この記事のポイント
  • モメンタム」は簡単で使いやすいテクニカル指標
  • モメンタム」でトレンドの転換や強弱を知ることができる
  • 他の指標と組み合わせることで取引の精度を増すことができる

仮想通貨取引は誰でも簡単に行うことができますが、自分の勘だけを頼りに売買を繰り返していても、資産は目減りする一方です。各取引所では視覚的に値動きが分かりやすいチャートが提供されているので、 それを使いこなすことで精度の高い取引が可能になります

売買の手掛かりになるテクニカル指標として、「モメンタム」と呼ばれるものがあります。「モメンタム」は売買のトレンドの転換や強弱を表す指標です。この記事ではモメンタムの使い方からメリット、デメリットまで、分かりやすく解説します。

▶ 『中級のテクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

モメンタムの基本情報

モメンタムの基本情報
ひとこと特徴トレンドの転換や強弱を表す指標
ジャンルトレンド系
難易度中級テクニカル分析
使うタイミング主にトレンド相場
主な使い方プラスの時は上昇トレンド、マイナスの時は下降トレンド
モメンタムのポイント
「モメンタム」は日本語では「勢い」と訳します。チャートのテクニカル分析の中でもオシレーター系の指標で、売られすぎや買われすぎを判断することが可能です。短期的な相場の動きの予測に適しており、相場が上昇しているときでもその勢いが弱くなっていないか、相場が下落しているときにさらに勢いが増していないかといった判断に利用できます。

非常に便利な指標で、モメンタム単独の利用も可能ですが、他のテクニカル分析の指標と合わせて利用すればより精度の高い予測が可能になります。

勝率を上げるための+α
モメンタムが0ラインとどのくらい離れているかで、トレンドの強さを図ることもできます。モメンタムが0ラインから離れている場合は、トレンドが勢いを増しており、逆にモメンタムが0ラインに近づいてくると、トレンドの勢いが弱まってきていると判断できます。

モメンタムとは

モメンタム」は日本語では「勢い」と訳します。チャートのテクニカル分析の中でもオシレーター系の指標で、 売られ過ぎや買われ過ぎを判断することが可能です。

短期的な相場の動きの予測に適しており、相場が上昇しているときでもその勢いが弱くなっていないか、相場が下落しているときにさらに勢いが増していないかといった判断に利用できます。たとえば10日間のモメンタムは、以下の計算式で求めることができます。

  • モメンタム = 当日の終値 - 10日前の終値

とてもシンプルで使いやすい指標です。モメンタムを求める際は、9~14日の期間で求めるのが一般的です。モメンタムがプラスの時は 上昇トレンド、マイナスの時は 下降トレンドと予測します。

モメンタム単独の利用も可能ですが、他のテクニカル分析の指標と合わせて利用すれば、より精度の高い予測が可能になります。

▶ 『トレンド』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

モメンタムの見方

モメンタムの売買タイミングには0ラインが深く関わっています。モメンタムと0ラインが クロスするタイミングとクロスの方向によって売買タイミングを判断するので、パターンをきちんと覚えておきましょう。

モメンタムで見る買いタイミング

0ラインを下から上にクロスしたときは、売られ過ぎを示しています。チャートが下落しているにもかかわらず、モメンタムの値が大きくなっているときも売られ過ぎのサインです。このような場合は買いのタイミングです。

モメンタムで見る売りタイミング

0ラインを上から下にクロスしたときは、買われ過ぎを示しています。チャートが上昇しているにもかかわらず、モメンタムの値が小さくなっているときも買われ過ぎのサインです。このような場合は売りのタイミングです。

▶ 『ゴールデンクロス・デッドクロス』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

モメンタムの使い方

モメンタムだけを売買指標として利用しようとすると、0ラインとのクロスは割と頻繁に起こります。 他の指標と合わせてトレンドの確認をしてください

またモメンタムが0ラインとどのくらい離れているかで、 トレンドの強さを図ることもできます。モメンタムが0ラインから離れている場合は、トレンドが勢いを増しています。逆にモメンタムが0ラインに近づいてくると、トレンドの勢いが弱まってきていると判断できます。

▶ 『トレンド』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

モメンタムを用いたトレードの実践例

モメンタムが0のラインに触れるときがエントリーや決済するポイントとなります。なぜならモメンタムのプラスマイナスが切り替わるときが、トレンドの転換点だからです。

モメンタム1

上記の画像でいうと、①でモメンタムがプラスからマイナスに切り替わるときが下落トレンドへの転換点となります。ですから①で空売りでエントリーしましょう。

そして②の時点でマイナスからプラスにモメンタムが切り替わります。上昇トレンドに切り替わるサインですので、この時点で決済し②手仕舞いしましょう。

このように モメンタムが0のラインに触れる点を注視することでうまく利益を出すことができます

モメンタムの注意点

注意点1 高い売買回転率

モメンタムを売買の指標として利用すると、売買のタイミングが多くなり、結果として売買回転率が高くなります。そのため 取引にかかる手数料も大きくなってしまいます

他の指標と組み合わせたり、モメンタムを求める期間を調整するなどの工夫が必要です。

注意点2 ダウンサイドリスクが大きい

モメンタムは簡単で使いやすい指標ですが、それだけを指標にすると売買のタイミングが頻繁におとずれます。そして指標に基づいて取り引きを行っても、相場が想定と逆に動くこともあります。これを「ダウンサイドリスク」といいます。

モメンタムだけを売買指標としていると、ダウンサイドリスクは大きくなります。利益を上げるためには ダウンサイドリスクを下げなければなりません。そのためにモメンタムだけではなく、他の指標と組み合わせることが必要です。

注意点3 ダマシが多い

モメンタムの性質上、0ラインとのクロスは頻繁に起こります。そのため短い期間で何度もクロスを繰り返し、 売買のタイミングがつかめないということも起こります。他の指標と合わせて利用することで、より精度を高めることが必要です。

注意点4 通貨によって単位が異なる

モメンタムを求める計算式は単純ですが、そのため単位が統一されておらず、仮想通貨の場合は 通貨によって値が大きく異なります。通貨ごとの比較を行う場合は、「%」に値を計算し直すなどの作業が必要になります。

注意点5 上限・下限がない

モメンタムは「%」のような数値ではないため、どのくらいの値を示したときに「売られ過ぎ」、「買われ過ぎ」と判断するかの基準がありません。他の投資家がどのくらいを目安にしているか、また自分で実際に経験を積んで少しずつ覚えるしかありません。

モメンタムとの組み合わせが有効なテクニカル分析

ストキャスティクス

ストキャスティクスの基本情報
ひとこと特徴買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標
ジャンルオシレーター系
難易度初級テクニカル分析
使うタイミング主にレンジ相場
主な使い方%Kが75%以上で売り、%Kが25%以下で買い
ストキャスティクスのポイント
ストキャスティクスは一定期間の高値と下値を元にして、現在の相場が買われすぎなのか売られすぎなのかを判断する指標です。一定期間の値動きの中で現在の相場がどの位置にあるかで算出されます。売買のポイントとしては、「%Kが%Dを上抜いた地点が買いシグナル」「%Kが%Dを下抜いた地点が売りシグナル」となります。

一定の範囲で値動きを繰り返すレンジ相場や相場のトレンドが転換するタイミングではっきりとしたシグナルを出すので使いやすいですが、明確なトレンドが発生している場面ではダマシが多いのが欠点です。

ストキャスティクスは過去の値動きを元に今後の相場の動きを推測する指標なので、他のテクニカル指標と合わせて使うことをおすすめします。

勝率を上げるための+α
ストキャスティクスは厳密には「ファーストストキャスティクス」と「スローストキャスティクス」の2種類が存在します。ファーストストキャスティクスはその名の通り素早く売買シグナルを出す短期売買向けの指標ですが、ダマシが多いという欠点があります。それをカバーするのがスローストキャスティクスで、こちらを利用することの方が多いです。

▶ 『ストキャスティクス』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

モメンタムとストキャスティクスを組み合わせた使い方

ストキャスティクスは モメンタムに比べてエントリーポイントを絞ることに向いています。ゆえにモメンタムよりも慎重にエントリーポイントを探りたい方におすすめです。ただしエントリーできるポイントが、モメンタムを活用するときよりも減る点に注意してください。

モメンタム2

上記のチャートのストキャスティクスでは、20%以下の領域に入っている買いサインと80%以上の領域に入っている売りサインの2つを確認できます。

一方でモメンタムが0ラインに触れているエントリーポイントは4つありました。このように ストキャスティクスの方がエントリーポイントの数が少なくなります

%Rオシレーター

%Rオシレーター計算式の基本情報
ひとこと特徴買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標
ジャンルオシレーター系
難易度中級テクニカル分析
使うタイミング主にレンジ相場
主な使い方ローライン (-80%) を上抜けで買い、ハイライン (-20%) を下抜けで売り
%Rオシレーター計算式のポイント
%Rオシレーターとはラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル分析指標の1つで、売られすぎ・買われすぎを示す指標です。RSIでは値が大きいと買われすぎ、小さいと買われすぎとされていますが、%Rオシレーターは値が小さいと買われすぎ、大きいと売られすぎといったシグナルになります。

一般的には%Rが0%〜-20%にあるときは買われすぎ、-80%〜-100%にあるときは売られすぎと判断され、売買のシグナルとして使われています。MT4にデフォルトで設定されている「Williams’ Percent Range」を使うと、自動的に「-20%でハイライン」と「-80%にローライン」が表示されるので便利です。

勝率を上げるための+α
相場に強いトレンドが発生しているときは、天井や底に張り付く「ダマシ」が発生します。そのため、%Rオシレーターはレンジ相場や弱いトレンド相場で利用するようにしましょう。

▶ 『%Rオシレーター計算式』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

まとめ

各仮想通貨取引所では利用しやすいチャートが用意されています。モメンタムを始め様々な指標を表示させることができます。

取引で利益を上げるためには多くの情報から判断する必要がありますが、 モメンタムは利用しやすい指標です。モメンタムだけを頼りに取引することも可能ですが、他の指標と組み合わせることで取引の精度を上げることも可能です。

モメンタムは「ストキャスティクス」や「ウィリアムズ%R」などとの相性が良いとされています。そういった指標もぜひ調べてみてください。自分で利用しやすいようにチャートをカスタマイズして、上手に仮想通貨取引を楽しみましょう。

▶ 『テクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

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