
Alameda Researchの創設者であるSam Bankman-Fried氏はメールでCoinDeskに以下のように語った。
「DeFiの数字が過去最高を更新しているのは本当だ。しかし、他の仮想通貨との相対的な観点から見ると、ピークからは下降しているが、最悪の状態ではない、と言ったところだ。」
一見すると、DeFiはこれまでにないほど堅調に推移しているようだ。TVL (Total Value Locked) で判断すると、DeFiは年明けから1日あたり約10億ドル相当の追加価値を記録している。DeFiを支える資産であるETHは、1月1日に737ドルで取引され、この記事を書いている時点で1,182ドルまで上昇している。すなわちETHは60%強、DeFiは40%強の上昇だ。
しかし、ベンチャー企業Variantの創設者であるJesse Walden氏によると「TVLは、ETHや他のすべての仮想通貨の値動きが数週間緑色であるような場合は適切な指標とは言えない。」のだという。
DeFiは、多くの資産がロックインされると再び活況を呈することになる。値上がりのほとんどが資産価格の上昇によるものであることは明らかだが、それだけではない。Walden氏は「Uniswapだけでも毎日10億ドル前後の決済が行われていることから、エコシステムは間違いなく成長している。」は指摘した。
ステーブルコインに目を向ける
ベースラインのDeFiの上昇を確認するための良い方法は、ステーブルコインでアクションをチェックすることだ。なぜならステーブルコインは価格変動が乱暴に偏るようなことがないからだ。
DeFiマネーマーケットCompoundはDeFiの流行に火をつけた。そのウェブサイトは時間をかけて預金をチェックするのを簡単にするもので、アプリケーション上でのイールドファームはまだ勢いに乗っている。
USDT、USDC、DAIの3大ステーブルコインを見てみると、USDTだけがCompoundの上にインチアップしているが、一方で預金は最も少ない。Tetherのステーブルコインは1月1日のわずか9,150万ドルから今日1億4,600万ドルまで上昇した。一方、DAIは基本的に10億ドルの少し上で推移しており、USDCは8億ドルの領域にある。
以上のことから、ブロックチェーンコンサルタントのMaya Zehavi氏は「DeFiはシステムのレバレッジを5%と少しだけ高めただけで、残りはただの価格上昇だ。」と述べた。
値動きが継続すると信じている人にとって、上昇資産をより多く借りることで、より多くの利益をロックすることができる。マネーマーケットAave (今日で1歳になったプロトコル) のStani Kulechov氏は「一般的に、強気相場の間は、より多くのユーザーがETHのポジションにレバレッジをかけるために借り入れをする」と、語った。
Kulechov氏はCoinDeskとデータを共有し、Aaveのバージョン1と2を合わせて15億ドル以上の新規入金があったことを示した。圧倒的に最大の入金額はETHで、2021年だけでも4億5000万ドル以上の新規ETHがAaveに入金されている。
つまり、人は自分が安全圏まで到達した、という心の余裕ができれば、多少危険であってもより稼げる可能性のある資産に投資し、底が見えるまで待とうとする、ということだ。
Pantera CapitalのパートナーであるPaul Veradittakit氏は、同投資会社がDeFiで多くの新規案件をクロージングしていると語った。
「我々は、DeFiがエコシステムを前進させると信じており、これが我々のテーゼだ。分散型取引は中央集権型取引を追い越しており、今後も比例して成長していくだろう。一方で合成資産、アルゴリズムによるステーブルコイン、貸し借りのユースケースは非常に有望である。」