この記事のポイント
  • ダイバージェンスは相場とオシレータ系指標の逆行現象
  • トレンドの終わりまたは継続を示すシグナル
  • 他のテクニカル指標と組み合わせるとさらに精度が上がる

ダイバージェンスとは相場とテクニカル指標が逆行している状態のことです。チャート上では強いトレンドが発生しているように見えても、実はもうすぐ反転が控えているといった危険な時にダイバージェンスは発生します。ダイバージェンスのことを理解して上手に相場の反転を利益につなげましょう!

ダイバージェンスとは

ダイバージェンスは様々なオシレータ系指標に見られる現象のことです。ダイバージェンスがわかるとそれらオシレータ系指標をさらに有効に使えるのでとても便利です。

ダイバージェンスの基本

ダイバージェンスは日本語で「逆行」という意味です。ダイバージェンスとはオシレータ系指標の示す方向が実際の相場と逆行している現象のことを言います。

例えばビットコイン/円の相場が上昇し続けているとします。通常はオシレータ系指標も上昇を示しますが、このときに下落を示していればこれはダイバージェンスが発生していると言えます。 このダイバージェンスはトレンドの終わりが近いことを示しています。

オシレータ系指標はトレンド相場に弱いと言われていますが、ダイバージェンスをきちんと読み取れればその弱点をカバーできます。

また、ダイバージェンスには次の2種類があります。

  • ダイバージェンス
  • ヒドゥンダイバージェンス

一般的なダイバージェンスは上のものを指します。ヒドゥンダイバージェンスの「ヒドゥン」は「隠された」という意味で、通常のものよりも隠れて見えにくいダイバージェンスのことを指します。後ほど解説しますが、このヒドゥンダイバージェンスも便利な指標なのでぜひ押さえておきましょう。

ダイバージェンスに用いられるテクニカル指標

ダイバージェンスはオシレータ系指標で出現する現象です。RSIやストキャスティクス、MACDなどで一般的には用いられます。

ダイバージェンスの見方

ダイバージェンスをチャートの中でどのように捉えるか解説します。

ダイバージェンスのチャート

こちらが実際にダイバージェンスが発生しているチャートです。オシレータ系指標はRSI (14)を使っています。

画面の中盤で相場は大きな上昇トレンドに入っています。それとともにRSIも途中まで上昇しています。しかし相場の上昇は続いているのにRSIの上昇は途中から勢いがなくなり、オレンジの線の地点ではついに下落を示しています。

この逆行現象がダイバージェンスです。これが見られると相場のトレンドはそろそろ終わりを迎える可能性が高いです。実際に上のチャートでもダイバージェンスが見られてから間もなく下落を示しています。

ダイバージェンスの判定方法

実際のチャートでダイバージェンスの判定をする際には上値や下値を見るのが一般的です。

今回のような上昇トレンドならば上値を見て「相場が上値を更新しているのに、テクニカル指標は上値を超えられなかった」のであれば確実にダイバージェンスです。

下落トレンドであれば下値を見て「相場が下値を更新しているのに、テクニカル指標が下値を超えられなかった」のであればこれも確実にダイバージェンスです。

ダイバージェンスの判定は上値と下値を見て行いますが、実際にチャートを見ていると決定的な証拠はないけどダイバージェンスが起こりそうな場面が多々あります。そのような確定前の状況も捉えてトレードに活用できると、より有利な取引ができるようになります。

ヒドゥンダイバージェンスの見方

ヒドゥンダイバージェンスの意味やチャートでの見方を解説します。

ヒドゥンダイバージェンスのチャート


こちらの画像がヒドゥンダイバージェンスが発生しているチャートになります。先ほどと同じくRSI(14) を使っています。

ダイバージェンスは大きなトレンドに対する逆行で利益を狙うのに対し、ヒドゥンダイバージェンスは大きなトレンドに乗って利益を目指します。同じ逆行現象なのですが、狙う動きがダイバージェンスと違うという点を押さえておいてください。

上のローソク足のチャートを見ると中盤から上昇トレンドが発生していて、相場はずっと下値を切り上げています。しかしRSIを見ると相場が上昇しているのに下値を切り下げてしまっている部分があります。つまりここでダイバージェンスが起こっているのです。

これをサインとしてエントリーします。この見方の意味合いとしては「相場の上昇トレンドの中の下落調整が、RSIが逆行してしまうほど行き過ぎている」ということです。

上昇トレンドの中で下がり過ぎている局面なら、エントリーして次の上昇による利益を狙おうといった姿勢です。実際に上のチャートでもRSIが逆行を示した後に相場は再び大きく上昇しています。

ヒドゥンダイバージェンスの判定方法

ダイバージェンスを判定する際には上昇トレンドならば上値、下落トレンドならば下値を使いました。これに対し、 ヒドゥンダイバージェンスでは上昇トレンドならば下値、下落トレンドならば上値を使って判定します。上値と下値を使って判断するのは同じですが、見方が逆になっている点に注意が必要です。

実戦の中ではトレンド中の調整が終わる前にヒドゥンダイバージェンスが確認できることも多いです。しかし、それに加えて何らかの反転のサインを見た方が取引の精度がより高まります。

別のテクニカル指標を使うのも良いし、もう1つ下の時間足のチャートで反転サインを確認するという方法もあります。

ダイバージェンスの使い方

ダイバージェンスの売買サインには、下落から上昇へ向かう際に発生する 強気のダイバージェンスと、上昇から下落へ向かう際に発生する 弱気のダイバージェンスがあります。

買いサイン

買いのサインは下落トレンド中に発生する強気のダイバージェンスです。

上が強気のダイバージェンスが発生しているチャートです。ローソク足のチャートで下値を更新している部分を見ていきます。するとオレンジの丸で囲まれた部分でローソク足とオシレータ系指標が逆行しています。ここが強気のダイバージェンスが発生しているポイントで、つまり買いサインになります。

売りサイン

売りのサインは上昇トレンド中に発生する弱気のダイバージェンスです。

上が弱気のダイバージェンスが発生しているチャートです。ローソク足のチャートの上値を見ると、相場は上値を更新しているのにオシレータ系指標が大きく逆行している局面があります。ここが弱気のダイバージェンスが発生している場面で、つまり売りのサインになります。

ヒドゥンダイバージェンスの使い方

ヒドゥンダイバージェンスの売買サインには、上昇トレンドの継続を示す 強気のヒドゥンダイバージェンスと、下落トレンドの継続を示す 弱気のヒドゥンダイバージェンスがあります。

買いサイン

買いのサインは上昇トレンド中に発生する強気のヒドゥンダイバージェンスです。

上の画像は実際に強気のヒドゥンダイバージェンスが発生しているチャートです。注目するのはオシレータ系指標が下値を更新しているポイントです。オレンジで囲まれた部分でオシレータ系指標が下値を切り下げているのに、ローソク足のチャートは下値を切り上げている逆行が起きています。これが強気のヒドゥンダイバージェンスが発生している局面で、つまり買いのサインになるのです。

売りサイン

売りのサインは下落トレンド中に発生する弱気のダイバージェンスです。

上の画像は実際に弱気のヒドゥンダイバージェンスが発生しているチャートです。注目するのはオシレータ系指標の上値になります。オレンジで囲まれた部分でオシレータ系指標は上値を更新しているのに、ローソク足のチャートは上値を切り下げている逆行が起きています。ここが弱気のヒドゥンダイバージェンスが発生しているポイントで、つまり売りのサインになるのです。

ダイバージェンスを見る時の注意点

最後にダイバージェンスを使う際に気を付けるべき点をいくつか紹介します。

注意点1 ダイバージェンスはトレンドの弱まりのサイン

ダイバージェンスは「相場の転換を示すシグナル」と捉えている人も多いですが、この捉え方には注意が必要です。ダイバージェンスは必ずしも相場の転換を示すのではなく、 「現在のトレンドが弱まっている」ことを示すシグナルなのです。それゆえトレンドが収束した後に次にどの方向へ発散するのかは別のテクニカル指標を見てみなければ分かりません。

上のチャートを例にとって見てみます。このチャートでは強気のダイバージェンスが3回起こっています。しかし1回目と2回目ではその後すぐに下落せず、急激な上昇が2回起こっているのです。もし1回目と2回目のダイバージェンスでエントリーしていたら、レバレッジの大きさによってはロスカットされるほど急激な上昇に巻き込まれていました。しかし、3回目のダイバージェンスの後には大きな下落が起こっています。

このとき、既存のロングポジションの利益確定のための決済をするには1回目のダイバージェンスでも良かったといえます。このようにそれぞれのダイバージェンスに向いている取引と向いていない取引があるのです。結論としては、 新規ポジションを建てるならヒドゥンダイバージェンス発生時、ポジションを決済するならダイバージェンス発生時の方が安全です。

注意点2 ゼロラインを割っているとダイバージェンスは不成立

オシレータ系指標にMACDを使っている場合を紹介します。ゼロラインとはMACDの中央に横にひかれているラインで、売りと買いのバランスの中央に位置しています。

例えば安値を見比べてダイバージェンスが発生していると捉えらえる場面でも、MACDが一度ゼロラインを超えているとダイバージェンスは不成立になります。

上の画像がその例になります。ローソク足のチャートは下値を切り下げていて、MACDは下値を切り上げているのでダイバージェンスが発生しているように見えます。

しかし、その間にMACDが一度ゼロラインを超えているのでこれはダイバージェンスとはいえません。MACDがゼロラインを一旦超えると、そこで売りの圧力が一旦途切れたと判断されるのです。

通常は相場の安値が切り下がっていて、売り圧力がある状態からその圧力が減少しているためにダイバージェンスと判断します。しかしその売り圧力が一旦キャンセルされてしまっているのでこれはダイバージェンスと言えないのです。

同様に高値を見ていく場合でもゼロラインを超えたらダイバージェンスとは言えません。

注意点3 安値と安値の間に安値が入るとダイバージェンスが不成立

ダイバージェンスと判断する際に見た安値と安値の間に安値が入っている場合も、ダイバージェンスは成立しません。下のチャートを見てみましょう。

赤く囲んだ部分の安値は切り下がっていて、その時のMACDの安値は切り上がっているので一見ダイバージェンスのように見えます。

しかし青く囲んだ部分のようにダイバージェンスと捉えている安値と安値の間にさらに安値が入っていて、そこでMACDが切り上がっています。こうなるとダイバージェンスは成立しません。

ローソク足の安値とMACDの安値がどちらも切り上がってしまったらそもそもダイバージェンスが成立しなくなってしまうからです。高値の場合でも同じように考えます。

ただ、下のようなケースではダイバージェンスが成立します。

ローソク足のチャートの高値が切り上がり、MACDの安値が切り下がっています。

高値が切り上がっていても、MACDの安値が下がり続けていればダイバージェンスは成立するのです。

▶ 『MACD』や『ローソク足』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

まとめ

ダイバージェンスはオシレータ系指標を使っているとよく出現する現象です。他のテクニカル指標と組み合わせて次にどの方向に相場が動きそうかも見ていくと、さらに有効に使うことができます。

使える場面が多岐にわたるので、その中でも自分に合った使い方をぜひ探してみてください。