- DMIは市場を見極めるための指標
- ADXはトレンドの状態を判断するための指標
DMIは 上昇トレンドと下降トレンドを判断するために非常に便利な指標です。トレンドの確認は投資判断の基本ですので、DMIは必要不可欠と言っても過言ではありません。
この記事ではDMIの使い方から計算方法まで徹底的に解説します。
▶ 『中級のテクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
DMIの基本情報
ひとこと特徴 | 市場の状態を見極めるための順張り指標 |
---|---|
ジャンル | オシレーター系 |
難易度 | 中級テクニカル分析 |
使うタイミング | 主にトレンド相場 |
主な使い方 | +DIが-DIを下から上抜いたときが買い、+DIが-DIを上から下抜いたときが売り |
DMIは終値の比較ではなく、当日の高値や安値が前日の高値や安値に比べてどう変化したかで相場の強弱を判断します。これは上昇トレンドの場合当日の高値が前日の高値を上回ることが多く、逆に下降トレンドの場合は当日の高値が前日の高値を下回ることが多くなる傾向があるからです。売買ポイントについては、+DIが-DIを下から上抜いたときが買いシグナル、+DIが-DIを上から下抜いたときが売りシグナルです。
勝率を上げるための+α
+DIが-DIよりも上にあるときはプラスの方向への動きが大きく相場は上昇トレンドにあることを示します。反対に+DIが-DIよりも下にあるときはマイナスの方向への動きが大きく相場は下降トレンドにあることを示します。

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他にも公式に発表されたニュースや指標も見ることができるので、トレードに必要な情報はこれ1つですべて手に入るといっても過言ではありません。
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DMIとは
DMIの特徴
DMI (Directional Movement Index) は日本語では「方向性指数」といいます。
RSIやパラボリックも開発したJ.W.ワイルダーによって、市場の状態を見極めるために考案されたオシレーター系指標です。
RSIやストキャスティクスなどの逆張り系指標の一方に傾くトレンドの相場には役に立たないという弱点を補う目的で、 順張り指標として開発されました。
DMIでは価格の上昇力を示す「+DI」、価格の下降力を示す「-DI」、トレンドの強さを示す「ADX」、ADXの向きを確認する「ADXR」という4つの指数を使ってトレンドの有無や強弱を探ります。
こちらの表にDMIを使う際に必要な指数をまとめたので、この機会にぜひ覚えておくようにしましょう。
+DI | 価格の上昇力を示す |
---|---|
-DI | 価格の下降力を示す |
ADX | トレンドの強さを示す |
ADXR | ADXの向きを確認する |
+DM | 上昇幅 |
-DM | 下降幅 |
TR | 実質的な変動幅 |
▶ 『RSI』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
▶ 『ストキャスティクス』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
DMIの計算方法
±DIとTRの計算方法
+DIと-DIを求めるためには、「+DM」「-DM」「TR」を計算する必要があります。+DMは上昇幅、-DMは下降幅、TRは実質的な変動幅を示します。この3つは比較的やさしい計算になっています。
±DIの計算方法
+DI、-DIの計算式は以下の通りになります。
ただし+DIもしくは-DIのどちらかが正数であれば、 もう一方の値を0として計算します。+DIと-DIが同値の場合は0としません。
ADXとADXRの計算方法
DXとADXRの計算には「DX」を求める必要があります。ADXRの計算にはADXが、ADXの計算にはDXが必要になるので、計算する順番は DX→ADX→ADXRです。計算方法は以下のようになります。
「N日間」は任意の期間に設定することができますが、14日や28日に設定するのが一般的です。
DMIの使用日数・構成指数
DMIの使用日数は、時と場合によって適宜変えていくことができます。14日や28日に設定するのが一般的です。
実際に使っていく中で、 自分のトレードスタイルに最適な使用日数を見つけるようにしましょう。
DMIの使い方
DMIの売買ポイント
DMIは終値の比較ではなく、当日の高値や安値が 前日の高値や安値に比べてどう変化したかで相場の強弱を判断します。
上昇トレンドの場合当日の高値が前日の高値を上回ることが多く、逆に下降トレンドの場合は当日の高値が前日の高値を下回ることが多くなる傾向があります。
売買ポイントを見分ける際は+DIが-DIを下から上抜いたときが買いシグナル、+DIが-DIを上から下抜いたときが売りシグナルです。
買いシグナル | +DIが-DIを下から上抜いたとき |
---|---|
売りシグナル | +DIが-DIを上から下抜いたとき |
DMIのトレンド判断
+DIが-DIよりも上にあるときはプラスの方向への動きが大きく相場は 上昇トレンドにあることを示します。反対に+DIが-DIよりも下にあるときはマイナスの方向への動きが大きく相場は 下降トレンドにあることを示します。
トレンドの把握はトレードにおける順張り手法で非常に重要なのでこの機会にぜひ覚えておきましょう。
上昇トレンド | +DIが-DIよりも上にあるとき |
---|---|
下降トレンド | +DIが-DIよりも下にあるとき |
▶ 『トレンド』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
DMIにおけるADX (ADXR) の使い方
ADXの使い方
前述の通り「ADX」はトレンドの強さ、「ADXR」はADXの向きを確認する指数です。ADXがADXRを下から上抜いたときに トレンドが強く、ADXがADXRを上から下抜いたとき トレンドが弱くなります。
またADXの値が25以上の場合は トレンド相場である可能性が高く、25未満の場合は レンジ相場の可能性が高いといえます。
さらにADXは、値の変化でトレンドの有無について分析できる指数です。ただしADXの上昇・下降と価格の上昇・下降は連動しないので注意しましょう。
ADXの変化 | トレンドの状態 |
---|---|
下降から上昇に反転 | トレンド開始 |
上昇 | トレンド継続 |
上昇から下降に反転 | トレンド終了 |
下降 | トレンドなし |
ADXとADXRの関係
ADXが表すのはトレンドの強さと継続性ですが、ADXRが表すのは ADXの任意の期間の平均です。ADXとその向きを示すADXRを組み合わせることで、より信頼性のある分析をすることができます。
また、ADXの値がADXRの値を上回っているときはトレンドに勢いがあるトレンド相場と判断して良いでしょう。逆にADXの値がADXRの値を下回っているときはトレンドには勢いがないレンジ相場であると判断しても良いでしょう。
▶ 『保ち合い』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
DMIにおける±DIとADXを組み合わせた使い方
DMIの+DIと-DIのクロスだけではダマシが多いという欠点があります。そこで組み合わせるべきなのがADXです。組み合わせることで ダマシを減らすことができます。
下の表が売買ポイントをまとめたものになります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
±DI | ADX | 売買ポイント |
---|---|---|
+DIが-DIを下抜いている | 上昇 | 買いポイント |
+DIが-DIを下抜いている | 上昇 | 売りポイント |
買いポイント
+DIが-DIを下抜いたあとADXが上昇している場合は 買いのトレンドが発生していると判断できます。
+DIが-DIを上抜いたということは、つまり上昇力が大きくなっていることを示します。またADXの値に上昇傾向が見られるときは、トレンドの勢いが強く上昇トレンドが明確になったことを意味します。
売りポイント
+DIが-DIを下抜いたあとに、ADXが上昇している場合は 売りトレンドが発生していると判断できます。
買いパターンの際と同様に考えれば分かってくるでしょう。+DIが-DIを下抜いたということは、つまり下降力が大きくなっている証拠です。また、ADXの値に上昇の傾向が見られるときはトレンドの勢いが強く、下降トレンドがはっきりとしたことを示します。
DMIとの組み合わせが有効なテクニカル分析
RSI
ひとこと特徴 | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
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ジャンル | オシレーター系 |
難易度 | 初級テクニカル分析 |
使うタイミング | 主にレンジ相場 |
主な使い方 | 20%以下で買い、80%以上で売り |
20%と80%というラインは買われすぎのシグナルとして機能しますが、エントリーポイントはRSIの天井や底である「ピーク」の少し後が一般的です。「ピーク」に達した後にトレンドが反転したと見えたタイミングでエントリーするようにしましょう。
勝率を上げるための+α
オシレーター系のテクニカル指標は比較的ダマシが多いため、1時間足で方向性を確認し15分足や5分足でトレードをするという戦法をおすすめします。短すぎる時間足だとトレードの勝率が低くなり、長すぎる時間足だと誤差が大きくなってしまうため、それらを組み合わせてチャートを分析するようにしましょう。
DMIを開発したJ.W.ワイルダー氏は、RSIというテクニカル指標も開発しています。この RSIは買われすぎ (=売りに転じる) ・売られすぎ (=買いに転じる) を測る指標です。
このRSIとDMIを組み合わせて使うことで、シグナルの正確性を高めることができます。たとえばDMIで買いシグナルが出たときにRSI値が売られすぎの域に達していれば、買シグナルは正しいといえるでしょう。反対にDMIで買シグナルが出ていていてもRSI値が売られすぎの域に達していなければ、シグナルを疑ってもよいはずです。
▶ 『RSI』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
DMIのまとめ
DMIは一見使うのが難しく感じられるテクニカル分析手法ですが、その機能は幅広く多様な場面で効果を発揮してくれる指標です。 使いこなせればトレードを相当有利に進められるので、ぜひ習得してみることをおすすめします。
さらにDMIはRSIなどの他のテクニカル分析と併用することでさらに精度が高まります。DMIを覚えたらぜひ次のテクニカル分析手法の習得にもチャレンジしてみましょう!
▶ 『テクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

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こちらは編集部おすすめの、 本当にトレードで役立つテクニカル分析まとめです。トレードでの勝率をさらに高めたいという方は気になったものから1つずつ覚えていきましょう!
ボリンジャーバンド | 勢いの変化や反転の目安、方向を見るテクニカル指標→『ボリンジャーバンドの設定方法』はこちら |
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MACD | 移動平均線を元にしたテクニカル指標→『MACDの設定方法』はこちら |
ローソク足 | 価格を4つの値段で表し、価格推移を表示したもの→『ローソク足の組み合わせ』はこちら |
移動平均線 | 相場の方向性を見るテクニカル指標 |
ゴールデンクロス | 価格の上昇を判断するテクニカル分析手法 |
出来高 | 売買の数量を確認できる指標 |
ダウ理論 | 全てのテクニカル分析の基礎として現在も多くの投資家に支持されている |
支持線 | 過去の価格推移から反発を予想 |
新値足 | トレンドを把握するためのテクニカル分析 |
サヤ | 価格変動において生じる値幅のこと |
ストキャスティクス | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
一目均衡表 | 相場の動向を見るためのテクニカル指標 |
RSI | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
ダイバージェンス | 様々なオシレータ系指標に見られる現象 |
逆ウォッチ曲線 | 価格と出来高から相場を分析する手法 |
コマ足 | 売買シグナルをわかりやすく出してくれる |
VWAP | 大口取引を行う、機関投資家などを中心に目標値とされている |
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モメンタム | トレンドの転換や強弱を表す指標 |
逆三尊 | トレンドが転換するときに形成されるチャートパターン |
ソーサー | 頻繁に出現するチャートパターン |
エリオット波動 | 相場は5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方 |
パラボリック | トレンド追随型のテクニカル分析 |
三段高下 | 上昇・下降相場の波動理論 |
グランビルの法則 | 移動平均線とレートの関係性から売買タイミングを判断する |
ダブルトップ | 上昇トレンドが終了する際に現れるチャートパターン |
ポイントアンドフィギュア | ○と×だけで値動きを表現して相場のトレンドを把握し予測する |
アームズボックス | その日の高値と安値を示し、取引量を把握可能 |
練行足 | 一定の値幅を決めて、その値幅以上の値動きがあったときに足を記入する |
リスクリワードレシオ | 利益確定と損切りのバランスを表す指標 |
%Rオシレーター計算式 | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
フィボナッチ | サポートとレジスタンスの地点を判断する指標 |
RCI | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
サイコロジカルライン | 市場参加者の心理を数値化した指標 |
酒田五法 | 日本の江戸時代に開発され、現在も使われる相場分析方法 |