- 仮想通貨の税制は、法律が現状に追い付いていないという状況。
- 信頼できる税理士事務所を見つけることが、自分を守ることに繋がる。
- 仮想通貨の確定申告における費用は、今後大きく変わる可能性がある。
仮想通貨の税制は、まだ法整備が進んでいる最中です。法律が、現状に追い付いていないという状況です。しかし、だからこそ、確定申告は行う必要があります。
信頼できる税理士事務所を見つけて間違いない確定申告を行うことが、自分を守ることにもなります。
仮想通貨の確定申告が必要になる場合
給与所得者で確定申告が必要な方は以下の条件に該当します。
・給与収入だけで2000万円を超えている
・給与収入が1ヵ所で、副業の所得が20万円を超えている
・給与収入だが源泉徴収されていない
仮想通貨の利益が年間で20万円を超えている場合、上記の「副業の所得が20万円を超えている」場合に該当するため、確定申告が必要です。
また最初から確定申告を行う必要のある個人事業主や自営業の場合は副業の所得が20万円以下でも申告が要ります。
仮想通貨で確定申告が必要となるタイミングは仮想通貨を売却したり、仮想通貨を使って商品購入したり、他の仮想通貨と交換した場合に起こります。その一方で仮想通貨を保有し続けている場合は確定申告の必要がありません。
確定申告は雑所得で申請
国税庁の発表で仮想通貨は雑所得として取り扱われることが決定しました。
雑所得の場合は他の所得区分と合算して総所得金額を求められ、所得が増加すればするほど税率も高くなる累進課税制度の総合課税が適用されます。株やFXのように一律20%程度の税率で定められている申告分離課税ではありません。
また雑所得には損益通算ができないというデメリットがあります。他所得と損益通算ができず、翌年への損失の繰越ができないということです。
例えば昨年に100万円の損失、今年に100万円の利益が出たとしても、昨年度の赤字分は今年度で相殺されず納付する税金を減額することができません。雑所得の場合は同年の雑所得内でしか損益通算できないのです。
所得税の累進課税率
所得税の累進課税率は以下の通りです。
個人で4000万円以上の収入を得た場合は45%もの所得税が課せられます。そのため仮想通貨収入で大金を得る可能性のある場合は、法人として運用することを推奨します。
法人だと最高実効税率が35%程度のため、税率を大きく下げられるかもしれません。
所得金額の計算方法
仮想通貨においての所得金額の計算方法は、国税庁の発表する「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を参照されることを推奨します。
仮想通貨の売却や商品購入、仮想通貨同士の交換等、仮想通貨で利益を得るさまざまな場合に応じて計算方法が詳しくまとめられています。
仮想通貨の確定申告を税理士に依頼する時のポイント
仮想通貨の入金・出金明細書を用意
仮想通貨購入に日本円を入金した際の明細書や、仮想通貨を売却し日本円を出金した際の明細書を用意します。各取引所の取引履歴を確認する際に使用されます。
取引履歴の記録をとる
仮想通貨の所得金額の算出には、取引日・売却額・売却枚数の数値が必要です。
この数値は各取引所の管理画面から確認することができます。しかし前もって取引履歴やウォレットページを印刷し、CSV形式で出力しておくことをオススメします。万が一にも取引所が倒産してしまった場合に数値が確認できなくなる恐れがあるからです。
FXやアフィリエイトに詳しい税理士に依頼
仮想通貨の確定申告で税理士に依頼する場合は、FXやアフィリエイトの税務に詳しい税理士にお願いするのが得策です。
現状では仮想通貨の確定申告を積極的に行う税理士はまだ少数派で、多くの税理士は確定申告前の繁忙期にわざわざ計算の複雑な仮想通貨の仕事を引き受けたくないという事情があると伺います。
一方でFXやアフィリエイトの確定申告に従事する税理士は仮想通貨にも対応しているケースが多いようです。
仮想通貨に強い税理士事務所8選
大見税理士事務所
所在地:東京都大田区南雪谷
https://omi-zeirishijimusho.com/
おすすめの理由
仮想通貨の税務に特化した税理士事務所です。2018年1月に仮想通貨の確定申告セミナーを行うなど、業界をリードする存在として積極的に行動しています。思わぬ大金を手にしてしまい、どうしていいか分からなくなった20代、30代のサラリーマンからの相談が増えているようです。
税理士しか行えない「書面添付制度」を仮想通貨の確定申告に利用することで税務署からの税務調査を省略したり、法人化することで節税するなど、素人では思いつかない提案を行っています。
費用の目安
雑所得額によって、下記の料金が目安となります。
20万円~100万円未満 → 50,000円~74,000円
100万円~1,000万円未満 → 74,000~159,000円
1,000万円以上 → 159,000円~
谷口孔陛税理士事務所
所在地:東京都千代田区九段南
https://www.kh-tax.com/
おすすめの理由
自らを「めがね税理士」と名乗り、サイトやブログから親しみやすい人柄がにじみ出ています。実際に利用した人からも、ブログ等を見て相談しやすかったとの声が多く寄せられています。
自身も仮想通貨取引を行っており、2018年1月のコインチェック事件では、当事者になったようです。この事件の賠償金に対する税制上の論理展開も、しっかり説明されています。
費用の目安>
単発ご相談プラン
50分 7,900円
以降30分ごとに5,000円
税理士事務所フォークライアン
所在地:大阪市中央区博労町
http://for-client.com/index.html
おすすめの理由
仮想通貨に関する税制は、未だ法整備が追い付いていない状況です。税理士事務所も、本音は「よく分からないからやりたくない」というところが多いようです。
しかしフォークライアンは、「通常の税理士が嫌がる案件全てうけます。」ということを明確に打ち出しています。また、「インターネット事業に精通」していることも、フォークライアンの「売り」です。
事務所は大阪ですが、近畿一円を中心に全国対応しています。
費用の目安>
複数のプランが用意され、それぞれを組み合わせて顧問契約を行います。
・ノウハウ料 月10,000円~
・入力料 月10,000円~
・訪問量 月5,000円~
・決算料 75,000円~
戸村涼子税理士事務所
所在地:神奈川県横浜市西区平沼
http://tomurazeirishi.com/
おすすめの理由
仮想通貨の確定申告を自分で行うためのサポートを受けられます。また、計算した内容のチェックを行ってもらうこともできます。確定申告を税理士に依頼すると高額の費用が掛かりますが、確定申告のサポートのみを依頼することで、少ない費用で確定申告を行うことができます。
サラリーマンの場合20万円以上の利益があれば確定申告が必要ですが、税理士に報酬を支払うと、利益がほとんど消えてしまうことになりかねません。だからといって、確定申告を行わなければ脱税の罪に問われることもあります。
できるだけ費用をかけずに確定申告を行いたい場合や、自分が作成した確定申告書類のチェックをしてもらいたい場合などに、適した税理士事務所です。
費用の目安
1コマ 60分 28,080円
(3コマ以上で割引あり)
税理士法人SUN
所在地:愛知県名古屋市中区大須
http://sun-tax.or.jp/
おすすめの理由
クライアントと共に成長する、パートナー型の税理士法人です。地域密着型で、コミュニケーションを重視しています。弁護士や司法書士、社会保険労務士などの士業を中心としたネットワークを構築しています。
仮想通貨については、ブログの中で確定申告について分かりやすく解説されています。
費用の目安
決算報酬 100,000円~
札幌のやさしい税理士事務所
所在地:北海道札幌市中央区南9条西
https://tax8341.com/
おすすめの理由
会社設立・創業融資・起業支援の専門家として活躍しています。仮想通貨に関する確定申告にも対応していますが、『法律にないものを「これで大丈夫」と言い切る』のは、『リスクが高い』とも述べられています。
ただ、仮想通貨に関する税制を理解するために自分でも口座を開設して取り引きしてみるなど、真正面から向き合う姿勢が見られます。
費用の目安
個人の確定申告の料金は、雑所得の金額によって以下の料金が目安となります。
100万円未満 84,000円
300万円未満 126,000円
500万円未満 168,000円
750万円未満 210,000円
1000万円未満 252,000円
1000万円以上 別途相談
税理士相談サポート福岡
所在地:福岡市中央区天神
https://miyagawa-kaikei.jp/
おすすめの理由
一般社団法人日本仮想通貨税務協会(JCTA)による認定仮想通貨税理士に登録されています。仮想通貨に関する確定申告、税務会計処理の専門能力を向上するとともに、ネットワークを通じた情報発信を行っています。
法人での仮想通貨の会計処理にも精通しています、
費用の目安
初回無料(50分)の無料カウンセリングを行っています。見積りまでは、料金がかかりません。
Guardian
所在地:東京都新宿区西新宿6丁目15-1
https://www.aerial-p.com/guardian
おすすめの理由
仮想通貨に精通した税理士を紹介してもらえるサービスです。仮想通貨に関する税制だけに特化しています。
基本的に、メールでの対応となります。対面での対応を希望する場合は、別途料金が必要となります。
仮想通貨の損益計算ツール「G-tax」の提供も行っており、「G-tax」の利用は無料でできます。
費用の目安
確定申告のサポート 49,800円~
仮想通貨で確定申告が必要になる場合
仮想通貨で確定申告が必要となるのは、主に次の3つのパターンです。
・給与所得を得ており、1年に20万円以上の利益が発生した場合
・家族の扶養に入っており、1年に33万円以上の利益が発生した場合
・フリーランス、個人事業主の場合
しかし、仮想通貨のトレードを頻繁にしており、さらに海外の取引所を利用したりしていたりすると、確定申告はとても大変な作業になります。
そして、悪意がなくても誤った確定申告をしていると、最悪の場合「無申告加算税」や「重加算税」が上乗せされる場合もあります。
多少の費用が掛かったとしても、信頼できる税理士を見つけ、相談しながら確定申告を進めていくことが、自分を守ることにもつながります。
おおよその税理士相談費用は?
仮想通貨の確定申告における費用は、まだ「相場」というものが出来上がっていません。税理士事務所によって、また所得金額によって、大きく変わってくることもあります。
最低でも5~10万円くらいを見ておけばよいと思いますが、初回の相談だけは無料という事務所も多くあります。まずは無料の相談を行い、信頼できる税理士事務所を見つけるという方法もあります。
税理士事務所まとめ
確定申告の期間は、約1か月間です。そのときになって慌てても、仮想通貨の損益計算は複雑です。日ごろからしっかりと管理することが重要ですが、頼りになる税理士事務所を見つけることも重要です。
今後も、仮想通貨に関する税制は次々に新たな展開を迎えます。そんな時、頼りになる税理士事務所がいてくれたら、とても心強いことです。