現物取引とは?信用・レバレッジ取引との違いを知りリスクに強くなる


現物取引は資金の範疇での売買に限定される
レバレッジ取引は小額の資金を証拠金としてデポジットすることで資金の何倍もの取引を可能にする
レバレッジ取引には追証やロスカットがありハイリスクとなるケースもある

取引と一口に言ってもその形態や方法は様々で、現物取引と呼ばれるものから、信用取引や先物取引、さらに為替取引ではレバレッジ取引と呼ばれるものまであります。

本コンテンツでは、現物取引とレバレッジ取引との違いを中心にご紹介します。

現物取引とは

自己資金だけで銘柄を買う

現物取引とは、株や債権などの有価証券などを市場の時価で計算した売買代金で取引する取引形態を指します。株式における現物取引では、個人の資金の範疇でしか株式を購入することができず、「買い」で始まり「売却」で終了します。

保有する銘柄だけ売れる

仮想通貨における現物取引とは、各取引所で購入可能なトークンを法定通貨やビットコインなどの基軸通貨で購入し売却することを指します。つまり、単純に買ったときの値段よりも価格が下がれば損失、上げれば利益となります。

例を挙げると、ビットコインを1BTC=100万円で購入し、110万円で売却すれば資金の10%の価格上昇が起こっているので10万円の利益となります。

現物取引のメリット

メリット1 株主優待がもらえる

企業では投資家に株式保有してもらうために特典を用意しており、それを株主優待といいます。企業のサービスを割引で受けられたり、毎年商品券を獲得できる場合があります。

仮想通貨では株主優待のように保有することで特典がつく通貨があります。取引所が発行する独自トークンのように取引手数料が割引されたり、上場する新規トークンを決める投票に参加することも可能です。

メリット2 配当金がもらえる

配当金は専門用語でインカムゲインと呼ばれます。

一定期間株式を保有することで保有する株式の量に応じた配当金を受け取れます。株式が人気な点は配当金が出る株式を一定数以上保有することで、決められた期間ごとに配当金が入る点にもあります。配当金を不労所得として生活している人も存在します。

また仮想通貨ではBANKERAのようにトークンを保有することで、一定期間ごとに配当を受け取れる特典を用意しているものもあります。

メリット3 株価が上がれば利益がもらえる

配当金としてインカムゲインを用意している株式もありますが、株式投資のもう一つの収入源が売買による利益です。

いわゆるキャピタルゲインと呼ばれるもので、株式購入時の価格よりも売却時の価格が上回った分だけ利益になります。

仮想通貨も売買利益が主な収益源となっており、多くの仮想通貨トレーダーがキャピタルゲインを狙っています。キャピタルゲインはインカムゲインに比べて一時的な収入で、利益が入る代わりに保有する株式や仮想通貨を売却することになります。

メリット4 企業の成長を応援できる

株式を保有することはその企業の株主になることを意味します。株主は企業の一部を所有しているため、株主総会で意見できます。株式を多く保有するほどに、企業に対する影響力はあがります。

株式を保有することは企業を応援することでもあります。仮想通貨でも保有を続けることで、その通貨の将来性に期待して応援することといえます。そして応援した企業や仮想通貨が成長すると価値も上昇し、それまでの応援に似合ったリターンを得ることができます。

メリット5 借金なしで取引できる

信用取引では最初に証拠金を元に借金をする必要があります。準備する証拠金以上の取引ができる点が魅力ですが、借金をするというリスクも抱えることになります。

自己資金で投資をおこなう現物取引では、用意した金額以上の取引ができません。必要以上の出費がかからないことを意味しており、損切りして資金を失っても借金を抱えることがありません。

仮想通貨では信用取引と同じように、証拠金以上の金額を動かすレバレッジ取引があります。また現物取引も存在しているので、借金に抵抗がある人は自己資金の範囲で取引が可能です。

現物取引のデメリット

デメリット1 手持ちの資金以上は買えない

現物取引のデメリットの1つが、レバレッジを利かせることができない点です。自己資金以上の取引ができないため借金をすることもありませんが、少ない資金で大きく稼ぐこともできません。いわば現物取引は、信用取引よりもリスクを抑えた投資方法といえます。

仮想通貨でも現物取引では自己資金を超える金額をかけることは不可能です。良くも悪くも安定を求める投資手段が、現物取引として定着しています。

デメリット2 最初から売ることはできない

信用取引では借金をすることで株式を売りから入る、空売りをおこなうことが可能です。

空売りができることで相場が下落ぎみでも売りから入れて、利益を狙えます。しかし現物取引では自己資金で投資をおこなうため、空売りをおこなえません。相場が上昇気味なら問題ありませんが、下落ぎみの場合に機会損失となります。

仮想通貨でもレバレッジ取引をおこなわない場合、空売りができず必ず買いから入ります。どのような相場でもコンスタントに利益を狙っていくなら現物取引は適していない投資方法になります。

デメリット3 コストがかかる

信用取引はスワップ手数料としてポジションを持ったまま日にちが過ぎた場合、手数料がとられます。現物投資では株式の売買成立時に取引手数料がかかります。手数料は取引所によって変化しますが、できる限りコストを抑えることで利益を最大化できます。

仮想通貨では取引所で購入する際に、取引所に対して手数料を支払います。手数料は取引所によって異なりますが、コストを下げるために取引手数料が低い取引所を選択するのがおすすめです。           

デメリット4 価格が下がって損をするかもしれない

現物投資での儲ける方法は単純で、「安く買って高く売る」だけです。そのため株式では株価が最も高い内に売却できると良いのですが、株価は常に変動しています。世界的な動向や各業界の流れ、そして人間の感情など、簡単な予想だけでは価格を完全に当てるのは難しいです。

仮想通貨界ではさらに価格変化が分からない状況になります。世界的な動向でももちろん価格は変化するのですが、何より人の感情での値動きが激しいという特徴があります。仮想通貨業界はまだ発展途上なので、一時的な感情で価格が急変することがあります。

つまり人が現物投資で完璧に値段を当てるには限界があります。売却時に購入時よりも安い価格になると、利益はマイナスになります。

現物取引でかかるコスト

売買手数料

現物取引をおこなうため際には取引手数料がかかります。売買手数料や委託手数料とも呼ばれますが、証券口座を作る前に手数料の違いを把握して、使い安く手数料がかからない口座を開設するとベストです。ネット証券のみで株式を購入できる場所は、実際に店舗を展開しないため人的コストなどを削減することができます。結果として手数料を安くしている証券会社も多いです。

仮想通貨取引所でも同じで取引所ごとに手数料は変化します。手数料の安い場所を選ぶコツとして、取引所には販売所形式と取引所形式がありますが販売所形式は会社が買い上げた仮想通貨を購入できる場所で、取引所形式は板取引として投資家同士で取引をおこないます。安い手数料で済ませるなら、取引所形式を利用するのがおすすめです。

税金

株式ではキャピタルゲインによる売却利益やインカムゲイン配当が入ると、税金がかかります。株式の利益に対する課税は申告分離課税といい、一律で20.315%の税金がかかります。20.315%の割合は所得税が15.315%で、住民税が5%です。

口座開設の時に源泉徴収ありの特定口座を開設していると証券会社により自動的に税収が支払われ、個人での確定申告は必要ありません。また源泉徴収なしの証券口座で20万円以上の利益を出した場合は、個人で確定申告を済ませる必要があります。

仮想通貨では利益が出た場合雑所得として総合課税の対象になります。総合課税では他の収入と合わせた額で課税額が決まり、累進課税のため所得が増えるほど課税額が上がります。4000万円を超える所得金額となれば所得税率が45%で住民税は10%として、利益の55%が税金としてとられます。

現物取引とレバレッジ取引の違い

現物取引とレバレッジ取引では違いがいくつか存在します。みていきましょう。

レバレッジ取引とは

レバレッジ取引とは、レバレッジをかけて取引を行う取引形態の総称を指します。資金を証拠金としてデポジットすることで、小額の資金でも多くの資金で取引を可能にします。

例を挙げると、資金が10万円しかない場合、現物取引では10万円以上の取引を行うことができませんが、レバレッジをかけて10万円を証拠金としてデポジットすることで、2倍のレバレッジをかけるならば20万円、5倍なら50万円相当の取引を行うことができるということになります。

仮想通貨におけるレバレッジ取引を行うことができる形態は、FX、信用取引、先物取引などがあります。例えば、bitFlyerでは、現物取引の他に、ビットコインFXとビットコイン先物をレバレッジをかけて取引することができます。

参考 : レバレッジ取引とは | 取引の流れからメリット・危険性まで徹底解説!

資金以上の取引の可否

レバレッジ取引では、現物取引では行えなかった資金以上の取引を行えるようになります。つまり、ビットコインを信用取引でレバレッジをかけて取引を行うことができます

現物取引では、ビットコインの価格が購入価格より下落している状態では損失がありますが、FXや信用取引で空売りでレバレッジをかけてエントリーすることにより、レバレッジをかけた分を資金として、ビットコイン価格が下がれば利益を獲得する状態となる訳です。

強制ロスカットの有無

2つ目の大きな違いは強制ロスカットがあるかないかです。現物取引の場合、買値から大きく下落した場合でも損切りを行わなければ、実際の損失にはなりません。つまり、大幅な下落時でも中長期的に期待のできるものならば、そのままホールドしておくことができます。

しかし、レバレッジ取引の多くは強制ロスカットというシステムがあり、いわゆる損切りを強制的に実行されるというルールがあります。強制ロスカットでは、含み損が一定以上になると強制的に決済が決行されるもので、証拠金以上の損失を出さないために取り入れられているシステムとなります。

参考 : ロスカットとは | ロスカットを避ける対策や計算方法・具体例を紹介!

スワップポイントの有無

レバレッジ取引では、スワップポイントと呼ばれる金利が発生します。個人の資金以上の取引に使用されるお金は取引所などがレバレッジを利用したトレーダーに貸し付けることになるので、金利が発生します。

スワップポイントは、レバレッジをかけると必ず発生することが多く、長期投資でレバレッジをかけることになれば、その分のスワップポイントが発生することになります。

証拠金維持率とは

レバレッジ取引には強制ロスカットと呼ばれるシステムがあることが一般的であると前述しましたが、強制ロスカットが行われる目安となるのが証拠金維持率と呼ばれる仕組みです。

**【証拠金維持率とは】**

実際に取引している金額に対して、証拠金の残高の割合のことを指し、証拠金維持率が取引所が定めるパーセンテージに達すると強制ロスカットとなる仕組みのこと。

例えば、証拠金2万円でレバレッジを10倍かけたとすると20万円相当の取引が可能となります。証拠金維持率が50%で強制ロスカットとなる取引所でこの20万円でビットコインを1BTC=100万円のレートで売りでエントリーしたとします。証拠金が1万円になると強制ロスカットとなるので、1BTC=100万が1%の上昇で101万円になると含み損は1万円となります。よって101万円になった時点で強制ロスカットとなります。

レバレッジ取引は現物では行えないような高額な取引も可能となりますが、高レバレッジをかけるほど僅かな価格の動きでロスカットとなります。とりわけ仮想通貨市場はボラティリティが大きいので、瞬間で証拠金を溶かすことも十分に考えられます。

追証とは

追証とは追加証拠金の略で、信用取引などを行う場合は、証拠金を担保に資金の何倍もの取引を可能とします。証拠金維持率が含み損などで100%を下回った場合に、追加で保証金を必要とするものです。

追証は証拠金分の含み損でロスカットになってしまう場合などに発生し、取引の継続には証拠金の不足額を入金するなどの措置が必要となります。

参考 : 追証とは?初心者でもわかりやすく投資の基本を徹底解説!!

現物取引するときに取引所を選ぶポイント

手数料の安さ

手数料の安さは利益を最大化するために必須の項目です。

証券会社ごとにかかる手数料は異なるので、取引をおこなう前に確認しましょう。頻繁な取引をおこなわないなら、1回の手数料が安い口座を開設しましょう。頻繁に取引をくり返すなら、定額プランを選択できる口座を開設するのがおすすめです。

仮想通貨では手数料を抑えるためには、販売所形式で仮想通貨を購入せずに取引所形式で取引するのが基本となっています。また海外の取引所の中には独自トークンを発行して、保有者の取引手数料を割引する取り組みもあります。海外の取引所は善し悪しがありますが、豊富な種類の仮想通貨を取引できる環境として優れているので、おすすめです。

売買のシンプルさ

株式の売買をする際には、操作性も重要な要素になります。

いちいち複雑な操作をしていたのでは素早い取引はできなくなり、取引に支障をきたします。その意味では簡単な操作性を特徴として打ち出している証券会社はおすすめです。スマホアプリで取引できる会社もあるので、外出中でも気軽に操作できると株式取引を楽しく便利におこなえます。

仮想通貨でも直感的な操作を打ち出している国内取引所は多いです。スマホアプリを出している取引所も多く、シンプルな操作性で優れています。

キャンペーンのお得さ

手数料の安さ以外にも、各証券会社が開催しているキャンペーンに目を向けると良いでしょう。

口座開設によるキャッシュバックや株主優待本のプレゼント、有名アナリストによるセミナーの開催など株式投資を始めやすくなる特典が開催されています。キャンペーンは一時的な開催が多いので気に入る内容が見つかれば申し込むのがおすすめです。

仮想通貨取引所でも新規口座開設者を増やすために、様々な取り組みをおこなっています。口座開設によるキャッシュバックや基準値以上の取引をおこなうことによるプレゼントなど、新規参入者の意欲を刺激するキャンペーンが多く開催されています。

まとめ

レバレッジ取引では、現物取引にはないハイリターンが望めるメリットもありますが、資金を一瞬にして溶かすことになります。資金管理は投資の鉄則です。レバレッジ取引を行う場合は、自身で計画的に投資・トレードを行うように注意してください。

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