- マージンコールがどんなシステムかわかる
- マージンコールはどんなタイミングで起きるかがわかる
- マージンコールが起きないようにするための方法がわかる
マージンコールは投資家がFXで大きい損失を出してしまわないように知らせてくれるシステムです。FXはレバレッジ取引などを行うことによって少ない収益から大きい収益を得ることができる反面損失が出てしまった場合も大きい損失を被ってしまいます。
マージンコールを理解することによって、損失が出てしまう前に対処することが可能になります。証拠金維持率や有効証拠金・必要証拠金なども関わってくるのでしっかりと理解していきましょう。
マージンコールとは
マージンコールとはFXの取引にて元手となる資金 (証拠金) を超える損失が出るときに投資家が損失を出さないように知らせてくれるシステムです。
FXは現物取引などと違ってレバレッジをかけることによって証拠金より大きい取引を行うことが可能です。例えば5万円の取引を行うときにレバレッジを5倍かけることによって、手元に25万円の資金がなくても取引を行うことが可能です。しかし、それは損失が出る際にも同様で5倍の損失を出してしまうことになってしまいます。
マージンコールはこのような損失が起きてしまう事態に対し、「証拠金維持率が低いため危険です」ということを投資家に警告してくれます。このシステムによって投資家は大きな損失から守られます。
FXの会社によってマージンコールの促し方は変わってきますので、どのような警告がくるのか事前に確認するようにしましょう。
マージンコールの計算例
ここからはマージンコールが起こってしまう例について説明します。基本的にマージンコールが起こる原因には「証拠金維持率」が関わってきます。
- 証拠金維持率の計算方法
- 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100 =証拠金維持率
例えば10万円で10倍のレバレッジをかけているとして、1ドル100円の買いポジションを1万ドル持ったとします。この時の証拠金維持率は以下の様に計算します。
10万円 (有効証拠金) ÷ 4万円 (必要証拠金) × 100 = 250% (証拠金維持率)
この証拠金維持率で為替レートが1ドル96円に下がった場合、1万ドルのポジションの日本円の価値は100万円から96万円に下がります。つまり、4万円の含み損が出ているのです。
この時の有効証拠金と必要証拠金の計算式は以下になります
- 有効証拠金: 10万円 - 4万円 (含み損) = 6万円
- 必要証拠金: 96円(ドル円) × 1万通貨(ポジション) ÷ 10 (レバレッジ)=96000円
算出した数字を用いて証拠金維持率を以下のように計算します
- 9.6万円 ÷ 6万円 × 100 = 160%
この時点で証拠金維持率は200%を大きく下回っており、マージンコールが発生しアラートメール等が送信されます。FX会社によってはマージンコールの水準、有無、強制ロスカットされる証拠金維持率の割合が異なっている場合があるので事前に確認することが重要です。
マージンコールの注意点
トレード水準をマージンコールが発生しないよう維持する
マージンコールは投資家を守るための措置であることは間違いありません。しかし、マージンコールが頻繁にかかってしまうような取引スタイルでは損失を大きく出してしまう可能性があります。
マージンコールを発生させないように、損切りや保有ポジションについてのトレードのルールを自分で決めてマージンコールが発生しない水準を保つように心がけましょう。
資金管理を徹底にする
マージンコールを発生させないためには資金管理の徹底も重要な要因になります。
現在口座に預け入れている証拠金、必要証拠金の計算や有効証拠金の計算や証拠金維持率の計算、トレードに使う資金などの管理を徹底して行いながらトレードを行っていくことがマージンコールを発生させないための重要な要因です。こういった資金管理を徹底してマージンコールを発生させないよう心がけましょう。
マージンコールがかかったときの対処法
基本的にマージンコールは警告であり、拘束力を持たないものです。しかし、マージンコールが発生しているということはロスカットの執行が近いということを警告しています。
マージンコールが発生した時の対処法は主に2つあります。決められた期限までに追加の証拠金を預け入れて証拠金維持率を元の水準にまで戻すという方法と、損切りなどを行い取引の規模を縮小することによって証拠金維持率を高める方法です。
期限内に証拠金維持率の引き上げが不可能だった場合強制ロスカットされる恐れがあるので早めに対処するよう心がけましょう。
まとめ
マージンコールという投資家を守るシステムは全てのFX会社が搭載しているとは限らないので事前のチェックが非常に重要です。
また、証拠金維持率なども画面に表示されている数字のみで考えるのではなく自分で細かく計算していくことも大切です。この記事からマージンコールを理解し今後のトレードに役立てていきましょう。