この記事のポイント
  • イーサリアムのマイニングではプールマイニングがおすすめ
  • 現在のマイニング報酬は1ブロックにつき2ETHである
  • マイニング方法は将来的にPOWからPOSヘ移行する

本記事ではイーサリアムのマイニングを始めたいと考えている方に向けて、マイニング方法や得られる報酬などをくわしく解説していきます。

さらに イーサリアムのマイニングが今後どうなっていくのかについてもふれるので、今後のマイニング動向を知りたい方にもおすすめです。

▶ 『マイニング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニングとは

イーサリアムのマイニング方法を説明する前に、マイニングとはどのようなものなのかを知る必要があります。まずはマイニングの作業やしくみについてかんたんに解説していきます。

仮想通貨には中央管理者がいない

日本円やアメリカドルのような 法定通貨との大きな違いは通貨を管理する人がいるかどうかです。法定通貨は政府や中央銀行などの機関が通貨を管理しています。そのため、状況に応じて通貨発行量の調整や新規通貨発行を行うなど、中央管理者の存在が通貨に大きな影響を与えます。

一方で多くの仮想通貨には中央管理者とよべる存在がいません。中央での管理を行わず、コンピュータのネットワークに参加者している人たち全員で通貨の管理をしています。

マイニングとは取引の記録に欠かせない作業

仮想通貨にはネットワーク参加者が取引を記録する「マイニング」というしくみが備わっています。マイニングとは通貨の入出金や送金、決済の取引データをブロックチェーンに記録する作業のことです。作業を成功させた人は報酬として、まだ市場に出回っていない新規の仮想通貨がもらえます。

このようにマイニングに成功すれば、取引所で購入せずとも仮想通貨を手に入れることができます。しかしマイニング作業にはさまざまな準備が必要なので、初心者がかんたんに始められるものではありません。後ほどくわしくマイニングの方法を解説していきます。

マイニングの仕組み

マイニングではいつ誰と誰がいくらの数量を取引したのかが記録されていきます。記録といっても文字で残されるわけではありません。ハッシュ値という文字列に変換されて記録されます。つまり マイニングとはハッシュ値に任意の値を代入して正解となるナンス値を見つけ出す作業のことです。

正解となるナンス値はかんたんに見つかるものではなく、総当たりで繰り返し代入していきます。正解にあたる確率はかなり低いため、コンピュータによる膨大な計算作業が必要です。このように計算を競い合う作業から、マイニングはほかのネットワーク参加者との計算競争ともいわれます。

そして複雑な計算を終えて最初に正解を出した人は、競争の勝者となり、成功報酬として仮想通貨をもらうことができます。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニングに必要なもの

個人でマイニングをする場合、色々用意しなければならないのではと不安になる方もいるかもしれませんが、イーサリアムのマイニングではそれほど必要なものは多くありません。

  • PC
  • ウォレット
  • 採掘機のダウンロード

PCについては、必要な動作環境がいくつかあり、追加でGPUと呼ばれる計算処理のためのものを購入しなければならないこともあります。また、本気でマイニングする場合、やはり自分でPCを組み立てることが必要になってきます。その他の2つについては、特に購入する必要はなく、インターネット上で手に入るものです。

動作環境

必要とされるPCの動作環境としては、

  • OSがWindowsの64bit
  • GPUが4G以上

となっています。

現在イーサリアムでは、GPUは2G以下だとマイニング自体ができなくなっています。今後、さらに要求されるGPUの処理能力が大きくなることも考えられますし、なにより、ここのGPUの処理能力にマイニングの成功率が大きく関わってくるため、なるべく大きいものが好ましいです。

ウォレットの準備

ウォレットというのは、仮想通貨を保管しておくための場所です。取引所やインターネット上アカウントなど、仮想通貨を置いておくための場所というのはいくつかあります。しかし、この2つはハッキングのリスクがあり、取引所だと倒産のリスクもあります。倒産したら盗難被害にあった仮想通貨は戻ってきません。

そこで、ソフトウェアウォレットおすすめです。自分のPCやスマートフォンにソフトウェアをダウンロードして使うため、ハッキングの可能性が大変低くなります。アカウントの取得も簡単で、所有している仮想通貨を守るためにもソフトウェアウォレットを使うことはリスク軽減に大きく貢献します。

▶ 『仮想通貨のウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

掘削機のダウンロード

ウォレットを取得したら、今度はマイニングをするための採掘機のダウンロードです。採掘機はいろいろ種類があるのですが、イーサリアムのマイニングに適しているのは、「Claymore’s Dual GPU Miner」です。zipファイルをダウンロードできたら解凍しましょう。その後は後述の操作に沿って.batファイルを作成することになります。

プールの登録

一人でマイニングをしていると、計算が一番早く終わった人に報酬として仮想通貨が与えられるので、数多くのライバルの存在を考えると、全く報酬がもらえないという可能性も出てきます。

そこで、重要になってくるのがプールです。プールというのは、マイニングをするグループに入り、そのグループの人が得た報酬を、グループ内の個人の計算能力に応じて分配するというものです。

これにより、報酬が全くもらえないということは、ほとんどなくなりますし、安定して稼ぐことが出来ます。その一方、大当たりして大量に報酬を得ることができなくなるのがデメリットです。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニング方法

それではイーサリアムのマイニング方法についてみていきましょう。イーサリアムのマイニングには以下の3つの方法があります。

  • ソロマイニング
  • プールマイニング
  • クラウドマイニング

それぞれのマイニング方法について、特徴やメリット、デメリットを解説します。

ソロマイニング

ソロマイニングとはマイニング専用の機材をそろえて、1人でマイニング作業をする方法です。1人で作業をするので、マイニングに成功すれば報酬を総取りすることができます。

しかしイーサリアムが広く知れ渡ってしまった現在、資本力のある企業や投資家が十分な設備をととのえて、マイニングに参加し始めています。競争力が次第に高まっているため、個人ではなかなか太刀打ちできないのが現状です。

個人で成果を上げるにはハイスペックな機材を揃えることはもちろん、毎月の高額な電気代を負担しなくてはなりません。また起動し続けるコンピュータを冷やすエネルギーも必要です。 ソロマイニングの成功確率は他のマイニング方法と比べて低いと覚えておきましょう。

ソロマイニングに必要な準備

ソロマイニングを始めるには、イーサリアム対応のウォレットとマイニング用ソフトウェアを準備する必要があります。またイーサリアムのマイニングにはGPUの入ったパソコンの使用がおすすめです。GPUでは「 Radeon RX 」系がイーサリアムと相性がよいといわれています。

プールマイニング

プールマイニングでは複数の人と協力してマイニング作業を行います ソロマイニングと比べて成功確率は高くなりますので、初心者にもおすすめできるマイニング方法です。

ただし複数のユーザーでマイニングを行うため、マイニングがうまくいっても報酬は山分けとなります。この報酬の分け方はコンピュータの貢献度によって決まるので、個々の負担が減るとはいえ、ある程度の性能をもったマシンを用意しておくのがよいでしょう。

プールマイニングに必要な準備

プールマイニングを行うにはマイニングプール」というサイトへの登録が必要です。イーサリアムで有名なマイニングプールは、Ethermine、F2Pool、Nanopoolなどがあります。

クラウドマイニング

クラウドマイニングは上記2つの方法と全く異なります。 クラウドマイニングとは、マイニングを行っている企業や団体に投資して利益を得る方法だからです。自分でマイニングをしないので、機材や電気代の負担がなく、マイニングに関する知識もいりません。出資のみで参加できるため、最もかんたんな方法だといわれています。

しかし マイニング業者が倒産するリスクや詐欺の可能性があるため、注意が必要です。また希望のマイニングプランがあっても、完売で在庫切れとなることも多いので、必ずしも希望のプランを購入できるとは限りません。

クラウドマイニングに必要な準備

クラウドマイニングに参加するには、各マイニング業者のアカウントの開設を行い、プランを購入するだけです。そして忘れずに報酬の受け取りアドレスを登録しておきましょう。

イーサリアムに対応しているマイニング業者ではGenesys MiningやHash Flareが有名です。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニング報酬

イーサリアムのマイニング報酬はどれくらい得られるのでしょうか。現在のマイニング報酬額や報酬が発生するタイミングについてみていきます。

報酬額

2019年8月現在、 イーサリアムのマイニング報酬は1ブロックにつき2ETH支払われます。本年2月に実施された大型アップデート「コンスタンティノープル」で3ETHから2ETHへ変更されました。

6月末現在の1ETHは35,000円ほどです。マイナーが新しいブロックを形成するたびに約70,000円の報酬が得られる計算になります。

とはいってもマイニング方法により、得られる報酬額は異なります。たとえばソロマイニングの場合だと成功すれば報酬の全てが自分に入りますが、電気代や設備費用などのコストを考えながらマイニング作業を行っていくことが大事です。一方でプールマイニングの場合だとソロマイニングに比べて報酬を得られる確率はあがりますが、他のマイナーと報酬を分けるため手元に入る額は少なくなります。

イーサリアム (Ethereum/ETH)には半減期がない

イーサリアムにはビットコインのように半減期の設定がありません。半減期とは通貨のインフレを防ぐために一定期間ごとに新規で市場に出回るコインを半減させるしくみをさします。さらにイーサリアムではコインの発行上限も設定されていません。イーサリアムは無制限に発行されていきます。

これに対して イーサリアムの開発チームは今後の方針として、2月に行われたアップデートのように定期的にマイニング報酬を減らしていく意向を示しています。すなわち新規で発行されるコインを減らしていく考えです。今後POWからPOSに移行すると、マイニング報酬はさらに少なくなるといわれています。半減期がないイーサリアムでは、今後どのようにして新規発行のコインを減少させていくか議論されています。

発行間隔

マイニング報酬として得られる新規コインの発行間隔は1ブロックの生成時間に関係しています。イーサリアムのブロック生成時間は15秒〜30秒程度です。そのためマイニング報酬もだいたい同じくらいの間隔で発生します。

実際にイーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニングをしてみる

それでは、実際にマイニングをしてみましょう。ダウンロードした採掘機を解凍したら、その中に.batというファイルを作ります。これは、採掘した仮想通貨の送り先の指定や詳細設定をするためのものです。まず、新規作成でテキストファイルを作り、そこに下記のように入力します。

setx GPU_FORCE_64BIT_PTR 0

setx GPU_MAX_HEAP_SIZE 100

setx GPU_USE_SYNC_OBJECTS 1

setx GPU_MAX_ALLOC_PERCENT 100

setx GPU_SINGLE_ALLOC_PERCENT 100

EthDcrMiner64.exe -epool eu1.ethermine.org:4444 -ewal あなたのイーサリアム振込先アドレス.任意のワーカーネーム -epsw x

-epoolの後ろのeu1.ethermine.org:4444という部分は、イーサリアムのマイニングプールの情報となっているので、各自、自分のマイニングプールの情報に書き換えて下さい。

-epswはマイニングプールのパスワードで、xをパスワードに使います。

そしてそのファイルを保存したら、拡張子を.batに変更して下さい。つまり〇〇.batというファイルになります。(〇〇の部分は任意) あとはアプリケーションを起動するだけで、イーサリアムのマイニングが始まります。

最初の5行(setx)

setxから始まる最初の5行は、GPUの情報を表しています。公式サイトには、For AMD cards, set the following environment variables, especially if you have 2GB cardsと書いてある部分です。AMDカードを使用している場合にすべき環境設定のようです。

ewal

これは、自分のイーサリアムウォレットを指定するコマンドです。

dwal

これは、イーサリアムではなく、それ以外の仮想通貨についてのウォレットを指定するコマンドです。

上記の.batファイルでは使いませんでしたが、実は「Claymore’s Dual GPU Miner」は同時に二つの仮想通貨をマイニングできる採掘機になります。そのため、イーサリアム以外の仮想通貨をマイニングする時に設定するものです。

dpsw

これも、イーサリアム以外の仮想通貨に関するコマンドで、イーサリアム以外の仮想通貨のマイニングプールのパスワードです。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニングは終了するの?

システム変更と終了の可能性

イーサリアムは 現在POWのアルゴリズムを採用していますが、将来的にPOSへ変更することが正式に決まっています。しかしその前段階として、ProgPOWに変更するかどうかの議論がなされています。ProgPOWは仮想通貨のマイニング用に最適化されたチップ「 ASIC 」によるマイニングへの耐性を高めるために検討されているルールです。

イーサリアムを生んだヴィタリック・ブテリン氏やその開発チームは非中央集権型の思想を脅かすものとしてASICの需要拡大を懸念しています。ASICはGPUより値段が高く、必要な電力量も多いため、資金力のある大手マイニング業者にイーサリアムマイニングを牛耳られてしまう可能性があるからです。

分裂の可能性も

2018年秋頃より開発チームを中心に、今回のアルゴリズム変更の議論が進められています。しかしProgPOWのルール変更は当初ユーザーやマイナーからの支持を得ていたものの、次第に先行きは不透明になり議論が長引いている状態です。次の大型アップデートでもProgPOWを実装できるかどうかがわからなくなりました。

その結果、 ASICの拡大に耐えかねたGPUマイナーたちはProgPOWのルールを採用した新通貨を立ち上げるおそれが出てきました。すなわちイーサリアム分裂の可能性です。

PoWからPoSへ

ブテリン氏はProgPOWへの変更は一過性のものにすぎず、ゆくゆくはPOSヘ移行する考えを表明しています。 数年内に実装が予定されているCASPERという大型アップデートで、マイニング方法がPOWからPOSへ移行していく予定です

POWとPOSのルールは全くの別物です。POWでは高性能のパソコンで計算速度を競い合うことに対して、POSではコインの保有量や保有期間によって取引を承認したりマイニング報酬をもらう権利を得ることができます。さらにPOSでは資本力ある人や企業がマイニングに集中することがないよう、マイニング報酬を賭ける形をとったり、マイニング成功後に評価値を下げるというような対策を講じるそうです。

イーサリアム (Ethereum/ETH)のマイニングでよくある質問

マイニング環境を整えるために必要な金額は?

自作でマイニング専用のPCを作るとなると、大体30万円はかかるでしょう。やはり、GPUをたくさん積むとなると、それなりにコストがかかってしまいます。

低価格でマイニングPCを構築する方法は?

イーサリアムのマイニングでいちばん重要な部分は、GPUです。ですから、GPU以外のパーツを妥協することでコストを抑えることが出来ます。しかし、電源ユニットに関しては、消費電力の効率にも関わってきますので、電源ユニットも良いものを選ぶべきです。

まとめ

イーサリアムのマイニングにはソロマイニング、プールマイニング、クラウドマイニングの3つの方法があることをご紹介しました。しかし現状では個人で利益を出し続けることは難しいので、ほかのマイナーと協力して行うプールマイニングがおすすめです。

ただしマイニングを行う上で注意しておくべき点は、今後のイーサリアムマイニングの動向です。ヴィタリック・ブテリン氏やその開発チームは数年以内にマイニングの仕様をPOWからPOSへ変更すると述べています。これからマイニングに多額の設備投資をしても、元を取れなくなるかもしれません。

そのためイーサリアムのマイニングを行う場合は今後の動向に着目しつつ、どのマイニング方法が利益を出しやすいかを考えてから行動に移すのがよいでしょう。

▶ 『マイニング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。