- ネム版マイニング「ハーベスト」は約1分間に1回実行されている
- パソコンの電源オフでも稼働するが、収入が安定しているわけではない
- 厳しい条件があり、設定に時間を要するが、初心者でも参入可能
この記事ではネムのマイニングである「ハーベスト」とは何かを解説しています。ハーベストの定義や仕組み、メリット、デメリット、方法などを紹介します。
ネムのマイニングをしてみたいけれど中身がわからないという方は、本記事を読むことで仕組みややり方を学べます。
ネム (NEM/XEM) のマイニング「ハーベスト」とは
ネムのマイニングは「ハーベスト」と呼ばれます。ネムという仮想通貨のおさらいとハーベストの基本的な情報を紹介します。
ネム (NEM/XEM) についておさらい
ネムは「New Economy Movement」の略であり、ブロックチェーンによる経済革命を目的としています。上場時期は2015年3月31日と新しい部類に入ります。ネムの仮想通貨単位は「ゼム (XEM)」と呼ばれますが、「NEM」という呼び方もされます。
独自の承認システムの確立や日本のテクノロジー企業との提携などで、日本にも根強いファンが多くいるのも特徴です。
最近では次世代ブロックチェーン「カタパルト」が開発されており、ネムの仮想通貨としてのあり方が変わるかもしれません。カタパルト開発のため、NEM財団およびNEMホールディングスが開発支援団体「ネムスタジオ」の設立を発表しています。
ハーベストの基礎知識
ネムの取引はハーベストという独自の方法で承認されます。これはビットコインの「マイニング」に相当し、約1分間に1回の頻度でハーベストが行われています。
POI (Proof of Importance) という仕組みのもと、取引成立に必要なデータが計算処理されます。ビットコインのマイニングのように、専用機械を所有していなくても、一定条件さえ満たせば誰でもハーベストを行い報酬をもらえます。
ある程度のコストはかかるものの、ハイスペックな機械がなくても参入できるので、経験が浅い人でもとっつきやすいといわれています。
ハーベストの種類
ハーベストには二つの種類があります。ローカルハーベストとデリゲートハーベストです。
ローカルハーベスト
パソコンのスイッチがオンになっているときに行われるハーベストを意味します。しかし、スイッチを切っていると動かないので常時稼働が求められ、電気代などそれなりの経費がかかります。
デリゲートハーベスト
パソコンのスイッチがオフでもネムの取引を承認し続けています。パソコンのスイッチを切り、旅行カバンに詰め込んで遠いところへ移動している間も、パソコンはネムのハーベストをやり続けているのです。
スーパーノードといわれる端末にハーベストを委託することでデリゲートハーベストができます。スーパーノードの入手にはハードルの高い条件が求められます。それでも一度入手すれば、代理アカウントを経由することで個人情報が守られることもあり、恵まれた環境で利用できます。
ネム (NEM/XEM) のマイニングのメリット・デメリット
ネムのマイニングであるハーベストには初心者でもとっつきやすいメリットがあります。デメリットに注意しつつ使っていきましょう。
メリット
ハーベストのメリットは簡単な設定、低コスト、手軽に取り組めることです。
ハーベストに参入するには初期設定が求められますが、複雑なプロセスは要しません。必要な作業を済ませて自動でハーベスト回収を待つだけで大丈夫です。
ビットコインなどのマイニングよりコストが低いのもハーベストの魅力です。パソコンのスイッチをオフにしていたり、オフライン利用している最中でもハーベストが行われるので、電気代がかからず手軽に取り組めます。
スーパーノードを持っていれば、1ヵ月に約20万円の収入を得られるケースもあります。ただしスーパーノード入手には300万XEMの保有と毎秒2000回以上のハッシュなど厳しい条件もあります。
デメリット
デメリットは不安定な報酬です。ハーベストで報酬をもらえる人はネムへの貢献度を基準にランダムで選ばれます。そのためネムの保有量が少なかったり、毎秒のハッシュ回数が少ないと、ハーベストをしても報酬にありつける可能性は低いです。
報酬をもらえる人を決める基準は「POIスコア」と呼ばれ、ネムの保有量や取引量など、関わりの強さをベースにスコアが決められています。
ネムの投資実績が乏しく何もしていないと、月に1万円を稼ぐことも難しいとされます。以上のことからハーベストだけで生活費をまかなうのは厳しいでしょう。
スーパーノードに対する報酬が途切れる可能性も指摘されています。報酬の一部はSustainability Fundから充てられていますが、ここの資金が枯渇してしまうと、ハーベストに対する報酬の未払いトラブルのおそれも考えられます。
ネム (NEM/XEM) のマイニングを始める手順
ネムのマイニングであるハーベストのためには以下の3ステップが必要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP1 専用ウォレットの作成
ハーベスト参入にはネムを入れるためのウォレットへの登録を求められます。「Nano Wallet」と呼ばれており、これ以外のウォレットだと参入できません。
STEP2 必要なネム (NEM/XEM) を用意する
ハーベストに参入するには10,000XEM以上のネムが必要です。ただ揃えるだけでなく、10,000XEM以上を一定期間ウォレットに収めている必要があります。
STEP3 既得バランスの保管をする
既得バランスとは、仮想通貨が一定期間ウォレットに収まっていることを意味します。目安は数週間、長くて数ヶ月ですが、ネムの保有量が多いほど既得バランスとして必要な期間は短くなります。
10,000XEMを揃えるだけでなく、これらがNano Walletのなかで既得バランスと認められるまで一定期間待つ必要があります。もちろんその間に1XEMでも売って欠いてしまうと、ハーベスト参入許可までの時間が延びてしまいます。
10,000XEMを揃えたからといってすぐにハーベストに参加できるわけではないのが、参入時の注意点です。
ネム (NEM/XEM) のマイニングを実際にしてみよう
ネムのマイニングのやり方について解説します。ちなみにローカルハーベストには設定プロセスがありません。
デリゲートハーベストの始め方
Nano Walletへのログイン後、「サービス」→「デリゲートハーベスティング」→「デリゲートアカウント管理」とたどっていきましょう。
「任意有効化」ボタンを押したうえで、ウォレットのパスワードを入力し送信します。有効化までは6時間程度かかります。設定完了は「リモートステータス」で確認できます。
ハーベストが有効化したらノードを選択し、ステータスが有効になるのをチェックしたうえで、自動ハーベストの開始を待ちましょう。
このようにデリゲートハーベストでも、時間は要するものの、簡単な設定プロセスをたどるだけで開始できます。
ネム (NEM/XEM) ハーベストまとめ
ネム版マイニングであるハーベストは独自のシステムで行われます。ビットコインなどのマイニングのような専用の機械は必要なく、ネムの保有量や取引量が多いほどハーベストを成功させやすくなり、報酬がアップします。
ハーベストの参入には厳しい条件がありますが、一度参入すれば、パソコンの電源をオフにしていても稼働するので、臨時収入が期待できます。設定も時間を要するものの複雑な作業がないので、初心者でも気軽に参加できます。