この記事のポイント
  • スキャルピングは最も短期間で完結するトレードスタイル
  • スキャルピングは難易度が高い分リターンが大きい
  • 強い精神力と集中力が求められる

スキャルピングはFXのトレードスタイルの1つです。数ある手法の中でも最も短期間で取引が完結し、資金が少なくても多額の収益を出すことが可能な手法です。

しかしその分難易度も高く強い精神力が求められます。そんなスキャルピングの特徴や効果的な使い方を見てみましょう。

スキャルピングとは

まずはスキャルピングがどのような手法なのか見ていきましょう。

スキャルピングの概要

スキャルピングとは英語で「皮を薄く剥ぐ」という意味で、転じてトレードで小さな利益をコツコツ積み重ねていくスタイルのことを指します。

1日で何十回もの取引を繰り返し、1回で数pips~数十pipsの値幅の利益を狙います。1回の取引で目指す値幅が狭いのでトレンドが発生しているときはもちろん、値動きの小さいレンジ相場でもチャンスと見ればエントリーしていきます。短期間で何度も売買を繰り返すので結果がすぐに出るうえにエントリーチャンスも多いという点が強みです。

しかしメリットが大きい分だけ、損切りできる精神力や高い反射神経や集中力がないと勝ち続けることが難しい手法でもあります。スキャルピングは チャンスが大きい反面で難易度が高いトレードスタイルなので、トレードに多くの時間を割ける人向けだと言えます。

▶ 『ビットコイン (Bitcoin/BTC) のスキャルピング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

また、ビットコインのスキャルピングを行う際には、ビットコインを購入する必要がある場合もあります。スキャルピング手法で取引を行いたいという方は、ビットコインも購入しておくことをおすすめします。

▶ 『ビットコイン (Bitcoin/BTC) の買い方・購入方法』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

トレードスタイルごとの違い

主なトレードスタイルとしては「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」が挙げられますが、それぞれに特徴がありトレードする人の目標や資金などによって向き不向きがあります。それぞれのトレードスタイルの特徴を下の表にまとめました。

トレードスタイル
トレードスタイルスキャルピングデイトレードスイングトレード
トレード回数約20回/日約1~5回/日約1~5回/月
利幅2~10pips5~50pips数十~数百pips
元手資金少ない普通多い
目標会社員以上に稼ぎたい。副収入が欲しい。長期的にお金を増やしたい。

元手が少ないけれど大きな利益をあげたいという方にスキャルピングは向いています。難易度は高いですが、相応のリスクをとれば1年で数十~数百%といった利回りも達成することができます。スイングトレードでそのような利回りを目指すとリスクが非常に大きくなるため、この点はスキャルピングのメリットと言えます。

重要なのは 自分の目標とトレードスタイルをきちんと一致させることです。その上で的確な目標利回りを設定すれば、不必要なリスクを負わずに勝率の高いトレードができます。

▶ 『デイトレード』や『スイングトレード』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

スキャルピングのメリット

スキャルピングという手法の強みをまずは押さえましょう。

メリット1 ファンダメンタルズの影響を受けにくい

ファンダメンタルズとは各国の経済状況に関する情報のことです。公式に発表される経済指標や要人の発言など、その国の政治や経済の状況をみて将来の値動きを推測するために用いられます。

FXの相場の分析にはこのファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2種類がありますが、スキャルピングではテクニカル分析のみでトレードができます。時間足が長いほどファンダメンタルズ要因の影響は大きくなりますが、スキャルピングではその影響をほとんど受けないのです。 それゆえテクニカル分析、つまりはチャートの分析だけで勝算のあるトレードができるのです。

ただし重要な経済指標が発表されるタイミングでは相場が大きく動くので、発表時間はきちんとチェックしておきましょう。知らずにポジションを持っていると急騰や急落に巻き込まれて大きな損失を出してしまうリスクがあります。

▶ 『ファンダメンタルズ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

メリット2 少ない資金で始められる

スキャルピングは資金が少ない方でも始められるという点も大きな強みです。一般的にポジションの保有期間が長いほど、決済したときの利益と損失の値幅が大きくなります。

損失額が大きくなるとそれに見合った額の資金が必要になります。例として資金が10万円で10,000通貨の取引をするとします。このとき一回の負けが10pipsなら損失額は1000円で済みますが、一回の負けが300pipsだと損失額は3万円になります。10pipsの損失なら問題ありませんが、300pipsの損失だと10万円の資金では足りなくなってしまいます。このように狙う値幅が小さい方が少ない資金でも参入しやすいのです。

どれほど勝率の高いエントリーをしても相場は思う通りに動いてくれないことがあります。そのようなケースが続いてしまうリスクも考えて、ある程度の資金の余裕は持っておくべきです。そうなると一度の損失額が大きいトレードは必要な資金額が大きく、参入の難易度が高いと言えます。

▶ 『少額投資』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

スキャルピングのデメリット

スキャルピングは上手くいけば短期間で大きな利益が見込める手法ですが、デメリットも忘れてはいけません。

デメリット1 スプレッドの影響を受けやすい

FXではどのような手法を用いてもスプレッドはコストとしてかかってきます。長期的に大きな値幅を狙うトレードなら利益に対するスプレッドの割合は相対的に小さくなります。 しかし短期のトレードであればあるほど、値幅に対するスプレッドの割合は大きくなるのです。

特にスキャルピングでは1回のトレードで狙う値幅が数pips~10pips程度なので、スプレッドは1pipsでも大きな負担になります。それゆえスキャルピングをする方はスプレッドの狭い取引所を使うことをオススメします。

また、マイナーな草コインだとスプレッドが広すぎてスキャルピングでは利益を出すことがとても難しいです。ビットコインやイーサリアムといったメジャーでスプレッドが狭い通貨がスキャルピングには向いています。

▶ 『仮想通貨・ビットコイン取引所のスプレッド比較ランキング』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

デメリット2 約定力の影響を受けやすい

表示されている価格で注文を約定できることを「約定力が強い」と表現します。多くの場合トレーダーにとって不利な方向にスリッページは発生するので、 表示価格で約定できなかったときはトレーダーが損をしていることがほとんどです。

スキャルピングでは狙う値幅が狭いためにスリッページによる損失が大きな影響を与えます。例えば3pipsの利益を狙うトレードで、目標値に達したので決済をしようとしたらスリッページの影響で2pipsもずれてしまうことがあります。このようなことが起こるとトレードの計画が大きく狂います。そのためスプレッドの狭さだけでなく、表示価格で決済できる約定力の強さも取引所を選ぶ際には見なければいけません。

また、スキャルピングはエントリーから決済までの時間が短いので成行売買が多いです。そういった意味でも 成行売買が表示価格で成立する約定力の強さが必要です。

スキャルピング手法が向いている人

スキャルピングは難易度が高い分だけリターンも大きいです。以下の特徴に当てはまると思う方は、チャレンジしてみると想像以上の収益を出せるかもしれません。

自分の決めた売買ルールを守る

スキャルピングでは特に自分の中の取引ルールを作って、それをきちんと守る必要があります。場当たり的に買いや売りを繰り返しているだけだとトータルで利益を出すことは相当難しいです。

また、スキャルピングの戦略を立てる際に特に気にしなければならないのが リスクリワード・レシオです。利益確定ポイントと損切りポイントをきちんと設定して、何回も取引をした後のトータルがプラスになるようにする必要があります。そしてこの時決めた損切りポイントですぐに決済できる精神力も重要です。

リスクリワードレシオの重要性を下の表を例にとって解説します。

トレード例
トレード利幅利益額
1回目1pips1万円
2回目2pips2万円
3回目1pips1万円
4回目1pips1万円
5回目1pips1万円
6回目-10pips-10万円
7回目1pips1万円
8回目2pips2万円
9回目1pips1万円
10回目-10pips-10万円
合計-10pips-10万円

上のケースでは10回中8回のトレードで利益を出しているのに、トータルでは大きな損失になっています。損切りができずにポジションをズルズルと引っ張ってしまうと、このように大きな損失でそれまでの利益を台無しにしてしまいます。これでは1回のトレードの勝率がいくら高くてもあまり利益は期待できません。「コツコツ稼いで大きく負ける」という典型的な負けパターンに入ってしまいます。

そのため的確なリスクリワードレシオになる目標値を設定して、きちんとそのルールに従うことが重要なのです。

▶ 『リスクリワードレシオ』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

負けを気にしない精神力

スキャルピングでは 損失を出してもすぐに切り替えられる精神力も重要です。

短期間で何度もトレードを繰り返すスキャルピングでは負ける回数も必然的に多くなります。そこで1回1回の負けに気を落とさずに、次のトレードにまっさらな精神状態で臨める切り替えが必要です。

前の負けを引きずっていると、その後のトレードにも悪影響が及びトータルをプラスにすることは難しくなるでしょう。

集中力と反射神経がある

高い集中力と反射神経もスキャルピングをする際に重要な要素です。

これはある程度先天的な才能になりますが、相場の状況やテクニカル指標を見て瞬間的に判断を下せる人の方が圧倒的に有利です。場合によってはほんの数秒間の動きで判断を下さなければならないので、集中力や反射神経に自信が無い方はその分ハンデを負ってしまうことになります。

スキャルピングの実践例

それでは実際にスキャルピングをするときに効果的な手法を見ていきましょう。

スキャルピングで使うチャート

スキャルピングではファンダメンタルズ分析よりも テクニカル分析を圧倒的に重視します

最も一般的で初心者にもわかりやすいのは1分足にボリンジャーバンドを表示させたチャートです。売買タイミングが一目でわかるので、短期間で取引が終わるスキャルピングとの相性が良いのです。

editMEMO

ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは中心の移動平均線とその上下にある2本線の計5本からなるテクニカル指標です。中心線寄りの線を「±1σ」、外側寄りの線を「±2σ」と呼びます。これによって将来の相場が動く可能性がある領域がわかります。

中心線が上昇の後に徐々に横ばいの動きをすると、下落トレンドに移る可能性が高いです。それと同様に中心線が下落の後に横ばいの動きをしたら、次は上昇に転じる可能性が高いです。

これから例に出すチャートはすべて1分足でボリンジャーバンドを表示したものになります。

▶ 『ボリンジャーバンド』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

トレンド相場の売買タイミング

これからスキャルピングを始める方には、まずは トレンドに沿った売買が最も分かりやすいのでオススメです。基本的にはボリンジャーバンドの移動平均線が上を向いていれば買いから入り、下を向いて入れば売りから入るといった手法です。

買いから入る場合


下落トレンドから上昇に転じたタイミングで買いポジションを建てます。ローソク足が中心線よりも下に行かず反発しているのを確認できたらエントリーしましょう。

上昇トレンドが発生しているときは+2σラインの近くで揉み合いながら上昇することが多いです。その際にはトレンドの天井がどこになるか読めないので、利益確定は相場が下がり始めて中心線を割ったポイントで行うのが一般的です。

売りから入る場合

相場が下落トレンドに入って中心線を上から下に抜けたらエントリーのチャンスです。中心線と-2σラインの間を相場が動く中で、 センターラインで売りポジションを建てて-2σラインで利益確定する手法が一般的です。

このとき、-2σラインで利益確定はするものの買いポジションは建てないようにしましょう。

▶ 『トレンド』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

レンジ相場での売買タイミング

±2σラインの中を揉み合いながら上下しているレンジ相場での戦略です。この場合には2通りのトレード手法があります。

中心線でエントリーして±2σラインで利益確定


1つ目は中心線を超えてローソク足が確定したら流れに乗ってエントリーする手法です。例えば、相場が下落してきて中心線を下抜けしたら売りポジションを建てて流れに乗るといった手法です。

利益確定は、買いポジションを保有しているときは+2σラインに達したポイントで、売りポジションを保有しているときは-2σラインに達したポイントで行います。

±2σラインでエントリーして中心線で利益確定


もう1つはレンジ相場の中で±2σラインに達したら、反転を見込んで逆張りする手法です。例えば相場が下落して-2σラインに達したら、反転して上昇することを見込んで買いポジションを建てます。

利益確定のポイントは相場が反転して中心線を超えたタイミングです。ただしその上昇・下落の勢いが強い場合には、そのまま保有してさらなる利益を狙うという戦略もOKです。

▶ 『保ち合い』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

バンドウォークは大きなチャンス


ボリンジャーバンドを使っていると「バンドウォーク」という現象が現れることがあります。上昇トレンドの際には+2σラインの下を沿うように上昇し、下落トレンドの際には-2σラインの上を沿うように下落する現象です。

バンドウォークが発生するのは、ボリンジャーバンドが収束した後に拡散して強いトレンドが発生するタイミングが多いです。そのため、バンドウォークが発生しているタイミングでエントリーすれば 高確率でトレンドに乗って大きな収益を出すことができるのです。

ただしボリンジャーバンドが拡散し始めた段階では、どちらの方向にバンドウォークが出現するか分かりません。そのため上下どちらにトレンドが発生するか見てからエントリーするようにしましょう。

スキャルピングを仮想通貨FXで使う際の注意点

特に仮想通貨FXでスキャルピングを行う際に、初心者が陥りがちなミスがいくつかあるので見てみましょう。

スプレッド幅に注意し損失を押さえる

仮想通貨FXでは特に スプレッド幅に注意する必要があります。取引手数料が無料と謳っている取引所もありますが、その分スプレッドが広いこともあるので気を付けなければなりません。また、マイナーな草コインはスプレッドが広すぎてそもそもスキャルピングで利益を出すのが不可能に近いことも多いです。

例えばビットコインの価格が10%も上がるような急騰があったとします。しかしスプレッドの影響で買値は100万円→110万円でも、売値は90万円→99万円というケースもありえます。これでは100万円で買って99万円で売っているので利益になりません。仮想通貨が大きな値動きをしても、スプレッドが広いと大きな利益はなかなか得られないのです。

取引所を選ぶときにはスプレッドも大事な特徴の1つとして捉えておきましょう。

利確と損切のメリハリの重要性

リスクリワードレシオ」という用語で表現されることもありますが、スキャルピングの際には利益確定と損切りのポイントを最初に決めておくことが非常に重要です。

初心者がスキャルピングで失敗する主なパターンとして主に2つのケースが挙げられます。

スキャルピングで失敗する主なパターン
  • ・相場が上昇しているときにさらに上昇するだろうと欲張ってしまい、急激な下落に巻き込まれる。
  • ・相場が下落しているときにこの後上昇することを期待するものの、結局上昇せずに大きな損失になる。

仮想通貨は値動きの幅が大きいのでこのような失敗が特に起きやすくなります。

やはり スキャルピングのキモは利益確定と損切りの幅です。その幅を決めるにはある程度の経験と勉強に基づいた予測が必要になります。スキャルピングで安定して利益を出すためにはこの経験と勉強が不可欠です。

初めはだれもが初心者ですが、コツコツと力をつけていけば結果は後から付いてきます。先人の知恵を頼りながら、試行錯誤を繰り返して自分なりの取引ルールを確立させましょう。

▶ 『利確』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

まとめ

スキャルピングはトレードスタイルの中で最も難易度が高いですが、その分 成功したときのリターンはとても大きいです。

焦らず丁寧に知識と経験を積んでいけば勝率を上げることができのがスキャルピングの魅力でもあるので、トレードに打ち込んで大きな収益を出したい方はぜひ一度取り組んでみてください。

▶ 『テクニカル分析』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。