OpenSeaとは
OpenSeaは、NFT (Non-Fungible Token:非代替性トークン) を売買・取引するためのNFTマーケットプレイスです。
OpenSeaは、2017年にニューヨークに拠点を置くスタートアップ企業Ozone Networkによって立ち上げられました。OpenSeaのユーザー数は直近1ヶ月で約3万2000人、また24時間取引高は約380万ドル (約4億2000万円) です[1] DappRadar: OpenSea, 2021年6月24日参照 。
NFTマーケットの最大手として知られるOpenSeaは、ジャンルを問わず、以下のようなさまざまなカテゴリのNFTが扱われています。
- アート
- 音楽
- ドメイン
- メタバース
- トレーディングカード
- 収集品
- スポーツ
- ユーティリティ
OpenSeaの特徴
OpenSeaの特徴は、大きく3つあります。
- NFTを無料で作成できる
- 販売方式やロイヤリティを選択できる
- イーサリアム以外のブロックチェーンにも対応
1つめの特徴は、NFTを無料で作成できる点です。他のイーサリアムをベースにしたNFTマーケットでは、NFTを作成するときにネットワーク手数料である「ガス代」がかかりますが、OpenSeaではNFT発行時点では発生しません。
OpenSeaではじめてガス代を支払うタイミングは、出品し販売を行うときです。試しにNFTを作成してみたいと考えている方なら、無料で作成できるOpenSeaをまず利用してみるのがいいかもしれません。
2つめは、販売方式やロイヤリティを選択できる点です。
販売方式は「即決価格を指定する」方法と「オークション形式」の2種類から選びます。即決価格を選んだときは、オプションで「買い手が現れないときは徐々に値段を下げていく」機能をオンにすると、売買が成立しやすい傾向にあるようです。
また二次販売されたときにNFT作成者に支払われる報酬の割合「ロイヤリティ」の設定も可能です。ロイヤリティを設定することによって、作品が転売されたときも一定の割合を報酬として受け取れるようになります。OpenSeaでは、デフォルトで10%[2] OpenSea Help Center: How do royalties work on OpenSea?, 2021年6月24日参照のロイヤリティが設定されています。
3つめは、イーサリアム以外のブロックチェーンに対応していることです。つまり他のNFTマーケットよりも多様なNFTアイテムが出品されています。2021年2月にはTezos (テゾス) の対応を開始[3] OpenSea Blog: Tezos NFTs are coming to OpenSea, 2021年2月10日配信 OpenSea Blog: Klaytn NFTs are coming to OpenSea, 2021年3月29日配信し、翌月3月にも新たにKlaytn (クレイトン) というブロックチェーンに対応[4]
しています。
OpenSeaの始め方・登録方法
OpenSeaへ登録するには、次の3STEPを順番に行いましょう。
最初に、NFTを購入するための仮想通貨を送金したり、作成したNFTを保管したりするときに使用するウォレットを準備します。
ウォレットを利用したことがない方は、MetaMaskというウォレットがおすすめです。OpenSea以外の多くのNFTマーケットにも対応しています。
MetaMaskはWebブラウザの拡張機能としてインストールされます。対応ブラウザはChrome、FireFox、Brave、Edgeです。またモバイル対応アプリもあります。
ガス代として準備したイーサリアム (ETH) は、MetaMaskに紐付けたアカウントに入金しておきましょう。
ウォレットを準備したらOpenSeaを開き、右上に表示される「財布のマーク」をクリックしましょう。使用するウォレットアプリを選択する画面が表示されますので「MetaMask」を選択してください。続けてMetaMaskのパスワードを入力し、MetaMaskをOpenSeaと接続させましょう。
ウォレットを接続したら、右上のプロフィールアイコンから「My Profile」へ進みます。歯車のアイコンをクリックし、プロフィールを入力しましょう。歯車マークを押すとMetaMaskが立ち上がるかもしれません。そのときは「署名」ボタンをクリックして進めましょう。
プロフィールの画面で入力する項目は次の3つです。
- Username:名前
- Bio:経歴、プロフィール
- E-mail Address:メールアドレス
登録すると、入力したメールアドレス宛にメールが届きます。メール内のボタンをクリックし、認証を済ませましょう。以上でOpenSeaへの登録は完了です。
OpenSeaでNFTを買う方法
ここではNFTの絞り込みと表示順の入れ替え、販売方法の見方について解説します。
まずNFTを絞り込む方法は、次の6つがあります。
- カテゴリ
- NFTのステータス
- 価格
- コレクション
- ブロックチェーン
- 通貨
上部メニューに表示されている「カテゴリ」では、次の8種類があります。
- アート
- 音楽
- ドメイン名
- バーチャルワールド
- トレーディングカード
- グッズ (収集品)
- スポーツ
- ユーティリティ
デジタルアートのNFTを探しているのであれば「アート」を選択しましょう。
CryptoKittiesやCryptoPunkなどのコレクターズアイテムをお探しの方は「グッズ」をクリックします。
仮想空間サービスのDecentralandやThe Sand boxであれば「バーチャルワールド」を選択するとよいでしょう。
カテゴリで絞り込んだあとは、左側のメニューから各条件を指定できます。
1つめは、ステータスです。ステータスは「今すぐ購入」「オークション」「新着」「オファーあり」の4つから指定できます。
「今すぐ購入」を選択すると、オークション形式で出品されておらず、即決価格で販売されているNFTだけが表示されます。「オークション」を選ぶと、オークション形式で出品されているNFTが表示されます。「新着」は、新たに出品が開始されたNFTです。また「オファーあり」を選択すると、入札があったNFTが表示されます。ただし即決価格で売り出されているNFTも表示される点にご注意ください。即決価格が提示されていても、値下げ交渉として入札が行えるようになっているためです。
2つめは、価格での絞り込みです。米ドルまたはETHを指定し、最小値と最大値を入力して絞り込無ことができます。
3つめは、タグ検索のように人気コレクションを指定して検索できます。
4つめのブロックチェーンにおける条件では、イーサリアムやマティック、クレイトンなどからブロックチェーンを指定して検索します。
5つめは、通貨の種類です。提示価格に使用されている通貨種類を指定できます。たとえばイーサリアム (ETH) を指定すると、イーサリアム (ETH) で購入できるNFTだけが表示されるというしくみです。
カテゴリや各条件を設定すると、ある程度表示するNFTを絞り込めるでしょう。表示順を変更したい場合は、画面の右上から次の10種類の並び替えが可能です。
- 最近上場した
- 最近作成された
- 最近販売された
- 間もなく終了
- Price:Low to High
- Price:High to Low
- 最高最終販売
- 最も閲覧された
- Most Favorited
- 最古
また価格項目は「価格」「前価格」「最小入札額」「現在入札額」「Best Offer」の5種類あります。
価格が記載されているNFTは、出品者が「即決価格」を指定しているものです。たとえば「価格:0.1ETH」と記載されていれば、0.1ETH支払うとすぐにNFTを購入できるようになっています。
前価格に記載されている価格は、以前そのNFTが取引された金額です。つまり現在の所有者が購入した金額です。前価格の記載がない場合は、はじめて出品された商品ということになります。
最小入札額は、オークションのスタート価格です。最小入札価格が記載されているNFTは、入札がまだ入っていません。一方、現在入札額は現在の入札価格を示しており、入札が入っていることがわかります。
Best Offerが入っているNFTは、オークションが終了しています。最も高額な入札金額が表示されている状態です。
OpenSeaの出品方法
OpenSeaでNFTを出品する手順は、次の3STEPです。
最初に「コレクション」を作成しましょう。コレクションとはNFTをまとめるフォルダのようなものです。
右上のプロフィールアイコンから「My Collection」へ移動し「Creat」ボタンを押しましょう。そして次の項目を入力します。
- ロゴ画像
- コレクションの名前
- コレクションの説明
「Create」ボタンを押してコレクションを作成したら「Add Items」をクリックしてNFTを作成します。入力する項目は次のとおりです。
- Image, Video, Audio, or 3D Model:NFTに紐付けるファイル
- Name :名前
- External Link:外部リンク
- Description:説明
次に作成したNFTを表示し、画面右上の「Sell」ボタンを押しましょう。販売に必要な情報を入力していきます。最初の項目「sell method」は、販売方法を選択する重要な項目です。選択肢は以下2つあります。
- Set Price:即決価格で売る
- Highest Bid:オークション形式
なお「Bundle」という選択肢も表示されますが、これはNFTのセット販売という意味なので、押すとNFTの選択画面が表示されます。
即決価格で売る場合は「Price」欄に即決価格を入力しましょう。なおイーサリアム (ETH) 、WETH (WETH) 、ダイ (DAI) から通貨単位を指定できますが、特にこだわりがなければイーサリアム (ETH) のままで構いません。
また必要に応じて、下記を設定できます。
- Include ending price:売れるまで価格が徐々に下がります。開始価格と終了価格、売出し期間を設定します。
- Schedule for a future time:将来の日時を指定して販売時刻を予約します。
- Privacy:特定のユーザーにのみ公開できます。公開したい相手のイーサリアムアドレスを入力します。
2つめのオークション形式を選択した場合、次の3つの項目を入力します。
- Minimum Bid:スタート価格
- Reserve price:指定した価格以上の入札がなければ売らないよう設定する
- Expiration Date:オークション期間
なお「Reserve price」は、デフォルトで1ETHと記載されています。これはOpenSeaのオークションのしくみが、1ETH以上の入札があった場合、必ず入札者に売却するという設定になっているからです。もし1ETH以上の価格でないと売り渡したくないという場合は、1ETH以上の価格をReserve priceに入力しましょう。
最後に、Summary欄の「Post Your Listing」を押すと、メタマスクが立ち上がりガス代が表示されます。「確認」ボタンを押して支払いを行ってください。
なおはじめて出品する場合はガス代が必要ですが、2回目以降の出品ではかかりません。
ガス代はイーサリアムネットワークの混雑具合によって変わりますので、週末など比較的取引量が少ない時間帯を選んで試してみるのもいいかもしれません。
OpenSeaのまとめ
OpenSeaについてまとめると、次のとおりです。
- 最大手のNFTマーケット
- ジャンルを問わずさまざまなNFTが出品されている
- 販売方式やロイヤリティの設定が可能
- NFTを無料で作成できる
- NFTを出品するときにガス代を支払う必要がある
OpenSeaはさまざまな種類のNFTに触れられ、かつNFTが無料で作成できるメリットがあります。OpenSeaは、これからNFT取引をはじめてみたいと考える初心者の方におすすめといえるでしょう。