- ICOはトークンにより資金調達を行う新しい資金調達手法
- トークンには主に5種類ある
- トークンを売るタイミングの見極めが特に重要
ICOで発行されるトークンはいくつかの種類に分類されます。また、トークンの種類によって所有する意味も変わってきます。
大きな違いは、トークンを発行するプロジェクトの内容にあります。トークンの使い道は様々で、 発行主体が決めた使い道によって様々な価値を生み出すことになります。
ここでは様々なICOトークンの特徴とその使い道、さらには買い方、売り方までをみていきます。
ICOトークンとは
ICOトークンとは、資金調達のために発行されるトークンのことを指します。
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)では、IPOのように法定通貨での資金調達ではなく、仮想通貨によって資金調達を行います。この際に、調達する仮想通貨と引き換えに発行するモノがICOトークンです。
ICOで発行されるトークンは、プロジェクト内容を公表後にトークンセールスにて販売が開始されます。一般的には「トークンセールス」のタイミングで購入することになります。
トークンとは
プロジェクトが仮想通貨を受け取るにあたり、発行・配布されるのがトークンです。
トークンはICO案件の主体となるプロジェクト(企業など)が独自の名前で発行します。トークンの使い道は、プロジェクトの主体によって変わりますが、ほとんどのトークンは仮想通貨取引所への上場を目指しています。
仮想通貨取引所へ上場されれば、保有するトークンをその他の仮想通貨と取引が出来るようになり、「通貨」のような役割を果たすトークンも存在します。
▶ 『仮想通貨のトークン』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
トークンセールスとは
トークンセールスとは、プロジェクトがICO案件を発表し、 独自のトークンを売り出す事です。
トークンセールス期間はプロジェクトによって違い、1ヶ月程度のモノから、半年以上の期間を設けるものまであります。トークンセールス期間に、 私たちは仮想通貨を送金してトークンを購入します。
トークンセールス期間が終わると、購入した金額分のトークンが配布されるのが通例です。配布のタイミングはプロジェクトによって異なりますので、公式アナウンスをチェックしておく必要があります。
ICOトークンの種類
ICOトークンの種類は、トークンの使い道によって、大きく5種類に分けることが出来ます。
※明確に定義されているわけではありません。
仮想通貨型トークン
仮想通貨型トークンは、ビットコインやネムの様に、実際に「通貨」の様な価値を持つトークンです。価値を持つとは「 実際に決済が出来る」という意味です。
ICOで発行されたトークンが仮想通貨取引所に上場し、トークン自体が法定通貨などに換金出来たり、支払いに使用出来たりします。
会員権型トークン
会員権型トークンは、トークンを所持する事でプロジェクトが主催するイベントなどの「優待」が受けられるといったイメージのトークンです。
株式優待に似た性質を持ち、持っているだけで何かしらの恩恵が受けられるといった特性を持っています。
プリペイド型トークン
プリペイド型トークンは、「商品券型」とも呼ばれており、プロジェクトが作り上げるサービスを受ける際に使用できるトークンです。
コミュニティプラットフォームサービスを展開するICOプロジェクトであれば、ユーザー同士の評価(いいね!の様なモノ)に使用したり、ブログや音楽といったコンテンツを提供する事で、トークンで報酬を受け取るといったサービスもあります。
ファンド持ち分型トークン
ファンド持ち分型トークンとは、プロジェクトで得た利益について、トークンの保有量によって配当されるといった様に、保有することによって利益が生まれるトークンで、株式の配当に似ています。
ICOで資金調達したプロジェクトが軌道に乗り、収益が出た分がトークン保有者に分配されるので、より多くのトークンを保有する事になれば、配当も増加していくケースもあります。
アプリケーション・プラットフォーム型トークン
アプリケーション・プラットフォーム型とは、プラットフォーム上で動作する「アプリケーション」から発生するトークンです。
少々わかりにくいですが、iPhoneを例に挙げて説明すると以下の様になります。
iPhone(プラットフォーム)で利用するLINE(アプリケーション)の中で使えるLINEコインというイメージです。
アプリケーションは、ブロックチェーン上の独自プラットフォームに作られ、最初のトークンはプラットフォーム上に発行される1種類ですが、プラットフォーム上にアプリケーションが複数作られれば、アプリケーションごとに使えるトークンが作られる可能性もあります。
アプリケーション内で作られるトークンと、最初に発行されたトークンが取引出来るかどうかは、アプリケーション開発者の手に委ねられています。
ICOトークンの買い方
ICOトークンの買い方としては、まずイーサリアムなどの仮想通貨を購入し、その仮想通貨でICOトークンを購入するといった手順です。
仮想通貨の購入からICOトークンの配布までは、大まかに以下の様な流れです。
- 仮想通貨を買う
- トークンセールに参加する
- トークンの配布・受け取り
仮想通貨を買う
ICOトークンを買うには、仮想通貨を持っていなければなりませんので、仮想通貨取引所などに登録し、 法定通貨(円やドル)で仮想通貨を購入します。
ICOトークンの大半がイーサリアムベースとなっており、イーサリアムを基準に購入するとスムーズです。
トークンセールスに参加する
トークンセールスに参加する事でトークンを購入できます。トークンセールスは、 公式サイトなどで日程のアナウンスが掲載されていますので、必ず確認すべきです。トークンセールスでの購入時期が早いほど、ボーナスが用意されているケースも存在します。
トークンの配布と受け取り
トークンセールスが終了すると、あとは配布と受け取りです。
配布に関しては、 公式サイトや公式コミュニティでアナウンスされますので、しっかりとチェックしておく事が大切です。配布がスタートすると、登録したウォレットアドレス宛にトークンが届きます。大規模なICO案件ほど、配布時期に若干の個人差が出る場合があります。
ICOトークンの売り方
ICOトークンの売り方としては、仮想通貨取引所などに上場されたタイミングで売買が始まります。ほとんどの場合、上場されるまでは売る事は出来ませんが、 上場されればビットコインやイーサリアムとのペアでの取引が通例です。
売るタイミングの見極め方
売るタイミングの見極めは非常に困難です。これまでのICOトークンを見てみると、上場直後に売られてしまう事も多く、最初のタイミングを逃すとしばらくの間価格の上昇を待たなければなりません。また、プロジェクトの進捗情報なども価格を左右する大きな要因となりますので、 情報収集は欠かせません。
価格上昇の多くは、以下のタイミングです。
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仮想通貨取引所などの上場された瞬間
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好材料(プロジェクトにとって期待できる情報)が出た瞬間
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好材料が実現する直前
これらは全て「期待」という価値で価格上昇に繋がるパターンです。また、長期的に見込みのあるICO案件ならば、数年間の長期保有といった選択肢も一つの手段です。
上場直後でも売れないケースがある
ICOトークンは、 取引所に上場をみせた瞬間に急激に価値を伸ばすタイミングで利益を掴むことも可能です。しかし、取引所に上場したからと言って必ずしも売れるとは限りません。
特に、昨今は日本人の海外取引所からの締め出しの動きが目立っており、日本人が売ることのできない取引所に上場した場合、自動的にホールド状態は継続となってしまいます。
つまり、上場の見込みがあることと利益を確定できるかどうかは、別の問題となってしまうということです。
まとめ
ICOトークンの使い勝手は多岐に渡ります。トークンの種類を把握しておく事で、今後のトークンの使い道を想像することが出来ます。使い道を想像する事で、その後ICO案件が世の中にどの様に浸透し、ICOトークンがどの程度世の中に浸透するのかを想像することが出来ます。
ただし、トークンに価値が出るか否かという部分については、ICOのプロジェクト内容と実現可能性、そして浸透するか否かに依存するので、ICOトークンを購入する際は必ずホワイトペーパーや公式コミュニティの情報などを確認し、自身で納得した上での判断が必要となります