- ファクトムは本来仮想通貨ではなく、ブロックチェーン技術によるデータ管理プラットフォームの名称
- ビル・ゲイツ財団から約8億円の出資を受けるなど、提携先が豊富
- 日本ではCoincheckで購入可能
日本ではあまり知られていないファクトムですが、世界的には人気であり、将来性が見込まれています。本記事では、ファクトムを運用したい人のために、それがどんな仮想通貨で、どんなメリットがあるかなどを紹介します。
本記事を読むことで、ファクトムを買う前に知っておくべき大切な情報がわかります。
仮想通貨の2020年・2021年相場予想
ファクトム (FCT/Factom) とは
ファクトムの基本的な情報を紹介します。
ファクトム (FCT/Factom) の基本情報
ファクトムは2015年にアメリカから公開された仮想通貨です。実際は投資対象の通貨としてではなく、データ管理用プラットフォームとして機能しています。ファクトムのメイン機能はドキュメントなどのデータを管理する機能であり、データが存在した時刻を正確に証明できる能力があります。
ファクトムはビットコイン2.0という系統に属しており、ビットコインベースのブロックチェーン技術を活かし様々な用途に役立つと考えられています。
ファクトム (FCT/Factom) の通貨名称について
ファクトムは仮想通貨市場にそのままの名前で流通しておりますが、正確には仮想通貨名ではなく、運用プラットフォームを指した名称です。通貨としては「Factoid (ファクトイド)」が正式です。
しかし実際は、仮想通貨市場でもファクトムと呼ばれることがほとんどです。現在は多くの仮想通貨取引所で「FCT」や「ファクトム」という呼称で売買できます。
ファクトム (FCT/Factom) の開発者は?
ファクトムを開発したのは「Factom Inc.」というアメリカ・テキサス州の企業です。2014年にプロジェクトが発足され、2017年には800万ドル超え (約8億7,000万円)の資金調達に成功し話題になっています。
調達資金のなかには、アメリカのアウトレット販売サイトで有名な「Overstock」グループの出資分も含まれています。
ファクトムの開発や運用から通貨の発行は、Factom Inc内のFactomプロジェクトチームが一手に引き受けています。
ファクトム (FCT/Factom) はなぜ開発された?
ファクトムの開発目的は、ブロックチェーンを利用し、証券証書や貸付記録、登記簿など重要な取引情報を記録するためです。
しかし、データ量が毎日積み重なり、管理するだけでコストがかさむという難点もありました。また、金融機関などから顧客情報のデータ漏れもたびたびニュースになっており、防ぐ手立てが求められていました。
ファクトムがビジネス現場で実用されることにより、ブロックチェーンで世界中どこでもパソコンひとつで管理できるようになります。いわゆる「分散管理」です。低コストかつ強固なセキュリティを設けているため、管理体制の簡易化および強化を実現できるそうです。
ファクトム (FCT/Factom) の仕組み
ファクトムの仕組みにはM2、Factoid、Entry Creditが重要部分を占めています。
M2
M2はファクトム独自のブロックチェーンであり、ビットコインに限らずイーサリアムのブロックチェーンとも記録シェアが可能です。
ブロックチェーンに記録されたデータ量がかさむと、ファクトムへのアクセスや取引に時間がかかりやすくなります。しかし、ビットコインやイーサリアムのブロックチェーンに記録を分散すれば、それぞれの容量の空きが守られ、負担が減ります。
FactoidとEntry Credit
ファクトムには「Factoid」と「Entry Credit」という2種類のトークンがあります。Factoidはファクトムの仮想通貨であり、Entry Creditはファクトムへのアクセス代として使われるトークンです。
Entry Creditという独自のトークンを手数料として扱うことで、不正取引やハッキングのリスクを抑えています。それだけでなく、利用料も上下しないようにマネジメントできます。
ファクトム (FCT/Factom) はマイニングできない
ファクトムはFactom.Inkが中央管理しているため、マイニングができません。ほかの仮想通貨では中央管理する組織がなく、選ばれたユーザーが取引を承認するためのデータ計算処理を行うマイニングを行っています。
しかしファクトムの取引を承認しているのは、Factom.Inkです。仮想通貨の一社管理はほかにリップルも採用しています。中央集権組織の存在は効率よく取引データを処理できるなどのメリットがありますが、権利濫用によるトラブルを懸念する声もあるようです。
ファクトム (FCT/Factom) の価格
現在のファクトムの価格や取引ポイントについて解説します。
ファクトム (FCT/Factom) の最新価格・相場・チャート
こちらが現在のファクトムのチャートです。 2019年5月28日まで900円超えを記録していましたが、7月下旬まで段々と価格が安くなり、27日時点では400円台前半を推移しています。
時価総額は約41億円であり、仮想通貨全体では122位です。
ファクトム (FCT/Factom) の取引のポイント
ファクトムはビットコイン市場の動きにつられる傾向があります。ファクトムは「ビットコイン2.0」と呼ばれるほどビットコインとのつながりが強いです。
2017年末にビットコインが200万円超えの相場を果たしたとき、ファクトムも一時は1万円を超えました。しかし翌年はビットコインの暴落に合わせるようにファクトムも値下がりしています。
しかし、2018年11月中旬から12月初頭にかけては、ビットコインは40万円台から30万円台後半に値下がり傾向だったのに対し、ファクトムは最高40%の値上がりをしています。ビットコインとファクトム両方の動向に注目するのがポイントでしょう。
ファクトム(FCT/Factom) に投資をするメリット
ファクトムには書類管理を簡単にできる、ビル・ゲイツ財団からの出資など4つのメリットがあります。
メリット1 書類をブロックチェーン上で管理する
ファクトムではブロックチェーンを使って土地、保険、契約などの重要書類を管理できます。書類を管理していると、どこにしまったかわからなくなったり、紛失してしまうことがあります。
ブロックチェーン上で書類管理できれば、すぐに目当てのものを取り出せるでしょう。セキュリティ管理が厳重なので盗難や漏洩などのリスクも押さえられます。
メリット2 ビル・ゲイツ財団などから約8億円の出資を受けている
ファクトムはビル・ゲイツ財団の資金協力を得ており、その額は約8億円です。
ビル・ゲイツ財団の協力を得て、ファクトムは住宅ローンのデータ管理システムの開発に尽力しているとの情報もあります。
ほかにもホンジュラス政府や多数のベンチャープロジェクトなど、提携している機関の数は多く、ラインナップも充実しています。
メリット3 ファクトムハーモニーやdLocなどの独自の機能
ファクトムには、「ファクトムハーモニー」と「dLoc」というと2つの機能があります。
ファクトムハーモニー
ファクトムハーモニーは、アメリカの住宅ローンデータをブロックチェーンで手軽に管理するシステムです。
住宅ローン契約に関する取引情報をブロックチェーンに記録することで、管理の手間をある程度省くことができます。アメリカでは住宅ローンデータ管理に毎年5兆ページが使われているとされ、ブロックチェーン利用によるコスト削減も期待されている状況です。
dLoc
dLocは、QRコードやバーコードを認識するだけで重要書類をピックアップできるシステムです。
たとえば医療現場なら、患者の診察情報などが書かれたカルテをすぐに引き出せます。医療現場でも多くのカルテを所蔵していると、どの患者の診察情報をどこにしまったか忘れたり、失くしてしまうなどのトラブルも考えられます。ファクトムのブロックチェーンを使えば、特定の患者のカルテを探す手間も省け、すぐに適切な処方を患者に施せます。
メリット4 ビットコイン (Bitcoin/BTC)の機能を拡張するレイヤーを活用
ファクトムのプラットフォームは、ビットコインの機能を拡張するレイヤー (データ層)を利用しています。
ビットコインは大人気の仮想通貨であるために、データ容量が早く埋まってしまい、送金などに必要なデータ処理に時間がかかる問題がありました。しかしビットコインが本来のブロックチェーンとは別の予備スペースであるサイドチェーンを記録に活用することで、ビットコインの機能拡張が可能になりました。
ファクトムのブロックチェーンはビットコインのブロックチェーン上で作られているため、ビットコインの強固なセキュリティにあやかりながら、お互いの通貨の負担を和らげられます。
ファクトム (FCT/Factom) に投資をするデメリット
ファクトムには注意すべきデメリットも4つあります。
デメリット1 ビットコインブロックチェーンの影響
ファクトムはビットコインのブロックチェーン上に構築されたプラットフォームなので、ビットコインの影響を受けやすいです。ブロック生成の間隔もビットコインと同じ10分毎です。
ビットコインに大規模なシステムトラブルが発生した場合、ファクトムの相場にも悪影響が及びかねません。また、ビットコインが別の新しい仮想通貨に分裂するハードフォークを受けると、ファクトムもそれに合わせてシステムを作り変える必要があると考えられます。
ファクトムはビットコインに依存している性質があり、ビットコインの動向に左右されやすいです。
デメリット2 中央集権化している
ファクトムはファクトム社により全体のデータを一元管理されています。従来の仮想通貨はファクトムのように中央集権で管理する組織がなく、ユーザー全員の合意に委ねる形で分散管理されています。
ファクトム社に財政破綻や会社を揺るがす事件が起きてしまうと、仮想通貨やプラットフォームとしてのファクトムにも価格暴落、ひいては上場廃止になるなどの影響が懸念されます。
デメリット 保管が難しい
ファクトムは対応するウォレットが少ないです。多くのユーザーは仮想通貨をハッキングから守るため、ウォレットに収めて管理するでしょう。しかし、対応ウォレットが少ないと、手元での管理にも苦労する可能性があります。
ファクトムに対応するウォレットは公式ウォレットである「EnterpriseWallet」と1000種類以上の仮想通貨に対応した「Ledger Nano S」のみです。ファクトム以外の仮想通貨もほしい人はLedger Nano S以外、ウォレットの選択肢がありません。
Ledger Nano S
Ledger Nano Sはファクトムに限らず、全世界の1000種類以上の仮想通貨をオフラインで管理できるハードウェアウォレットです。
USBメモリ形式なので持ち運びもでき、インターネットの範囲外での管理なので、ハッキングが及ぶ心配もありません。
ファクトム以外の仮想通貨もほしい人や、仮想通貨がハッキングで盗まれないようにセキュリティにこだわりたい人はこちらのウォレットを入手しましょう。「ハードウェアウォレットジャパン」の公式サイトで注文できます。
デメリット4 発行上限がない
ファクトムは仮想通貨としては珍しく、発行上限がありません。入手しやすいというメリットも考えられますが、発行されればされるほど、1枚1枚の価値が下がっていくデメリットもあります。
ほかの仮想通貨に発行上限があるのは、希少性で価値を高められるからです。そのためビットコインやイーサリアムといったメジャーな仮想通貨にも発行上限が定められています。
発行上限のないファクトムは、将来性の点で不利と考える人もいるようです。
ファクトム (FCT/Factom) の今後・将来性
ファクトムの今後の動向や将来性には2つのポイントがあります。
記録管理に関する手続きの大幅な効率化が期待
ファクトムには顧客や契約情報などの重要書類をデータ管理できる機能があるので、ビジネスで重宝される可能性があります。
仕事をしていると、契約書、資産情報、取引に必要な資料、顧客情報など様々な書類を扱うでしょう。ファクトムのブロックチェーンを使えば、仕事で必要な書類をひとまとめにデジタル管理できます。
以上のことからファクトムは世界中のビジネスマンの希望になる可能性を秘めています。
企業との提携
ファクトムはビル・ゲイツ財団からの約8億円の出資をはじめ、様々な企業や機関と提携を結んでいます。
最近でも2018年12月に中国の動画投稿サイト「Yooya」と提携したり、2019年2月にはアメリカ国防総省が利用するブロックチェーン技術の開発を表明したりするなど、積極的な動向を見せています。
ファクトム (FCT/Factom) のおすすめ取引所
ファクトム購入におすすめの仮想通貨取引所を紹介します。
Coincheck (コインチェック)
Coincheckはファクトムを購入できる日本唯一の仮想通貨取引所です。Coincheck自体は証券取引でおなじみのマネックスグループに入っており、不正取引やハッキングを阻止するセキュリティが強固です。
取引所のレイアウトが明快で、初めて仮想通貨取引所を利用する人でも見やすいです。Coincheckは、ファクトムを扱う仮想通貨取引所で唯一日本語や日本円に対応しているのでおすすめです。
んファクトム (FCT/Factom) の今後・将来性まとめ
以上、ファクトムの情報を紹介しました。
ファクトムはブロックチェーンを用いて仕事の重要書類をまとめて管理できる役割を期待されており、世界中のビジネスマンの救世主になる可能性を持っています。ビル・ゲイツ財団からの出資を受けるなど、提携先も豊富です。
日本でもCoincheckで購入可能です。今後のファクトムの動向が期待されます。