P2P (ピアツーピア)とは?その仕組みや事例・ブロックチェーンの関係まで徹底解説!

1分で理解する要約
  • P2P (ピアツーピア)の仕組みを理解することができる
  • P2P (ピアツーピア)が使われている代表的なサービスを知ることができる
  • P2P (ピアツーピア)の仕組みとブロックチェーンの仕組みの関連性がわかるようになる

P2Pとはブロックチェーン技術の基礎を担っている部分であり、ブロックチェーン技術を理解する上ではとても重要なワードの一つです。

この記事ではP2Pの仕組みや種類、メリット・デメリット、さらにはブロックチェーンとの関係ついて説明していきます。

P2P (ピアツーピア)の仕組み

P2P (ピアツーピア)とは

P2Pとは、Peer to Peerの略称で、世の中にあるたくさんのネットに接続できる端末がサーバーを使わずに端末同士でファイルの共有やデータ送信ができる通信技術のことをいいます。

その際、ネットワークに接続している端末 (パソコンやスマートフォンなど) を「ノード」と言います。ノードが接続し合っているネットワークをP2Pネットワークと呼んでいます。

P2Pを理解するために、従来の通信技術についても把握をしておきましょう。

クライアント・サーバ型のシステム

従来のインターネットの通信技術は、リクエストとレスポンスで成り立っています。

ユーザー(クライアントサイド)が情報保管先(サーバーサイド)に対して、情報の閲覧を要求(リクエスト)し、それに対して情報を返す(レスポンス)ことの繰り返しで成り立っています。

この技術をクライアントサーバーシステムと呼んでいます。

P2P (ピアツーピア)とクライアントサーバー型システムの違い

クライアントサーバー型システムは、サーバーがデーターベースを保管しており、情報を中心部で管理しているような構造になっています。

サーバーに対する負荷が強くなるためサーバーダウンのリスクは伴いますが、データがどこに保管されているかが明確なため紛失などのリスクは少ないメリットがあります。

一方P2Pでは、データを分散管理します。分散管理することで一極集中の負荷をさけることができ、処理速度が早くなるなどのメリットがあります。

逆にデメリットはデータの所在を把握しづらいという点です。どちらかというとスピード重視な傾向にあると考えてよいでしょう。

P2P (ピアツーピア)の種類

P2Pには大きくわけて3種類の通信技術があります。それぞれの特徴を把握しましょう。

ピュアP2P (ピアツーピア)

こちらはもっともスタンダードな技術になっています。クライアントサイド同士でネットワークが形成されており、クライアントサイドのみで情報共有が行われています。

P2Pとは、一般的にピュアP2Pのことを指しているのだと認識していただいて構いません。

ハイブリッドP2P (ピアツーピア)

この技術はクライアント同士で情報共有が行われる部分と、サーバーに保管しておくデータを分けて管理する技術です。

例えばチャットサービスなどは情報の共有はクライアント同士で行いますが、会員登録しているユーザーのデータはより安全なサーバーで保管する必要があります。

P2Pが効果的に使える部分のみをP2Pに任せ、安全面が必要な部分をクライアントサーバーで担保する技術のことをいいます。

スーパーノード型P2P (ピアツーピア)

スーパーノード型 P2Pとは沢山存在しているノードの中から選考されたスーパーノードが、他の接続しているノードの情報を分担して管理する技術をいいます。

仮想通貨XEMなどは、これらの技術を用いて管理されています。

P2P (ピアツーピア)の仕組みのメリット

P2Pがどのような仕組みなのか、大まかな概要が見えてきたところで、メリットデメリットについて解説をしていきます。

コストを抑えることができる

まず第一にP2P技術を用いることでサーバーの管理が不要になるため、その分の管理コストを抑えることができます。

アクセス数が多く莫大な処理が必要なサービスには、それ相応のサーバーが必要になります。

サーバーコンピューターの用意、管理、さらにはエンジニアの雇用なども踏まえるとコストは決して安くありません。P2Pではそれらを節約することが可能なのです。

ゼロダウンタイムが実現する

ダウンタイムとはサーバーがダウンすることで全てのシステムが停止してしまうことを表しています。

我々が普段使っているWEBサービスですら、時折サーバーがダウンし、接続ができなくなることは珍しくありません。P2Pでは、クライアント同士が分散してデータを管理し、繋がっているため、どこかのクライアントが停止しても全体のシステムダウンには繋がりません。

これをゼロダウンタイムと呼びます。仮想通貨などは、まさにゼロダウンタイムが実現しているからこそ安定運用が可能になっているのです。

通信を速くすることができる

クライアントサーバー型の通信方式では大量のデータ処理が生じた際に、通信速度が低下します。データ処理の順番待ち、すなわち渋滞が起きるからです。

P2Pでは一箇所に処理が集中することがないので、常に高速な通信が行われています。

P2P (ピアツーピア)の仕組みのデメリット

セキュリティリスクがある

懸念されているのはセキュリティリスクです。P2Pはウイルスなどに弱く、サーバーを経由せずにクライアント同士で通信ができてしまうため、感染拡大に繋がってしまう可能性があります。

また、どの経由で侵入して来たウイルスなのかを逆探知するのもクライアントサーバー型と比べて難易度が高いのも特徴です。

別の方面では、サーバーを経由せずにクライアント同士で繋がっているため、データ流出に繋がる恐れもあります。

P2P (ピアツーピア)の仕組みの活用事例

ビットコイン (Bitcoin/BTC)

P2Pという言葉を一般的にしたのも、仮想通貨、すなわちビットコインが世に知られたことがきっかけでした。

ビットコインは送金をする際にトランザクション(履歴)が発行されます。それらを計算処理し、取引記録を承認していく仕組みになっています。

その際にブロックチェーンのここのブロック取引記録が書き込まれて保存され、そのデータをP2P技術を用いて分散管理しています。

従来の決済やお金の管理は中央のサーバーが管理するのが当たり前でしたが、P2Pとブロックチェーン技術を掛け合わせてセキュリティを強くした仮想通貨の仕組みは、瞬く間に世界中の技術者に注目がされました。

Skype

Skypeは音声ファイルやチャットを共有することができるアプリケーションサービスです。
Skypeでは、ユーザーの情報などの管理は、従来のクライアントサーバー型を採用し、中央にあるサーバーにてデータの管理を行なっています。

P2Pの技術は、通話などのユーザー同士のやりとりが必要になる部分で採用されています。先ほど紹介したハイブリッドP2Pの代表的なサービスの1つでした。

例えば、ログインをするなど、ユーザー情報にアクセスをする通信はクライアントサーバー方式で活用されています。通話はユーザー同士による音声データの通信ですが、その通信ではP2Pの技術が採用されているということです。

しかし、現在はマイクロソフトに買収され、通信方法が変更されてしまったため、P2P技術は活用されていないようです。

LINE

LINEもSkypeと同じ容量でP2Pの技術を用いています。

写真や動画などの共有はノード同士で行われ、ユーザーのIDなどのアカウント情報はサーバー側が管理をしています。

LINEほど便利なアプリケーションを我々が無料で使うことができるのは、大きなサーバーを立てる必要がなく、運営コストを抑えることができているからだと言えます。

μTorrent

μTorrentはユーザー同士でファイル共有が行えるソフトウェアです。

ユーザーが撮影した動画を他のユーザーと自由に共有ができるので、非常に便利なソフトウェアです。

しかしながら映画や音楽など著作権に関わってくるものをダウンロードできてしまう問題が発生し、メディアなどに取り上げられたこともありました。

P2Pは匿名性も高いため、このようなデメリットが生じてしまうこともあります。

ブロックチェーンとP2P (ピアツーピア)の関係

最後に、仮想通貨のP2Pについてをまとめていきます。ビットコインが最初のブロックチェーン技術であり、P2Pの仕組みを取り入れているので、ビットコインを例に解説していきます。

ビットコイン (Bitcoin/BTC)におけるP2P (ピアツーピア)の役割

まずビットコインでは、ネットワークに参加しているノードがユーザーとマイナーに分かれます。

ユーザーはビットコインの送受信を行なっている文字通り、決済手段として使っている人たちです。

一方マイナーとは、ユーザーが送受信した取引記録をコンピューターを使って計算処理を行い、ブロックチェーン上に記録している人たち(現在は企業単位)を言います。マイナーがトランザクション(取引履歴)をマイニング(計算処理して承認)することで、ブロックチェーンに記録されていきます。

これらの流れのなかで、複数のノードを経由しながらマイニングを行い、分散台帳への書き込みが行われている点が暗号通貨におけるP2Pの役割になっています。

ビットコイン (Bitcoin/BTC)に置ける仕組み

ビットコインにおける仕組みは、大まかに次の手順です。

ビットコイン (Bitcoin/BTC)に置ける仕組み
STEP1ユーザーがトランザクションデータを発行
STEP2ビットコイン (Bitcoin/BTC)が公開鍵と秘密鍵、送金額のデータをセットで送信
STEP3マイナーがマイニングを行う

STEP1 ユーザーがトランザクションデータを発行

まず、ユーザーがトランザクションデータを発行させます。トランザクションデータとは、誰から誰へビットコインを送金しようとしたのかを示した履歴のことだと考えるとわかりやすいです。

STEP2 ビットコイン (Bitcoin/BTC)が公開鍵と秘密鍵、送金額のデータをセットで送信

ビットコインは公開鍵(ビットコインのアドレス)と秘密鍵(送金されたビットコインを受け取る際の暗号)、さらに送金額のデータがセットになり送信がされます。その後、マイナーがマイニング(コンピューターを使った承認作業)を行います。

STEP3 マイナーがマイニングを行う

P2Pネットワークを利用し、送金したユーザーに隣接したノードから、その他のノードへとトランザクション(取引記録)のデータが電波していきます。

マイナーはその仕組みの中でマイニングを行います。マイニングは、一番最初にトランザクションの承認を完了させた人が新しいブロックを生成し、ブロックを一本のチェーンのように連ねていきます。マイニングに成功したマイナーが新たなブロックに取引履歴を記録します。

この記録された情報もP2Pネットワークを通して、全てのノードに共有されます。

ビットコインの取引に関しては、トランザクション生成された記録から、マイニングされてブロックチェーン上に記録された全ての情報がP2Pで共有されていると考えるとわかりやすいでしょう。

まとめ

P2Pは情報を一つの中央サーバーで管理するのではなく、ノードと呼ばれるユーザーに分散して管理する方法でした。

メリットはコスト削減、ゼロダウンタイムの実現、通信速度が上がることでしたが、セキュリティ面のリスクなどのデメリットもありました。

ビットコインなど、ブロックチェーンの技術にも応用されており、今後の世界の技術発展を促進するテクノロジーであることは間違いないでしょう。

国内 暗号資産(仮想通貨)取引所比較ランキング
  1. Coinceck(コインチェック)

    取引量・ユーザー数は日本で最大級!使いやすいスマホアプリと豊富な取扱通貨で人気の取引所!

    詳細を見る
  2. Bitbank(ビットバンク)

    全ての暗号資産(仮想通貨)が板取引形式 (最安手数料) で売買できる!

    詳細を見る
  3. GMOコイン

    安心のGMOインターネット (東証一部上場)グループの暗号資産(仮想通貨)取引所

    詳細を見る
※ 2023年11月22日 最新更新国内取引所ランキングをもっと見る
海外 暗号資産(仮想通貨)取引所比較ランキング
  1. Bybit(バイビット)

    クレカ入金可能!レバレッジの効いたFX取引に特化した暗号資産(仮想通貨)取引所!海外ならココ一択!

    詳細を見る
  2. Zoomex(ズームエックス)

    レバレッジ取引に特化した次世代仮想通貨取引所!

    詳細を見る
  3. MEXC(メックスシー)

    取り扱い銘柄数1,500種類以上の大手仮想通貨取引所!

    詳細を見る
※ 2023年11月22日 最新更新海外取引所ランキングをもっと見る
目次
詳細表示