- Coincheck (コインチェック)の金融庁認可について
- 金融庁の認可とはどのようなものか
- 金融庁に認可されている取引所と認可されていない取引所一覧
Coincheck社は、NEMの流出事件を経て、世間には悪目立ちをしてしまった仮想通貨取引所です。しかし、流出事件の前から、みなし業者として交換業を営んでいました。
Coincheck (コインチェック) は金融庁に認可されているのか
未だに認可されていない
Coincheckは2017年11月に、金融庁に申請した公認取引所としての認可が審査中であると発表しました。しかし、金融庁から認可が下りる前に、歴史的な大事件である580億円相当のNEM流出事件を起こしてしまい、立入検査の結果から認可から大きく遠ざかってしまいました。
認可は時間の問題か
事件を経て、Coincheckは経営体制を大幅に見直しました。マネックスグループが事業買収を行い、100%子会社となり、経営陣も一新されました。金融大手企業であるマネックスグループの指導のもと、金融庁認可に向けて着々と準備を進めている様子が伺えます。
大事件を起こしてしまった企業だからこそ、他の取引所よりも一層セキュリティ強化に向けて取り組んでいる姿勢などから、もはや認可は時間の問題だとも言えます。次に金融庁の認可について詳しくみていきましょう。
そもそも金融庁の認可とは
改正資金決済法
2017年の4月に新たな法律として改正資金決済法が施行されました。
改正資金決済法による仮想通貨交換業への影響は、営業を行うためには金融庁の許可が必要になったということです。
しかし、許可を得ていない取引所は明日からいきなり営業停止というわけには行きませんでしたので、6ヶ月間の申請提出の猶予期間と、審査を出してから結果が出るまでの猶予期間を設けることで、その間は、みなし業者として営業できるようにしていました。
Coincheck社も申請を行なっていた途中でしたので、みなし業者として交換業を営んでいたということになります。
Coincheck (コインチェック)の審査が長引いた理由
Coincheckは不運にも、審査中に流出事件を起こしてしまったのですが、実際にCoincheckの審査には金融庁も少し時間がかかっていた様です。その理由をいくつか紹介して行きます。
取り扱い通貨が豊富
Coincheckは、国内最多の13種類の仮想通貨を取り扱っていました。しかし、実は金融庁が金融商品として認めていない通貨も含まれてしまっていたため、審査が長引いたのではないか?と言われています。
特に、現在では上場を廃止したMonero、Zcash、DASHは匿名系通貨と呼ばれ、送金者や経路がビットコインよりも匿名性の高い通貨でした。こういった通貨をユーザーファーストで扱っていたのが仇となってしまったのかもしれません。
セキュリティ問題
流出事件を起こす前から、界隈ではCoincheckのセキュリティ体制に対しての噂は飛び交っていました。実際に使いやすさや取引通貨の豊富さが売りのサービスではありましたが、上級者は絶対にCoincheckで通貨を購入することはありませんでした。
そこだけセキュリティに対しての信用度が低かったこともあり、金融庁も慎重に審査をしていたのではないかと言われています。
認可が下りるには?
資本金が1000万円以上かつ事業で営業利益をだしていること
まずは、安定した資本金かつ事業が黒字で経営できていることが条件とされています。当然、顧客のお金を預かる金融企業ですので、資本金が少ない(体力が低い)会社や、赤字で経営をしている会社には認可が下りることはありません。
顧客資産の分別管理
NEM事件後の立入検査で発覚したことでしたが、多くの取引所で分別管理が行われていなかったこともわかりました。本来、顧客の資産は営業に使う資金と別で管理をしなくてはいけません。しかし、銀行と同じで、一度に全ユーザーが出金することはないので、顧客の資産を銀行のように運用をしていた業者は多かったのではないかと思われます。
外部監査
これは金融業界に限らず当然です。特に株式上場を狙う企業では絶対条件になります。認可の下りている業者の多くは、これらをクリアし透明性のある経営をしています。
口座開設時に本人確認をしているか
KYC(本人確認)は、仮想通貨のみならず、証券口座や銀行口座の開設にも絶対に必要です。
※海外取引所について
海外の取引所はKYCを行っていないところが殆どです。これを金融庁がどう捉えるかは今後注意しておくべきでしょう。特に、海外取引所は数多くの仮想通貨を取り扱っており、金融庁が認めていない銘柄が殆どだからです。
仮想通貨交換業を適正に遂行できる状態になっているかどうか
この項目が少し曖昧でした。具体的にどのような状態になればOKが出るのかは金融庁のさじ加減になってしまいます。
実際に、Coincheckの事件を経て、いくつもの業者に立入検査を実施しましたが、多くの業者に対して業務改善命令を下す結果となりました。特に、2018年に入ってからは、認可の下りていた業者に対しても業務改善命令を出すなど、金融庁のチェック体制はより厳しくなったと見受けられます。
Coincheck (コインチェック)の認可はいつ頃か?
Coincheckの取引所としての業務は2018年11月に無事再開を果たしました。マネックスグループという金融大手がノウハウを駆使して体制を整えているので、遠くない未来に実現しそうです。
※2018年12/21に日経新聞がCoincheck認可について報道
日経新聞が、金融庁がCoincheckを認可する方針で動いていると発表をしました。しかし、これは残念ながら誤報であったとマネックスグループが訂正をしました。しかし、火のないところに煙は立たないため、金融庁がCoinceck認可に向けて動き出しているというのは信憑性があると思えます。
【追記】金融庁がCoincheck (コインチェック) を認可!
2019年1月11日、金融庁は、みなし業者として営業していたCoincheckを正式に仮想通貨交換業者として認可したと発表しました。
Coincheckは、2018年4月にマネックスグループの傘下に入り経営体制を一新。2018年10月から停止していた一部のサービスを再開していました。
この認可のニュースを受け、Coincheckは記者会見を行いました。
認可された際の記者会見内容
記者会見には、現社長の勝屋敏彦氏と前CEO和田晃一良氏、前COOの大塚祐介氏が出席しました。
マネックスグループ傘下に入ってからのさまざまな取組みについて説明し、その努力の結果が正式な認可につながったと述べました。また、「現状は投機的なサービスに注力しているが、決済をグローバルに取り扱うことにも取り組んでいきたい」と話しました。
テレビCMはまた再開する?
ネム流出事件以降、お笑い芸人の出川哲朗さんが出演したCoincheckのテレビCMは流れなくなってしまいましたが、この正式なライセンスを取得した流れでCMは再開されるのでしょうか?
実は金融庁の認可が降りた当日の記者会見において、テレビCMについて言及した箇所がありました。しかし、「今は既存ユーザーを優先する」という回答でした。つまり、当面はテレビCMはやらない・・・ということです。
金融庁に認可されている取引所
現在、金融庁に認可されている会社は以下のようになっています。
思ったよりも多くの取引所が金融庁の認可を得ています。しかし、多くの取引所で目立つのが取り扱い銘柄の少なさです。Coincheckの様に豊富な通貨を取り揃えている取引所は金融庁の認可を受けづらいデメリットがある一方、認可を受けていても、ユーザーにとっては物足りないという取引所が多いことも否定できないでしょう。
金融庁に認可されていない取引所
金融庁の認可待ちで現在営業している業者は、2社しかありません。
特に、株式会社LastRootsの運営しているcOban取引所は、cObanという独自通貨の相対取引しか行っていません。また、みんなのビットコインは新規ユーザーの登録制限を行っており、新規口座開設が行えません。
Coincheck以外で、みなし業者として存在していた他の仮想通貨取引所は軒並み営業を停止し、事業撤退をしました。それだけ金融庁の認可をもらうための敷居が高かった証拠と言えます。
Coincheck (コインチェック) の金融庁認可 まとめ
今回は金融庁の認可についてCoincheckを中心に触れました。金融庁が規制をして、仮想通貨の発展を阻害しているという意見を聞くこともありますが、金融庁がルールなどをしっかりと定めて適正に運営を行うことは、詐欺などの被害者を減らすことや、マネーロンダリングの対策としても必要不可欠と言えます。
その取り組みに対して正面から受け止め、真剣に取り組みを進めているCoincheckの信用度は事件を起こす前よりも高くなったと考えても良いでしょう。
安全性・信頼性は大きく高まり今後ユーザーが増えていくことが見込まれますので、競争相手が少ない現在にあえて登録しておくこともおすすめです。