Bybit (バイビット)
Bybitは2018年3月にシンガポールで設立されたデリバティブ専門の仮想通貨取引所です。Bybitは海外取引所の中でも手数料の安さと使いやすさが高評価であり、多くのユーザーに利用されています。
最大レバレッジは通貨ペアごとに異なり、ビットコイン (BTC) を取引する場合は100倍、アルトコインを取引する場合は50倍となっています。レバレッジは、ポジションの保有中に価格変動を見て手動で設定が可能です。Bybitも追証がないため、マイナス分の損失により借金を負うリスクはありません。
またBybitにはクロスマージンと分離マージンの2種類のモードがあります。クロスマージンとは、口座残高の全額を証拠金にしてポジションを保有するモードで、一般的な国内取引所のレバレッジ取引と同じです。分離マージンは口座残高の一部を証拠金にしてポジションを保有するモードで、口座残高の全額を証拠金とするクロスマージンに比べて、強制ロスカットになりやすい分、口座残高の一部しか証拠金に当てないので損失を抑えることができます。
BINANCE (バイナンス)
BINANCEは海外仮想通貨取引所の中で最も有名で、取引高ランキングは1位[1] Coingecko,トップ仮想通貨取引所ランキング(トラストスコア順) - 現物, 2022年1月11日時点>を誇ります。
BINANCEの最大レバレッジは125倍[2] Binance Blog, Binance Futures Trading Platform Increases Max Leverage to 125x with Built-In Risk Controls for Traders, 2021年5月29日配信で、国内の取引所と比べると圧倒的なハイレバレッジの取引が可能です。また追証なしのゼロカットシステムを採用しているため、相場の急落で損失が大きくなってしまっても借金を抱えるリスクは低くなるでしょう。BINANCEでレバレッジがかけられる取引は、以下の3つです。
- マージントレード
- 先物取引
- レバレッジトークン
分離マージントレードの最大レバレッジは10倍で、通貨ペアによって倍率は3~10倍と変わります[3] BINANCE Announcement, Tiered Leverage Up to 10x Enabled For Isolated Margin Trading On Binance, 2020年6月30日配信。またクロスマージンなどでも利用できるレバレッジが異なるので、確認しましょう。
先物取引にはUSDS-M先物[4] BINANCE, Leverage and Margin of USDⓈ-M Futures, 2020年6月24日配信 BINANCE, Leverage and Margin in Coin-Margined Futures Contracts, 2020年6月11日配信とCOIN-M先物[5]
の2種類がありますが、いずれも最大レバレッジは125倍です。
レバレッジトークンとは、証拠金を預けずにレバレッジがかけられる取引です。強制ロスカットのリスクがないので、現物取引と同じように取引して利益を狙うことができます。ただ、レバレッジトークンの最大レバレッジは4倍となっています。
FTX (エフティーエックス)
FTXは、2019年4月にアンティグア・バーブーダを拠点に設立された海外仮想通貨取引所です。2019年12月には世界最大手取引所であるBINANCEと提携しています[6] FTX Announcements, Strategic Partnership with Binance, 2019年12月20日配信。
FTXの最大レバレッジは101倍で、50倍、100倍、101倍の中から自分の好きな倍率を選択できます[7] FTX, High Leverage, 2021年5月更新。FTXも追証がなく、証拠金を超えた損失分に関しては自動で補填され支払う必要はありません。FTXは現物取引のみならず、先物取引やオプション取引、MOVE先物、レバレッジトークン、インデックストークンなど幅広い取引の種類が選べます。
特にレバレッジトークンを取引できるのが特徴的です。レバレッジトークンとは、仮想通貨のいろいろな銘柄に対し、ボジションにレバレッジを組み込んでトークンにしたものです。レバレッジトークンにすると、手数料が発生するものの実質的に現物取引と同じような扱いになり、証拠金やロスカットという概念がなくなって利便性が高まります。
レバレッジ取引とは
レバレッジ取引とは、口座にお金を預けた証拠金を担保にしてその金額以上の取引を可能にする仕組みのことです。
たとえば口座に1万円の資金がある場合、現物取引では1万円分の取引しかできませんが、レバレッジを100倍かければ100万円分の取引が可能になります。このようにレバレッジ取引は少ない資金でも効率よく大きな金額を動かせる取引手法です。
またレバレッジ取引は将来の値下がりを予測し、仮想通貨を売却して値下がりしたタイミングで買い戻すといった方法が可能であるため、下落相場でも利益を得られるチャンスがあるのも特徴です。しかし大きな金額を動かして利益を狙える分、損失も大きくなりやすいので、リスク管理は必ず行う必要があります。
その点、海外の取引所は追証と呼ばれる証拠金を超える損失分を自分で補填しなくてはならない仕組みがなく、取引所側が負担してくれるところが多いので、借金を抱えるリスクは少ないと言えるでしょう。
レバレッジ取引には、レバレッジ手数料が設けられている取引所が多いです。レバレッジ取引でポジションを保有しながら日をまたぐとレバレッジ手数料が発生するため、長期トレードをする際は注意しましょう。
海外と国内のレバレッジ取引の違い
レバレッジ取引で大きな利益を狙う場合、国内取引所よりも海外取引所が利用される傾向にあります。
その理由は以下の2つが挙げられます。
- 最大レバレッジが大きい
- ゼロカットシステムの採用
1つめは、最大レバレッジが国内取引所よりも高く設定されているためです。
国内の取引所は金融庁の規制により最大レバレッジが2倍までと規定されていますが、海外の取引所では100倍以上のハイレバレッジが一般的です。少ない資金でより多くの金額を動かせるので、国内の取引所よりも圧倒的に資金効率が良いといえるでしょう。
2つめは、追証なしのゼロカットシステムが採用されているためです。
ほとんどの海外取引所は追証がありません。追証とは損失が出て証拠金がマイナスになったときに、規定の証拠金維持率になるまで証拠金を追加で要求されることです。海外の取引所では、マイナスになった分の金額は取引所側が自動で補填してくれるため、急な相場変動が起きて損失が膨らんでも借金をするリスクは低いでしょう。
海外レバレッジ取引のリスク
レバレッジ取引は株式や法定通貨のFXと比較して、税制面で不利になる可能性があります。
たとえば株式や法定通貨FXでは課税対象になる金額を上回る利益にかかる税金は一律で20%ですが、仮想通貨のレバレッジ取引で得た利益は雑所得に分類され、給料と合算した額に累進課税が適用されます。すなわち場合によっては最大55%の所得税が課せられてしまうため、注意が必要です。
そういったリスクを踏まえ、レバレッジ取引を行う際に気をつけるべき点を紹介します。
1つめは、余剰資金で取引を行うことです。レバレッジ取引は大きな利益が狙える分損失も大きくなりやすいハイリスクハイリターンの取引なので、ある程度余剰資金があって、万が一の際も余裕を持って対応できるようにしましょう。
2つめは、相場をこまめにチェックすることです。レバレッジを高く設定すると小さな価格変動でも大きな金額が動きます。まめにチャートを見ておかないと利益のチャンスを逃したり、逆に気づかないうちにロスカットにあっていたりという事態になりかねません。
レバレッジ取引を行うための環境や資金的余裕があるかなどをあらかじめ考慮した上で始めましょう。
海外仮想通貨取引所のレバレッジ取引まとめ
海外の取引所は、最大レバレッジが高く追証がなかったりとレバレッジ取引を行うための良い環境が整っています。リターンも大きくなる分、リスクも大きくなります。100万円投資して10%値下がりした場合は、通常10万円の損失になりますが、レバレッジを50倍かけていた場合は損失も50倍の500万円です。
もともと国内の取引所では15倍までレバレッジを掛けられた時期もありましたが、現在は規制の関係で最大2倍になっています。海外の取引所は金融庁などの許可を得ていないため、海外取引所にてレバレッジ取引を行う場合は全て自己責任のもと行う必要があります。
レバレッジ取引は少ない資金で効率よく大きな利益を狙える取引ですが、リスクも伴うので、仮想通貨のレバレッジ取引についてよく理解した上で利用しましょう。