DeFi のレンディングサービスは、暗号資産の貸し借りを実現するものである。レンディング分野は、ここ数ヵ月のDeFiの成長を支えたDeFiエコシステムの要ともいえる領域である。担保の保管や金利の調整などの機能がスマートコントラクトで実装されているため、ユーザーは秘密鍵を自身で管理でき、預託先企業のハッキングリスクがない。また、透明性も高い。一方で、スマートコントラクトのハッキングなどの技術的なリスクがつきまとう。最近では、同じトランザクション内で返済を完結させることを条件として無担保で資産を借り入れることができるフラッシュローンや、クレジットデリゲーション(信用委任)といった新たなサービスも開発されている。

DeFiPulseによると、6月頃からの合計ロック資産価値(TVL)は約5倍増加し、借入総額は25億ドル(約2,600億円)まで増加した。著名なDeFiレンディングとして、MakerDAO、Compound、Aaveなどが挙げられる。最もTVLが大きいのはMakerDAOである。

レンディングは、プロトコルレイヤーとアプリケーションレイヤーという二つのレイヤーに分けられる。プロトコルレイヤーとはコアとなるレンディング機能を持ったスマートコントラクトを提供するものであり、アプリケーションレイヤーとはDeFiレンディングのUI/UXを向上させるアプリや補完的なスマートコントラクトなどを提供するものである。

プロトコルレイヤーは、さらにマネーマーケット、デリバティブ、ステーブルコインの3つに分類できる。マネーマーケットに分類されるCompoundやAave、Creamは、スマートコントラクトで作られた流動性プールを通して、貸し手から資金を預かる。その一部が借り手に貸し出され、貸し手は借り手から徴収した金利を報酬として受け取る。デリバティブに分類されるdydxやbZxは、主にマージントレードなどのデリバティブ取引を提供しているが、レンディング機能も備えている。MakerDAOは、ステーブルコインDAIを発行、管理するプロトコルである。ETHなどの暗号資産を担保にDAIを借り入れるため、レンディングのカテゴリーに括られることも多いが、厳密にはステーブルコインのプロジェクトである。少し前までDAIを貸し出して金利を得ることもできたが、現在は金利がゼロになっている。

一方、アプリケーションレイヤーは、InstadappやArgentなどのUI・UX特化アプリと、Yearn Financeを含むアグリゲーターに大別できる。InstadappやArgentは、使いづらいレンディングプロトコルを簡単に利用できるようにしたアプリケーションである。補完的なスマートコントラクトを提供しUXを改善させるほか、一つのインターフェイスから複数のレンディングサービスを利用することができる。Yearn Finance は、DeFiレンディングの中から、最も利回りが高い投資機会を自動で発見、投資してくれるスマートコントラクト・ボットである。最近は単純なレンディングではなく、より儲けることを目指した流動性マイニングのアグリゲーターとして使われている。

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