語でプログラミングされています。3つの通貨のソースコードを読むことや、開発に関わるにはにはC++を理解する必要があります。
しかしブロックチェーンを使用したサービスを作成したい場合には、C++を学ばなくても問題ありません。ビットコインを初めとした多くの仮想通貨の実装方法を完璧に把握せずとも、仮想通貨やブロックチェーンを基盤とした差サービスは作成可能です。
またビットコインキャッシュではGolangという言語でも開発可能です。
イーサリアム (Ethereum/ETH)やDappsの開発にも適応
イーサリアムの開発環境では、近年人気が上昇しているGolangが使用されています。ブロックチェーン開発に携わることは簡単ではありませんが、イーサリアムを使用したDappsの開発は難易度がそれほど高くありません。
Dapps (分散型アプリケーション)を作成するにはスマートコントラクト開発の言語であるSolidityの理解が必要です。Vyperという言語もスマートコントラクト開発の言語ではありますが、現在ではSolidityのほうが情報が多いためSolidityが覚えやすい言語だといえます。
ブロックチェーンのプログラミングにWebエンジニアの知識は活かせる?
WebエンジニアであればサーバーやDBの知識は活かせる
ブロックチェーンエンジニアになるためには、Webの基礎知識やサーバーサイド、DBの知識が必要になります。すでにこれらの知識を獲得しているWebエンジニアなら問題なく転向できるでしょう。ブロックチェーンエンジニアとしてこのような知識が必要な理由は、ブロックチェーンが次世代の技術であるという点につきます。
現在主流となっているWebサービスでメインとなっている技術は、新しいブロックチェーンによって代替される可能性があります。ブロックチェーンの革新性を知るために、既存の技術について理解することが必要になります。
ブロックチェーンの仕組み – 暗号技術、ハッシュ関数、公開鍵暗号方式 -
ブロックチェーンの基礎技術として暗号技術やハッシュ関数、公開暗号方式などがあります。これらの技術はいずれもブロックチェーン開発をおこなうのに理解しておくべき内容です。ブロックチェーンの根幹となる技術として、大まかな知識は入れておきましょう。
ブロックチェーン技術についての本は多く出版されており、ブロックチェーンの全体像を把握するには適した教科書になるでしょう。
データ構造から見たブロックチェーン
トランザクション
ビットコイントランザクションは、送金情報が符号化され文字列やバイナリーデータにシリアライズされたものです。電子署名が施されることで、発行したビットコインの持ち主が送金した証明をおこないます。シリアライズされたトランザクションは、異なるプロセスやマシンとの間でも容易なやり取りが実現するようになります。
ビットコインの古いトランザクションでは、電子領域に一時的なダミーを埋め込み電子署名が実行されました。しかし近年実装されたSegwit2xは、トランザクション作成と電子署名を分離することで処理が単純になり、新たな仕組みが導入できるようになっています。
ブロック
ブロックはトランザクションが集まり形成されます。トランザクションだけでは記録媒体として認められず、ブロックに取り込まれて初めて取引が成立します。ブロックチェーンの構成元となるブロックでは、前回のブロックのハッシュ値がポインタとして含まれています。
ブロックは初めから最後まで合わせて矛盾を残さないように作成されます。トランザクションの正当性があり矛盾のないブロックとして認められないと、他のノードからははじかれてしまいます。
gitはブロックチェーンか?
gitは初めのルートの1番目のハッシュ値を出発点に、不変なデータが連なる構造をしています。データの構造を見比べると、ブロックチェーンと似ています。しかしgitとブロックチェーンでは、異なる目的の元に設計が違っています。
gitはファイルの変更を履歴として残すために、各ファイルは枝分かれして保存されます。しかしブロックチェーンではチェーンが枝分かれすると、決済手段として取引に問題が発生します。そのため最終的には最長のチェーン以外が破棄される設計となっています。
分散合意アルゴリズムとしてのブロックチェーン
データの積み重ねで更新を表現する
ブロックチェーンで重要視されるのが、採用されている分散合意アルゴリズムです。
分散合意アルゴリズムは、分散された複数のノードで正しいデータを更新するために合意を取るアルゴリズムとなっています。合意なしの好き勝手なデータ更新が起きてしまえば、ブロックチェーンの信頼性が損なわれてしまいます。
ビットコインを初めとするブロックチェーンでは、[counter]を更新しません。トランザクションを積み重ねることで、データを変更せずに通貨の移動を示します。ファイルシステムやデータベースの世界で、ログやジャーナルと呼ばれる仕組みに似ています。
データ更新を分散環境で合意する
既存の分散合意アルゴリズムでは、データ更新をまとめておこなうリーダーを選出します。リーダーはメンバーの更新要求を満たすことで、ネットワークに参加する全てのメンバーにブロードキャストの要領で変更情報を伝達します。
既存ではPaxosやRaftといったアルゴリズムが存在します。しかし仮想通貨のような嘘をつくことで不正に利益を得ることがある環境では、既存のアルゴリズムを採用できません。
ブロックチェーンではチェーンに繋がれるブロックそのものが、作成の際に分散合意アルゴリズムを採用しています。ブロック作成の時には合意を受けることで、時系列で組み立てた際に矛盾が生じないようにされています。
PoWという発明
ビットコインではトランザクションを承認して、ブロックを発行することで報酬を入手します。マイナーはこの報酬を得るために、ブロックを形成する権利を競います。しかしブロックを形成することは容易ではなく、特定の条件を満たして初めて権利を獲得できます。
しかし同じ条件を満たしたマイナーが同時にブロックを形成した場合、枝分かれ状態になります。この状態を解決するために、ブロックチェーンの長さが最も長いブロックが正しいというルールが適用されます。
自分の発行したブロックに新しいブロックが繋がることで承認を得たことになり、正しいブロックチェーンとして記録されます。ビットコインでは他のノードをだまして不当に利益を得ようとする悪意あるノードに対抗するため、PoWが採用されています。
ブロックチェーンプログラミングに関する本3選
ブロックチェーンは仮想通貨とセットで扱われることが多いです。しかし、ブロックチェーンは実際は仮想通貨専用のシステムというわけではなく、様々な分野に応用が効く非常に凡庸性の高いものです。
例えば、金融業界のシステム、車や不動産などのシェアリングサービス、アプリケーション開発といった業種がブロックチェーン との親和性が高く、すでにブロックチェーンを用いたサービスの実証実験に乗りだした大手企業は多数存在します。
そんなブロックチェーンを自分で構築することができれば、そのスキルの将来性は計りしれません。そこで、ブロックチェーンのプログラミングについて解説している書籍のなかで、厳選した3つをご紹介します。
ブロックチェーン・プログラミング 仮想通貨入門
仮想通貨やブロックチェーンの書籍は、そのシステムの実用性や将来性について語られているものが多く、プログラムなどの内部構造について解説しているものが少ないのが現状です。
しかし、本書は内部構造についての詳細が描かれており、エンジニア向けの書籍と言えます。必要なツールの導入から、実際にプログラミングを実装する工程も詳しく解説されていて、内容もわかりやすいです。
プログラミング言語は「Ruby」を用いた解説となっています。完全にエンジニア向けの書籍なので、プログラミングの知識は最低限持っていないと本書を理解するのは難しいでしょう。
ブロックチェーン ・アプリケーションの開発の教科書
こちらも実際にブロックチェーンを開発するためのエンジニア向けの書籍です。上記の「ブロックチェーン・プログラミング 仮想通貨入門」がビットコインをベースとした開発なら、本書はイーサリアムをベースとしている点が大きな違いです。
ブロックチェーンの実用性や将来性を解説した前半と、実際にプログラミングコードを元に開発手法を解説した後半の2部構成となっており、ブロックチェーンについて深く知りたいと思うエンジニアにはうってつけです。
すでに述べた通り、こちらはイーサリアムをテーマにしているので、ブロックチェーンそのものだけでなく「スマートコントラクト」の開発も学べるのが強みです。
社会を根底から変えるシェアリングエコノミーの衝撃!仮想通貨ブロックチェーン&プログラミング入門
この本のメインのテーマは**ブロックチェーンというシステムの実用性や将来性です**。実際の開発の中身という点ではやや詳細さは劣りますが、ブロックチェーンという技術を包括的に知りたい場合、非常に優れた読みやすい書籍です。ブロックチェーンの実用化により、未来にもたらされる恩恵がどのようなものかがわかりやすく説明されていて、読後にはブロックチェーンへの期待、関心も高まります。
Web上でブロックチェーンプログラミングを学べるサービス
Remix (Solidity IDE)
Remixはアプリ開発が可能なSolidityのWebエディタです。イーサリアムのブロックチェーン上で実行するコントラクトコードを使用して、開発をおこないます。Remixではブラウザで利用可能で、スマートコントラクトのプログラミングやテスト、デバッグ、デプロイまでおこなえます。
オープンソースのため、誰でも無料で利用可能です。GitHubからソースをダウンロードすれば、ローカルでの開発環境が構築可能です。ブロックチェーンの学習やプログラミング実践の場として、便利なサービスです。
paizaラーニング
paizaラーニングでは動画を用いてプログラミングを学びます。Python、Java、C言語、C#、PHP、Ruby、SQL、JavaScript、HTML/CSSなどを、プログラミング初心者でもしっかり学べる環境が用意されています。
無料の範囲内でも「Python入門編」「C#入門編」「JavaScript入門編」「ITエンジニアの就活準備編」など、人気の講座を視聴できます。プログラミングやエンジニアを目指すために適したサービスになっています。
ブロックチェーンが学べる学校・オンラインスクール
ブロックチェーンは基本的にはプログラミングの分野なので、かなり専門的な知識が必要となります。そのため、独学ではハードルが高いので、まずはスクールを利用するのも一つの選択肢です。
もうすでに大手のスクールでは、ブロックチェーンをカリキュラムに組み込まれているので、その中でもお勧めの3つのサービスをご紹介します。
TECH BOOST
TECH BOOSTは、近年ブロックチェーン技術の開発をカリキュラムに取り入れました。従来のパソコンスクールと違い、カリキュラムをもくもくと進めるだけでなく、現役エンジニアによるアドバイスやオンラインでの質問、さらにエンジニアとしてのキャリアに関するカウンセリングまで対応しています。
エンジニアとしてどのようなキャリアを積みたいのかを決めて、それに見合ったカリキュラムを受講し、最新のトレンド情報まで入手することができます。
TECH ACADEMY
こちらは、完全オンラインでブロックチェーンを学ぶことができますので、スクールに通うのが難しい社会人でも学べるプログラミングスクールです。
ブロックチェーンコースを受講すれば、ブロックチェーン開発はもちろんですが、プログラミングの基礎から教えてもらえるので、完全な初心者でもブロックチェーンの開発ができるようになります。
独学スタイルですが、パーソナルメンターとのビデオチャットで質問ができるようになっているので、挫折せずに続けられるようになっています。
FLOCーブロックチェーン 大学校ー
その名が示すとおり、プログラミングではなくブロックチェーンそのものに特化した非凡なスクールです。
ブロックチェーンに関しては、基本を学べる「基礎コース」、ブロックチェーンを応用したビジネスへの展開を学べる「ビジネスコース」そして、開発のノウハウを学べる「エンジニアコース」の3種類があります。開発を習得したい場合は「エンジニアコース」ですが、プログラミングの基礎ができていること前提のコースなので玄人向けです。
まとめ
ブロックチェーンはインターネット以来の大発明と言われています。インターネットは世界を大きく変化させました。
それに匹敵する変化がブロックチェーンによって始まろうとしているのが現在です。その開発スキルを習得しておくことは、その第一線に加わる事が出来るという事です。