この記事のポイント
  • イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する新技術「Plasma」
  • 進化によって「Plasma」から「Plasma Cash」へ
  • 実用化に向けてさらに開発が続けられている

急速な普及が進む仮想通貨において、スケーラビリティは大きな問題となっています。

Plasma (プラズマ) は、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を解決するための新しい技術です。時価総額第2位のイーサリアムはPlasmaや、さらに進化したPlasma Cashによって、様々な問題を解消しようとしています。

本記事では、plasmaの仕組みやメリット、また抱えている課題などを紹介します。

Plasma (プラズマ) とは

Plasmaは、2017年8月にイーサリアムの創設者Vitalik Buterin氏とライトニングネットワークの共同開発者Joseph Poon氏によって発表されました。イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題のソリューションとして注目を集めている技術です。

Plasma (プラズマ) はなぜ開発されたのか?

イーサリアムは、スマートコントラクト機能によって、新しく作られる仮想通貨のプラットフォームとして、高い人気を博しています。2017年に行われたICO (Initial Coin Offering) では、その9割以上がイーサリアムのプラットフォームを利用したと言われています。

しかし、その高い人気からイーサリアムのメインネット上での処理(トランザクション)が増え過ぎ、処理しきれないという問題が発生しました。送金詰まりとも言われるこの問題を、「スケーラビリティ問題」と言います。

さらに、トランザクションの過度な増加は送金手数料の高騰という結果も招き、結果としてイーサリアムの価値が下落するということも起こりました。

そういったイーサリアムのスケーラビリティ問題を解消するために、メインネットの外側でトランザクション処理を可能とする、Raiden NetworkTruebitといった新しい技術が生み出されました。そして、Plasmaもそういった技術と同様、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題のソリューションとして生み出された技術です。

▶ 『スケーラビリティ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma (プラズマ) の仕組み

これまで、イーサリアムやイーサリアムをプラットフォームとして開発された仮想通貨は、イーサリアムのメインネット上でトランザクションの処理が行われています。しかしそれは、メインネットに大きな負荷がかかることになります。

そこでPlasmaでは、親チェーンとなるメインネットの下に子チェーンを作ります。また、子チェーンの下にさらに子チェーンを作ることもできます。子チェーンで処理されたトランザクションの情報は、その結果だけが親チェーンに返されます。

つまり、これまですべてメインネットで処理していたトランザクションを子チェーンに引き渡し、メインネットは子チェーンで処理されたとトランザクションの処理結果をまとめて受け取ることができます。これにより、メインネットの負担は大幅に削減され、全体的なトランザクションの処理速度は上がり、スケーラビリティ問題や送金手数料の高騰問題を解決することができます。

▶ 『トランザクション』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma (プラズマ) の問題点

しかし、Plasmaにも課題があります。二重支払いやブロックの書き換えといった不正を排除するために、ユーザーは子チェーンの全データを読み込む必要があるという点です。既に支払いが行われていないかどうかの判断は、子チェーンをすべて読み込んで確認する必要があるのです。

子チェーンの下にさらに子チェーンがある場合は、それらも読み込まなければなりません。そのため、チェーンのツリー構造が深くなればなるほど読み込まなければならないデータも増加し、不便さを伴います。

▶ 『ブロックチェーンの仕組み』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma Cash (プラズマキャッシュ) とは

Plasmaの課題を解消するためにさらに進化した技術が、「Plasma Cash」です。2018年3月に、Vitalik Buterin氏によって発表されました。Plasma Cashaでは、Plasmaと比べてはるかに小さいデータを読み込むだけで、ブロックの正当性を確認することができます。

ユーザーは、子チェーンの全データを読み込む代わりに、「Plasma coin」というデポジットを預けます。特定のIDが付与されたPlasma coinは各トランザクションと紐づけされ、IDによってトランザクションの追跡を容易にします。

IDを追跡すれば、既に支払いが行われたかどうかの判断を簡単に確認することができます。それによって、全ての子チェーンを読み込むことなく必要とするデータだけを参照することが可能となり、それによってブロックの正当性を証明することができます。

Plasma (プラズマ) とイーサリアム (Ethereum/ETH)

仮想通貨は誰もが想像していたより急速に普及が進んでいます。そのため、技術が追い付かず、スケーラビリティ問題が発してしまいました。スケーラビリティ問題は、イーサリアムだけでなく、ビットコインなどの主要仮想通貨共通の課題となっています。

イーサリアム (Ethereum/ETH)が抱える問題

仮想通貨は、基本的にマイニングによって成り立っています。マイナーがマイニングすることでブロックが生成され、それがつながってブロックチェーンとなります。

しかし、マイニングには処理の限界があり、その限界を超えてしまった時に送金詰まりが起こります。

仮想通貨の送金手数料はマイナーの報酬となります。そのため、より高い送金手数料を支払ってくれるトランザクションを優先して処理するようになります。送金詰まりが起きているときはその影響が大きく反映され、送金手数料の高騰を招きます。

▶ 『マイニング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma (プラズマ) が果たす役割

Plasmaは、イーサリアムのスケーラビリティ問題解決のための技術です。これまでイーサリアムのメインネットだけで処理されていたトランザクションを、メインネット以外の子チェーンに分散させることで、メインネットの安定した稼働が可能になります。

また、子チェーンは水平方向にも垂直方向にも伸ばすことができ、さらなるトランザクションの増加にも対応が可能です。

▶ 『スケーラビリティ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma (プラズマ) のメリット

Plasmaによってスケーラビリティ問題が解消されれば、送金手数料の高騰という問題の解決にもつながります。送金決済のスピードや送金手数料が安定し、より利用しやすくなります。

トランザクションの分散

これまで、イーサリアムはスマートコントラクト機能によって多くの通貨のプラットフォームに採用され、発展してきました。しかしそれは、ブロックチェーンに記録すべき情報が多いということでもあります。

▶ 『スマートコントラクト』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasmaでは、子チェーンにトランザクションを分散させることができるので、メインネットに保管すべきブロックのサイズが大幅に削減されます。

ハッキング対策

また、Plasma Cashは取引所のハッキングリスク対策にもなります。取引所はユーザーの資金を扱うのではなく、資金はユーザーの手元に置いたまま注文書を扱うというイメージです。そのため、取引所がハッキングにあっても、ユーザーの資産が奪われることはありません。

取引所が巻き込まれる不正ハッキング等による流出事件が相次ぐ中、Plasmaはセキュリティ面でも注目を集めています。

▶ 『仮想通貨のハッキング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

Plasma (プラズマ) の課題

PlasmaからPlasma Cashへと進化したこの技術には、課題もあります。Plasma coinはPlasma Cashの要となる存在ですが、その性質は柔軟性に欠けています。

Plasma Coin (プラズマコイン)の分割

デポジットされたPlasma coinは分割することができません。例えば5ETHをPlasma coinとしてデポジットした場合は、2ETHと3ETHに分けることができず、5ETHを一つの単位として扱うことしかできません。

解説策としては、第三者とマッチングさせ、必要とする単位に両替するといった方法が考えられています。他にも、必要とする単位の新たなPlasma coinを作って分割させるなど、いくつかの案が検討されており、今後解決すべき課題となっています。

敵対的Mass Exit問題

「敵対的Mass Exit」とは、子チェーンから親チェーンへのリクエストの中と一緒に、偽のリクエストを大量に送り付けるという攻撃です。リクエストは順番に処理されるので、正当な処理に順番が回って来るのに時間がかかります。

このような行為を見つけた者に報酬を与えるという方法が考えられていますが、この行為ではトランザクションを詰まらせることで送金手数料が高騰することにもつながります。場合によっては、報酬より報酬を受け取るための送金手数料の方が高くなる可能性もあり、Plasmaが機能不全に陥ります。

データサイズの削減

Plasmaによってメインネットで保管されるブロックのデータ量は小さくなりますが、さらに小さくすることも考えられています。Plasmaに、「Bloom filter」や「zk-SNARKs」といった技術を組み合わせることで、さらにデータ量を削減することができます。

まとめ

仮想通貨は、国境のないボーダレスでグローバルな展開が可能な通貨です。

しかし同時に、急速な普及によって当初は想定していなかった問題が発生しています。スケーラビリティもそういった問題の一つで、問題解決のためにあらゆる技術が開発されており、PlasmaやPlasma Cashもそうして生み出されました。

世界中の誰もが、安心・安全に利用できるために、日々新たな技術が開発されているのです。

執筆者情報
仮想通貨部 かそ部 編集部

名前。 はじめまして。本サイトの執筆を担当している、「仮想通貨部 かそ部」編集部です。本サイトは、仮想通貨の総合情報サイト「仮想通貨部 かそ部」の運営や、各種Web情報メディア事業を展開するドットメディア株式会社により運営されております。編集部一同、正確な論拠に基づいた調査のもと、読者(ユーザー)様にとって正確かつ最新の情報をお届けできるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します。

PR
暗号資産アプリDL数No.1!取引量・ユーザー数ともに日本最大級の取引所!

BTC (ビットコイン) などの主要な通貨はもちろん、MONA (モナコイン)、XLM (ステラルーメン) など珍しい計14種類の豊富な暗号資産を取り扱っています。また初心者にもかんたんに操作できるスマホアプリも魅力的で、iOSアプリ・Androidアプリでの使いやすさはピカイチです。さらに2018年4月マネックスグループ株式会社が主要株主になり、経営体制・内部管理体制などの抜本的な改革を実行。万全のセキュリティ体制で初心者でも安心してはじめられます。

初心者向け取引所の決定版!