仮想通貨ウォレットのメリットとは?

編集:
松本 頌平 (Shohei Matsumoto)

仮想通貨ウォレットを使う必要性は?

仮想通貨は管理方法によっては、ハッキング被害に遭う可能性があります。たとえば普段取引をしている取引所に、自分の保有する仮想通貨をすべて預けておいたとしましょう。取引所がハッキングの被害に遭って、自分の仮想通貨が盗難されてしまった場合、必ず全額が返還されるとは限りません。取引所で保管している場合は、仮想通貨の秘密鍵を取引所が管理しており、私達はその通貨の「所有権」を持たないためです。[1]

triangle

これまでにも幾度となく仮想通貨取引所はハッキング被害に見舞われてきました。ハッカーからすれば少額しか入っていない個人用のウォレットを狙うよりも、大量の仮想通貨が保管されている取引所を狙った方が効率が良いためです。

しかし仮想通貨ウォレットを使って自分で資産管理をしておけば、仮想通貨取引所から離れて保管することになるため、取引所がハッキングされても問題はありません。また、秘密鍵を自分で持つことで、所有を証明することができます。[2]

triangle

そのため多額の仮想通貨を保有している人は、取引所ではなく自分で管理できる仮想通貨ウォレットの利用が重要なのです。

取引所で起こりうる最悪のケース

世界各国の取引所で、ハッキング被害が続出しています。国内で大きなニュースになった2018年1月26日に起きた「Coincheck」のハッキング被害事件では、時価約580億円の被害が出ました。[3]

triangle

不正アクセスによって5億2,630万のネム (XEM) が流出し、約26万人の被害者が出ています。Coincheckは1XEM当たりにつき、88.549円を補償しました。

Mt.Goxでは2014年2月に、約75万BTCがハッキングにより流出しています。被害当時の価格で、時価約370億円の被害が発生しました。[4]

日本経済新聞, マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失, 2021年6月1日参照

triangleこの事件よってMt.Goxは破産手続きを行っています。2018年に一部債権者の申し立てを受けて民事再生手続き開始が決まり、2021年6月1日時点で未だ被害者に対しての補償金は支払われていません。

このように取引所には、ハッキングによって仮想通貨を盗難されたり、盗難によって取引所が倒産したりする「カウンターパーティーリスク」が常にあります。

仮想通貨ウォレットの種類別メリット・必要性

数ある仮想通貨ウォレットの分類方法は、インターネット接続の必要性による分類と、形状による分類があります。インターネット接続における分類では、インターネットの接続が必要な「ホットウォレット」と、オフラインで利用できる「コールドウォレット」の2種類です。

オンラインウォレットにはモバイルウォレットとホットウォレットがあります。またデスクトップウォレット・ハードウェアウォレット・ペーパーウォレットはコールドウォレットです。

形状による分類とは、実際に手に取って触れるかどうかです。たとえば実体があり、手で触れるタイプは「ハードウェアウォレット」、実体がなく手に取れないタイプは「ソフトウェアウォレット」と分類されます。

ハードウォレットはコールドウォレットの分類に当てはまります。USBなどの専用デバイスを使って仮想通貨を管理可能です。

ソフトウェアウォレットとは、アプリやウェブサービスなど実際に手に取って触れない実体のないタイプのことです。ホットウォレットに多くみられます。

ウェブウォレット

ウェブウォレットとはインターネットに接続して利用するホットウォレットの一つです。サービスを提供するサイトに、自分のメールアドレスとパスワードを登録するだけでなので、初心者でも手軽に使えます。

パソコンやスマートフォンなど、サイトにアクセスできる環境さえあればどこにいても管理・利用できるため。外出が多い人にも便利です。

またインターネットを利用しているため、コールドウォレットよりもスピーディーに送金手続きができます。万が一サイバー攻撃などを受けても、サイト運営者がセキュリティ管理をしているため、ユーザーはとくに対策をとる必要はありません。

ただし運営側のセキュリティ管理が不十分な場合には、セキュリティー攻撃によって侵入を許してしまいます。その結果ウォレット内で管理していた自己資産を失う危険性もあると理解しておきましょう。

モバイルウォレット

モバイルウォレットは、スマートフォンやタブレット端末にダウンロードするタイプのウォレットです。外出先でもモバイルウォレットを使えば、QRコードを読み込むだけで簡単に決済できます。

またモバイルウォレットの入った端末が万が一故障しても、新しい端末でアプリを再ダウンロードして、復元フレーズを入力すれば、ウォレットの中身はそのままです。復元フレーズとは秘密鍵のようなもので、ウォレットの登録時にのみ確認ができます。

しかし万が一復元フレーズを紛失すると、端末が紛失・故障した際にウォレットが復元できないので資産を失ってしまいます。またモバイルウォレットは、あくまでもインターネットを接続して利用するので、ハッキングやウイルスに感染する可能性があるので注意しなくてはなりません。

デスクトップウォレット

デスクトップウォレットは、仮想通貨を自分のパソコンから管理するタイプです。ブロックチェーンのネットワークに参加する端末のことで、ブロックチェーン上の全取引データを確認できるフルノード版が利用できるものもあります。フルノードであれば、一部の通貨でマイニングを行うことができます。

またモバイルウォレットなど、ほかのウォレットよりも開発が活発に行われているため、自分に合った通貨を選びやすい点がメリットです。

ただしデスクトップウォレットは、一つに対して1種類の通貨にしか対応していないものがほとんどです。そのため複数の通貨を管理するためには、複数のウォレットをインストールする必要があり、パソコンに負荷がかかってしまいます。

パソコンでしか利用できないので、モバイルウォレットのように持ち運べない点もデメリットといえるでしょう。自分で万全なセキュリティ管理ができる人や、決まった場所でのみ管理・利用する人に最適です。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、インターネットを利用せずにオフラインで管理しているため、ハッキングの被害に遭う可能性が低いタイプのウォレットです。また万が一利用している端末や機器を紛失・故障しても、復元フレーズを使って新しいデバイスから復元できます。ただし復元フレーズを紛失すると、復元できずにウォレット内の資産を失ってしまうので注意しなくてなりません。

ハードウェアウォレットのデメリットは購入価格が高額な点と、ウォレットによって対応している仮想通貨が異なる点でしょう。少しでも安く購入しようと正規販売店以外で購入すると、販売業者側によってすでにPINコードや復元フレーズの設定が行われおり、詐欺に遭う危険性があります。またせっかく購入しても、通貨に対応していなくて使えないなどのトラブル発生防止のためにも、自分が管理したい通貨に対応しているかを確認しておきましょう。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットは公開鍵と秘密鍵が紙に記載されたタイプのウォレットです。コールドウォレットのなかでも、セキュリティに優れているといわれています。

オフラインなのでハッキングの心配がなく、ハードウォレットからの感染によって攻撃を受けるリスクも低いです。そのため多額の仮想通貨を長期間管理する方法として適しています。

ただし公開鍵と秘密鍵が紙に記載されているため、紛失や破損しやすいので保管には十分に気をつけましょう。万が一盗難に遭った場合、口座にアクセスされたら資産をすべ失ってしまう危険性があります。

仮想通貨ウォレットはそれぞれのメリットを意識して選ぼう

仮想通貨ウォレットには、さまざまな種類があります。ウォレットによっては対応していない通貨があったり、持ち運びしにくかったりと特徴もそれぞれです。利用シーンや目的に合ったタイプを選びましょう。

またウォレットで管理をしていても、盗難や紛失する危険性はあります。1回のトラブルですべての資産を失わないためにも、複数のウォレットに分散して管理をするのがおすすめです。

大切なコードを慎重に管理できる人には、ペーパーウォレット・ハードウォレットが向いています。管理だけでなく決済もしたい人は、モバイルウォレットが便利です。取引所には取引する分だけを保管し、それ以外の資産はウォレットを活用すればより安心できます。

仮想通貨ウォレットのメリットまとめ

仮想通貨を取引する取引所は、世界中のハッカーによって常に狙われています。どんなにセキュリティ対策をしていても、万が一取引所がハッキング被害に遭ってしまったら、預けていた資産を失ってしまうかもしれません。

取引所には取引に必要な資産のみを預けて、それ以外の資産は仮想通貨ウォレットで管理しましょう。仮想通貨ウォレットにはネットワーク上で管理するオンラインウォレットと、ネットワークを使用することなく管理できるコールドウォレットがあります。

普段の生活で送金や決済などの利用シーンが多い人は、端末で利用できるオンラインウォレットがおすすめです。ただし一つのウォレットだけで管理するのではなく、ハッキングの被害に遭いにくいコールドウォレットの併用も検討してみてください。

分散管理をして、大切な自己資金を守りましょう。

情報ソース・引用元一覧

1
4

日本経済新聞, マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失, 2021年6月1日参照