イーサリアム2.0のステーキングに参加する方法や代行サービスを解説

編集:
橋爪 塁成 (Ruisei Hashizume)

イーサリアム2.0ステーキングとは

イーサリアム2.0のステーキングとは、イーサ (ETH) をブロックチェーン上に預け入れることでブロックの生成を行い報酬を得る仕組みのことです。現行のイーサリアムではこのブロック生成の役割をマイニングが担っていました。しかしマイニングは環境への負荷が高いため、イーサリアム2.0ではマイニングが終了し、ステーキングへと移行することが予定されています。

イーサリアム2.0とは

イーサリアムの大型アップグレード「イーサリアム2.0」では、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSへと変更されます。これは現行のイーサリアムが抱えている、大量の電力を消費する問題を解決するものです。

PoWベースのブロックチェーンが大量の電力を消費する理由は、ブロックを生成するために膨大な回数の演算を行う必要があることです。PoSのブロック生成では、PoWのような膨大な回数の演算は行われません。

PoSでは一定量以上のイーサ (ETH) をステークした人が、ブロック生成を行う「バリデーター」となれます。バリデーターがネットワークを攻撃した場合、預けたイーサ (ETH) が失われて攻撃者自身の資産が失われます。経済的損失を与えるしくみによって、ネットワークの安全を保っているのです。

ステーキングで得られる報酬

2021年6月現在、ステーキングによって得られる報酬は年率6.57%です。たとえば32ETHを預けて1つのバリデーターを実行した場合、1年後に約2.1ETH増えて約34.1ETHになります。

ただしこの年率は、ビーコンチェーンにステークされるイーサ (ETH) の量が増えれば増えるほど減少します。なぜならネットワークのバリデーター数が増えることで、実際にブロック生成作業を実行できる回数が減るからです。

現時点でのステーキング報酬年率を確認したい場合は、「ETH 2 Calculatorで計算できます。

ステーキングできるのは32ETHから

イーサリアムでバリデーターを実行するには、1バリデーターあたり32ETHが必要です。1人で複数のバリデーターを実行することも可能ですが、各バリデーターで32ETHの入金が求められます。32ETHは2021年6月のレートで約1,000万円前後と、ステーキングに参加するには大金が必要です。

ただし所有しているイーサ (ETH) が32ETH未満でも、海外取引所やその他が提供するステーキング代行サービスを利用することでステーキングプールに参加できます。ステーキングプールとは、プールの参加者と協力してステーキングを行い、プールの貢献度に応じて報酬を得られるサービスです。

イーサリアム2.0ステーキングの方法

イーサリアムでステーキングを自ら実行するには、次のものを準備しましょう。

  • コンピュータ
  • Eth1 クライアント
  • Eth2 クライアント
  • 32ETHの保証金

「Eth1クライアント」は現行のイーサリアムブロックチェーンを実行するためのソフトであり、GethやOpenEthreumなどがあります。「Eth2 クライアント」はビーコンチェーンを実行するためのソフトウェアで、代表的なのはTekuやPrismなどです。どちらもインターネット上から無料でダウンロードできます。

現行のイーサリアムブロックチェーンのサイズは非常に大きいため、コンピューターには十分なストレージ容量が必要になるでしょう。詳しくは、インストールするクライアントソフトウェアの要件を確認してください。

またバリデーターを実行するときは、基本的にコンピューターを24時間アクティブにする必要があるため、コンピューターを動かすのに適した環境も用意しましょう。

上記を準備したら、32ETHをデポジットスマートコントラクトへ入金します。ステーキングは「Eth2 Launchpad」から行えます。

続いてコンピューターにプログラムをセットアップし、バリデーターノードを実行しましょう。この手順を実行すると、ブロック生成が行えるようになります。セットアップ手順は以下のとおりです。

  1. Eth1クライアントを構成する
  2. Eth2クライアントを構成する
  3. Eth2バリデータークライアントの実行

なおローンチパッドで作成した「アカウント」は、上記の手順3でインポートを行うときに使用します。

ステーキングのリスク

自らステーキングに参加するとき、次の3つのリスクがあります。

  • 預けたイーサ (ETH) は数年間引き出せない
  • 預けたイーサ (ETH) が減額される可能性がある
  • ネットワークが初期段階のため、バグがある可能性がある

預けたイーサ (ETH) は、イーサリアム2.0のアップデートが完了するまで引き出せません。イーサリアム2.0へのアップデートは1~2年かかるとされており、その間は他のアドレスへ送金することは不可能です。

またバリデーターは基本的に24時間実行する必要があり、オフラインになるとステークしたイーサ (ETH) が減少するペナルティがあります。

またビーコンチェーンやEth2クライアントソフトウェアは初期段階にあり、バグが発生する可能性があります。バグによって預けけたイーサ (ETH) が減ってしまう可能性があることを知っておきましょう。

ステーキング代行サービスでステーキングに参加する方法

海外取引所のステーキング代行サービス

海外取引所のステーキング代行サービスとは、海外取引所へイーサ (ETH) を預けることにより、間接的にイーサリアムのステーキングに参加する方法です。実際にバリデーターとなるのは取引所です。取引所は得られたステーキング報酬から手数料を差し引き、ユーザーに分配します。

取引所のステーキング代行サービスを使用するメリットは、次の3つです。

  • イーサ (ETH) の保有数が32ETH未満でも参加できる
  • パソコンの用意やプログラムの知識が不要
  • 元本割れしない

取引所によって異なりますが、0.1ETHほどからステーキングに参加できます。32ETHを用意しなくていいので、参加のハードルが大幅に下がるでしょう。またコンピューターを用意したり、プログラムをインストールしたりする必要がありません。ハードウェアへの投資やプログラムの知識が不要なので、技術者以外の方も参加できます。

バリデータを自ら実行するときは、ペナルティを受けることにより預けたイーサ (ETH) が目減りするリスクがあります。ですが取引所がそのリスクを背負ってくれるため、元本が割れる心配がなく安心です。

ステーキングサービスを提供している取引所は、BINANCEやHuobi Global、OKEx、Kraken、Coinbaseなどがあります。共通しているのは以下の2点です。

  • 得られる年利はほぼ同じ
  • ステーキングに参加するとトークンが配布される

得られる年利が同じなのは、直接イーサリアムへステーキングしたときに得られる年利がすべて共通だからです。

取引所を通してステーキングに参加すると、BINANCEやHuobi Glbal、OKExでは「BETH (Beacon ETH)」というトークンが、 Krakenでは「ETH2.S」、Coinbaseでは「ETH2」という名称のトークンが配られます。

配布されたトークンは、各取引所が提供する現物取引市場でイーサ (ETH) と交換可能です。ただしCoinbaseは2021年6月現在、引き換えたトークンの現物取引市場は作成されていません。

上記の中でも特徴的な仕様をもつのは、BINANCEのステーキングサービスです。特徴は以下の3つです。

  • 0.0001ETHから参加できる
  • 配布されたBETHをBINANCEの他のサービスで利用できる
  • 配布されたBETHをバイナンスブロックチェーン上のDeFiで利用できる

他の取引所が最小ステーキング数量を0.1ETHに設定しているなか、BINANCEではわずか0.0001ETHです。ほんの少額しかイーサ (ETH) を保有していない方でも、参加可能です。

またBINANCEがステークしたイーサ (ETH) と1:1の割合で配布するBETHは、現物取引市場でイーサ (ETH) と交換する以外の利用方法があります。たとえば、BINANCEが提供する「流動性スワップ」や「ローンチプール」というサービスに入金することで、利子や他のトークンを得ることが可能です。BINANCEのBETHは出金に対応しているため、バイナンススマートチェーン上のDeFiに利用し、手数料を稼ぐことができます。

BETHをそのまま保有していても構いません。BINANCEでは、ユーザーが保有するBETHの量に応じてステーキング報酬をBETHの形で支払います。イーサリアムネットワークのアップグレードが完了すると、1:1の割合でBETHをイーサ (ETH) に交換します[1]

BINANCE公式サイトバイナンスステーキング - ETH2.0,2021年6月8日参照

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取引所以外のステーキング代行サービス

取引所ではなく、DeFi (分散型金融) を利用することでもステーキングに参加できます。ただしDeFiは、仮想通貨取引の上級者でないと利用するのは難しいでしょう。

DeFiとはイーサリアムのブロックチェーン上に構築されたDAppsのうち、主に金融サービスを提供するものを指します。人によって運営される取引所とは異なり、プログラムで自動実行される点が特徴です。

作成されたプログラムにバグがあると預けた資金が盗まれてしまいますので、利用するDeFiのプログラムが監査されているかユーザー自身で調べる必要があるでしょう。またDeFiを利用するには、「MetaMask」などのイーサリアムウォレットが必要です。

DeFiの例をひとつあげて説明します。イーサリアムステーキングサービスを提供するDeFi「Lido」では、ステークした代替トークンとして「stETH」が配布されます。stETHをそのまま保有していても問題ありませんが、「CURVE」や「Uniswap」といったイーサリアム上のDeFiでの利用も可能です。

イーサリアム2.0のステーキングまとめ

イーサリアム2.0のステーキングについてまとめると、以下のとおりです。

  • ステーキングとは、ビーコンチェーンのバリデーターとなってブロック生成を行い報酬をもらう行為のこと
  • バリデーターになるにはコンピューターと32ETHを準備し、プログラムを設定する必要がある
  • ステーキング代行サービスを利用することでかんたんにステーキングに参加可能

実際にバリデーターとなってステーキングに参加するのは難易度が高いです。ですがステーキング代行サービスを利用することで、保有量が32ETH未満であったり、コンピューターの知識がなかったりする方も参加可能になるでしょう。ステーキングサービスに参加したい方は、ぜひ海外取引所をチェックしてみてください。

情報ソース・引用元一覧

1

BINANCE公式サイトバイナンスステーキング - ETH2.0,2021年6月8日参照