Monero (モネロ)

1分で理解する要約
  • モネロの最大の特徴は高い匿名性
  • 比較的マイニングしやすく、家庭用コンピュータでも可能
  • テロリストの資金源や闇市場サイトの決済手段として悪用されるリスクも

モネロとは

モネロとは、2014年に誕生した仮想通貨です。モネロはエスペラント語で「コイン」を意味します。モネロの起源は、2012年に正体不明の開発者Nicolas van Saberhagenが仮想通貨の研究論文であるCryptoNoteホワイトペーパーを発表したことに始まります。このホワイトペーパーでは、「CryptoNote」と呼ばれる新しい形の電子マネーが提案されました。

2012年7月、BytecoinがCryptoNoteプロトコルに基づいてローンチした最初の仮想通貨となり、その後2014年にBytecoinのコードベースがフォークされて新通貨Bitmoneroが誕生しましたが、これが現在のモネロです。

モネロは匿名性が高く、送金主を隠したり受取金額を隠したりすることが可能です。匿名性に強みのある仮想通貨は他にもたくさんありますが、モネロは最も有名で、最大の時価総額を誇っています。表面的には、モネロはビットコインと同じように機能します。ブロックチェーンを利用したパブリックな仮想通貨なので、誰でも購入、販売、使用、マイニングが可能です。

モネロの特徴

高い匿名性

ビットコインは、疑似名アドレスを使って参加者の身元を隠そうとするプロトコルで動いています。これらの疑似名は、アルファベットと数字の組み合わせでランダムに生成されます。しかし、この方法では、ビットコインのアドレスと取引の両方がブロックチェーンに登録され、公開されてしまうため、プライバシーの確保には限界があります。

仮名のアドレスであっても、完全なプライバシーではありません。ある参加者が時間をかけて行ったいくつかの取引が同じアドレスにリンクされることで、他の人がアドレスの所有者の動向や身元を知る可能性があります。

モネロのブロックチェーンでは、意図的に不透明になるように構成されています。参加者が使用するアドレスを偽造することで、送信者と受信者の身元や各取引の金額など、取引の詳細を匿名化しているためです。モネロは、Zcashのように手動でオプトインするタイプの仮想通貨とは異なり、デフォルトでプライバシー機能を提供しています。なお、この高い匿名性は、リング署名・ステルスアドレス、この2つの技術によって成り立っています。

リング署名

リング署名とは、デジタル署名の1つであり、複数の秘密鍵で署名することです。従来の
仮想通貨では、1つの秘密鍵に対して公開鍵を1つにしているため、公開鍵を調べることで誰が送金したのか特定できました。リング署名では、秘密鍵が複数いることで、署名者同士を特定することはできません。しかし、リング署名だけでは完璧な匿名性とは言い難いです。そこで、ステルスアドレスという匿名性を高める技術も採用しています。

ステルスアドレス

ステルスアドレスは、1回限りの使用を目的としてランダムに生成されたアドレスで、受信者に代わって取引ごとに作成されるため、プライバシーがさらに強化されます。モネロには、閲覧用と送金用のアドレスがあります。

送金時のワンタイムアドレスを使っているため、送金履歴にはワンタイムアドレスしか残らず、外部には閲覧用のアドレスが流出する心配がありません。なお、ビットコインのアドレスが27〜34文字に対し、モネロは95文字と約3倍の長さです。また、取引金額を隠すこともできます。

高速取引

モネロの処理速度は、1回につき2分程度です。ビットコインの場合、10分程度かかるので、モネロは約5倍の速さで処理できることになります。ビットコインでは、ブロックサイズの制限があるため、取引の増加に伴う取引スピードの遅延が目立つようになりました。一方、モネロにはブロックサイズの制限がなく、高速取引が可能です。

簡単なマイニング

仮想通貨初心者にとって、マイニングへの参入障壁は高いものですが、モネロは比較的簡単にマイニングがしやすいとされています。モネロは、Windows、macOS、Linux、Android、FreeBSDなど、すべての主要なOSプラットフォームで可能です。マイニングプロセスをサポートしており、個人がマイニングプールに参加して活動の報酬を得たり、個人で直接マイニングしたりすることができます。

モネロのマイニングは、特別なハードウェアを必要とせず、一般的なコンピューターで行うことが可能です。ASICは、ビットコインなどの仮想通貨のマイニングによく使われる高価なハードウェアとなります。モネロの発行上限は1840万XMRで、2022年5月に到達すると予想されていますが、「テールエミッション」と呼ばれるプロセスでブロックごとに0.6XMRを無限に放出し続けるため、本当の最大供給量は存在しません。これはマイナーに対するインセンティブを維持するためです。

悪用の危険性

モネロの高い匿名性がテロリストの資金源や闇市場サイトの決済手段として悪用されることを懸念されています。CNBCの報道によると、ハッカーが悪意のあるソフトウェアを作成してコンピュータに感染させ、モネロをマイニングして北朝鮮に送ったケースが挙げられています。モネロは、資本規制の対象外であり、トレーサビリティーもないため、違法行為や法の執行を回避するために使用することは基本的に自由です。

日本の仮想通貨取引所では2018年までモネロの取扱がありましたが、犯罪利用の懸念から、取扱禁止となりました。そのため、現時点(2021年6月7日時点)におけて国内取引所ではモネロを取扱っていません。世界的にも懐疑的な見方が強く、取扱を中止する取引所が相次いでいます。

モネロのまとめ

モネロは匿名性の高さが特徴の仮想通貨です。高い匿名性は、リング署名とステルスアドレスという技術によって成り立っています。また、高速処理や簡単にマイニングできることも特徴です。匿名性に定評がある一方で、テロリストの資金源や闇市場サイトの決済手段として悪用される可能性もあります。こうしたリスクを懸念し、国内取引所ではモネロを取扱っていません。

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