この記事のポイント
  • ネムには実用的な機能がそろっている
  • セキュリティが固く高い評価をうけている
  • 企業間やコミュニティ間でも普及を続けている

ネムは2018年のCoincheck事件で知られるようになった仮想通貨です。あまり知られていませんが、ネムには高い安全性と実用的な機能がそろっています。

本記事では ネムの特徴やメリットデメリット、ネムの将来について解説します[marker]

ネム (NEM/XEM) の特徴

低コスト

仮想通貨の登場以前から法定通貨は世界を支えています。法定通貨では管理者が発行をおこない、流通量の管理をします。さらに法定通貨は現金のため、取り扱う際のコストも必要です。日本円で見ると、全体で毎年2兆円の取り扱いコストがかかります。このように毎年大きなコストを費やして、法定通貨は流通しています

一方仮想通貨はネット内で存在する通貨で主体的な管理者がいないので、無駄な管理費用がかかりません。とくにネムでは、PoI(Proof of Importance)という承認方法(コンセンサスアルゴリズム)がとられています。PoIは他に存在するPoWよりも、圧倒的にコストを抑えられるコンセンサスアルゴリズムです。

取引の承認が早い

仮想通貨では「どれだけ早く送金ができるか」ということも大事な要素です。送金は仮想通貨の基盤となるブロックチェーンで取引情報(トランザクション)が承認され、ブロックとしてつながることで完了します。そして仮想通貨ごとに、ブロックの形成時間は違います。

ビットコインでは、ブロック形成時間は1つにつき15分となっています。一方でネムは、1分で1つのブロックが形成されます。ネムは素早い時間でブロックを形成するので、遅延のストレスを感じずに取引できます

報酬が分配される

仮想通貨ではトランザクションを承認する際には、一般的にマイニングと呼ばれるアルゴリズムが使用されます。ネムではマイニングをハーベスト(収穫)と呼びます。ハーベストの特徴は公平性です。ネムのハーべスティングでは、承認方法にPoIが採用されています。

PoIではネムの保有量や取引回数、取引量など、ネムへの貢献度で判断されます。単純に保有量だけで報酬が受け取れるPoSや高性能マシンを使用するPoWと異なり、資産の違いによって格差が生まれにくい方法なので、PoIの採用によって権利が分散されています。

送金にメッセージを組み込める

ネムを送金する時には、メッセージを入力できます。メッセージは、1つのアドレスに送られた複数のネムを判別する場合に必要です。ウォレットから仮想通貨取引所にネムを送金する時は、メッセージに指定された内容を張り付けるように求められる可能性が高いです。取引所に送金する際に、メッセージの入力なしで送金すると最悪の場合は資金を失うことになります。

メッセージは暗号化するか、しないかを選べます。暗号化されていない場合は、メッセージをブロックチェーン上で誰でも確認できます。見られて困るメッセージを送らないようにしましょう。

安全性が高い

ネムのハーベストでは、ネムへの貢献度とともにハーベストに参加するマシンの動作も監視しています。EigenTrust++という特殊なアルゴリズムを採用しており、過去に悪意ある使用がされたマシンの参加を拒むことができます。怪しい行動をしたマシンをハーベストから追い出すことで、クリーンなハーべスティング競争ができます。

ビットコインなどの仮想通貨ではこのアルゴリズムは採用されていないため、ネムは他の仮想通貨に比べて、より高い安全性を保っているといえます。

ネム (NEM/XEM) で用いられる技術と仕組み

PoI (Proof of Importance)

ネムではPoIという独自の承認方法が採用されています。一般的に仮想通貨の承認方法として、他にPoWとPoSがあります。

承認方法
承認方法選考方法主な採用通貨
PoWマシンの計算能力ビットコイン (Bitcoin/BTC)
PoSコインの保有量イーサリアム (Ethereum/ETH)(予定)
PoIコインへの貢献度(保有量、取引回数、取引量)ネム (NEM/XEM)

PoWではマシンの計算能力が高いほど、マイニングが成功しやすいです。そのため資金があるほど有利にマイニングでき、資産家や企業以外ではPoW方式のマイニング参加にはハードルが高いです。

PoSではコインを保有量が多いと、マイニングが成功しやすいです。言い換えると、コインを保有することで市場に出回るコインの数が減りコインの流動性が減る危険性をはらんでいます

PoIではPoWのようにマシンの性能によって判断されません。またPoSのように保有量で判断されることは共通していますが、加えて取引も重要な指針になるので流動性の低下を心配しないで済みます。つまりPoIは、資本家や企業に比べて資金力の差がある一個人でも参加しやすく、コインのため込みによる流動性の低下を抑えた優れた承認方法になります

ハーベスト

ハーベストは10000XEM以上を保有することで、報酬としてネムを得られる方法です。ハーベストではマイニングのように高性能なマシンは必要なく、以下の条件を満たすことで簡単に始められます。

  • ・Nano Walletを使用する
  • ・10,000XEM以上の保有
  • ・既得バランスが10,000XEM以上
  • ・パソコンを使用する

上記の条件は一個人でも達成できるため、気軽にハーベストに参加可能です。ハーベストは承認作業における中央集権化を防いでいます。

カタパルト

カタパルトはネムに実装予定のアップデートです。カタパルトによりネムに新しい機能が実装されますが、特筆すべき機能としてトランザクション処理性能の大幅強化があります。1秒当たりに約4,000件のトランザクション処理が実現するといわれており、ネムがより実用的になります。

仮想通貨の中では最も処理速度の速いリップルでも、1秒当たりに1,500件のトランザクション処理といわれており、カタパルト実装で断トツの処理速度を誇るようになります。

またトランザクション処理に複数の秘密鍵を必要とするマルチシグの採用や、あらゆる資産をトークン化してブロックチェーンで管理する仕組みなど、実用的な機能が追加される予定です。

▶ 『ネム (NEM/XEM) のカタパルト』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

アポスティーユ

アポスティーユ(Apostille)とは、ブロックチェーンを活用した公証作成サービスです。もともとアポスティーユは、書類に対して外務省がお墨付きを与える証明を意味します。今まで政府の名前を元にお墨付きを与えてきましたが、ブロックチェーンの信頼性を元に証明とする方法がアポスティーユです。

アポスティーユを利用すると契約書や記録、売り上げなどの監査が必要なデータ、土地や自動車など所有物の登記といった情報の記録が可能です。アポスティーユはNano Walletアカウントがあれば、4XEMで利用できます。第3者を通す必要がない利便性が高いサービスとして、普及が見込まれています。

ネム (NEM/XEM)のチャート分析と価格予想

ネム (NEM/XEM)の最新チャート

「ネム/円」チャートの最新の値動きを見てみると、5月14日から16日にかけてネムの価格は2倍以上に値上がりしました。原因としては5月13日深夜から、アメリカニューヨークでおこなわれたブロックチェーンカンファレンス「コンセンサス」の影響があると考えられます。カンファレンス終了後もネムの価格は8円から11円と、カンファレンス開催前よりも高値を維持しています。

ネム (NEM/XEM)の今後の価格予想

仮想通貨の価格予想をおこなうメディアではCRYPTOCURRENCYがあります。

CRYPTOCURRENCYが予想する今後のネムの価格は2019年12月の時点で95ドル、つまり日本円で約9,555円まで上がると予想されています。予想通りになると、2019年7月9日時点でネムの価格は9円前後を行き来しているので、2019年の年末には価格は1,000倍以上になります。

ネム (NEM/XEM) の将来性

処理速度の向上が期待

ネムは将来的にカタパルトによってアップデートされる予定です。カタパルト実装で、トランザクションの処理速度は劇的に向上し1秒間に最大4,000件の処理が可能になるといわれています。

仮想通貨ごとの処理速度
通貨名トランザクション処理数(秒)
BTC (ビットコイン)約5~8
ETH (イーサリアム)約13~15
XRP (リップル)約1000~2000
XEM (ネム)約2000~4000

毎秒4,000件の処理は世界的クレジット会社VISAの処理速度に匹敵しており、ユーザーに快適な取引環境が提供されます。

個人でもICOが可能

ICOとは企業や団体が新規仮想通貨の発行を通して、不特定多数から資金提供を募る方法です。今まで多くのICOが、企業や団体によりおこなわれてきました。1から独自ブロックチェーンの開発をおこなうには技術と資金力が必要で、ICOを個人でおこなうには難易度が高いという現状があります。

ネムのプラットフォームを活用すれば個人でも簡単にICOを実施できます。スーパーで配布されるポイントカードのように使用もでき、独自の経済圏を回すトークンとして使用することもできます。ネムプラットフォームを使用したICOが普及することでネムの価値向上も期待できます。

決済手段としての普及

ネムはカタパルトの実装で、トランザクションの処理スピードが秀でた仮想通貨になります。世界展開をしているクレジットカード会社VISAに匹敵する処理速度を実現するため、決済手段としても十分にふさわしくなります。

またネムには一切の匿名性がないため、誰でも取引の流れを追うことができます。クリーンな仮想通貨として、使用されるかもしれません。

すでにネムが使用可能な店舗は90店舗をこえていて、今後も普及が進むことで決済手段としても広まるでしょう。ネムを使用できる店はnem mapから確認可能です。

国内外の銀行での導入

mijinはネムプロトコルを活用した、プライベートブロックチェーンを構築するサービスです。mijinを利用することで、管理コストを削減しセキュリティの高い環境を構築します。国内ではすでに、400社以上がmijinのサービスを利用しています。

2018年2月にはジャパンネット銀行がmijinを活用して、業務プロセスでの導入と有効性を確かめる実証実験をおこないました。この実験がきっかけで金融機関への導入が実現すれば、さらにネムの認知度も広がり価値向上も期待できます。

ネム (NEM/XEM) の課題

PoIスコアの決め方が非常に複雑

ネムではPoIの承認方法がとられており、Importance(重要性)によってハーベスティング先が決定します。PoIがネムの保有量や取引など、ネムへの貢献度によって決定することはわかっていますが、PoIの算出方法はとても複雑で正確に数値を出すには高度な数学知識を理解している必要があります

PoIスコアはハーベストしやすさにつながるので、スコアの算出方法を理解しにくいことがデメリットといえます

ネットワークの維持が不安

 スーパーノード(SN)とはネムネットワークの中心をになうノード(コンピュータ)を指します。SNになるためには300万XEM以上の保有や高性能なマシン、高速インターネット環境など厳しい条件が求められます。SNはネットワークを維持するはたらきの代わりに、通常のノード以上の報酬を受け取ります

現在もSNに対して報酬が支払われていますが、2020年ごろには支払う報酬が底をつくと試算されています。報酬がなくなった状況でSNが役割を放棄すれば、ネットワークが維持できなくなるという不安要素があります。

報酬が切れた後は、潤沢になったネムネットワークから発生する手数料が充てられる予定となっており、その時点でSNを満足させる報酬が出るほどのネットワークが構築できているかが、焦点となりそうです。

ネム (NEM/XEM) に関するニュース

ネム (NEM/XEM)財団が組織再編を発表

新体制について

ネム財団は発足から2年にわたり、世界各地で普及活動を行ってきました。自主的な活動を容認してきた結果、組織体制がうまくいかず効率が悪い普及活動を続けてきました。新体制では、地域代表制からプロダクト特化の組織体制を整えることで、開発に集中した活動をおこなっていく、と発表されました。

「倒産危機」報道に反論

2019年1月31日にネム財団が発表した組織再編について、「倒産危機」と報じられました。ネム財団のアレックス・ティンズマン氏はこの報道に対して次のように反論しました。「倒産危機」の報道が「クリックベイト(ユーザーの興味を引いてクリックさせること)」だと批判するとともに、「今回の決定は倒産ではなく、組織再編である」と主張しました。

ネム (NEM/XEM) の評判

良い評判

格付けはAランクと高評価

Binanceの情報プラットフォームでは、格付機関のレポートが公表されています。ネムは★5段階中★4.5を獲得し、格付けもAランクと、高評価を得ています。ネムのPoIアルゴリズムやブロック生成の速さなど、独特なイノベーションが評価された結果となっています。

コミュニティ活動が盛ん

ネムではコミュニティ活動が盛んにおこなわれています。ミートアップや勉強会、ネムバーなども開かれていて盛り上がりを感じることができます。ネムの実用性に将来性を感じている人も多いようです

悪い評判

有名なCoincheck事件

ネムに関する悪い影響では、Coincheck事件があります。2018年1月末にCoincheckから約580億円相当のネムが流出した事件です。この事件をきっかけに仮想通貨全体の価値が下落しました。Coincheck事件の原因はあくまでCoincheckの管理体制にあり、ネムのセキュリティやブロックチェーンには問題もありませんでした。

Coincheck事件は仮想通貨に対する逆風が強まったきっかけであるとともに、ネムの名前が広く認知された事件でもありました

▶ 『Coincheck (コインチェック) の事件』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

ネム (NEM/XEM) を保管するおすすめウォレット

Nano Wallet (ナノウォレット)

Nano Walletはデスクトップウォレットといい、ソフトをインストールして使用します。パソコンでネムを管理するためにおすすめのウォレットです。Nano WalletはNEMがリリースした公式のウォレットで、ネムのハーベストやアポスティーユなど独自の機能を使うために必要です

ウォレット作成の際に秘密鍵を記録しておくことで、パソコンが壊れても新しいパソコンで再ログインが可能です

▶ 『Nano Wallet (ナノウォレット)』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

スマホ版の「NEMモバイルウォレット」

NEMモバイルウォレットはNEM Walletのスマホ版になります。NEM Walletとアカウントを同期できるので、スマホからネムの送受信履歴を確認できます。アプリ内でネムの送受信も可能なので、ネム対応店舗でネムでの決済や、ネム受け取りの手段としても使用可能です

NEMモバイルウォレットはスマホ上で秘密鍵を管理するウォレットです。モバイルウォレットを使う場合は、スマホがハッキングされたりウイルスを仕込まれないように、気をつける必要があります。街中で不用意にWIFIにつなげないことや、怪しいアプリを入れないようにしましょう。

▶ 『モバイルウォレット』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

TREZOR (トレザー)

TREZORはオフライン上で仮想通貨の秘密鍵を管理するウォレットです。TREZORでは、ビットコインやライトコインをはじめとした8種類の仮想通貨やERC20トークンなどを保存でき、ネムも管理できます。

TREZOR自体はパソコンと別に購入する必要があります。値段は多少かかりますが、大事な資産を守るために持っておきたいウォレットです。TREZORを購入する際は、必ず公式の代理店から購入しましょう。身元が分からない所から購入した場合、ウイルスなどを仕込まれる可能性があります。

▶ 『TREZOR (トレザー )』についてくわしく知りたい方はこちらの記事が参考になります。

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取り扱い通貨 7種類
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最低取引単位 0.01BTC
レバレッジ倍率 4倍
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Coincheckは国内で最多の10種類の仮想通貨を取り扱っています。

ビットコインをはじめとして、イーサリアムやネムなど主要な仮想通貨を取引できるので、初心者から上級者までおすすめできる取引所です。スマホアプリも見やすく直感的な操作が可能になっています。

Coincheck事件では多額のネムを流出しセキュリティ問題が発覚したものの、ネット証券大手のマネックス証券を率いるマネックスグループに買収され、セキュリティ問題を修正したことで万全の体制を整えました。

取り扱い通貨 10種類
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最低取引単位 0.001BTC
レバレッジ倍率 5倍 ※レバレッジ取引は現在停止中
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ネム (NEM/XEM) のまとめ

ネムは実用的な機能を多く兼ね備えた仮想通貨です。公平性を重視したPoIや、安価で公証作成が可能なアポスティーユ機能など優れた機能がそろっています。さらにカタパルト実装が完了することで、トランザクション処理能力がさらに向上するなど、実用的な決済手段としての準備が進んでいるようです。

ネムプロトコルを活用したmijinは、国内で400社以上にサービスを提供しており、今後の広がりによってはネムの価値上昇が期待できます。