メルカリの仮想通貨事業「メルコイン」とは?サービスと将来性を解説

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遠藤 大樹 (Daiki Endo)
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遠藤 大樹

遠藤 大樹 (Daiki Endo) は暗号資産 (仮想通貨) を中心に扱うライター兼編集者です。執筆・監修作品はKasobuにて公開されています。日々、頑張っています。

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1分で理解する要約
  • メルカリの子会社メルコインが暗号資産業界に参入
  • メルコインは仮想通貨を用いた決済やNFT事業を行う予定

フリマアプリで有名な株式会社メルカリが暗号資産業界に参入します。メルカリは自社の完全子会社としてメルコインを設立しました。具体的なサービスはまだローンチしていませんが、「多様な価値がめぐる新しい経済を作る」をミッションにブロックチェーン技術を用いた決済やNFTへの取り組みを加速させる予定です。

本記事では、メルコインの概要や予定されているサービスの詳細、将来性などをまとめていきます。

メルカリグループの新規事業「メルコイン」とは?

メルコインは、仮想通貨・ブロックチェーン関連サービスの企画・開発を行います。

メルカリはもともと、キャッシュレス決済のメルペイをいち早く取り入れていたりと新しい技術に対する感度の高い組織でした。暗号資産業界に対しても、2021年にメルコインが正式に発表される前から、「mercari R4D」というリサーチ組織がブロックチェーン技術の実装の議論を何年も行ってきていました。[1]

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「mercari R4D」はリサーチの中で、メルペイのサービス上で資産運用を行うニーズに確信を持ちました。より議論を深めていく中で、「ミレニアル世代向けの投資が世界的に大きな潮流となる中、投資をもっとアクティブに始めたいと考える人が増えている。今後、暗号資産領域への投資ニーズは間違いなく高まっていく」と結論づけて、満を持して暗号資産業界に参入したとのことです。[2]

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なお、「mercari R4D」は他にもVRや宇宙開発、量子ソフトウェアなどの様々な先端技術の研究を行っています。

メルコインで展開が予定されているサービス

つぎに、メルコインにて予定されているサービスについて紹介します。

出典 : Mercoin, Inc.

こちらの画像からも読み取れるように、メルカリがフリーマーケット (=モノ) を、メルペイが金融 (=信用) を商品にしていたのに対し、メルコインはNFT、暗号資産、トークンといったブロックチェーン技術を商品にしています。

具体的には、売上金を暗号資産で受け取ったり、アーティストをサポートするNFT事業に注力する予定です。順番に説明していきます。

メルカリの売上金をビットコイン (BTC) で受け取り

現在、メルカリでは販売で得た売上金を銀行口座に振り込むか、そのままメルペイ内で使用することができます。

メルコインは上記に加え、販売で得た利益をビットコイン (BTC) で受け取ることを可能にします。

今まで仮想通貨が気になっていても難解で手が出せずにいた人も、売上金がビットコイン (BTC) で受け取れるようになれば、より気軽に仮想通貨に参入できるでしょう。

決済サービス「メルペイ」で仮想通貨を活用

メルペイはメルカリでの売上金だけではなく、お使いの銀行から入金し、決済に利用することができます。メルコインが担う新規事業では、メルペイの決済方法にビットコイン (BTC) 支払いを追加します。

つまり、メルコインの台頭によって、ビットコイン (BTC) による決済が実社会でも行えるようになります。「ビットコイン (BTC) で自転車買ってみた」という未来がすぐそこにあるのです。

メルペイでの決済ができる店舗も実店舗、オンラインサイトを合わせると200万箇所を超えています。社会に与えるインパクトは大きいでしょう。

また、メルペイでのサービス「ふえるお財布」も注目です。「ふえるお財布」はメルペイの残高で資産運用ができるサービスになります。買い物で使ったあまりのビットコイン (BTC) も運用できる可能性があります。

NFT関連事業

出典 : Mercoin, Inc.

メルコインではNFTを用いて新たなデジタルコンテンツ、サービス、所有権を流通させることによりアスリートやアーティスト、アート、 ゲーム領域においてクリエイター個人を支援する取り組みも行っていきます。

ネット社会が進み、音楽や動画を始めとした多くのアートで著作者の許可なくプロダクトが複製されてしまう事案が後をたちません。NFTの持つ、非代替性という特徴に着目し、こうした社会課題を解決していく予定です。

執筆時点ではまだ詳しいリリースはありませんが、これから拡大していくと予想されるNFTビジネスにメルコインがどのような立ち回りをしていくかはとても楽しみです。

なお、kasobuではNFTについての特集ページや、おすすめNFT銘柄の記事も執筆しています。NFTについて深く学びたい方や改めて理解を深めたい方はぜひご覧ください。

メルコインの独自通貨 (トークン) が発行される可能性は?

メルコインからの公式な発表はありませんが、先述した「mercari R4D」では実際に、社員内でモノの売買に試作の暗号資産を使用しています。[3]

triangleこの試作通貨の開発と研究が進めば、私達が通貨としてのメルコインを手にする日が近いかもしれません。

また、メルコインは2021年7月1日付けで日本暗号資産ビジネス協会に正会員として加入し、2021年9月13日付けで日本暗号資産取引業協会 (JVCEA)の第二種会員に加入[4]

日本暗号資産取引業協会, 会員紹介, 2021年11月17日参照

triangleするなど、暗号資産ビジネスのプロバイダーとして着実に駒を進めています。[5]こうした前向きな姿勢も、トークンの発行にはポジティブな指標です。

メルカリグループの強みから見たメルコインの将来性

メルコインの参入は、日本の暗号資産市場やブロックチェーン業界に大きな衝撃を与えるでしょう。その理由はメルカリが抱えるユーザーの数と質にあります。

メルカリは月間2000万人が利用するフリマアプリです。スマホ1つで個人間売買を完了できるところが現代人に受け入れられ、人気が爆発しました。

メルカリユーザーは決して若い人だけではなく、40代、50代ユーザーも全体の30%います。メルカリの利用者層は偏らず、幅広く利用されています。従って、メルカリ、及びメルコインが暗号資産に参入することは、国内の全世代を巻き込む大規模なムーブメントになるのです。

当然、今まで暗号資産について知識がない人も触れる機会が増えることが推測されます。より多くのユーザーがメルカリやメルコインを通じて暗号資産を触れば、結果として取引量の増加や流動性の増加に繋がり、暗号資産市場の成熟にも貢献します。

メルコインのまとめ

暗号資産というと、怪しかったり、何をしているのかわからないというイメージが先行しがちなこともあります。身近な企業の子会社であるメルコインの参入は、そうした人々の不信感を払拭してくれるでしょう。

また、予定されているプロダクトも、ビットコイン (BTC) 支払いやアーティストのエンパワーメントなど私達の身近なものです。メルコインが本格的に社会実装されれば、暗号資産はより人々の身近なものになっていくでしょう。

情報ソース・引用元一覧

4

日本暗号資産取引業協会, 会員紹介, 2021年11月17日参照

5

日本暗号資産ビジネス協会, 会員紹介, 2021年11月17日参照

関連用語

NFT (Non-Fungible Token)
NFTは、2020年〜2021年にかけて急成長した大注目を浴びる仮想通貨です。NFTではデジタルアイテムに唯一性や取引可能性などを持たせることが可能です。
トークンエコノミー
トークンエコノミーとは、トークン(貨幣の代替価値のあるもの)を活用したエコノミー(経済)という意味です。トークンの価値を担保する技術としてブロックチェーンを採用している仮想通貨での経済圏は、トークンエコノミーの代表例です。
ERC721
ERC721とは、イーサリアムのプラットフォーム上で発行されるトークン規格の一種です。イーサリアムは、スマートコントラクト機能を用いて共通の規格を持つトークンを発行することが可能で、ERC721以外の規格としてはERC20やERC223などが挙げられます。
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遠藤 大樹
Associate Editor
遠藤 大樹 (Daiki Endo) は暗号資産 (仮想通貨) を中心に扱うライター兼編集者です。執筆・監修作品はKasobuにて公開されています。日々、頑張っています。

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