今はビットコイン (BTC) の買い時?
まず、今がビットコインの買い時であると断言することは必ずしもできません。なぜなら、現在ビットコインは明暗それぞれの展望を持っており、今後の国家の判断やビットコイン自体のアップデートの動向によって、大きく未来が変わる可能性があるからです。
ただ、長期的な視点で見れば、現在でもビットコインを購入することで利益を得られる可能性は十分にあると言えます。
ビットコインはこれまで、幾度となく「バブルの崩壊」と呼ばれる急激な下落を繰り返してきました。その度に「ビットコインに将来性は無い」との噂も囁かれていましたが、実は2018年の「バブル崩壊直後」にビットコインを購入していても、現在はその2倍以上の値段になっています。それどころか、2021年3月よりも前にビットコインを現物で購入し、現在まで保持している人は必ず利益が出ているのです。ビットコインはリスクが高い投資対象であると言われていますが、実は長期的に見れば価格は上昇し続けているのです。
ではなぜビットコインの価値は上昇し続けているのでしょうか。
安心感
ビットコインは世界で最初に作られた仮想通貨であり、他のコインはビットコインを参考にして作られたものです。2009年に最初の取引を行ってからこれまで、プログラムの誤作動やハッキング被害を一切起こさなかったビットコインへの信頼度は高く、多くの取引所で「基軸通貨」として活用されています。
単純にユーザーからの信頼度が高いだけでなく、基軸通貨として今後も一定の需要が見込まれます。先日一部の国で法定通貨として採用されたことも相まって、更に信用は上がっていくでしょう。
取引の透明性の高さ
ビットコインに用いられているブロックチェーン技術では、だれでも取引履歴の確認が可能です。特定のアドレスがどこに送金したのか、どれぐらい送金したのかなどの履歴をだれでも確認できるので、取引の透明性が高いといえます。
これは現金には無いメリットであり、今後も需要が拡大していく可能性があります。
ビットコインの供給は無くなっていく
ビットコインの発行上限は、2,100万ビットコインと予めプログラミングされており、変更することはできません。一方で、後述する「半減期」によって新規に発行されるビットコインの量は減っていく一方です。大量保有者が一気に放出すれば別ですが、通常この場合ビットコインの希少性は上がっていきます。
技術革新の試み・金融商品の誕生
ビットコインは比較的技術的に古いため、限界を迎え、様々なトラブルを抱えています。
大きなトラブルの1つは、普及率の高さにより決済スピードが非常に落ちてしまう、「スケーラビリティ問題」です。しかしライトニングネットワークの実装を行い、現在では問題の解決が進んでいます。
これまではブロックチェーンを経由して決済をしていましたが、ライトニングネットワークによって店舗と個人のように2者間での決済が可能になりました。技術革新の試みで処理能力が改善し、すぐに決済ができるようになっています。
ライトニングネットワークが更に普及することによって、ビットコインでの決済は更に安く・速く行うことができるようになり、決済通貨としての役割も増えてくることが考えられます。
国家破綻へのリスクヘッジ
日本円や米ドルなどの法定通貨の価値を担保しているのは「国家」です。国が通貨の発行量を管理し、二重支払いができない貨幣システムを採用し、複製ができない措置を講じています。この「国家による価値担保」は、国家の経済情勢が悪化すると信用を失ってしまうことがあります。この信用が極端に失われてしまうと国家破綻・経済破綻が起こります。
一方で、ビットコインは「数学」によって自身の価値を担保しています。さらに、そのプログラムはオープンソースで誰もが確認することができ、不正を行うことができません。そのため、もし自国が破綻しても価値が大幅に変わる可能性は低いですし、国家の信用が低い国では、ビットコインを通貨として取り扱う場合が増えてくるかもしれません。
そうした場合はビットコインには一定の需要が生まれますから、価格の安定にも繋がります。
ビットコイン (BTC) の買い時を見定めるポイント
ただ、長期的に見れば伸びるとは思っていても「騰がるときに買いたい」「底値で買いたい」と思う方も多いと思います。そこで、ビットコイン価格に影響を与えやすいタイミングをご紹介していこうと思います。
ビットコインETF
ETFは Exchange traded funds の略で、上場投資信託を意味します。プロの投資家に資産運用を任せる投資信託が、証券取引所に上場したものです。
ビットコインETFは、ビットコインそのものを売買するのではなく、ビットコインの価値に連動した指数を使用して投資を行う商品です。日経225などを想像していただければわかりやすいと思います。ETFに上場することは、投資家にとってビットコインがより安全で信頼性のある投資先になることを意味します。そのため需要増加が見込める、というわけです。
2021年2月カナダで史上初めてETFが承認された際は、トロント証券所にて一日で174億円の取引高を記録しています。その後ビットコイン自体の価格も上昇していますから、今後のETF承認のニュースから目が離せません。
法制度
世界には、国家単位で仮想通貨を支持する国もあれば、完全に否定している国もあります。仮想通貨の法規制は各国で行われていますが、今後の進展によってはビットコインの価格にも影響を及ぼすと考えられます。法規制の内容次第では、価格が大きく変動する可能性もあります。
2021年6月、エルサルバドルで世界初、ビットコインを法定通貨とする法案が成立しました。その1日後にはビットコイン価格が5%程度上昇しています。現在、それに追随する形で、中南米の国々がビットコインに関して新たな法制度を作成することをほのめかす発言をしています。今後の動向に注目しましょう。 [1] 日本経済新聞, エルサルバドル、ビットコインを法定通貨に 大統領表明, 2021年6月25日参照
スケーラビリティ問題
スケーラビリティ問題とは、仮想通貨の利用者が増えてデータの処理が追いつかず、送金に遅延が発生することです。ビットコインはスケーラビリティが特に深刻で、慢性的に発生しています。ビットコインを始めとした仮想通貨をより浸透させるには、スケーラビリティ問題の解決が欠かせません。
しかし考え方を変えれば、スケーラビリティ問題が解決されればビットコインの需要が拡大し、利益を得るチャンスが巡ってくる可能性もあります。現在は、ライトニングネットワークによってこの問題の解決が図られています。
半減期
半減期とは、ビットコインの新規発行量が半分に減るタイミングのことで、およそ4年に1度ほどあります。半減期を迎えるとマイナーからの流通量が減少するため、価格が上昇することがあります。
実際、過去3回の半減期の後には、1年前後で大きな値上がりを見せています。直近では2020年5月 (当時は1BTC = 100万円程度) に半減期があり、そのほぼ一年後、2021年4月14日にビットコイン価格は700万円を超えました。
大手企業の参入
ビットコインが抱えている問題の一つに「信用度の低さ」があります。もちろん、ビットコインのシステム自体にセキュリティの欠陥があるわけではありませんが、新しい技術のため世間的に「怪しい」「危険」というイメージがあるのは否定できません。そのため、世間的に認知されている大手企業が仮想通貨に参入すれば、仮想通貨への注目度が高まり、ビットコインも注目されるでしょう。価格にも影響を与える可能性があります。
事実米テスラがビットコイン決済を導入した2021年2月は、ビットコインは大きな値上がりを見せました。[2] JIJI.COM, 米テスラ、ビットコイン払い可能に 相場は最高値更新, 2021年6月25日参照
実用化
ビットコインがもし日常生活でも使われるようになれば、需要が高まり、価格が上昇する可能性があります。
そのため、小売店などでビットコインの支払いができるようになる「ビットコイン決済」や、ビットコインと現金を交換できる「ビットコインATM」の普及は、実用化を進める上での重要な指標です。注目して見てみましょう。
チャートから分析
ビットコインの買い時は社会的な要因や発行量だけではなく、チャートの分析でも求められます。この分析方法は「テクニカル分析」といいます。もちろん、ビットコインの買い時をチャートから分析するのは用意ではありません。まずは実際の取引を積み重ねることが大切です。
取引をしながらチャートの見方や分析方法を理解し、徐々に買い時のタイミングを見極めましょう。冷静さを失えば買い時を逃し、場合によっては大損に繋がります。「一日あたりの利益目標はいくらか」「どれくらい損失が出たらビットコインを売るのか」などのMyルールを事前に決めておきましょう。
ビットコイン (BTC) の価値が暴落するとき
ビットコインの買い時を見極める際には、暴落の危険性がないかどうかも気にしなければいけません。
取引所のハッキング被害
ビットコインが暴落する原因として大きなモノの一つが「取引所のハッキング被害」です。
ビットコインのシステムそのものをハッキングすることは困難ですが、顧客の仮想通貨を保管している取引所を攻撃することは不可能ではありません。
有名なハッキング事件は、2011年に起こり、14億円のビットコインが盗まれた「マウントゴックス事件」や、2018年に580億円のネムが盗難された「コインチェック事件」などがあります。いずれも仮想通貨取引所、ならびに仮想通貨そのものにおける信用を大きく下げる結果になり、ビットコイン価格にも少なからず影響を与えました。[3] 日本経済新聞, コインチェックの仮想通貨不正流出、過去最大580億円, 2021年6月25日参照
国家による規制
いくらビットコインの技術が優れていたとしても、いくらユーザーからの需要があっても、
国家がビットコインを制限するルールを作ってしまえば、健全な普及をする確率は下がってしまいます。
2018年に韓国と中国が、2021年に中国がそれぞれ仮想通貨に対して非常に厳しい規制を公表し、当時のビットコイン価格に大きな打撃を与えました。
著名人によるビットコイン (BTC) の価格予想
アメリカの経済アナリスト、トム・リーは2021年1月に「ビットコインは年内に4倍になる可能性がある」と予想しました。それは、2021年が2017年とよく似た要素を持っているからであるそうです。当時のビットコイン価格は300万円ほどなので、1200万円を超えうるという予測になります。[4] News Picks, 「ビットコインは、2021年に4倍になる」米アナリストが予想, 2021年6月25日参照
また、米アーク・インベストメント・マネジメントのキャシー・ウッドは、2021年5月の急暴落を受け、いずれ50万ドル (5500万円) になる可能性があるとコメントしました。[5] Bloomberg, キャシー・ウッド氏、ビットコインの強気揺らがず-依然50万ドル予想, 2021年6月25日参照ウッド氏は、今回の価格の急落によって、ビットコインETFが承認される見込みが高まっていること、また太陽光発電の利用によってマイニングが環境に与える影響が減ることをその根拠としています。
他にも、今年4月にはこれまでビットコインに対して否定的な姿勢を続けてきた、JPモルガンでさえ、「ビットコインのボラティリティが低下した場合、長期的に13万ドルまで上昇する可能性がある」と予測しています。[6] PYMNTS, JPMorgan: Institutional Investors Ditch Bitcoin For Gold, 2021年x月x日参照
ビットコインの買い時に関するまとめ
仮想通貨は年々増えていますが、ビットコインが世界初の仮想通貨であるという事実に変わりはありません。安心間があり、近年は大手企業がどんどんビットコインに参入しています。商品を購入できるなど実用性も高まっているので、さらなる価格の上昇を期待しても良いでしょう。
また、ビットコインETFが承認されると、価格が大幅に上がる可能性もあります。著名人による予想は前向きで、世間でも肯定的な意見が多く見られます。しかし、最終的には自分で判断する必要があります。買い時を逃さないよう注意しましょう。