- イーサリアムクラシックとイーサリアムの違いを紹介
- イーサリアムクラシックの2020年の高騰はハードフォークなどが要因
- アップデートや経済援助などから将来性を高く評価できる
2020年のイーサリアムクラシック高騰が気になる方もいるでしょう。この記事でイーサリアムとの違いを踏まえつつ、今回および過去の高騰理由などを解説します。これを読めばイーサリアムクラシックの全体像や現況を学べるでしょう。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) とは?
イーサリアムクラシックとは、イーサリアムのハードフォークをきっかけとし、2016年7月に生まれた仮想通貨です。
本家のイーサリアムThe DAO事件によるハードフォークの際に、分散管理にこだわるコミュニティが反発して、昔の本家のブロックチェーンを使い続けると決めた結果、イーサリアムクラシックが誕生しました。
The DAOはイーサリアムを使った投資プラットフォームですが、ハッキングによる通貨流出事件を起こしています。ハッキングをなかったことにするためのハードフォークでイーサリアムは新しいブロックチェーンとともに活動を再開しました。
イーサリアム (Ethereum/ETH) との違いは?
イーサリアムは非中央集権型の仮想通貨という表向きです。しかし、The DAO事件ではヴィタリック・ブテリンら開発者の意向が強い状態でハードフォークを行うなど、中央集権型のような動向もしばしば見られます。
ハードフォーク以外でも開発者の意向次第で、勝手に取引をなかったことにするなどのトラブルが起きる可能性も少なからずあります。
イーサリアムクラシックはそのリスクを排除するために、本家イーサリアムの旧ブロックチェーンを引き継ぐ形で誕生しました。コードだけに従う形で合意するタイプで、本家よりも分散管理的なイメージが強い体質です。
以上からイーサリアムとイーサリアムクラシックには似て非なる性質があります。
2020年のイーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) 高騰要因
2020年1月中旬からイーサリアムクラシックの高騰が話題になっており、特に1月14〜17日、26〜30日の価格上昇が顕著です。今回の高騰における背景を紹介しますので、以下を読んで今後の投資判断に役立てましょう。
BINANCE (バイナンス) がイーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) の先物サービスを発表
2020年1月15日にBINANCEがイーサリアムクラシックを先物取引に採用すると発表しました。通貨ペアは米ドルとリンクした仮想通貨で話題のテザーとの組み合わせのみですが、最大レバレッジは75倍です。
発表前日14日の終値はCoincheckのチャートで742.9円でしたが、17日の最高値は1,317.32円と約77%の上昇率です。もともと14日からは後述のハードフォークの影響で価格上昇が始まっており、BINANCEの発表と二重の要素で高騰したとも考えられます。
ハードフォークを実施
BINANCEによる先物取引の商品としての採用前に、イーサリアムクラシックは1月13日にハードフォークを実施しています。この目的はイーサリアムとの互換性を高めることです。
ブロックチェーン上における2種類の通貨同士の連携により、データ処理の高速化やお互いの使いやすさが狙えます。The DAO事件で分裂した2つの通貨が歩み寄るニュースを印象的に感じた人もいるでしょう。
ハードフォーク当日の終値は597.23円でしたが、翌日には766.42円と約30%の上昇率を記録しています。
大型アップグレード「アガルタ」の完了
イーサリアムクラシックの大型アップグレードである「アガルタ」の完了も需要増加につながっているようです。アガルタは1月上旬に完結しており、これによりイーサリアムブロックチェーンとの互換性が高まっています。
ほかの仮想通貨との提携力が高まっていることで、使いやすさを判断した投資家の需要が高まり、価格上昇につながっているのでしょう。BINANCEの発表やハードフォークと相まってクラシック版への求心力が上がっていると考えられます。
ETCハッシュレートの上昇
イーサリアムクラシックではハッシュレートの上昇も求心力アップの背景に挙がります。ハッシュレートとは仮想通貨の市場動向を示す指標で、マイニングなどの取引承認作業が終わるまでのスピードを数値化したものです。
2020年明けからイーサリアムクラシックのハッシュレート上昇が本格化しており、取引をスムーズに行いやすいとみた大口投資家の注目を受けた可能性があります。このように仮想通貨の値動きだけでなく、ハッシュレートのデータを調べることも投資では大切です。
今後もイーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) の高騰はある?
2020年の高騰の勢いを見たことで、今後それ以上の高騰が起きるか気になる人もいるでしょう。今後の価格予測に重要なイーサリアムクラシックに関する情報をまとめました。以下の3つを参考に、売買のタイミングを判断しましょう。
今後も予定されているアップデート
イーサリアムクラシックは最近アガルタというアップデートを終えたばかりですが、今後も別のプログラムを控えています。フェニックスという新システムの実装と、アストランというイーサリアムクラシック最大のアップデートです。
フェニックスはアストランがスムーズに行えるようにシステムを整備するもので、アストランで本家イーサリアムのメインネットとの互換性をさらに向上させます。アストランの予定は2020年3月末で、うまくいけば価格の爆発的上昇も考えられます。
米グレースケールがETC関連の公共団体ECCに経済的な援助期間を2年延長
アメリカの大手投資会社であるグレースケールは2020年1月に、イーサリアムクラシックの公共団体であるECCのサポートを2年延ばすと明かしました。今回の決定により、2022年の4月までは経済的な援助が決まっています。
援助内容はグレースケールが提供中である、イーサリアムクラシック関連投資信託の手数料から3分の1をECCに与えるものです。グレースケールの協力により、少なくとも今後2年はほかのポジティブなニュースによる価格上昇の可能性が見込めるでしょう。
SDK配布
SDKとはイーサリアムの開発環境や手順などをまとめたパッケージツールです。イーサリアムクラシックが2018年7月にリリースを発表しており、今後のSDKの動向次第で需要が高まることも考えられます。
SDKにより仮想通貨開発の方法も学びやすくなるため、イーサリアム系仮想通貨のシステム性能向上にも役立ちそうです。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) 過去の高騰理由
イーサリアムクラシックは2020年に限らず、過去に何度も高騰を見せています。代表的な事例とその背景を解説するので、今後似たような出来事が起きたときの参考としましょう。
ハードフォークと半減期
2017年11月28日にもイーサリアムクラシックの価格は高騰しています。この時期はもともと上昇トレンドにありましたが、11月下旬における価格の伸びが特に目立ちました。
このときは12月にはハードフォークを控え、発行枚数の上限と半減期を設定する予定が決まったことから、イーサリアムクラシックへの買い注文が殺到したようです。ハードフォーク後の期待感とその前の駆け込み需要という2つの投資家心理が考えられます。
イーサリアムの価格上昇に大きく影響する
もともとイーサリアムクラシックは、本家のイーサリアムの価格アップにつられて高騰するケースがあります。

こちらが最近のイーサリアムにおける日足チャートです。2020年1月にイーサリアムクラシックが高騰したとき、本家のイーサリアムでも1月14日の高騰を皮切りに17日まで上昇が続きました。1月26~30日でも値上がりが集中するなど、イーサリアムクラシックと値動きが似る傾向です。
イーサリアムクラシックの価格が急変動したら、イーサリアムの方でも似たような値動きがないかチェックしましょう。
開発者が参加するサミットによる期待
2017年11月13~14日にも価格の伸びが目立ちました。この2日間に行われたサミットにイーサリアムクラシック開発者のチャールズ・ホスキンソンと中国大手マイニンググループの「ViaBTC」のCEOであるジハンウーが参加しています。
当時のサミットでは発行上限枚数の設定および新しい半減期の発表があり、サミットの内容に興味を示した投資家によりイーサリアムクラシックの買い注文が殺到したと考えられます。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) のおすすめ取引所 | 高騰する前に買いたい
今後のイーサリアムクラシックの高騰に乗って利益を得たい人のために、おすすめの取引所を3カ所紹介します。以下の情報を参考に、自身が使いやすいと思った取引所を選びましょう。
1位 Coincheck (コインチェック)
Coincheckは2018年にマネックスグループに入って以来、セキュリティなどの体制強化が目立ち、注目度が上がっています。
入出金や取引などの手数料は一切無料で、画面の見やすさが特徴的です。スマートフォンアプリも使いやすいので、初心者が取り組みやすい場所です。Coincheckを使えば、販売所でイーサリアムクラシックを簡単な手順で買えます。
2位 bitFlyer (ビットフライヤー)
bitFlyerは日本トップクラスのビットコイン取引高を誇ります。2017年にアメリカ、2018年にはEUにも進出しており、海外への事業展開にも積極的です。
イーサリアムクラシックがほしくなったときも、bitFlyerなら安心して購入や管理ができます。
3位 DMM Bitcoin (DMM ビットコイン)
DMMビットコインはECコマース大手であるDMMグループの運営です。優秀なセキュリティで初めて取引所に登録する人でも安心して使えます。
DMMビットコインではイーサリアムクラシックを仮想通貨FXというレバレッジ形式で買えます。入出金やレバレッジでの新規・決済注文に手数料がかからないことも心強いでしょう。
高騰するイーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) を保管するウォレットおすすめ
イーサリアムクラシック購入後の管理も大切です。おすすめはハードウェアウォレットであり、近年問題の仮想通貨取引所のなどへのハッキング対策にも役立ちます。イーサリアムクラシックに使えるおすすめのウォレットを3つまとめました。
Ledger Nano S
Ledger Nano Sはハードウェアウォレットの一種で、イーサリアムクラシックをはじめ27種類もの仮想通貨を受け入れられます。オフライン管理ができるので、ハッカーの手が及びません。ただし実物を盗まれたり失くしたりしないように一定の注意は必要です。
イーサリアムクラシック以外にほしい仮想通貨が出たときに備える意味でも、手に取ってみたい一品です。
Trezor
Trezorはハードウェアウォレットのひとつであり、国内で買える仮想通貨の大部分を収められることが特徴です。セキュリティも優秀で、安心して持ち運べます。出先でパソコンにつなげてのウォレット管理もできるなど柔軟に使えます。
最新型のTrezor Model Tでは新しくリップルなどにも対応が可能です。後述のMy Ether Walletでイーサリアム系仮想通貨のほとんどを受け入れられるなど用途の幅広さで人気があります。
MyEtherWallet
MyEtherWalletはイーサリアム系仮想通貨である「ERC20トークン」専用のウォレットです。同系の仮想通貨を集めたい人におすすめです。
イーサリアムクラシックに限らず、イーサリアム系仮想通貨はICOなどにも積極的に使われるので、そのイベントに興味がある人にも要注目の一品でしょう。日本語対応であり、ユーザー自身の端末に秘密鍵をとどめてハッキングを防止できるなど、多くのメリットが特徴です。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) 高騰まとめ
イーサリアムクラシックはイーサリアムからのハードフォークをきっかけに、本家の旧ブロックチェーンを受け継いで生まれました。アップデートやハードフォークなどの話題で価格高騰を繰り返しているため、今後の利益狙いにも期待できます。
本家イーサリアムの動向に相場がつられやすいので、今後の情報や本家の値動きを見極めながら投資を判断しましょう。