- DecentralandではMANAトークンを使用して土地を購入できる
- Decentralandでは規制がなく自由なコンテンツ制作が可能
- 仮想現実空間として独自の経済圏を作り出そうとしている
皆さんはVR (仮想現実)という言葉を知っていますか。VRに対応するゴーグルなどを着用することで、ベッドに横たわりながら仮想現実空間で活動できます。
そんな夢であふれたVRですが、ブロックチェーンとVRを融合させることで独自の経済圏を実現しようとする、Decentralandというプロジェクトが進んでいます。
本記事を読めば、Decentralandの始め方や将来性について理解が深まるでしょう。
Decentraland (ディセントラランド) とは?
Decentralandはイーサリアムブロックチェーン上で起動する、VR (仮想現実)空間のプラットフォームです。ユーザーはDecentraland内で創設される施設などの利用者として楽めるうえ、仮想空間内で展開されるゲームなどをプレイ可能です。
また「ランド」と呼ばれる土地を活用することで、自分のランド内で施設を作り管理者として収益化することもできます。所有するランド内では思いつく限りの行動が可能なので、ありとあらゆる活動をおこなえます。
基本情報
基本データ
Decentraland (ディセントラランド) の特徴
Decentralandで自由な活動を創設するために必要なランドは、MANAというERC-20トークンによって獲得できます。Decentralandでのサービスの享受や商品の購入など、全ての経済活動をおこなうためにもMANAが必要です。ネットワーク内でより便利な活動をおこなうために、ランドの所有者はショップなどを開店しユーザーを呼び込むことで報酬が手に入ります。
またDecentralandを訪れた新規ユーザーに対しては、MANAが配布されることですぐにVR空間での経済活動を始められるようです。Decentralandプロトコルでは3つの層が構成されています。
合意層
DecentralandではVR空間上の土地であるランドを代替不可能な資産とするために、イーサリアムのスマートコントラクトが活用されています。ランドごとに以下の内容が記録されます。
- 固有の土地座標 (X,Y)
- 所有者
- ランドで実現されるコンテンツ情報
ユーザーはMANAを消費して、ランドの所有権を得ることができます。
土地含有層
Decentralandでは分散型ストレージシステムを活用しており、集中化されるサーバーを使用しないVR空間プラットフォームの提供が可能です。
また中央機関による権限が無効化されており、自由な活動が実現しますが、これらの状態を維持するために多大な維持コストが使われています。
将来的には維持コストが緩和されるプロトコルへと移行される予定ですが、それまでの期間はMANAによる継続収入が維持されることで費用が賄われます。
リアルタイム層
Decentralandでは通信を成立させるために、土地所有者や複数のホストサーバーによってP2P通信を実現する必要があり、ランデブーサーバーによって調整がおこなわれます。
さらにDecentralandで実現する高度な機能を実行するために、使用されるプロトコルによってランドの所有権が証明される仕組みです。
またオリジナルコンテンツの制作者が作品の所有権を確立するためのIDシステムが、ランデブーサーバーの稼働によって実現しています。
Decentraland (ディセントラランド) と他のプロジェクトの違い
DecentralandではVR空間プラットフォームとして発展するために、経済的な利点を生じさせることで所有者の創造活動を促進しています。
今や作成されたコンテンツは容易なコピーが可能で、話し合いなどの社会的合意により定められたルールのもとでコンテンツ保護がおこなわれますが、デジタルコンテンツの保護は十分ではないです。
ビットコインなどPOWがアルゴリズムとして機能するブロックチェーンでは、マイニング時に経済的な思惑が発生することで誤った承認が下ることも否めません。
Decentralandではdecentralized identity systemsによって、コンテンツ作成者による承認をユーザーが簡単におこなえるようになっています。またコンテンツ作成者や団体がDecentralandを活動拠点として認定できるように、社会的評判を高め独自の経済圏形成を進めています。
Decentraland (ディセントラランド) で使われるMANAとは?
MANAはERC20トークンの1つです。イーサリアムのブロックチェーン上で使用されています。MANAはVR空間プラットフォームであるDecentralandにおいて、通貨の役割を持ちます。
現在の使用用途はVR空間での土地である、ランドの所有権売買目的です。今後の目標として、Decentralandでのサービスや商品購入のさいに使用される方向で、開発が進められています。
Decentraland (ディセントラランド) の目的
Decentralandの目的として以下が掲げられています。
コンテンツ制作者がその価値を最大限に引き出せるネットワークの確立
近年はFacebookのような大型プラットフォームの台頭で、世界中の何億というユーザーが対話を通して情報共有を可能にしました。まさにデジタル社会ならではの規模で、オンラインコミュニティが誕生しています。
この流れの中プラットフォームは、コンテンツ制作者から大きな収益を獲得しています。Decentralandで大規模なオンラインコミュニティが発生することで、自由な仮想世界の中で、コンテンツ制作者の価値が最大限発揮されるネットワークが確立されるでしょう。
Decentraland (ディセントラランド) の歴史
Decentralandは2015年に開発が始まりました。開発目的は以下になります。
デジタル不動産の所有権をブロックチェーン上のユーザーに割り当てるための概念実証
2016年後半にBronze Ageの開発が実行されています。Bronze Ageは区画により分割された3D仮想世界です。2017年7月にはCoinbaseのみで800万人を超えるユーザーが参入しており、この急成長の結果、DecentralandのVR世界を実現するために十分なプールができました。
しかしイーサリアムのblockchain-based infrastructureには、micro paymentを素早く処理するための方法がなく処理能力に限界がありました。Decentralandでは決済取引の迅速化を実現するために、チェーン外でのトランザクション処理を研究、開発しています。
将来的な目標として、「低料金で高速なグローバル決済システムの確立」を見据えています。
Decentraland (ディセントラランド) の将来性
ゴールドマンサックスの経済予想では、「VR市場は2025年までに300~950億ドル規模の成長が期待できる」と発表されました。VRはデジタル業界の新しい分野として、パソコンやスマートフォンに並ぶ第三のプラットフォームへの成長が期待されています。
一方Decentralandについては開発が続けられている状況で、一部ユーザーから開発スピードが遅いという指摘を受けています。ユーザーのニーズに応えるために、Decentralandの今後の予定として、他タイトルのゲームを導入するアップデートが実行されるようです。
アップデートで他ゲームのプレイが可能になり十分なクオリティを見せつけることで、Decentralandの将来性も期待値が上がるでしょう。
Decentraland (ディセントラランド) の始め方
Decentralandを始めるためにまずは公式サイトにアクセスします。画面を下にスクロールしていくことで、「start building」の画面になります。ここからDecentralandが始められます。
また下にスクロールすると、Decentraland内で使用するMANAトークンの説明があります。
アバターの制作方法
アバターは仮想現実世界で、あなたの分身になるデータです。アバター作成は作成ページよりおこないます。
ページ内にGET STARTEDが表示されているので、クリックしてメールアドレスを入力します。
登録したメール宛に4桁の数字が表記されたメールが届くので、数字を入力欄に記載してSUBMITを押すとアバター作成が始まります。
性別や顔、服などを設定
アバターは様々なパーツを組み合わせて作成します。
設定できる内容は以下のデータがあります。
- 性別
- 肌の色
- 顔
- 髪型
- 服装
- 靴
- アクセサリー
細かい設定が面倒くさい場合は、上に設置されたボタンを押してランダム作成も可能です。アバターの設定に満足がいけば画面下のDONEを選択してアバターを保存します。
名前の設定
アバターに名前を付ける場合は、100MANAを支払う必要があります。名前をつけずにゲストとして参加することも可能です。名前を付けるときはCLAIM NAMEを選択し、好きな名前を入力後再びCLAIM NAMEを押します。そして再び名前を入力したのちに、トランザクションの申請をおこないます。
自己紹介を設定
最後に自己紹介文を入力します。140文字までの入力が可能です。最後にCONTINUEを押してメールが届きます。メール内のリンクからアバターの出来を確認します。
アバターは再び編集可能なので、好きな状態になるまで続けてもいいでしょう。
Decentraland (ディセントラランド) をBuilderにて構築を体験
以下のリンクからお試しで構築が可能です。
start buildingをクリックすることで構築が始まります。チュートリアル動画を見るなら、LEARN MOREを選択しましょう。お試し構築はPCでのみ可能です。
構築の初めに地面のサイズを決定します。1Parcelから最大32Parcelsの中で選択します。設置アイテムはサイズが小さいので、最初は1Parcelでも十分楽しめるでしょう。
設置はアイテムを選択してドロップするだけです。クリプトキティの開発チーム提供のDapperを使用すると、ウォレット内に保管してあるキャラを配置することもできます。Dapperを使用するさいには、METAMASKはオフにしておきましょう。
Decentraland (ディセントラランド) で土地300万円も?
2018年7月には約300万円で土地が売買されました。取引された土地は近くにショッピングセンターがある事から、サービスが展開しやすくなることを見越して高値が付いたようです。
Decentralandでできることはまだランドを購入するのみですが、今後機能が実装されていくことでランドの価値も跳ね上がる可能性があります。一番安いランドは約8万円の値段がついています。今後を見越して安いランドを買い占めておくと長、期的なリターンを得られるかもしれません。
Decentraland (ディセントラランド) の運営メンバー
2020年3月22日現在では公式サイトに運営メンバーについての詳細は記されていませんが、他のSNSなどで2人の運営メンバーは明らかになっています。
Ari Meilich Project Lead
Ari MeilichはDecentralandのプロジェクトリーダーを務めているようです。
Esteban Ordano Tech Lead
Esteban Ordanoは技術リーダーを務めています。T
Decentraland (ディセントラランド) の最新情報
Decentralandは他のブロックチェーンゲームとのコラボや取引所トークンへの対応など、認知度を高める情報が発信されています。
MANAが高騰
MANAは2020年3月22日時点で仮想通貨市場の低調子に引きずられているものの、価値は一定値にとどまっています。
Decentralandの経済活動では必須のトークンなので、Decentralandの地位が高まることでMANAの需要が増加して、価格も元の値に戻っていくことが期待されます。
価格が低いうちにMANAの購入を検討してみるのもいいかもしれません。
コラボもどんどん増えている
Decentralandではコラボをするタイトルが増えてきています。ブロックチェーンレースゲームのBattle Racersは、Decentraland上で公開される予定です。またAxiesというデジタルペットを育成するゲームとも、連携を発表しています。
今後もDecentraland上で公開されるゲームが増えることで、Decentralandの遊びの幅が広がりユーザーの増加が見込めます。
Binanceとのパートナーシップ
DecentralandはBINANCEとパートナーシップを結びました。DecentralandではBINANCEの独自トークンであるBNB (バイナンストークン)を使用して、ランドを購入可能になっています。
Decentralandは他トークンをエコシステムに取り込むことで、多くのユーザーがDecentralandで活動しやすくなる環境を整備しています。さらにBINANCEのDappsブラウザであるTrust Walletを連携して、ランドオークションに参加可能です。
Decentraland (ディセントラランド) まとめ
DecentralandはブロックチェーンとVRを組み合わせた自由な仮想現実世界としての開発が進んでおり、将来への期待値が高いプロジェクトです。運営による規制が存在しないため、あなたの想像力を好きなだけDecentralandで実現できます。
またランドの高騰など現実の不動産取引のような現象も起こっており、仮想現実世界として独自の経済圏が実現することにも大きな期待ができます。今後もDecentralandで機能が実装されていくことで、多くのユーザーが第二の生活を送る世界が実現するかもしれません。