BINANCE (バイナンス)
手数料の安い海外仮想通貨取引所の一つで、世界的に人気があるのがBINANCEです。
BINANCEの取引手数料は一律0.1%と格安なうえ、さらに独自トークンのバイナンスコイン (BNB) で取引手数料を支払うと、最大0.05%まで手数料が割り引かれます。加えて入金手数料は無料で、出金手数料は通貨の種類によって異なる[1] BINANCE, 入出金手数料, 2021年6月29日参照もののどれも安いと評判です。
またスプレッドが極小なのも魅力的です。ほぼ取引手数料の負担のみで仮想通貨の売買ができるので、国内仮想通貨取引所と比べてもコストを抑えて取引できるでしょう。
Bybit (バイビット)
Bybitは2018年に誕生したデリバティブ専門の取引所で、デリバティブの取引所の中では取引高ランキング3位[2] Coinmarketcap, トップ仮想通貨デリバティブ取引所, 2021年6月28日時点と、現在急速にユーザー数を伸ばしている人気の取引所です。
Bybitの取引手数料はMaker (指値注文) -0.025%、Taker (成行注文) 0.075%と格安なうえ、スプレッドも2022年1月時点で約200円~300円程度[3] bybit, BTCUSD, 2022年1月11日参照と高いパフォーマンスを誇っていて、取引コストを抑えたいユーザーから高い支持を受けています。
またBybitには手数料の安さ以外にも評価ポイントが2つあります。
- 取引ツールの使いやすさ
- 安全性の高さ
Bybitはブラウザ版、スマホアプリ版ともに初心者でも使いやすいシンプルなUI設計になっているため、直感的に操作することが可能です。またBybitはセキュリティへの投資を積極的に行っていて、取引所全体の投資率の平均が15%前後なのに対し、Bybitは20%以上[4] bybitブログ, セキュリティに関して、「標準を上回る取り組み」のBybitでは、どのように行われているのでしょうか。, 2020年4月16日配信となっています。コールドウォレットによる資産管理、マルチシグ、二段階認証といったセキュリティ対策はもちろん、ハッキングへの対策も入念に行っていて、セキュリティの評判は高いです。
Bitfinex (ビットフィネックス)
Bitfinexは2012年に香港で設立された仮想通貨取引所で、Coingeckoの取引所トラストスコアランキングでは5位[5] Coingecko, トップ仮想通貨取引所ランキング(トラストスコア順) - 現物, 2021年6月29日時点 Bitfinex, BTC/USD, 2021年6月28日時点に位置しています。Bitfinexの取引手数料はMaker (指値注文) 0.1%、Taker (成行注文) 0.2%で、スプレッドは約100円~300円[6]
となっています。
Bitfinexの特徴は以下2つです。
- 取扱通貨が豊富
- チャートや取引画面が見やすい
Bitfinexは139種類の通貨を取り扱っていて、ビットコイン (BTC) が下げ相場のときは他の通貨に分散投資したり、大きなリターンを狙って将来性の見込める草コインに投資したりと、自由度の高い取引が可能です。BitfinexではTradingViewが採用されていて、多様な機能を直感的に操作できます。専用のスマホアプリが用意されているのも評価ポイントです。
仮想通貨取引所で手数料が発生する理由
仮想通貨交換業者には「取引所」と「販売所」の2種類がありますが、これら仮想通貨交換業者を通して取引を行うと手数料が発生します。
取引所は、注文板と呼ばれるユーザー同士が取引を行う場所を提供する対価として手数料を受け取っています。
一方販売所は、業者側が設定した価格でユーザーと業者が直接取引し、その対価として手数料を受け取ります。いつでもかんたんに仮想通貨が手に入る一方、取引所に比べ手数料が割高になる傾向があります。
手数料が発生するタイミング
仮想通貨取引所で手数料の支払いが発生するタイミングは、ある程度決まっています。仮想通貨取引にかかる主な手数料は以下の5つです。
- 入金手数料
- 出金手数料
- マイニング手数料
- 取引手数料
- スプレッド
入金手数料は、取引所の口座に自己資金を入金したタイミングで発生します。海外仮想通貨取引所では、入金手数料は無料である傾向にあります。
一方、出金手数料は取引所の口座から資金を引き出すときに発生します。出金する通貨の種類や金額によって、手数料が変わることがあるので、出金時によく確認しておきましょう。
マイニング手数料とは、ビットコインの出金時、新しいブロックを生成するときにかかる手数料です。マイニング手数料は出金時のブロックチェーンの負荷によって変動するので、出金手数料と共に確認しておくのが重要です。
取引手数料は、仮想通貨の売買に対して設けられることのある手数料で、MakerとTakerで手数料が異なる場合が多く、基本的にMakerの手数料の方が安い傾向にあります。
また見えない手数料として、購入価格と販売価格の差額であるスプレッドも取引時のコストとして覚えておく必要があります。スプレッドは、通貨の価格変動や流動性の変化で広がりやすい傾向にあり、広がっているタイミングで取引を行うと思わぬ損をしてしまうことがあります。通貨の価格が高騰している時を避けたり、流動性の高い取引所で取引を行うなど、スプレッドを意識した取引を行うと良いでしょう。
手数料とスプレッド
一般的に、各種手数料においては国内よりも海外取引所の方が安価である傾向にありますが、実際にはどうなのか、両者の主要取引所の具体的な数字をもとに比較してみました。
国内大手取引所の取引手数料は以下の通りです。
- bitFlyer 「ビットコイン簡単取引所」:0.01%〜0.15%[7]
bitFlyer, 手数料一覧・税, 2021年6月28日参照
- Coincheck :無料[8]
Coincheck, 販売所手数料, 2021年6月28日参照
- DMM Bitcoin:無料[9]
DMM Bitcoin, 暗号資産 (仮想通貨) 取引の手数料について, 2021年6月28日参照
一方、海外取引所の取引手数料は以下の通りです。
- BINANCE:Maker:0.020%〜0.100%、Taker:0.040%〜0.100%[10]
BINANCE, 手数料レート, 2021年6月28日参照
- Bybit:Maker:-0.025%、Taker:0.075%[11]
bybit, 取引手数料の計算, 2021年6月28日参照
- Bitfinex:Maker:0.100%、Taker:0.200%[12]
Bitfinex, Fees schedule, 2021年6月28日参照
単純に取引手数料のみを比較すると国内の取引所の方が安く感じますが、取引コストを計算するときには、取引手数料だけでなく購入価格と売却価格の差からなるスプレッドも合わせて計算しなければいけません。
国内と海外の取引所のスプレッドを比較してみましょう。こちらは執筆時の各取引所の公式板情報にて確認したデータを使用しています。
国内取引所のビットコイン (BTC) のスプレッドです。
- bitFlyer:約1500円[13]
bitFlyer, 取引所, 2021年6月28日時点
- Coincheck:約1300円[14]
Coincheck, BTC買い板/売り板, 2021年6月28日時点
- DMM Bitcoin:約31900円 (販売所) [15]
DMM Bitcoin, 販売所, 2021年6月28日時点
海外取引所のビットコイン (BTC) のスプレッドはどうでしょうか。
- BINANCE:約100円〜200円[16]
BINANCE, BTC/USDT, 2021年6月28日時点
- Bybit:約200円〜300円[17]
bybit, BTCUSD, 2021年6月28日時点
- Bitfinex:約200円〜300円[18]
Bitfinex, BTC/USD, 2021年6月28日時点
これらの比較だと海外取引所のスプレッドは国内取引所に比べ非常に狭いことがわかります。取引所を選ぶ際には、取引手数料だけでなくスプレッドも合わせて考えると、コストをなるべく抑えて取引ができるでしょう。
手数料で選ぶポイント
なるべくコストのかからない取引所を選びたいという方は多いでしょう。しかし、手数料が安価だからという理由だけで取引所を選ぶのも不安が残ります。そこで投資スタイル別で選ぶポイントを紹介します。
例えば短期トレードをする方は、スプレッドが狭く取引手数料が安い取引所を選ぶと良いでしょう。スプレッドや取引手数料は回数を重ねるたびに発生するためです。頻繁に取引をしない長期トレードのような場合は販売所を利用するなど、取引所と販売所の使い分けを行うと良いでしょう。
資産に余裕があって大きな資金を使って取引する方は、取引実績に応じて手数料が割引になる取引所を選ぶといった工夫も考えられます。このように自分の取引スタイルに関わる手数料を見極めると、取引所を選ぶときの1つの判断材料となります。
海外仮想通貨取引所の手数料まとめ
仮想通貨取引を行う際には、入金手数料、出金手数料、マイニング手数料、取引手数料、スプレッドなど、さまざまな手数料が発生します。
各種手数料は取引所によって異なったり、通貨の価格変動や流動性にも影響されるため、手数料の仕組みや自分の取引スタイルがどの手数料とよく関連しているかを理解した上で、取引所を選ぶとよいでしょう。