- SBIグループはリップル社の株式10%を持ち深い協力関係にある
- SBIグループとリップル社は協力してSBI Ripple Asiaを設立した
- SBI Ripple Asiaは日本とアジアにリップルソリューションを提供している
仮想通貨の中には決済手段として優れている通貨が多く存在します。その中でも世界的に存在感を発揮しているのが、仮想通貨リップル (Ripple/XRP)です。現在では世界中にリップル社の金融システムが広がりつつありますが、特にアジアや日本ではSBIグループが中心となってリップルソリューションを推進してきました。
リップル社とSBIグループはどんな活動をしてきたのでしょうか。そして世界に広がるリップルソリューションとはどんな技術なのでしょうか。本記事で分かりやすく解説します。
リップル (Ripple/XRP) とはどんな仮想通貨?
世界的な送金の懸け橋となる仮想通貨リップル (Ripple/XRP)
XRPはアメリカのリップル社によって開発された仮想通貨です。リップル社はブロックチェーン技術を活用して、グローバル送金ネットワークを主導する企業です。これまでの海外送金は多くの銀行をまたぐことで行われていたものの、銀行ごとに手続きが必要で、結果として多くの手数料や時間がかかっていました。
しかし世界のメガバンクが参加するグローバル送金ネットワークによって、目的の銀行へ直接送金が可能になります。その懸け橋となるのがXRPです。
XRPの特徴は処理速度が速く、コストがかからない点です。ビットコインが1秒あたりに処理する取引は16件なのに対し、XRPは1秒で1,500件の取引を処理できます。またビットコインでは1件当たりの処理コストが平均28ドルなのに対して、XRPは0.0004ドルしか掛かりませんません。XRPは世界をつなぐ送金の懸け橋として、大きな注目を浴びています。
SBIとはどんな金融会社?
SBIと北尾吉孝氏
SBIホールディングスは通称SBIグループと呼ばれており、SBI証券や住信SBIネット銀行をはじめとした金融事業を広く行う企業です。創業者の北尾吉孝 (きたお・よしたか)氏が代表を務めています。北尾氏の経歴は以下になります。
- 慶應義塾大学経済学部卒業
- 野村證券入社
- ケンブリッジ大学卒業
- 1999年ソフトバンク・インベストメント代表取締役に就任 (後のSBIグループ)
- 2005年商号変更しSBIホールディングスとなる
- 2006年ソフトバンクグループ (旧ソフトバンク)傘下より独立
SBIとリップル社
SBIグループとリップル社のつながりは深く、リップル社の株式の**10%**はSBIグループが所有しています。北尾氏はリップル社の保有する技術とブロックチェーンに将来性を見い出し、早い段階でリップル社との提携をおこないました。
北尾氏は決算報告や自身の書籍でも繰り返しリップル社について発言しており、いずれリップル社が世界一の送金サービスを提供し、グローバルスタンダードのを形成すると言及しています。
SBI Ripple Asiaとは?
SBI Ripple Asiaは2016年5月に設立された、SBIグループとリップル社のジョイントベンチャーです。アジア地域の金融機関や送金事業者を対象に、分散台帳技術を生かしたプラットフォームの普及を目的としています。設立にあたり、以下がSBI Ripple Asiaのミッションです。
SBI Ripple Asia公式サイト
SBIグループとRipple(リップル)の知見と技術を融合させることで、日本及びアジアにおける「価値のインターネット」を実現すること
SBI Ripple Asiaが抱える現代の決済課題
インターネットの普及の伴う大きな技術革新によって、世界の人々の生活や社会の形が大きく変容してきました。生活の変化とともに新たなニーズが生まれ、金融システムも変革の時期を迎えています。現状の国際送金における問題点として、送金完了までにかかる膨大な費用と時間の浪費があります。
またビジネスの分野においてもグローバル化が進み、人々の消費行動に変化がみられる中で解決するべき問題は以下になります。
問題点の一つは決済の24時間化とリアルタイム化に対応することです。国際化が進む中、居場所が異なることで決済時間に差異が出てしまうのは、ビジネスにおいても個人間の決済においても大きな課題となります。
またもう一つの問題点が少額決済や振り込みニーズに対応することです。人々の決済方法が多様化することで少額決済や振り込みの需要が高まっていても、ニーズに答える方法がなければ経済面での進歩が妨げられることになります。
SBIとリップル (Ripple/XRP) が目指す世界
SBIグループはリップル社とXRPの技術を活用することで、これからの金融の形に大きな変化を与えられることに気づきました。そこでSBI Ripple Asiaを設立しリップル社と協力して、新しい送金サービスを普及させようとしています。
SBI Ripple Asiaの業務内容は日本やアジアの各種金融機関、送金事業者にリップルソリューションを提供することです。リップルソリューションは国際送金と決済の時間を短縮しコストも抑えることが可能です。ユーザーにとってもこれまでとは違い気軽で素早い取引が提供されます。
日本やアジアの金融機関と送金業者がリップルソリューションでつながることで、「価値のインターネット化」を実現します。
内外為替一元化コンソーシアムとは?
内外為替一元化コンソーシアムとはSBI Ripple Asiaが事務局を務める取り組みです。SBI Ripple Asiaはリップルソリューションを広めるために、内外為替一元化コンソーシアムに参加する三菱UFJ銀行や、三井住友銀行など国内61の銀行(2017年7月時点)に対してサポートを行っています。
後述する「RCクラウド」を実装することで海外送金の簡易化が進むとともに、国内の銀行ごとの垣根を取り去り効率よく送金、決済が行えるようになります。
RCクラウドとは?
リップルソリューションを導入した銀行同士で結ぶクラウドシステムのことを、RCクラウドといいます。RCクラウドはクラウド上でRC (リップルコネクト)を活用し、国内外の銀行同士をつなぐ画期的なシステムであり、世界初の試みです。RCクラウド上では今後もアプリケーションを開発予定で、ユーザの利便性を高めるようなサービスが提供されるでしょう。
SBI Ripple Asiaの取り組みを紹介
リップル (Ripple/XRP) とSBIによる送金システムの取り組み
SBIグループはリップル社の株式10%を保有しています。2016年にはリップル社とのジョイントベンチャーであるSBI Ripple Asiaを設立し、リップルソリューションを活用した新しい送金ネットワークの普及をめざしています。
SBI Ripple Asiaは主に日本とアジア地域での活動を行っています。2019年にはベトナムの金融機関との間でスムーズな送金が実現する、SBIレミットが実装されています。
さらに日本国内では三菱UFJ、三井住友を含めた60以上の銀行と協力して、内外為替一元化の実現を目指しています。RCクラウドが利用されることで国外だけでなく、国内においても少額決済などのコストが下がります。既存の銀行が参加していることで、キャッシュレス比率の低い日本でも受け入れられる可能性が高いです。
SBIホールディングスがリップル (Ripple/XRP) を株主優待として配布を検討
SBIホールディングスのCEO北尾義孝氏は、SBIグループの株主に対して、株主優待プログラムの一環でXRPの配布を検討していると述べました。
2019年8月にSBIグループ傘下のモーニングスタ社にて、2019年上半期の株主優待としてXRPの配布を行いました。その後仮想通貨取引所VCTRADEでは、新規口座開設者が急増しています。
この影響からSBIグループ全体でも、株主優待を通じてXRPを普及させる動きが高まっています。SBIグループによるXRP配布は、2020年3月期の株主優待から導入される予定で、ほかの優待内容との選択制になる予定です。
リップル (Ripple/XRP) を買うならSBIグループ | VCTRADE
SBIグループではXRPを流通させるために、SBI VCトレード株式会社によって仮想通貨取引所VCTRADEが運営されています。仮想通貨交換業者として金融庁から認可を受けている中で、2018年6月に仮想通貨の販売所を開始しました。
SBIグループとしてXRPをメインにしたサービス展開をおこなったことから、初期に扱える仮想通貨はXRPのみでした。2019年11月時点ではXRPのほかにビットコインやイーサリアムも上場しており、VCTRADEでは3種類の仮想通貨を取引できます。また2019年7月末には、板取引がおこなえるVCTRADE Proのサービスが始まっています。
SBIとリップル (Ripple/XRP) まとめ
SBIグループがリップル社の持つ技術力に目を付けたことから、共同でSBI Ripple Asiaを設立するまでになりました。
現在ではリップルソリューションの拡大も進んでおり、順調に新しい金融システムが広がってきています。また日本を含めたアジア全体でもRCクラウドが普及することで少額決済や取引が低コスト化し、短時間で行えるようになってきています。
今後も世界中でリップルソリューションが広がることで、より簡単にお金をやり取りできる社会へと変化していくでしょう。