NFTの人気
2021年第1四半期 (1月~3月) におけるNFT市場の売上は約20億ドル (約2,200億円) 以上
NFTマーケットの売上が大幅に上昇した要因のひとつは、ビープル (Beeple) と呼ばれるアーティストのデジタルアートが、老舗オークションハウスのクリスティーズで6900万ドル (約75億円)
また高額でのNFT販売が続いたことも、新規参入者を増やした要因のひとつと言えます。TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏の最初のツイートが291万ドル (約3億1700万円)
NFT購入の考慮事項
実際にNFTを購入する際に考慮すべき事項を4つほど挙げます。
- 購入する場所
- 販売サイトが対応するウォレット
- 商品購入時の支払い方法 (対応通貨)
- 発売時間
1つめは、NFTの購入場所です。NFTを販売する事業者から購入するか、NFTマーケットで作者や他のユーザーから直接購入するかという点です。両者にはそれぞれメリットがあるので、どんなNFTを求めているかで判断できると良いでしょう。
人気アイドルやメジャースポーツなどのNFTは、事業者を通して販売されるケースが多い傾向にあります。たとえば、SKE48のメンバーの撮り下ろし画像を使ったトレーディングカードは、CoincheckNFTにて限定発売
一方、NFTマーケットではオープンでパブリックな販売がなされており、出品の簡易さなどから多岐にわたる数多くのNFTを見つけることができます。アーティストから直接購入ができる点も魅力の一つですので、NFTマーケットを探索してみるものよいでしょう。
2つめは、ウォレットです。ウォレットとは、仮想通貨を送金したりアカウントの残高を確認したりする、名前の通り「財布」の役割を果たす仮想通貨の保管場所のことを指します。
この場合は、NFTを購入するための仮想通貨と購入したNFTを保管するためのウォレットが必要になります。使用するNFTマーケット、または販売元がサポートしているウォレットを保持しているかを事前に確認しましょう。NFTマーケットによって対応しているウォレットの種類がことなりますが、最も汎用性の高いとされるウォレットはMetaMaskです。
3つめは、支払い方法です。NFTの提示価格をチェックし、支払いに使える仮想通貨を確認しておきましょう。多くのNFTマーケットではイーサリアム (ETH) での支払いに対応しています 。
4つめは、発売時間です。事業者がNFTを販売する場合、発売日と発売時間が決められていることが多いため、限定数量などが定められているNFTの購入を検討する際は、公式ホームページなどで情報をチェックしておくとよいでしょう。
NFTマーケット
主要なNFTマーケットと、そのマーケットが対応する支払い方法についてまとめました。
NFTマーケット名,購入に必要な仮想通貨種類,クレジットカード対応
OpenSea,ETH,×,
Rarible,ETH,×
Super Rare,ETH,×
Coincheck NFT,出品者が指定した仮想通貨 (※) ,×
Miime,ETH,△ (日本円で出品されているアイテムのみ)
MakersPlace,ETH,△ (一部のアーティストのみ)
Nifty Gateway,なし,○
NBA Top Shot,BTC/ETH/BCH/DAI/USDC,○
(※) BTC、ETH、LSK、XRP、XEM、LTC、BCH、MONA、XLM、QTUM、BAT、IOST、ENJのうちのいずれか
OpenSeaとRarible、SuperRareではイーサリアム (ETH) での購入に対応しています。OpenSeaは、さまざまなカテゴリのNFTが取り扱われています。RaribleとSuperRareは、デジタルアート専門のNFTマーケットです。
Coincheck NFTでは、出品者が指定した仮想通貨で支払う必要があります。Coincheck NFTはThe Sand boxというメタバースの不動産や、日本製のデジタルカードゲームCryptoSpellsのの取扱があります。
Miime (ミーム) での支払いは、イーサリアム (ETH) かクレジットカードです。ただしクレジットカードで支払えるのは、日本円で出品されている商品のみです。Miimeでは、主にデジタルカードやメタバースの不動産が取扱われています。
MakersPlaceは、RaribleやSuperRare同様デジタルアート専門のマーケットです。MakersPlaceでは、イーサリアム (ETH) のほかにクレジットカードで支払いが可能です。
Nifty Gatewayは、アメリカの仮想通貨取引所Geminiが運営する、著名アーティスト専門のデジタルアートマーケットです。Nifty Gatewayは仮想通貨での支払いに対応しておらず、すべてクレジットカード決済です。
最後のNBA Top Shotは、NBA選手のハイライト映像をNFTとして販売するサイトです。イーサリアム (ETH) やビットコイン (BTC) などの仮想通貨払いに加え、クレジットカードやデビットカードでの支払いにも対応しています。
主要なウォレット
購入前に考慮すべき事項にも含まれているウォレットについて、主要な3つをご紹介します。
- MetaMask
- My Ether Wallet
- Coincheck ウォレット
MetaMask
MetaMaskは、多くのNFTマーケットがサポートしているウォレットです。MetaMaskをインストールしておけば、大抵のNFTマーケットに接続できるでしょう。
MetaMaskにはPC版とモバイルアプリ版があり、それぞれ同期できるのは非常に便利です。PC版はWebブラウザの拡張機能としてインストールします。対応ブラウザは、Chrome、FireFox、Brave、Edgeの4つです。モバイルアプリは、iOS版とAndroid版の両方が提供
対応するNFTマーケットはOpenSeaやMiime、Raribleなどがあります。
My Ether Wallet
My Ether Walletは、Webブラウザから利用するウォレットです。ただしNFTマーケットで利用するときは、モバイルアプリ版を使う必要があります。My Ether Walletが使用できるNFTマーケットは、Raribleなどです。
Coincheck ウォレット
Coincheck ウォレットは、国内取引所Coincheckのモバイルウォレットです。Coincheck ウォレットからCoincheck NFTへアクセスできます。なおCoincheckでNFTを購入したり出品したりするときは、MetaMaskをインストールする必要があります。
NFTの買い方・購入方法
最後に、NFTマーケットOpenSeaを用いて実際の購入手順について解説します。なおウォレットはMetaMaskを使用しています。
STEP1,イーサリアム (ETH) を準備する
STEP2,MetaMaskを準備する
STEP3,MetaMaskへ紐付けたアカウントにイーサリアム (ETH) を入れる
STEP1,OpenSeaでMetaMaskを接続する
STEP2,NFTを購入する
①準備
まず準備から入ります。OpenSeaの支払い通貨であるイーサリアム (ETH) を購入しましょう。イーサリアム (ETH) は、仮想通貨取引所から入手できます。仮想通貨取引所の口座がない方は、新たに取引所へ口座開設を行う必要があります。
これから取引所を決めるという方は、ぜひこちらの記事「日本国内おすすめ仮想通貨取引所比較ランキング」も参考にしてみてください。
次に、OpenSeaを利用するためのウォレットMetaMaskを公式サイトにアクセスしてダウンロードしましょう。
まず公式サイトのトップページに「Download」または「Download now」という青いボタンがあるのでクリックします。
遷移したページ上で「Chrome」「iOS」「Android」の3つから選択が可能になっているので、ブラウザで使用する場合は「Chrome」を、携帯にダウンロードしたい場合はご使用の機種に合わせて「iOS」か「Android」かを選択します。
今回はパソコンのブラウザで使用するため「Chrome」を選び、画面下に表示されている「Install MetaMask for Chrome」をクリックします。するとウェブストアに遷移するため「Chromeに追加」を押し、ポップアップにて「拡張機能を追加」をクリックしていきます。
これでダウンロードは完了ですが、続けてセットアップをする必要があります。
ダウンロードが完了すると画面に「はじめる」というボタンが表示されるので、そちらをクリックします。すると「MetaMaskは初めてですか?」という質問とともに2つの選択肢が表示されています。
今回は初めて使用するため「ウォレットの作成」を選択し、パスワードを作成します。
またこのとき「シードフレーズ」という、万が一パスワードを紛失した際にもウォレットを復活させるための12個の英単語とその順番の設定が可能になっています。これらシードフレーズやパスコードはパソコン上に保存するのではなく、紙などに書いて保存する方が安全でしょう。
MetaMaskでアカウントを開設したら、そのアカウント宛に購入したイーサリアムを送金しましょう。ここまでが準備段階です。
②購入
続いてOpenSeaとMetaMaskを接続しましょう。まずOpenSeaの公式サイトにアクセスします。
OpenSea画面の右上に、よくプロフィール設定などで使われるアイコンあるので、そこから「My Account Settings」をクリックします。するとMetaMaskにサインインする画面が表示されるので「Sign In」をクリックし、開設したMetaMaskのアドレスに選択がされていることを確認し「次へ」を押し「接続」をクリック、最後に署名リクエストにて「署名」と選択していきます。
「General Settings」設定画面にはユーザーネームとメールアドレスを入力します。記入したメールアドレス宛に送られてきたメール内「VERIFY MY EMAIL」をクリックすれば認証が完了します。
購入したい場合は、作品ページ内の「Buy Now」をクリックします。するとチェックアウトの確認画面が表示されるので「Checkout」をクリックし、MetaMaskの画面が開いたら「確認」をクリックします。
購入が完了するとメールでも通知が来ます。また購入した作品のページには「Owned by you」と表示されます。過去の取引履歴が閲覧できるようになっているのも、NFTアートならではです。
また購入が完了すると作品の所有権が自分になりますので、作品ページ内右上の「Sell」ボタンから販売できるようになります。自分が購入した作品のアーティストが有名になるまで待つか、そのまま転売することもできます。
NFTの買い方まとめ
2021年におけるNFT市場では数億単位の作品が売買されるなど、仮想通貨市場を超えて世の中に衝撃を与えるニュースが続きました。
NFTの技術を屈指するブロックチェーンゲームやデジタルアートは、まだ仮想通貨についてよく知らない人へも魅力が伝わりやすいと言えるでしょう。
こうしたNFTの普及により仮想通貨市場へさらに注目が集まることが期待できます。今のうちからNFTの仕組みや特徴について理解しておくと良いでしょう。