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  • アメリカの最高裁判所がウィスコンシン・セントラルの従業員のストックオプションへの課税に関して言及した中で、ビットコインや仮想通貨を将来的に通貨として認める可能性を示唆した

最高裁、仮想通貨に言及

アメリカの鉄道運営会社ウィスコンシン・セントラル対アメリカ合衆国の訴訟で、2018年6月21日、最高裁判所はウィスコンシン・セントラルの従業員の自社株式購入権(ストックオプション)への課税に関して言及した。この中で、ビットコインや仮想通貨を法定の通貨として認める可能性を示唆した。

本訴訟において判決理由の作成を担当した裁判官のステファン・ブレイヤー氏は、「お金」の概念は変わり続けているとし、「金はこれまで、取引の際の媒体の役割を果たしていたが、今日において『何が媒体となり得るのか』を保証するのは、時代の趨勢や出来事に依る」と述べた。

ブレイヤー氏は、これまでの歴史においてタカラガイと金がかつて通貨として認められていたが、現在は通貨としての価値を持たないことに言及し、「おそらく将来、ビットコイン及び仮想通貨を用いて、労働者に賃金が支払われるだろう」と述べた。「タカラガイと金が通貨としてみなされていたのは1930年代の話。法令において通貨の形に規定がないことは明らかだ」

未来の支払いの手段としての通貨=仮想通貨

本訴訟は仮想通貨が主たる争点ではないものの、保守的な立場をとるアメリカの最高裁判所が「仮想通貨は未来の金銭取引の際の手段となる」という見解を示したことは重要な意味を持つ。

だが、通貨の概念の見直しを図っているのはアメリカに限らない。2018年5月、イラン政府は原油によって保証された銀行発行の仮想通貨の導入を検討していることを発表している。

マネーロンダリングに使われるビットコイン

アメリカと違い、イランの法定通貨は比較的不安定である。イラン政府は現在仮想通貨の大量流出に悩まされており、現在およそ25億ドルの価値に相当するビットコインが国外に流出しているとみられている。

フォーブスの取材に対して匿名で応じてくれた人物は次のように語る。「イラン通貨の取引所が閉鎖されることになれば、リアール(イラン通貨の単位)は下がる。ビットコインを使うのはいいアイディア。私は、イランですでに複数の人がビットコインに投資しているのを知っている」

イラン国内の通貨が流出し、法定通貨の価値が下がっている状況では、イラン政府にとってデジタル通貨の早急な導入はアメリカより差し迫ったものとなっている。

その一方で、法定の仮想通貨によって失敗したケースも存在する。ベネズエラのペトロである。フォーブス紙によれば、ペトロのICOは社会的要請を受けて行われたものだったが、多くの政治家がペトロが法的に認められてないことを指摘していた。また議会もICOを「搾取であり、のみならず投資家にとって脅威」と批判した。