- FTXの基本情報
- FTXの特徴とメリット・デメリット
- FTXでの購入方法
FTXは最大101倍のレバレッジ取引ができるだけでなく、レバレッジトークンや独自のFTTトークンなど暗号資産(仮想通貨)関連のデリバティブ商品が豊富な海外取引所です。
また暗号資産(仮想通貨)業界ではめずらしい自動売買ツールも提供しており、誰もが簡単にプログラムを作成できます。 FTXの基本情報や特徴とともに、取引方法について解説します。
目次
FTX (エフティーエックス) の基本情報
会社名 | FTX Trading LTD |
---|---|
拠点 | アンティグア・バーブーダ |
CEO | サム・バンクマンフリード |
取引形態 | 現物取引 / 先物契約 / レバレッジトークンなど |
最大レバレッジ | 101倍 |
取扱銘柄数 | 54種類 |
ロスカット | なし |
追加証拠金 | なし |
日本語対応 | あり |
スマートフォン対応 | あり |
FTXは独自のデリバティブ商品が豊富にそろう海外の取引所です。また株式投資で人気が高いインデックスなどにも対応しています。
先物取引では最大101倍のレバレッジ取引が可能です。 またビットコインだけでなくアルトコインの種類も多く、さまざまな種類の暗号通貨(仮想通貨)を取引できます。
FTX (エフティーエックス) の特徴
FTXを利用する前に特徴について理解しておきましょう。FTXにはレバレッジトークンを利用して取引できる点や、自動売買ツールが利用できる点などいろいろな特徴があります。ここでは FTXの主な特徴3点を解説します。
レバレッジトークン
レバレッジトークンとはERC20規格のトークンで、1つの銘柄に対して5つのレバレッジトークンがあります。
名称 | レバレッジ | ポジション |
---|---|---|
MOON | 10倍 | ロング |
BULL | 3倍 | ロング |
HEDGE | 1倍 | ショート |
BEAR | 3倍 | ショート |
DOOM | 10倍 | ショート |
FTXのレバレッジトークンはビットコインやイーサリアムなどの1つの銘柄に対して、BTCMOONならばBTCの10倍ロング、ETHBEARならばETHの3倍ショートのようにあらかじめレバレッジとポジションが適用されたトークンのことです。
レバレッジトークンを現物取引すれば、実質的な証拠金取引ができます。
レバレッジトークンの特徴1 強制ロスカットなし
レバレッジトークンは日本時間の毎朝11時にリバランスが入る仕組みです。リバランスとは決められた時間に利確または損切りを自動的に行い、ポジションをリセットする機能のことです。
たとえばある通貨をMOONで購入した場合、通貨の価格上昇によってレバレッジの倍率が10倍以下に下がれば、余剰利益を使ってトークンを自動的に買い増してレバレッジが10倍になるように調整します。
また 価格下落によって損失が発生した場合には、トークンの一部を売ってレバレッジ倍率を調整するため、レバレッジトークンでは大きな損失が発生した場合のロスカットはありません。
レバレッジトークンの特徴2 損益幅が広い
レバレッジトークンは価格変動のリスクにさらされる割合であるエクスポージャーが変化するため、同じレバレッジ倍率のマージン取引よりも損益幅が広い点も特徴です。
たとえばマージン取引では取引するトークンが1日で10%ずつ上昇して2日で合計20%上昇すると、利益は元のエクスポージャーの20%分です。しかし レバレッジトークンならば、1日目の10%の上昇を合わせたリバランスが入るため2日目に21%になり、利益が1%分増加します。
ただしレバレッジトークンは同じレバレッジ倍率で大きな利益を獲得できますが、損失分も同様に幅が大きくなる点にも注意しましょう。
レバレッジトークンの特徴3 手数料
レバレッジトークンは、毎日0.03%のメンテナンス料と注文手数料が発生します。注文手数料は、ユーザーが30日間で取引したボリュームによってメーカー/テイカー手数料が異なります。
Tier | 30日間の取引金額 | メーカー手数料 | テイカー手数料 |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0.02% | 0.07% |
1 | ~300万USD | 0.02% | 0.05% |
2 | ~500万USD | 0.02% | 0.045% |
3 | ~1000万USD | 0.015% | 0.04% |
4 | ~3000万USD | 0.015% | 0.035% |
5 | ~5000万USD | 0.01% | 0.03% |
VIP | ~1億USD | 0.01% | 0.025% |
Quant Zone (クオンツ・ゾーン)
FTXは2020年4月に暗号資産(仮想通貨)の自動売買「Quant Zone」のサービスを提供しています。Quant Zoneでは自分で売買ルールを事前に決め、プログラムを作成すると自動での取引が可能です。
FXでは自動売買システムを提供している業者が多いですが、暗号資産(仮想通貨)の取引所で自動売買システムを提供しているところはめずらしいでしょう。
かんたんなルール設定だけでなく、より複雑なルール設定にも対応していることから、中級以上の人にも人気があります。
FTTトークン
「FTT」とはFTXが独自で発行しているトークンのことです。トークンはさまざまなシーンで使われますが、暗号資産(仮想通貨)業界では通常、既存のブロックチェーン技術を使って発行された仮想通貨を意味しています。
FTTトークンの主な特徴は以下の3点です。
・先物取引においては、証拠金としての利用が可能
・一定量を保有すると、先物取引で手数料割引が受けられる
・保有数によってOTC取引においても割引可能
このようにFTTトークンを保有するだけで、いろいろな特典が受けられます。
FTX (エフティーエックス) のメリット
FTXのメリットを4点紹介します。
デリバティブ商品を扱える
FTXではデリバティブ商品の取引が可能です。そもそもデリバティブとは原資産と将来の価格に基づき、2人以上の当事者間で締結される金融契約のことです。しかしデリバティブは金融商品と関係性が深いことから、日本語では金融派生商品と訳されています。
金融商品には株式、債券、預貯金・ローン、外国為替のほか、仮想通貨があります。 これらの金融商品のリスクを軽減させたり、ハイリスクでハイリターンを狙ったりする方法としてデリバティブは考案されました。
国内の取引所は安心して利用できる点がメリットです。しかしその一方で、2020年5月1日に施行された改正金融商品取引法で最大2倍までと設定されたことによって、中級者以上にとっては物足りなさを感じる人もいます。
FTXでは現物取引以外に、レバレッジを活用したハイリスク・ハイリターンの取引も可能です。
多くの種類のトークンを取引可能
FTXは暗号資産(仮想通貨)だけでなく、取引所独自のFTTトークンなど多種多様なトークンの取引ができます。もちろん取引所のトークンはブロックチェーンで作成されているため、通常の暗号資産(仮想通貨)同様に値動きによって利益の獲得が可能です。
世界でも有名な大手取引所のトークンのほか、国内取引ができなくなるバイナンス取引所のバイナンスコインもFTX取引所では取り扱っています。
また AppleやAmazonなど大手企業の株式をトークン化した「Fractional Stocks Offerings」のサービス提供も開始される予定です。
Fractional Stocks OfferingsではAppleやAmazonのほかTeslaのデリバティブなど12種類以上ものトークンを取引できるようになります。
▶ 『仮想通貨・ビットコイン取引所の取扱通貨比較ランキング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
本人確認なしで取引可能
FTXでは1日に2,000ドル以内の出金ならば、本人確認なしで取引可能です。ただし2,000ドルよりも多額の取引をする際には、身分証などの本人確認に必要な書類を提出しなくてはなりません。
2,000ドル以下の出金で取引を検討している人にとっては、面倒な手間が省ける点もメリットでしょう。
上級的な注文がかんたんにできる
指値・利確・損切と3種類の注文をかんたんにかつまとめて行うことができます。1つの画面内で複雑な注文を組み合わせて注文できる取引所はあまりありません。
FTX (エフティーエックス) のデメリット
FTXにはメリットだけでなくデメリットもあります。 デメリットを知ることは、取引所を上手に使って取引するためには大切です。ここではFTXのデメリットを3点紹介します。
日本語対応していない
FTXが2020年10月時点で対応している言語は、以下の通りです。
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英語
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中国語
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韓国語
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ベトナム語
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トルコ語
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ロシア語
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ドイツ語
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フランス語
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スペイン語
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イタリア語
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ポルトガル語
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オランダ語
FTXは海外の取引所なので、日本語サービスは提供していません。 そのため日本語しかできないユーザーにとっては、翻訳機能を利用して取引をする必要があります。
また取引ツールの操作方法など、投資取引ツールの経験があまりない人にとっては取引操作が難しいでしょう。
日本円の入金ができない
国内の取引所ならば銀行振り込みやコンビニ入金に対応していますが、FTXをはじめとする海外取引所の多くが日本円の入金に対応していません。そのため取引に必要な入金は仮想通貨で入金する必要があります。
まずは 国内で購入したビットコインなどの暗号資産 (仮想通貨) を、FTXに送金して入金するため、手数料がかかるなど利便性が低い点もデメリットの1つです。
▶ 『FTXの入金』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
多彩な商品に戸惑う
FTXは多彩な投資商品を取り扱っている点がメリットですが、 初心者にとっては投資方法やデリバティブ商品が豊富なことで、どれを選べばよいのかわからなくなることもあります。
慣れればさまざまなバリエーションで取引ができるため投資の幅が広がりますが、慣れるまでに時間と労力がかかるでしょう。
FTX (エフティーエックス) での買い方・購入方法
STEP1 | 無料アカウント作成 |
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STEP2 | 二段階認証 |
STEP3 | 入金や出金をする |
STEP1 無料アカウント作成
FTXで暗号資産(仮想通貨)を購入するためには、まずアカウントを作成する必要があります。アカウント作成料は無料です。
公式サイトにアクセス
以下のボタンから登録ページを開くことができます。
必要事項を入力する
この画面では登録ボタンを使えないため、 オールドフォームからアドレス登録手続きに入ります。
メールアドレスとパスワードを打つだけで登録をクリアできます。新フォームと違い、ロボット否認チェック欄はありません。FTXでの取引自体はメールアドレス登録だけでも始められると覚えておきましょう。
本人確認の方法
アカウントメニューから設定ボタンを押しましょう。画面を下へスクロールすれば、本人認証の欄が見つかるので、ゾーン内下部の「INCREASE WITHDRAWAL LIMITS」をクリックしてください。出金制限拡大という意味です。
フルネームや居住国、住所にあたる地域名を示せばアカウントレベル1に決まります。地域名はたとえば東京都在住なら「Tokyo」としましょう。
STEP2 二段階認証、出金パスワードの設定
設定ページのアカウントセキュリティゾーンより、二段階認証の「AUTHY/GOOGLE OTP」を押しましょう。 事前に二段階認証アプリをインストールしておく必要があり、おすすめはGoogle Authenticatorです。
スマートフォンの二段階認証アプリによるQRコードスキャンから、認証に必要な6ケタの数字を引き出し所定欄に入れます。
専用コードは変更後の機種でも二段階認証を使えるようにするバックアップ用パスワードなので、メモに控えておきましょう。
出金パスワードは仮想通貨を別の取引所へ送るときなどに必要なので、決めたうえでメモに記録します。
STEP3 入金や出金をする
ウォレット画面に移動
ログイン後、画面右上にあるアカウントメニューをクリックします。サブメニューより「ウォレット」を選びましょう。
振り込みたい通貨の「入金」ボタンをクリック
FTXのウォレットでは取引所内で使える仮想通貨のリストがあり、それぞれユーザーが保有している残高を見られます。入金希望の仮想通貨の行にある入金ボタンを押してください。
アドレスをコピー
選んだ仮想通貨に応じた入金アドレスが表れます。「コピー」ボタンを押し、別の取引所やウォレットの所定欄に貼り付けることで、送金手続きを進められます。
ただし仮想通貨によっては、アドレスとは別に決まった「メモ」を記述しなければなりません。アドレスとセットで表示されたら必ず記録してから作業を進めてください。
FTX (エフティーエックス) の売買について
FTXではさまざまな売買方法が用意されています。 ここではFTXの取引方法と注文方法についてそれぞれ解説します。
取引方法
ホーム画面の上に表示された銘柄から、自分が取引したい銘柄にカーソルを合わせましょう。
カーソルを合わせると、選択した銘柄出可能な取引方法が表示されます。 そのなかから取引方法をクリックしましょう。ここではBTC / USDのスポット取引を例に説明します。「SPOT」内のBTC / USDをクリックしましょう。
画面に注文画面が表示されたら指値・利確・損切注文の条件を入力し、最後に取引数量を入力します。
注文方法
FTXでは状況に応じてさまざまな取引ができるように、 6つの注文方法が用意されています。
指値注文
指値(さしね)注文とは今の相場価格よりも有利な価格で注文を指定して注文する方法です。ただし相場価格が、指定した価格まで変動することなく推移している場合には、売買は成立しません。投資初心者の人は、指値注文がおすすめです。
▶ 『指値注文』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
成行注文
成行(なりゆき)注文は、値段を指定せずに現在の価格で売買注文を行う方法のことです。買い注文では直近の売り注文、売り注文では直近の買い注文から順番に約定します。相場が急変して今すぐ売買したい人に向いているでしょう。
▶ 『成行』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
ストップ指値注文
ストップ指値注文は、相場が現在よりも不利な状況になったときに指値で約定させる注文方法です。損切りする方法としてよく使われます。
ストップ成行注文
ストップ成行注文は、相場が現在よりも不利な状況になったときに成行注文で約定させる注文方法です。こちらも損切りする方法としてよく使われます。
トレイリングストップ注文
トレイリングストップ注文とは、逆指値注文を設定しながら、自分にとって有利に価格が動いた場合に逆指値価格を自動で修正する注文方法のことです。損失を限定しながらも、利益の拡大を狙う人の向いているでしょう。
OCO注文
OCO注文は、同時に出した2つの注文のうち、どちらかが成立するともう一方の注文をキャンセルする注文方法です。相場の動きが読めない場合などに使われます。
売買可能な銘柄
2020年10月31日現在、FTXで売買可能な銘柄は以下のとおりです。
ビットコイン | イーサリアム | テザー |
アルゴランド | ビットコインキャッシュ | バイナンスコイン |
ビットコインSV | イオス | レオ |
ライトコイン | トロン | リップル |
フォビトークン | オーケーコイン | イーサリアムクラシック |
チェーンリンク | マティック | ドージ |
ビットマックストークン | エイダ | トモチェーン |
テゾス | ビリラ | パックスゴールド |
テザーゴールド | ブラジリアンデジタルトークン | シータネットワーク |
カイバーネットワーク | コンパウンド | Compound USDT |
バランサー | メイカー | ヴェチェーン |
スワイプ | ガバナンス | ポルカドット |
ソーチェーン | アンプルフォース | メタ |
ソラナ | ジーキャッシュ | スシ |
イーサレンド | クリーム | ヘリウム |
ユニ | ネオ | フラミンゴ |
アヴァランシェ | ヤーンファイナンス | オーエムジー |
ファイルコイン | チリーズ | アトム |
レバレッジは最大101倍
FTXは海外の取引所なので、日本の金融庁の改正金融商品取引法に制限されません。 そのため最大レバレッジが101倍となっています。初期設定の状態では10倍ですが、任意で3~101倍まで設定可能です。
FTX (エフティーエックス) で売買する際に利用するチャートの機能
FTXの取引画面上部に表示された暗号資産 (仮想通貨) を選ぶと、画面左側にチャートが表示されます。 インジケーターだけでなく、ラインや各種ツールも提供。チャートの機能が充実している点も特徴です。
チャート画面のカスタマイズが可能なので、自分の使いやすい環境にも変更すればより使い勝手がよくなるでしょう。
売買時に発生する手数料について
売買の際には、手数料が発生するので注意が必要です。ここではFTXの売買時の手数料について解説します。
取引手数料
FTXには、 すべての先物とスポット*市場に関し、以下の通りの階層化された手数料体系があります。
Tier | 30日間の取引金額 | メイカー手数料 | テイカー手数料 |
1 | 0USD | 0.02% | 0.07% |
2 | ~100万USD | 0.02% | 0.06% |
3 | ~500万USD | 0.015% | 0.055% |
4 | 1000万USD | 0.015% | 0.05% |
5 | 1500万USD | 0.01% | 0.045% |
6 | 3500万USD | 0.01% | 0.04% |
Tier (ティア) の確認方法
自分のTierを確認するためには、まずマイページの「Setting」内の「Fee tier」の項目で確認できます。
メイカー手数料が今ならゼロ?
FTXでは2020年内のメイカー手数料をすべてのTierにおいて0%にするキャンペーンを開催しています。
FTX (エフティーエックス) での仮想通貨の買い方・購入方法に関するQ&A
FTXでの購入方法に関するよくある質問を2つ紹介します。
注文方法は何が利用できますか?
FTXで利用可能な注文方法は以下の6つです。
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指値注文
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成行注文
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ストップ指値注文
-
ストップ成行注文
-
トレイリングストップ注文
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OCO注文
購入可能な取扱銘柄は何ですか?
FTXで購入可能な取り扱い銘柄は、すでに「FTX (エフティーエックス) の売買について」内の「売買可能な銘柄」で紹介しているので参照ください。またレバレッジトークンの種類は以下のとおりです。
アルゴランド | エイダ | アトム |
ビットコインキャッシュ | バイナンスコイン | ビットコインSV |
ビットコインボラリティトークン | インバースビットコインボラリティトークン | ビットマックス |
ドージコイン | イオス | イーサリアムクラシック |
イーサリアム | フォビトークン | レオ |
ライトコイン | リンクチェーン | マティック |
オーケービー | トロン | テザー |
リップル |
FTX (エフティーエックス) での仮想通貨の買い方・購入方法まとめ
FTXはビットコインやアルトコインなどの仮想通貨以外にも、独自のFTTトークンをはじめとした豊富なトークンを取り扱っている海外の取引所です。
アカウント作成は無料で、1日当たりの出金限度額が2,000ドル以内ならば本人確認も必要ありません。手軽に取引が始められるだけでなく、ほかの取引所ではみられないようなめずらしいデリバティブ商品の取引も楽しめます。
またロングやショート、レバレッジの倍率などがあらかじめ適用されたレバレッジトークンならば、より多くの利益が狙えるかもしれません。