- %Rオシレーターは買われすぎ・売られすぎを示すシグナル
- %Rオシレーターは逆張りに使える
- ノイズにかかったときは迅速な損切りが必須
%Rオシレーターは 相場の売られすぎ・買われすぎを読み取るオシレーター系指標です。他の指標と比べると使いどころや反応の早さなど独自の強みを持っているので実戦のチャートでも使える場面が多いです。%Rオシレーターとはどのような指標か実戦のチャートも使いながら紹介します。
▶ 『中級のテクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
目次
%Rオシレーターの基本情報
ひとこと特徴 | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
---|---|
ジャンル | オシレーター系 |
難易度 | 中級テクニカル分析 |
使うタイミング | 主にレンジ相場 |
主な使い方 | ローライン (-80%) を上抜けで買い、ハイライン (-20%) を下抜けで売り |
一般的には%Rが0%〜-20%にあるときは買われすぎ、-80%〜-100%にあるときは売られすぎと判断され、売買のシグナルとして使われています。MT4にデフォルトで設定されている「Williams’ Percent Range」を使うと、自動的に「-20%でハイライン」と「-80%にローライン」が表示されるので便利です。
勝率を上げるための+α
相場に強いトレンドが発生しているときは、天井や底に張り付く「ダマシ」が発生します。そのため、%Rオシレーターはレンジ相場や弱いトレンド相場で利用するようにしましょう。
%Rオシレーターとは
%Rオシレーターの概要
%Rオシレーターとはラリー・ウィリアムズが開発したテクニカル分析指標の1つで、 売られ過ぎ・買われ過ぎを示す指標になります。
RSIでは値が大きいと買われ過ぎ、小さいと買われ過ぎとされていますが、%Rオシレーターでは値が小さいと買われ過ぎ、大きいと売られ過ぎといったシグナルになります。
%Rオシレーター、RSI、ストキャスティクスの違い
同じ系統のインジケーターと動き方を比較してみましょう。
こう見ると
RSIの動きだけとても穏やかです。ストキャスティクスも動きが激しいですが、%Rオシレーターの動きはより鋭角で目まぐるしく動いています。
つまり%Rオシレーターはノイズが多いものの、値動きに対して素早く反応してくれる指標だといえます。
▶ 『RSI』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
▶ 『ストキャスティクス』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
%Rオシレーター計算式
%Rオシレーターの計算式はこちらになります。
- (n日間の最高値 - 当日の終値) ÷ ( n日間の最高値 - n日間の最安値 )
計算式は ストキャスティクスの%Kにとても似ています。%Rオシレーターは高値と終値の差、ストキャスティクスの%Kは終値と安値の差といった違いしかないので売買の指標の見方はストキャスティクスの%Kとほとんど同じだと言えます。
ただ、このままだと売りと買いのサインが逆になってしまうので普通は「0%~-100%」の間で表されます。
また初期設定では期間が14日になっていることが多いですが、国内の投資家の多くは 20日あるいは10日に設定している場合が多いです。
%Rオシレーターの見方
%Rオシレーターは「指定した期間内の価格推移の中で、当日の価格がどこに位置するか」を示すものです。
チャートの表示が「0%~-100%」の場合には、-50%を基準として0%に近付くほど当日の価格が高値圏であるとされ、-100%に近付くほど当日の価格が安値圏にあるとされます。
一般的には%Rが0%~-20%にあるときは買われ過ぎ、-80%~-100%にあるときは売られ過ぎと判断され、 売買のシグナルとして使われます。
MT4にデフォルトで設定されている「Williams’ Percent Range」を使うと、自動的に「-20%でハイライン」と「-80%にローライン」が表示されるので便利です。
- ・ローライン(-80%)を上抜けしたら買いサイン
- ・ハイライン(-20%)を下抜けしたら売りサイン
さらに早く判断を決めたいときは-10%と-90%をサインとして用いる場合もあります。
%Rオシレーターの使い方
ガーベージトップ・ガーベージボトム
%Rオシレーターが最も効果を発揮するのは レンジ相場や弱いトレンド相場です。
相場に強いトレンドが発生しているときは、多くのオシレーターで天井に底に張り付く「ダマシ」が発生します。中でも%Rオシレーターは張り付きが特に長いので、この「ダマシ」を逆手に取って反転のサインとして活用します。
オシレーターの天井での張り付きを「ガーベージトップ」、底での張り付きを「ガーベージボトム」といいます。逆張りのシグナルには先ほどと同じくハイライン・ローラインを用います。
- ガーベージボトムの後に、ローライン(-80%)を上抜けたら買いサイン
- ガーベージトップの後に、ハイライン(-20%)を下抜けたら売りサイン
ただ、短期間のチャートしか見ていないと誤ったシグナルを掴んでしまう可能性があるので、日足のような長期のチャートを見て方向性を見つつ短い足でトレンド転換を図るのがおすすめです。
%Rオシレーターのダイバージェンス
他のオシレーター系指標と同じように%Rオシレーターにもダイバージェンスは出現します。ダイバージェンスとはオシレーター系指標特有の現象で、
価格とオシレーターが逆行している状況のことを指します。
ダイバージェンスにもパターンがいくつがありますが、代表的な大きな相場転換時のシグナルを挙げてみます。
- 価格の高値は下がっていても、%Rの高値が上がっていれば買いサイン。
- 価格の安値は上がっていても、%Rの安値が下がっていれば売りサイン。
さまざまなシグナルの中でもダイバージェンスの信頼性は高いです。また、長期の足でダイバージェンスが発生しているときの精度はさらに高いです。
▶ 『ダイバージェンス』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
%Rオシレーターの注意点
%Rオシレーターは反応の早さを生かしてトレンドの初動をとらえる指標です。それゆえどうしてもダマシが多くなるので、 逆に動いてしまった場合の迅速な損切りがとても重要です。短いスパンでトレードをする方なら損小利大の意識が大事になってきます。
期間は初期設定で14日になっていることが多いですが、相場のサイクルに合わせて10~20日の間でカスタマイズした方がより成果が期待できます。
%Rオシレーターとの組み合わせが有効なテクニカル分析
RSI
ひとこと特徴 | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
---|---|
ジャンル | オシレーター系 |
難易度 | 初級テクニカル分析 |
使うタイミング | 主にレンジ相場 |
主な使い方 | 20%以下で買い、80%以上で売り |
20%と80%というラインは買われすぎのシグナルとして機能しますが、エントリーポイントはRSIの天井や底である「ピーク」の少し後が一般的です。「ピーク」に達した後にトレンドが反転したと見えたタイミングでエントリーするようにしましょう。
勝率を上げるための+α
オシレーター系のテクニカル指標は比較的ダマシが多いため、1時間足で方向性を確認し15分足や5分足でトレードをするという戦法をおすすめします。短すぎる時間足だとトレードの勝率が低くなり、長すぎる時間足だと誤差が大きくなってしまうため、それらを組み合わせてチャートを分析するようにしましょう。
▶ 『RSI』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。
%Rオシレーターのまとめ
オシレーター系指標は数多くありますが、%Rオシレーターは レンジ相場に強く逆張りができるという強みを持っています。
相場の状況に合わせて的確に使いこなせれば勝率がグッと上がることが期待できます。他のオシレーター系指標との組み合わせも試しながら、自分に合った使い方をぜひ探してみてください。
▶ 『テクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

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ボリンジャーバンド | 勢いの変化や反転の目安、方向を見るテクニカル指標→『ボリンジャーバンドの設定方法』はこちら |
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MACD | 移動平均線を元にしたテクニカル指標→『MACDの設定方法』はこちら |
ローソク足 | 価格を4つの値段で表し、価格推移を表示したもの→『ローソク足の組み合わせ』はこちら |
移動平均線 | 相場の方向性を見るテクニカル指標 |
ゴールデンクロス | 価格の上昇を判断するテクニカル分析手法 |
出来高 | 売買の数量を確認できる指標 |
ダウ理論 | 全てのテクニカル分析の基礎として現在も多くの投資家に支持されている |
支持線 | 過去の価格推移から反発を予想 |
新値足 | トレンドを把握するためのテクニカル分析 |
サヤ | 価格変動において生じる値幅のこと |
ストキャスティクス | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
一目均衡表 | 相場の動向を見るためのテクニカル指標 |
RSI | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
ダイバージェンス | 様々なオシレータ系指標に見られる現象 |
逆ウォッチ曲線 | 価格と出来高から相場を分析する手法 |
コマ足 | 売買シグナルをわかりやすく出してくれる |
VWAP | 大口取引を行う、機関投資家などを中心に目標値とされている |
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モメンタム | トレンドの転換や強弱を表す指標 |
逆三尊 | トレンドが転換するときに形成されるチャートパターン |
ソーサー | 頻繁に出現するチャートパターン |
エリオット波動 | 相場は5つの上昇波と3つの下降波で1つの周期を形成するという考え方 |
パラボリック | トレンド追随型のテクニカル分析 |
三段高下 | 上昇・下降相場の波動理論 |
グランビルの法則 | 移動平均線とレートの関係性から売買タイミングを判断する |
ダブルトップ | 上昇トレンドが終了する際に現れるチャートパターン |
DMI | 市場の状態を見極めるための順張り指標 |
ポイントアンドフィギュア | ○と×だけで値動きを表現して相場のトレンドを把握し予測する |
アームズボックス | その日の高値と安値を示し、取引量を把握可能 |
練行足 | 一定の値幅を決めて、その値幅以上の値動きがあったときに足を記入する |
リスクリワードレシオ | 利益確定と損切りのバランスを表す指標 |
フィボナッチ | サポートとレジスタンスの地点を判断する指標 |
RCI | 買われすぎ・売られすぎを判断するテクニカル指標 |
サイコロジカルライン | 市場参加者の心理を数値化した指標 |
酒田五法 | 日本の江戸時代に開発され、現在も使われる相場分析方法 |