この記事のポイント
  • スケーラビリティ問題を解決するライトニングネットワーク
  • トランザクションコストを下げる
  • ライトニングネットワークは中央集権化を招く

「ライトニングネットワークが仮想通貨の問題点を改善していく」という短絡的な認識を持っている人は、もう少しライトニングネットワークに関しての見地を深める必要がありそうです。

ライトニングネットワークには、メリットと同時にデメリットも存在しており、現状不十分であるということです。

仮想通貨が抱えるスケーラビリティ問題の現状

送金の詰まりや処理速度の低下を招いている

仮想通貨は既存の法定通貨とは異なり、ブロックチェーンなどの技術により非中央集権的なデジタル通貨ですが、将来性が期待されてはいるものの、未だに課題を残しているのが現状です。その問題の1つに、スケーラビリティ問題があります。

ビットコインを例に挙げると、ビットコインではトランザクションの際に、台帳と呼ばれるものにデータが書き込まれていき、その台帳をチェーン状に繋げることで高度なセキュリティを維持しています。

しかし、トランザクションの際に台帳に書き込むことのできるデータには限度があります。つまり、トランザクションがこれまでよりも増大してしまうと、データの書き込みが遅れてしまうので、送金の詰まりや処理速度の低下を招いてしまいます。

これが、仮想通貨におけるスケーラビリティ問題となっています。

▶ 『スケーラビリティ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

ライトニングネットワークとは

ライトニングネットワークでは、ブロックチェーンとは別のオフチェーンで取引に必要なデータを集約してからブロックチェーンに乗せてトランザクションを運ぶため、仮想通貨におけるさまざまな問題を解決していくと期待されています。

ライトニングネットワークが実現すること

ライトニングネットワークを用いると、仮想通貨におけるスケーラビリティ問題だけでなく、ユーザー間の送金の安全性の確保や送金手数料の削減を実現可能にします。

スケーラビリティ問題の解決

仮想通貨におけるスケーラビリティ問題は、トランザクションの増加が各台帳の容量を超えることで発生するものです。

ブロックチェーンにおいては、複数のトランザクションは全てオンチェーン上、つまりブロックチェーン上で処理することが必須です。

しかし、ライトニングネットワークにおいては、複数のトランザクションの中で最初と最後のトランザクションはオンチェーン上で行い、それ以外はオフチェーンで行っても取引の整合性は保たれるという特性があります。

よって、マイニングされるトランザクションの数自体が減るので、送金の詰まりや遅延を解決します。

送金の安全性確保

ライトニングネットワークでは、ネットワークに参加しているが直接は結びついていない両者の送金を安全に行うことができます。

送金の際、両者を経由する位置にある人を介すわけですが、HTLCという複数の秘密鍵を分散で管理する方法の条件を制限できるので、両者を経由する位置にある人が不正を働くことができなくなっています。

マイクロペイメント

マイクロペイメントとは少額決済と訳されます。

ブロックチェーンでは、マイナーに対して高い手数料を払えば払うほどトランザクションが追加されやすくなるので、ユーザー側は取引の手数料が高いことが懸念点とされていました。

しかし、ライトニングネットワークを活用することで、マイニングされるトランザクションの数が減るので、マイクロペイメントが実行可能となります。

ライトニングネットワークは中央集権なシステム

ライトニングネットワークでは、分散型のような体系のように見えて中央集権的なシステムになってしまう恐れもあります。

直接結びついていない者同士の取引を成立させるためには、両者を経由する位置にある人が必要です。仮にこの仲介者がライトニングネットワーク内で、数多くの支払い経路を独占してしまった場合、仲介者が管理できる中央集権が成り立ってしまいます。

ライトニングネットワークの仕組み

ライトニングネットワークが、スケーラビリティ問題の解決、送金の安全性の確保、トランザクション手数料の削減を実現するのは、ペイメントチャンネルに似ていることとHTLCというシステムの上に成り立っている仕組みであるからです。

ペイメントチャネル

ライトニングネットワークは、ペイメントチャネルと呼ばれる少額決済方法と似ています。

しかし、ペイメントチャネルではオフチェーン上で相手ごとにそれぞれ別のチャネルの作成が必要とされるので、トランザクション数の削減は可能ですが、取引量や参入者が増えると結果として構築すべきチャネルが増えるので、スケーラビリティ問題の解決には至りません。

ライトニングネットワークでは、送金する側と受けとる側の両者が直接的なチャネルを構築していなくとも、仲介者とのチャネルを構築していれば送金が成立します。さらに、効率化されたトランザクションのみオンチェーンで承認されれば良いので、スケーラビリティ問題を解決し、安価な手数料と迅速な取引を可能にします。

HTLC(Hashed Timelock Contracts)

ライトニングネットワークでは、HTLCのシステムが採用されてるので、信頼を仲介者に依存することなく、仲介者とのチャネルを利用した両者の取引が可能です。

HTLCとは、ハッシュ値と呼ばれる暗号化された情報と、タイムロックと呼ばれるトランザクションの管理を時間で制限するシステムを組み合わせたもので、仲介者の不正を働かせない安全な取引を可能にしています。

ライトニングネットワークの課題

ライトニングネットワークは、非常に優秀なシステムでありながら、未だ多くの課題を有しています。

中央集権的なシステム

ライトニングネットワークは、ブロックチェーンとは別のシステムとなっており、ライトニングネットワークで効率化したトランザクションをブロックチェーンに乗せることでマイニング回数を減らし、結果として取引を円滑化します。

しかし、ライトニングネットワークでは、デポジットの多い仲介者ほど中間役として経由される確率が高まり、仲介者を経由する際のユーザー間の手数料は、仲介者自身の裁量に委ねられています。

つまり、ブロックチェーンで可能になる非中央集権的な通貨のやり取りにライトニングネットワークが加わると、銀行や政府などの資金力がある仲介者が参入してくると、たちまち中央集権になってしまう事態になります。

セキュリティが甘くなる

ライトニングネットワークは常にオフチェーンで管理するため、ネットワーク環境下に秘密鍵などが常に晒されている状態となります。

よって、ライトニングネットワークに対応したコールドウォレットなどのセキュリティシステムが管理に必要となってきますが、こうしたウォレットの作成はまだ先の段階と言われており、セキュリティ面に不安を残しています。

ハッキングリスク

常にオフチェーンでのトランザクションのやり取りを要するライトニングネットワークは、その分ハッカーの攻撃対象になりやすくなります。

スケーラビリティを解決する他の手段

仮想通貨におけるスケーラビリティ問題を解決するためのライトニングネットワーク以外の手段も存在します。

Segwit

Segwitは、取引サイズを圧縮することで送金の遅延や送金の詰まりを解決する手段です。

▶ 『Segwit』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Segwit2X

取引サイズの圧縮で問題を解決するSegwitに加え、ブロックの容量を倍にしようとするシステムがSegwit2xです。

まとめ

ライトニングネットワークは、仮想通貨の問題を解決に導く可能性がありますが、同時に、ブロックチェーン最大の特性である非中央集権的な通貨の管理体制を脅かしてしまう可能性もあります。

トークンホルダーや仮想通貨を利用している人は、ライトニングネットワークだけに注目するのではなく、問題を解決する手段として何が採用されていくかに注視する必要がありそうです。

執筆者情報
仮想通貨部 かそ部 編集部

名前。 はじめまして。本サイトの執筆を担当している、「仮想通貨部 かそ部」編集部です。本サイトは、仮想通貨の総合情報サイト「仮想通貨部 かそ部」の運営や、各種Web情報メディア事業を展開するドットメディア株式会社により運営されております。編集部一同、正確な論拠に基づいた調査のもと、読者(ユーザー)様にとって正確かつ最新の情報をお届けできるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。

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