- CoincheckはXEM流出後マネックスに買収され基盤を整えた
- 金融庁に仮想通貨交換業者として認可された
- 一部のサービスを除きCoincheckは再開している
2018年にネム流出を受けたCoincheckは、現在体制を立てなおし再びサービスを提供しています。
本記事ではCoincheckがマネックス証券に買収された経緯や、Coincheck再開までの動向、現在稼働しているサービスについて説明します。
Coincheck (コインチェック) がマネックスに買収される
Coincheckは2018年1月末に、ハッキングにあい580億円相当の仮想通貨ネムを流出しました。Coincheckの代表取締役の和田晃一良氏は、顧客の資産保護が優先事項としてCoincheckの買収を持ちかけました。
Coincheckは2018年4月にマネックスよって買収されました。マネックス代表取締役の松本大氏はCoincheckのブランドに魅力を感じていました。マネックスの証券会社としての実績をいかして、金融企業の知識や経験を通じてCoincheckを再建させようとしています。
マネックスは2018年4月16日に新しい経営体制を構築し、金融庁からの仮想通貨交換業者の認定とCoincheckのサービス全面再開を目指して、管理体制の強化を続けています。
マネックス経営陣を交えた新体制
マネックスグループの買収を機にCoincheckは経営体制を新たにしました。創業よりCoincheckの代表取締役を務めてきた和田晃一良氏は、代表取締役を退き、新体制では執行役員に就任しました。
なぜCoincheck (コインチェック) のサービスが停止していたのか
ネム (NEM/XEM) 盗難事件
2018年1月26日11時25分ごろ、Coincheckで仮想通貨ネムの残高が少ないことが発覚しました。23時30分からのCoincheckの会見で、約580億円相当に換算する5億2300万NEMが、Coincheckのネムアドレスから盗難されたことが明らかになりました。Coincheckに存在するネムがほぼ盗難されたものの、26日時点での原因は不明でした。
後日の会見でハッキングの原因は、Coincheck従業員に送られたメールのリンクを開いたことによる、マルウェア感染だとわかりました。盗難されたネムはダークウェブ上で他の仮想通貨と交換され、いまのところ犯人は明らかになっていません。
また事件によりネムを盗難された保有者には、Coincheckの自社資金で補償がおこなわれました。
事件の経緯
2018年のCoincheck (コインチェック) 再開までの動き
5月8日:匿名通貨の廃止
Coincheckは匿名性の高い仮想通貨をふくめた4種の取り扱いを廃止しました。取り扱いを停止した仮想通貨は以下の4つです。
- XMR (モネロ)
- DASH (ダッシュ)
- ZEC (ジーキャッシュ)
- REP (オーガー)
MoneroとDash、Zcashについては、匿名性が高くアドレスや取引履歴が公開されません。犯罪行為などに使用される懸念から金融庁に指導を受けていました。またAugurについては、ギャンブル市場で使用される仮想通貨です。
Coincheckは金融庁から仮想通貨取り扱い業者として認定を受けるために、4種の仮想通貨の取り扱いを廃止しました。
6月7日:ネム (NEM/XEM) の出金・売却が再開
Coincheckは外聞専門家のもとで技術的な確認が取れたとして、ネムの出金と売却を再開しました。6月7日の時点でCoincheckで取り扱う9種の仮想通貨すべての出金と売却が可能になりました。この時点では仮想通貨の購入や入金は技術的な確認が取れていないため、再開はされていません。
6月29日:公式ブログが運転を再開
2018年1月31日より、Coincheckの公式ブログはメンテナンスをおこないました。長期にわたるメンテナンスが完了したため、6月29日よりCoincheckの公式ブログは運転を再開しました。メンテナンスによりCoincheck公式ブログのURLが変更されました。
7月21日:メンテナンス
7月21日はCoincheckがメンテナンスに入りました。このメンテナンスを受けてCoincheckの再開などのうわさがささやかれました。
マネックスの米進出!
— 億りっぷるん🍖仮想通貨のスペース配信 (@coinpicksjapan) July 20, 2018
コインチェックのメンテナンス!
次はコインチェック再開!?
アルトターンは間もなく来る。
間もなくだ!
8月11日:金融庁の立ち入り検査結果公表・仮想通貨取引所登録再開
金融庁が仮想通貨交換業者23社への立ち入り検査結果を公表しました。資金洗浄対策が不十分であることや、交換業者の総資産が6倍以上にも肥大化しながら従業員が20名にも満たない業者も多く、人員確保が追いついていない状況が明らかになりました。
金融庁は今回の結果をもとに新規の登録審査を再開しました。事業計画や内部管理体制など、仮想通貨事業者としてふさわしい対策をとっているか、より厳格に審査されます。
10月23日:コインチェック利用規約改正
Coincheckから仮想通貨取引説明書と利用規約改正のアナウンスがありました。金融庁から仮想通貨交換業者として認定を受けるために、適したルールに改定されました。Coincheck利用者にルールを意識させ、同時にCoincheckの管理体制の強化をアピールしています。
仮想通貨取引説明書・利用規約改正のお知らせhttps://t.co/04cM55nCQ7
— Coincheck(コインチェック) (@coincheckjp) October 23, 2018
10月26日:マネックス株急騰
Coincheckを傘下企業にしたマネックス証券の株式が値上がりしました。株価上昇はマネックス証券にとって風向きがよいことを意味しており、近日中のCoincheckの再開がうわさされています。
10月30日:新規口座開設再開へ
新規口座開設と一部仮想通貨の入金と購入が再開されました。
入金が再開された仮想通貨については以下になります。
- BTC (ビットコイン)
- ETC (イーサリアムクラシック)
- LTC (ライトコイン)
- BCH (ビットコインキャッシュ)
購入が再開された仮想通貨は以下になります。
- ETC (イーサリアムクラシック)
- LTC (ライトコイン)
- BCH (ビットコインキャッシュ)
またCoincheckで取り扱っている残りの仮想通貨については順次入金と購入が再開され、11月26日にはすべての仮想通貨の入金と購入が可能になりました。
Coincheck (コインチェック) 金融庁認可へ
2018年1月末にネムを流出してから、Coincheckは金融庁による立ち入り検査を通して業務改善命令を受けました。ネム保有者に対して保証をおこない、マネックスグループに買収されるとセキュリティの改善と経営体制を刷新しました。匿名性の高い仮想通貨を取り扱い停止して、従業員を増やしセキュリティ体制を整えました。
多くの対策を講じた結果、Coincheckは2019年1月11日に、金融庁から仮想通貨交換業者として認定されました>。
Coincheckは仮想通貨交換業者として金融庁に認められたことで、仮想通貨交換業者の看板をかかげて事業に取り組むことが可能になりました。
Coincheck (コインチェック) で現在できること
仮想通貨入出金
Coincheckで取り扱っている16種の仮想通貨を入出金できます。
- BTC (ビットコイン)
- BCH (ビットコインキャッシュ)
- ETH (イーサリアム)
- ETC (イーサリアムクラシック)
- LTC (ライトコイン)
- XRP (リップル)
- XEM (ネム)
- LSK (リスク)
- FCT (ファクトム)
- MONA (モナコイン)
10月末からの仮想通貨の入金再開によって、外部のアドレスで所有する仮想通貨をCoincheckウォレットに移すことが可能になりました。Coincheck内で他の仮想通貨に交換も可能で、仮想通貨の入出金が可能になることで自由にCoincheckを利用できます。
日本円入出金
Coincheckでは日本円の入出金が可能です。銀行口座から日本円を入金して、仮想通貨を購入できます。日本の仮想通貨取引所として日本円の入出金機能を維持して、利用者が気軽に仮想通貨投資に参入できる環境を構築します。さらにCoincheckウォレット内の仮想通貨を日本円に売却して、銀行口座に出金することも可能です。
仮想通貨投資のゴールは利益を手元に残すことで、そのために日本円を出金する機能も必須です。万全な日本円の入出金機能を維持することでCoincheckの体制をアピールしています。
貸仮想通貨サービス
貸仮想通貨サービスは、自分のCoincheckウォレットに保有している仮想通貨を貸し出すサービスです。一定期間の貸し付けをすることで、その期間に応じた利子を受け取ることができます。
仮想通貨取引をしなくても、安定して利益を積み重ねることのできるサービスとして知られています。自分でトレードをすることなく長期的に資産を増やしていきたい人には、利点のあるサービスで時間のない人でも取り組める投資方法です。
しかし、仮想通貨の貸し出し期間中は、貸し出した仮想通貨を売却や手放すことができません。また貸出期間中に仮想通貨が変動した場合にも取引はできないので、売却益を狙いにくくなります。
Coincheck (コインチェック) で再開していないサービス
Coincheckでは多くのサービスがありますが、ネム流出事件後現在も再開していないサービスが以下になります。
- レバレッジ取引
- アフィリエイト
- Coincheckペイメント
レバレッジ取引とは証拠金を入れて、証拠金の何倍ものお金を借りて取引をおこなう投資方法です。利用者は少ないお金で大きな金額を動かせます。その代わり、証拠金維持率が基準を下回るとロスカットされ強制的に利確されます。レバレッジ取引はハイリスクハイリターンな投資方法と言えます。
アフィリエイトはサービスや商品を紹介して、紹介報酬を得る方法です。Coincheckでは紹介された人がCoincheckに口座開設することで、紹介者に報酬が入りました。
CoincheckペイメントはCoincheckが提供するキャッシュレスサービスです。初期費用無料でBitcoin決済を導入でき、決済手数料も1%に抑えられます。また決済に使用されたBitcoinは日本円として振り込まれます。Bitcoin価格が大きく変動しても、決済時の価格が保証されます。現在までで導入店舗は4,000店をこえています。
2019年にCoincheck (コインチェック) が再開したサービス
Coincheckでんき
Coincheckでんきは普段の電気料金の支払いをBitcoinでおこない、また電気料金の一部をBitcoinで受け取れるサービスです。電気料金の1〜7%がBitcoinとしてCoincheckウォレットにたまるBitcoin付与プランと、毎月の電気料金をBitcoinで支払い電気代が1〜7%安くなるBitcoin決済プランがあります。
Coincheckでんきは実績のある電機会社と提携しており、確かな電気品質が保証されています。
コンビニ入金・クイック入金
コンビニ入金とクイック入金も2019年に再開したサービスです。
クイック入金は窓口に並ぶことなく、ネットバンクやATMから日本円を入金できるしくみです。通常の銀行からの入金よりも高い手数料が必要な代わりに、24時間365日いつでも入金できます。
コンビニ入金はコンビニから日本円を入金することで、すばやくCoincheckウォレットに反映されます。クイック入金と同じで手数料がかかりますが、Coincheckウォレットに資金がないけれどすばやく仮想通貨を購入する場合に適した入金方法です。
Coincheck (コインチェック) の再開 まとめ
Coincheckはネム流出後、マネックス証券の買収により体制を立て直しました。セキュリティと経営体制を整えることでCoincheckのサービスを再開しました。金融庁に仮想通貨交換業者として認められています。
Coincheckの提供するサービスは、初心者でも気軽に仮想通貨投資をはじめられるサービスばかりです。電気料金をお得にするCoincheckでんきなど、生活に根づくサービスも展開されていてこれからの発展が楽しみな企業です。