仮想通貨の損失や含み損が出た場合の税金・確定申告についてご紹介

1分で理解する要約
  • 仮想通貨取引の確定申告は、損失で終われば必要ないことが多い
  • 仮想通貨を円に戻したり、別の種類に換えたときに利益や損失が確定する
  • 翌年度以降の税額を抑える効果など、損失の影響を知ることも大切

「仮想通貨で損をしたけど、確定申告しなければダメ?」「仮想通貨の損失っていつ決まるの?」など、マイナス収支時の税金が気になる人も多いでしょう。仮想通貨取引で損をしたら確定申告は原則不要ですが、含み損が出たときなどに気をつけるべきこともあります。

今回は仮想通貨の損失時の確定申告を知りたい人のために、税金のルールや含み損などの注意点を紹介します。これを読めば、損失時の収益計算や確定申告などのルールが分かるでしょう。

仮想通貨取引で損失が出ている場合に確定申告は必要か?

仮想通貨取引は、年間マイナス収益なら確定申告の必要がありません

仮想通貨の利益確定は1月から12月です。大みそかまでにマイナスを確定させれば、翌年度以降の税金負担を軽くできる効果もあるなど、一定の節税効果も期待できます。

この章では仮想通貨の確定申告や、買ったときより安くなったまま持っていることによる含み損の扱いなどを解説します。

仮想通貨取引で確定申告が必要なのはどんな人?

確定申告が必要な人は、以下の3つのどれかに当てはまるケースです。

  • 2000万円以上の年収
  • 仮想通貨も含め、給料以外の所得が20万円をオーバー
  • 給料の源泉徴収を受けないことになっている

仕事の給料に関係なく、仮想通貨などの副業利益が20万円をオーバーしていれば、確定申告の対象です。仮想通貨の年間収支がマイナスなら税金計算は必要なく、プラスでも20万円以下なら税務署への申告義務はありません。

上半期で20万円以上利確したが、今は含み損を抱えている人の税金

上半期で20万円以上の利益を確定しながら、それを超える含み損の仮想通貨を持っていても、年末までに保有分を売らない限りは利益確定で確定申告が必要です。仮想通貨は持っているだけでは利益が決まらず、税金計算とは関係ありません。

含み損は仮想通貨を持っている最中の価値が、買ったときよりもマイナスな状態を示します。このまま売れば損切として、マイナス利益が確定するでしょう。しかし含み損があるまま年を越せば、翌年の利益はマイナスからのスタートです。

税金対策でロールオーバーを行う人もいます。含み損のある仮想通貨を売り、その年に出た利益を抑える手法です。ロールオーバーで利益を20万円以下に抑えられれば、確定申告の義務もなくなります。

仮想通貨の含み損の有無で、損益への影響が違うことに気をつけましょう。

法人なら持っている最中の仮想通貨の価値も損益対象なので、起業を考えている人や経営者はチェックしましょう。

仮想通貨による利益もなく、含み損を抱えているの税金

その年に仮想通貨による利益もないまま含み損を抱えていれば、確定申告を迎える可能性はないでしょう。含み損のある仮想通貨を売れば損切りとしてマイナスが確定しますし、持たないままでも年間利益が20万円以下なら税金計算の必要はないからです。

ただし仮想通貨の損失は次の年に繰り越せません。翌年の税金負担も、この年のマイナスで軽くできないことは個人投資家にとってネックでしょう。価格が上がる見込みがあれば持ち続けたいところですが、含み損があるまま年を越すと、次の年もプラスを望みづらくなるかもしれません。

ほかの雑所得の利益があって、相殺による税金の負担を減らすなら、ロールオーバーとして仮想通貨をマイナス利益のまま売ってしまうことも考えられます。以上から含み損と所得の関係により、年を越すときの投資戦略は分かれるでしょう。

仮想通貨の損失のタイミング

仮想通貨は持っている最中がマイナスでも、決済などが済まない限りは損失が確定せず、損益計算の対象になりません。売却により日本円をもらったり、ものにかえたときなどに損失が決まります。仮想通貨の損失が決まるときを考えましょう。

仮想通貨を円に戻した場合

含み損のある仮想通貨を取引所などで売って日本円をもらえば、その時点で損失確定です。取引所から日本円を出すタイミングは関係なく、Cryptaxなどの損益計算ツールなどでも、売ったことによる損失の事実が履歴に残ります。

重要なのは、日本円をもらった事実があるかです。日本国内の取引所では、ほとんどが「BTC/JPY」のように仮想通貨と日本円のペアを扱っています。そのため仮想通貨を売れば、日本円が返ってきて、買ったときよりも少ないことで損失が分かるしくみです。

別の仮想通貨に乗り換えるときも、含み損があったものを日本円払いで売った時点で損失確定と覚えましょう。

仮想通貨をものにかえた場合

仮想通貨で商品を買ったり、食事などの代金として決済を終えたりしたときも、損益が決まると覚えましょう。払った瞬間のレートで損益が決まるので、取引所で買ったときよりも仮想通貨が安くなっていたら損失確定です。

特にビットコインなどは普段のお金のように使える機能がありますが、価値が絶え間なく変動していて、確定申告でも雑所得への分類を受けている以上、税金となる可能性がある資産です。

買ったあとに価値が上がる含み益のある仮想通貨で、ネットショップの商品を買った場合は、利益確定につながります。仮想通貨による決済は、ビットコインなどを売って商品をもらう行為と同じとイメージしましょう。

多くの人は仮想通貨をスマートフォンなどのワンタッチで払えることから、電子マネー的な印象を持っているようですが、決済した時点で仮想通貨の損益が決まっていることに注意です。

仮想通貨を他の通貨とトレードした場合

仮想通貨同士のトレードでも利益や損失が確定します。ビットコインからリップルのように、仮想通貨を払って別の種類を購入する人もいるでしょう。しかし払った側の仮想通貨の損益はそこで確定し、買ったときよりも低ければ損失が決まります。

別の種類の仮想通貨への乗り換えは、ロールオーバーで用いる人もいるようです。市場景気が悪い種類から、将来性が高そうなものに買い替えることで前の損失を確定させるやり方があります。大きすぎた利益も抑えられ、節税効果を生むかもしれません。

仮想通貨同士の交換はBinanceなど、法定通貨を使えない取引所が主流です。こうした場所をよく使う人は、1種類目の仮想通貨の損益確定と、2種類目の経費を同時に受けるので、履歴データを押さえましょう。

仮想通貨取引にかかる税金

仮想通貨の取引で20万円を超える儲けを出したら、雑所得税がかかることを覚えましょう。しかし学生や主婦など家族の扶養対象に入っていたら33万円まで申告がいりません。

所得税自体はプラス収支の度合いにより最大45%ですが、これに住民税10%を足して55%まで税金を負担することもあります。特に100万円以上のような多額の収益を出している人は、期間内に税金を払えるように、お金の管理に気をつけましょう。

投資分野ではFXも雑所得に当てはまりますが、申告分離課税に入っているため、仮想通貨とセットでは損益計算できません。

仮想通貨取引で損失が出ている際の税金の注意点

仮想通貨を続けていると、プラスばかりでなくマイナス収支で一年を終えることもあるでしょう。そのときの税金の扱いにも注意すべきポイントがあります。確定申告に必要な計算や雑所得内での相殺など、マイナス収支に備えるべきことを4つにまとめました。

昨年度総平均法を採用した人は注意が必要

所得計算には移動平均法総平均法がありますが、使い分けに制限があることに要注意です。特に総平均法を採用したことで、仮想通貨市場のトレンドからかけ離れた計算結果が出るおそれがあります。2つの計算方法の違いを以下にまとめました。

所得計算方法
移動平均法仮想通貨の保有量が変わるたびに平均単価を計算し、損益を出す
総平均法一年における仮想通貨の平均単価から、年末時点の損益を出す

計算しやすいのは総平均法ですが、一年間関わった仮想通貨をひとまとめに計算しているため、実際の相場から外れた結果が出るおそれがあります。移動平均法は仮想通貨のレート変化や、保有数量の変化に配慮しているため、計算は細かいですが正確な値を出しやすいでしょう。

損益の計算方法は一度決めたら3年間は原則変えられないので、特に総平均法を採用するなら注意が必要です。

雑所得内で相殺することが可能

雑所得の仮想通貨は、同じジャンルの収益と相殺できます。アフィリエイト報酬やネットオークションの売却額、公的年金なども雑所得なので、仮想通貨で損をしたらそれぞれの利益から相殺でき、結果的に税金が減ることがあるでしょう。

しかしFX、不動産、先物取引などは、複数の投資分野で雑所得にあたりながら、仮想通貨の損益と相殺できない申告分離課税です。仮想通貨で損をしても、FXや不動産などで20万円を超えるプラスを出せば、確定申告が必要です。

申告分離課税の分野に手を出した結果、仮想通貨と収益が違いすぎて税金を重く感じるケースもあるので注意しましょう。

翌年度以降の税額を相対的に低く抑えられる

仮想通貨で損を出したときは、翌年の税額を低く抑えられる可能性があります。含み損で年を越すか越さないかにより、税金に対する心の持ち方が変わるかもしれません。

ビットコインなどを買った結果、マイナスで一年を終えても、そのぶんは翌年に繰り越せません。損失の確定申告への影響は、その年だけで終わります。しかし仮想通貨を売らないままだと、買ったときより価値が下がっていても含み損で終わり、年を越せば翌年の損益に影響を与えるでしょう。

翌年の税負担が苦しくなりそうなら含み損のある仮想通貨を売って、来年の利益を0から始められます。しかし当年に10万円の含み損があるまま年を越したあとで、価値が変わらないまま売ったとします。そこから30万円を超えるプラスを出さない限り、20万円超の純利益による確定申告は必要ありません。

自身の投資戦略や生活状況に合わせて、含み損を税額抑制に役立てられることもポイントです。

損失が出ているときでも正確な損失額を把握すべし

仮想通貨はプラスでもマイナスでも、正確な損失額をチェックしましょう。24時間365日にわたり相場が動き続けているので、売買や決済を行うたびに所持中の仮想通貨と価値を確かめることが大切です。

マイナスが出ていれば確定申告の必要がないことで、損失分を計算しない人もいるでしょう。しかし所得の種類は給与から、仮想通貨などの雑所得まで10種類です。ほかの所得の申告をするとき、仮想通貨で損をしすぎたことが原因で税金が払えない事態も起きるかもしれません

以上から仮想通貨のプラスやマイナスは定期的にチェックし、お金の管理を徹底することが重要です。

仮想通貨で損失が出た場合の税金 まとめ

仮想通貨は年間の損益がマイナスなら、確定申告の必要はありません。しかし持っている最中の含み損は損益計算に入らないなど、一定の注意が必要です。ほかの所得との兼ね合いもあるので、儲かっていても損をしていても計算や資産管理を忘れないことが大切です。

これから仮想通貨を始めるなら、所得のルールを把握しながら、損をしても生活に影響しない程度の予算で参加するよう努めましょう。

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