ビットコイン (BTC) の送金の仕組み・方法まとめ

編集:
松本 頌平 (Shohei Matsumoto)

ビットコイン (BTC) 送金の仕組み

マイナーによる承認が必要

ビットコインはブロックチェーンという中央管理者がいない仕組みを導入しています。送金者がビットコインを送金した場合、取引が改ざんされていないことを証明するためにマイナーが承認作業を行います。

マイニングでは高性能なマシンによる高度な計算作業が実施されており、送金者はマイニングを完了させたマイナーに手数料を支払う仕組みです。手数料は高額にするほど素早いマイニングが実施される傾向になっており、逆に手数料を低くすると送金時間も長引きます。

安全な承認の回数

ブロックチェーンの承認作業では承認数が多いほど多くのマイナーに正当性が確認されたことを意味します。しかし承認数が多くなりすぎてもむやみに時間と手数料がかかってしまいます。ビットコインの場合は、6回承認されれば取引が完了したといえる程度に安全だ、と言われています。実はビットコインの取引に必要な承認回数は取引所によって異なります。例えばCoincheckでは3回承認でzaifでは6回承認となっています。

ビットコイン (BTC) を送金する方法

出金するコインの選択

bitFlyerを例にビットコインの送金方法を紹介します。基本的な操作は他の取引所でも同じです。bitFlyerにログインしたらメニューの「入出金」を選択してください。すると入出金画面が表示されます。下のアイコンから「BTCご送付」を押して次に進みます。

ラベルとアドレスを記入する

bitFlyerに送金先のビットコインアドレスを登録します。ラベル名には自分で分かるような名前をつけてください。そしてビットコインアドレス欄に送金先アドレスを入力します。「追加する」を押してください。

送金先のアドレスが間違っていないかしっかり確認してください。アドレスを間違えて送金を行うと、誤送金した分はほぼ戻ってきません。  

数量と優先度を設定する

送付数量の欄では送金するビットコインの量を入力します。そして優先度欄はどれだけの速度で送金を行いたいかを基準に選択しましょう。項目には「普通」と「やや高い」、「高い」と「最高」があります。優先度は高くなるほど手数料が上がるようになっています。

そして送金時は下の「送付」ボタンを押してください。あらかじめ設定した4桁の暗証番号を入力したのちに、「ビットコインを外部アドレスに送付する」を押すと処理が完了します。なお「送付」ボタンを押した後でも、送金が完了するまではキャンセルが可能です。

ビットコイン (BTC) 送金手数料

ビットコインの送金手数料は送金者がビットコインを送金する際に発生する費用です。取引所から送金する場合は優先度に応じた費用を取引所に支払います。そして取引所がマイナーに手数料を引き渡す仕組みです。

通常ビットコイン送金時の手数料は、送金者が自由に設定できます。しかし設定した手数料が低い場合いつまでたっても送金は完了しません。取引所は安全で素早い送金を進めるために送金手数料を定めています。仮に送金者が自分のウォレットから送金する場合は、自分で送金手数料を設定可能です。

なお近年のビットコイン送金料は年々高騰しています。理由としてビットコインの需要が広がっていることがあります。マイナーは送金手数料が高い情報を優先して処理するのが一般的です。すると送金者も素早い送金を行うために手数料を多く支払うようになります。

ビットコインの送金手数料が安い国内取引所

国内大手取引所であるbitFlyer、Zaif、Coincheck、GMOコインで送金手数料を比較します。

最も手数料が抑えられるのがGMOコインです。基本料は無料となっています。しかしここから送金速度を早めたい場合は、追加の費用が発生します。Coincheckの基本送金手数料は0.001BTC (4,000円程度) で[1]

Coincheck公式, Coincheckの手数料, 2021年6月15日参照

triangle、bitFlyerが0.0004BTC (1,600円程度) です。[2]Zaifが送金するビットコインの量によって変わり、0.0001から0.01BTC (400〜40,000円程度) となっています。[3]近年はビットコインの高騰が進んでおり、送金手数料も比例して高くなっています。

ビットコイン (BTC) の送金には時間がかかる場合も

ビットコインは、他の仮想通貨に比べて送金の手数料が高く、時間がかかります。

ビットコインの取引履歴は、数千の束にして「ブロック」に保管されます。この「ブロック」は約10分に1度しか生成されない上に容量が決まっているため、取引が急増すると全ての取引を処理することが難しくなります。すると、マイナーは提示する手数料が高い取引から取引を承認していきます。これにより手数料の高騰が起こり、低い手数料で済ませたいという人の取引承認はどんどん遅くなっています。この問題をスケーラリビティ問題といい、ビットコインが抱える主要な問題の一つです。
これについても後述します。

現状でも、迅速な取引を行いたければ千円〜数千円程度の手数料を支払う必要があります。
手数料を安く済ませようとしたり、手数料無料の取引所を使うと取引が処理されるまでに一日程度かかることもあるので注意が必要です。

スケーラビリティ問題

スケーラビリティ問題ではビットコインブロックチェーンのブロックサイズで処理できる情報量に対して、送金データの増加で送金完了までに時間がかかっていることが課題です。ビットコインのブロックサイズは1MBです。他のアルトコインではスケーラビリティ問題を解決して、送金速度を高めているコインもあります。

スケーラビリティ問題によってビットコインは実用性の観点で大きく後れをとっています。ブロックサイズに追い付かない取引量が迫ることで、取引手数料も増加する一方です。

ビットコインの需要は年々上昇しており、世界で最も知られている仮想通貨といえます。今後のビットコイン普及が進むかどうかはスケーラビリティ問題の解決と手数料の低下が鍵となるでしょう。

スケーラビリティ問題の解決策

スケーラビリティ問題の解決方法については以下の4つが選択肢として上げられます。内容は「ブロックサイズの拡大」と「取引データの縮小」、「ブロック生成時間の短縮」に加えて「ブロックチェーン外での承認作業」です。

ブロックサイズの拡大は、一つのブロックの容量を大きくして取引処理の効率化を図ろうとする試みです。以前、このブロックサイズの拡大を一部のマイナーが提案しましたが、完全には賛同を得られなかったため、「ビットコインキャッシュ (BCH) 」という通貨にハードフォークしました。ビットコインキャッシュはビットコインの32倍のブロックサイズがあり、現在はビットコインの10分の1程度の手数料で送金することができます。

ブロックサイズの拡大における問題点は、マシンの負荷が増加することによるマイニングシェア率の変動です。資本力のない小口マイナーはマイニング難易度の上昇と共にマイニングから撤退し、大企業によるシェア率がアップしています。ビットコインの存在意義は、そのシステムが「分散型」であることですので、このような権力集中は好ましいことではありません。

取引データの縮小は、ブロック毎に保管できる取引数を増やすための試みです。現在はSegwitと呼ばれる技術を用いて、取引の格納に必要なサイズを減らすようにブロックチェーンを改良しています。ブロックサイズを拡大する場合に問題であったマイニングに対する弊害などは特に生じず、多くの取引所がSegWitの採用を公表しています。

ブロック生成時間の短縮は、マイニングの難易度調整基準を変更することで、より短い時間でブロックの生成をし、取引処理のキャパシティを増やそうとする試みです。ただ、この方法には、フォークの増加により二重支払いが生じる可能性がある、というデメリットがあります。ビットコインブロックチェーンでは、マイニングブロック生成のための計算が同時に成功した際にチェーンの分岐が起こります。現状では分岐した後に続くチェーンが長い方の分岐が正当なものとすることでセキュリティを保っていますが、やはりこの分岐は好ましいものでは無く、頻発すると二重支払いなどのトラブルが発生する可能性があるとされています。

ブロックチェーン外の送金とは、予め決められた額の取引をブロックチェーンでは無いネットワークを介して行うというもので、ライトニングネットワークなどがそれにあたります。
この取引を行うブロックチェーン外のネットワークのことを「セカンドレイヤーネットワーク」とも呼びます。ブロックチェーンの負荷を減らし、かつ送金速度と手数料を節約できるため現在も広がりを見せており、今後に期待できる送金手段です。

ビットコイン (BTC) を送金するときの注意点

送付アドレスを間違えたら二度と戻って来ない

送金先アドレスの打ち間違いはビットコインを送金するために最も気をつけるべき内容です。ビットコインの送金アドレスは必ず正しいものを入力しなければなりません。1文字でも表記が異なれば、送金者のビットコインはネットワークの狭間に消えてしまいます。また見知らぬ誰かのアドレスに送られた場合、その人が送り返してくれない限り何ともなりません。

送金先アドレスの打ち間違いについては送金先アドレスをコピー&ペーストで入力すると送金ミスを防げるでしょう。もちろん、QRコードを使用するのも安心です。逆にアドレスを1文字ずつ入力する行為は推奨しません。また送金先アドレスが正しいことを証明するために、最初に少額のビットコインを送金するのも大切です。

送金詰まりが発生する可能性がある

アドレスに誤りがない場合、送金詰まりを疑う必要があります。送金詰まりはブロックチェーンで取引情報の処理が追い付かず、送金が完了しないことが原因です。送金遅延に対しては取引の追跡や出金した取引所への連絡で確認をとりましょう。

chainFlyerというサイトではアドレスの入力で取引情報を確認できます。送金詰まりをあらかじめ防ぎたい際は送金手数料を増やすか、送金速度の早い通貨の利用をおすすめします。

ビットコイン (BTC) 送金のキャンセル方法

取引所でビットコインの送金処理を行った場合、「コインの送金履歴」などの項目で送金状況を確認できます。その項目がまた「手続き中」といった内容ならキャンセルすることも可能です。なおすでに送金が完了している状態だと、絶対に取引をなかったことにはできません。

ビットコイン (BTC) の送金に関するまとめ

ビットコインの送金はブロックチェーンの仕組み上マイナーの存在によって成立します。送金者はマイナーに手数料を支払うことで作業が実施されるため、安い費用で抑えていると送金に時間がかかることを覚悟した方がいいでしょう。また送金アドレスの入力を間違えると永久に取り出せなくなってしまうため、絶対に送金先アドレスを手動で入力してはいけません。

ビットコインのスケーラビリティ問題はビットコインの普及を進めるための重要課題です。ビットコインが安い値段で素早く送金できるようになれば実用的な通貨として広まることが期待できるでしょう。

情報ソース・引用元一覧

1

Coincheck公式, Coincheckの手数料, 2021年6月15日参照

2

bitFlyer公式, bitFlyerの手数料一覧・税, 2021年6月15日参照

3

Zaif公式, Zaifの手数料について, 2021年6月15日参照