金融庁による暗号資産(仮想通貨)取引所・交換業者の認可制度とは
暗号資産(仮想通貨)は目に見えない新しいお金であるため、慎重な取り扱いが必要です。
最新の技術がふんだんに使われている分、事業者には暗号資産(仮想通貨)に関する正しい知識が求められます。
2017年4月に施行された改正資金決済法では暗号資産(仮想通貨)を円などの支払い手段として認めるようになり、マネーロンダリング対策を義務づける対象に取引所も含まれるようになりました。
2019年5月に金融庁の認可が通ったのは19社であり、bitbankやFISCO仮想通貨取引所などがあります。
金融庁が暗号資産(仮想通貨)取引業者を認可制にした背景
暗号資産(仮想通貨)取引所に認可が必要になったことには理由があります。
暗号資産を利用したマネーロンダリングなどの犯罪防止や、暗号資産(仮想通貨)取引所利用者の資産を確実に守るためです。
暗号資産(仮想通貨)の技術を悪用されたり、資産を運用する取引所にトラブルが起きることを懸念されているため、暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンに対して不信感を抱く声もあります。
技術を確実に広めるためには、利用者の安全を保障した上で適切な情報提供も求められ、信用できる運営体制であるかを金融庁が審査する必要があります。
認可制になった理由4つ
- マネーロンダリング対策
- 利用者保護
- 国際的な要請
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の破綻防止
認可制が必要になった背景について一つずつ追っていきましょう。
理由① マネーロンダリング対策に必要
マネーロンダリングは大きな社会問題となっています。マネーロンダリングの対策には徹底的な身分確認が必要で、莫大なお金がからむ取引にはより一層の注意が求められます。
反社会的な組織の資金源になってしまえば、暗号資産とブロックチェーンの技術も信用を失うため、暗号資産(仮想通貨)取引所の信用が問われるようになりました。コンプライアンスの遵守が、暗号資産(仮想通貨)取引所には求められています。
editMEMO
– マネーロンダリング –
暴力団やテロリストなど、反社会的な組織が不正に得たお金を実際に使えるように洗浄すること。
理由② 利用者保護のため
暗号資産の保有者は自分の資金を取引所に入金して、暗号資産のやりとりをします。このとき暗号資産は取引所の口座内に預けられるため、取引所には適切な管理が求められます。
預けた資金の管理が不充分であれば、不測の事態で失う事態になるため、ユーザーにとっては大きなリスクです。暗号資産(仮想通貨)取引所の認可制度の導入によって、利用者の資産を守ることにも繋がっています。
理由③ 国際的な要請
暗号資産(仮想通貨)は世界的な規模で決済に対応するようになり、取引所の環境整備はすでに国際的な課題です。日本だけでなく、アメリカや中国などの世界のあらゆる国々で暗号資産が利用され、より厳重な管理が求められています。
管理者側が適切な知識を持ち、さらにリスク管理を可能とすることが証明できなければ、日本だけでなく海外のユーザーにも損害を与えます。
世界規模で多くの利用者が安全に取引を進められるようにすることが、今の取引所の課題にもなりました。
理由④ 暗号資産(仮想通貨)取引所の破綻防止
実際に暗号資産(仮想通貨)取引所の管理が不十分だったことが原因で、取引所に預けていた資産が盗難の被害に遭った事例がいくつもあります。
MT.GOX (マウントゴックス) 事件
2014年には暗号資産(仮想通貨)取引所のMt.GOXより、当時のレートで約480億円ものビットコインと約30億円もの現金が盗まれる事件が起きてしまい、暗号資産(仮想通貨)業界に大きな衝撃を与えました。
Mt.GOX側の管理が不充分だったことが原因で、預けていた資産が消滅してしまい、Mt.GOX社は破産にまで追い込まれました。
▶ 『Mt.GOX (マウントゴックス )』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
Coincheck (コインチェック) 事件
2018年1月、日本の暗号資産(仮想通貨)取引所のCoincheckが約580億円もの暗号資産:ネムが流出する事件が起きてしまい、暗号資産(仮想通貨)市場自体が大混乱を起こしました。インターネット環境から独立した
コールドウォレットを導入していないことが原因となっており、Coincheck事件から多くの暗号資産(仮想通貨)取引所で厳重な管理体制が課題となっています。
Mt.GOXやCoincheck以外にもハッキングの被害は何度か報告されており、取引所の破綻防止対策を立てることが認可の基準です。
▶ 『Coincheck (コインチェック) の事件』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
暗号資産(仮想通貨)取引業者が金融庁に認可されるには
暗号資産(仮想通貨)取引業者が金融庁の認可を得るためには、申請から始まり様々な手続きが必要となります。
認可までの流れ
事業者が金融庁に認可登録の申請を行ってから登録完了までの大まかな流れは以下です。
まず事業者は、申請のために一定の書類をそろえて金融庁に提出する必要があります。
書類提出の後は、金融庁との面談や調査が行われ、投資家を保護するための
経営体制やシステム基盤、セキュリティ対策がしっかり整備されているかについて確認が行われます。
その後書面審査、面談・調査結果などを慎重に審査し、金融庁の基準を満たしていると判断され、晴れて登録完了となります。
認可に必要な要素
金融庁の認可を得るために事業者は金融庁に申請書を提出する必要があります。申請書には、投資家保護を担保するため会社の社内体制が「資金決済法」や「事務ガイドライン」の要件を満たしていることを記載し、金融庁がこれを確認します。
具体的には主に以下の3点が確認事項となります。
認可のための要素
- 利用者保護措置
- 利用者の資産の分別管理
- システムリスク管理
確認事項① 利用者保護措置
1つ目の確認事項は、利用者保護措置に関してです。利用者に対し内閣府令が定める規定を情報提供するための態勢が求められます。
内閣府令は、取扱う暗号資産(仮想通貨)や取引形態に応じて内容が規定されており、「法定通貨ではないこと」「価格変動リスクがあること」など暗号資産(仮想通貨)を利用する上で
利用者が事前に注意すべき事項についての情報提供態勢が求められます。
確認事項② 利用者の資産の分別管理
2つ目の確認事項は、利用者資産の分別管理に関してです。ここでは
事業者の金銭(資金)と顧客の暗号資産(仮想通貨)を分別管理する執行方法を社内規則で定めることと、利用者との契約に反映することが求められます。
また事業者金銭と顧客の暗号資産(仮想通貨)を明確に区別して管理し、利用者の持ち分についてすぐに判別できること、その遵守状況について適切に検証することが求められます。
確認事項③ システムリスク管理
3つ目の確認事項は、システムリスク管理に関してです。事業者のシステムが、
世の中のコンピュータシステムの進展によってリスクを受ける可能性がある場合に、リスク管理体制が整備できていることが求められます。この規定は、取締役会に対する義務となっています。
またリスク管理体制の整備については、客観的な水準で判定できるものを根拠とする必要があり、システム障害等の把握、分析など技術進展などに応じた見直しが求められます。
認可を受けた暗号資産(仮想通貨)取引所の義務
認可を受けた事業者は、投資家保護のために主に4つの義務を負います。
暗号資産(仮想通貨)取引業者の義務
####暗号資産(仮想通貨)取引業者の義務① 情報提供
1つ目は、取り扱う暗号資産全般に関する情報提供です。暗号資産(仮想通貨)取引業において最も重要となる取引き銘柄についての情報は、投資家保護の観点から必須となるため、
通貨名称や通貨の仕組みなどの情報を提供する義務を負います。
暗号資産(仮想通貨)取引業者の義務② 資産管理方法
2つ目は、資産管理方法に関してです。暗号資産(仮想通貨)取引業では、事業運営用の資金 (事業資金) と、投資家から預かっている投資家資産の2種類を扱うことになります。もし事業資金が不足した場合、投資家資産を流用されてしまっては、投資家資産が保護されないことになります。
このため
事業資金と投資家資産をしっかり分別管理する義務を負います。
暗号資産(仮想通貨)取引業者の義務③ 監査義務
3つ目は顧客資産の管理状況について監査を受ける義務です。
登録完了時点で顧客資産がしっかりと管理されていても、その後の事業運営で管理が杜撰になる懸念があります。このため年に1回以上外部から監査を受け、
継続的に顧客資産が安全に管理されているかチェックを受ける義務を負います。
暗号資産(仮想通貨)取引業者の義務④ 本人確認
4つ目は本人確認をしっかりと行う義務です。身元不審な利用者による犯罪を防ぐために、免許書やパスポートなどの
公的身分証でしっかりと本人確認を行う義務を負います。
金融庁の取り決めに違反した場合のペナルティ
まず義務違反が発覚した場合、すぐにペナルティが発生するわけではありません。義務違反発覚後、まずは報告書や関連資料などの書面を金融庁に提出します。
その後金融庁が事業所に立入検査を行います。
書面と立入検査の結果を受け、金融庁から事業者に対して指導勧告と是正命令が実施されます。
事業者がこの是正命令に従った場合にはペナルティは受けません。是正命令に従わなかったときは、違反者 (従業員) 対し、以下のどちらか、または両方が科せられます。
また違反者 (従業員) だけでなく会社に対しても、以下のペナルティが科せられます。
金融庁が定める暗号資産(仮想通貨)取引業者の認可基準
上記で紹介したMt.GOX社やCoincheckの事件が原因で、金融庁の認可基準も厳しくなりました。
暗号資産(仮想通貨)取引業者 3つの認可基準
- 資本金が1000万以上であり、黒字経営であること
- 暗号資産(仮想通貨)業務を支障なく運営できる能力があるか
- 外部監査を実施していること
以上のように金融庁の認可は厳しい評価基準の下で行われているので、
暗号資産(仮想通貨)を預けるのであれば金融庁の認可を受けた取引所がおすすめです。取引所が金融庁の認可を受けるために必要な基準についても紹介します。
資本金が1000万以上であり、黒字経営であること
暗号資産(仮想通貨)取引業者として認可を受けるようになるには、
株式会社として運営することが条件の一つです。株式会社は組織体制で動くことが義務付けられていて、取引所が株式会社となれば信頼のおける運営が確保されます。
他にも
会社の資本金が1000万円を超えて、黒字経営を維持することが条件です。赤字経営となり、資金が枯渇している企業は営業を続けられる保証がないため、認可は通りません。顧客の資金を保証するには、会社自体の手腕にも左右されるため、膨大な資本金が求められます。
十分な資本金が用意できず、また黒字経営を続けられないのであれば、金融庁はおろか利用者からも信用を得られないと考えましょう。
▶ 『暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン取引所の信頼性・資本金比較情報』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
暗号資産(仮想通貨)業務を支障なく運営できる能力があるか
資本金の他にも、暗号資産(仮想通貨)に携わる業務を運営し続けるだけの能力も取引所には問われます。セキュリティに関する技術と知識はもちろんのこと、
不測のトラブルが起きた際にも適切な対応ができるかも条件です。
顧客の資産をコールドウォレットに管理したり、複数の秘密鍵が用意できるマルチシグの導入など、多くの技術導入が求められます。他にも、利用者の本人確認を徹底することも条件であり、
自他ともに厳しいルールを実施していることが判断基準です。
▶ 『コールドウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
▶ 『マルチシグ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
外部監査を実施していること
上記で述べた資本金や能力の証明には多くの書類を提出する必要があります。
面談や外部からの定期的な調査も通る必要があり、一つ一つが厳選な監査です。
審査の結果、暗号資産(仮想通貨)業務を運営するための能力があると判断された時初めて、その取引所の信頼が証明されます。安心して暗号資産(仮想通貨)を預けられると考えてもよろしいでしょう。
2017年4月より改正資金決済法が施行されて、日本国内で取引所を運営するためには金融庁及び財務局の認可が必要になっています。申請が通っていない取引所は「みなし事業者」に分類され、Coincheckも含まれていました。
新しく暗号資産(仮想通貨)を始めてみたい!と考えていらっしゃれば、申請が通った取引所でまずは口座開設をしましょう。
▶ 『暗号資産(仮想通貨)の法律』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
金融庁から認可を受けている暗号資産(仮想通貨)取引業者一覧
金融庁から認可を受けているおすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所
金融庁からの認可を受けている暗号資産(仮想通貨)取引所は日本でもいくつか運営されています。
基本的に
大手の企業が運営している取引所などはセキュリティに力を入れても非常に優れています。
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▶ 『bitFlyer (ビットフライヤー) の評判・口コミ・レビュー評価』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
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▶ 『DMM Bitcoin (DMM ビットコイン) の評判・口コミ・レビュー評価』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
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金融庁の認可を受けていない暗号資産(仮想通貨)取引所
2017年4月に施行された改正資金決済法では、国内の暗号資産(仮想通貨)取引所はその運営に金融庁の認可が必要になります。
認可済みの取引所は、GMOコイン、bitFlyer、bitbankなど大手取引所の他、NEM流出事件で業務改善命令を受けていたCoincheckなど2020年4月30日現在で22社になります。
その他の取引所はみなし業者として移行措置により営業を許可されていますが、今後継続的に営業を行うためには金融庁の認可が必要なため、各取引所は認可申請中の状況にあります。
認可を申請している暗号資産(仮想通貨)取引所
2020年1月現在、認可を申請している、もしくは申請検討中の主な暗号資産(仮想通貨)取引所は以下のようになります。
LastRootsのようにみなし業者として以前から取引所を運営している業者の他、オウケイウェイヴなどのように新規参入を目指す業者も申請を検討しています。
一方で金融庁の厳しい認可基準を達成できず、Paywoard Japan、バイクリメンツなど複数の取引所が登録申請を取り下げています。
認可を受けていない暗号資産(仮想通貨)取引所があるのはなぜ?
金融庁が暗号資産(仮想通貨)取引所を認可制にした一番の目的は、
取引所を利用する投資家の保護するためです。認可を受けられていない暗号資産(仮想通貨)取引所は、投資家保護の観点で金融庁の合格ラインに達していないということです。
多くの暗号資産(仮想通貨)を取り扱っている
認可が認められない理由の1つは、
取扱い通貨の銘柄数の多さです。
金融庁は、取引所があつかう全ての通貨について、通貨の信頼性や流動性など投資家の資産が不正に損害を受けないことを入念に確認する必要があります。そのために1つ1つの通貨に対して時間をかけて厳密な審査を行います。
このため取扱い銘柄数が多い場合には、当然ですが審査にかかる時間もかかってしまいます。
金融庁が認可を与えるにはその取引所が扱う全ての通貨の審査が必要があり、銘柄数が多いほど結果として認可が遅れることになります。
匿名性暗号通貨を取り扱っている
認可が認められない理由の2つ目は、
匿名性暗号通貨を扱っている場合です。
匿名性暗号通貨とは、通貨を送金する際に、送信者と受信者の双方を匿名にすることができる通貨です。有名な通貨としては、モネロ、ダッシュ、ジーキャッシュなどがあります。
匿名性暗号通貨は、通貨の流れや履歴を確認できないため、犯罪に利用されたりハッキングの対象に狙われやすい特徴があります。金融庁としては、このような匿名性暗号通貨を認めることは、ある意味犯罪に手を貸すことになるため、当然ですが審査も慎重にならざるをえません。
また2018年のCoincheck事件に見られるように暗号資産(仮想通貨)のハッキング事件は今後も頻繁に発生する可能性が高いです。狙いになりやすい匿名性暗号通貨については投資家保護の観点から、金融庁として慎重な判断が必要となり、結果として認可に時間を要することになります。
海外の取引所は規制の対象外
金融庁の認可については、国内の取引所だけが対象となります。
近年、取扱い銘柄の豊富さから
海外の取引所を利用する投資家も増えてきていますが、国内の取引所のように金融庁が審査をしているわけではないため注意が必要です。
海外の取引所の資産管理がどの程度しっかりしているかを調べることは難しいです。このため取引額に制限を設けるなど利用する場合には個人レベルのリスク管理が必要です。
未認可の暗号資産(仮想通貨)取引所は使って大丈夫?
未認可の取引所の利用は、基本的には避けるべきでしょう。
未認可の取引所については、その理由を明確に知ることはできません。仮に
資産管理が杜撰に行われていたり、パスワードなど個人情報へのセキュリティ対策がしっかりとられていない場合には取引所に預けていた資産を失うリスクがあります。
また経営体制や資本金など、経営基盤が不足するような可能性もあります。この場合には、取引所自体が倒産してしまうリスクもあります。今後の資産保護を第一に優先し、認可取引所を利用することをおすすめします。
金融庁に業務停止命令・処分を受けた暗号資産(仮想通貨)取引所
Coincheck事件以来、多くの取引業者が業務改善命令や業務停止命令を受けています。
業務停止命令
重大な法令違反や顧客保護を犯す経営への行政処分であり、業務改善命令より重い処分
これまでの業務改善・停止命令の中で現在認可申請中の業者は以下のとおりです。
以下は、過去に業務改善命令を受けたものの
現在は認可を取得している取引所をまとめたものです。
※1 旧「Zaif」
※2 旧「みんなのビットコイン」
暗号資産(仮想通貨)取引業者の金融庁認可まとめ
セキュリティに優れていて、会社の資本金や能力が優れているかも前もって把握することで、自分の資産も守れます。
暗号資産(仮想通貨)の普及は広がりつつあり、世界各国で取引所が新しく設立されるようになりました。日本でも取引所の数は増えていますが、金融庁の認可が求められます。
どの取引所が金融庁の認可を受けているかきちんと把握し、安全な暗号資産(仮想通貨)取引のための一つの基準にしてみてください。
▶ 『暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン取引所のおすすめ比較ランキング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
執筆者情報
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仮想通貨部 かそ部。
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