- IFD注文とIFO注文の違いがよく分かる
- OCO注文がどのような仕組みか分かる
FXのトレードを行っていくうえで、指値注文・逆指値注文・成行注文などの有名な注文方法がありますが、それとはまた別にIFD注文・OCO注文・IFO注文という注文の方法があります。
この記事ではIFD注文・OCO注文・IFO注文のそれぞれの特徴・仕組み・メリット・デメリットについて解説していきます。IFD注文・OCO注文・IFO注文について学び今後のトレードに役立てていきましょう。
IFD注文とは
二つ目の注文が自動的に行う
IFD注文とは「If Done」(イフダン)の略称であり、意味としては最初の注文が約定された場合、二つ目の注文が自動的に行われることを指します。
例を挙げて説明すると、相場が1ドル111円の時に1ドル116円になった場合ドルを買うという注文を出し1ドル119円になった場合売るという注文を同時に行います。
このままドルが116円になった場合、注文が約定され1ドル119円になると自動的にドルを売ります。これがIFD注文です。
しかし、最初の注文が約定されなかった場合2つ目の注文は発動しないことを覚えておきましょう。
指値注文・逆指値注文でも利用可能
IFD注文は指値注文・逆指値注文でも利用することが可能です。自分が想像したとおりに相場が動いた場合の利益確定や仕事やプライベートで忙しくパソコンやスマホが見れず急激な相場変動が起きた場合の損切りにも有効活用することが可能です
IFD注文を行う際に指値・逆指値注文を用いることによって、さらに便利に取引を進めていくことができます。ここで一度指値・逆指値注文について軽くおさらいしておきましょう。
指値とは:「買値より高く売値を設定する」注文方法
逆指値とは:「買値より低めに売値を設定する」注文方法
IFD注文の利用方法
IFD注文で利益確定する
ここでは、IFD注文を用いて利益を確定する場合の例について解説していきます。
相場が1ドル=105円のときに、1ドル=115円で買い注文を出し1ドル=120円になった時に指値で売り注文をするというIFD注文を行います。
この時点で、1ドル=115円になった瞬間、買い注文は約定され1ドル=120円になった場合に売り注文が自動的に行われます。このまま予想通りに1ドル=120円になった場合5円の利益が自動的に確定されるのです。
しかし、この利益確定の場合のIFD注文は、注意しなければならない点があります。挙げた例では上昇トレンドと予想し利益を確定するというパターンですが、これが予想と反した場合は手動で損切りする必要があるので注意しましょう。
IFD注文で損切りする
次は、IFD注文を用いて損切りする例について解説します。利益確定のパターンでは予想通りに相場が動いたため利益を確定することができましたが、相場の動きというものは自分が思ったように動くものではありません。
損失が出てしまう場合、最小限に損失を食い止めるためにIFD注文を用いることも有効な使い方の一つです。
例えば、上昇トレンドと予想して相場が1ドル=113ドルの状態のときに逆指値で1ドル=115円で買い注文を行い、1ドル=114円に逆指値で売り注文でIFD注文を出します。
1ドル=115円になり予想から外れ、上昇トレンドではなく価格が下落し1ドル=114円になった場合でも自動的に損切りが行われるため損失を1円に留めることができ大きい損失を出すには至らないという結果になります。
IFD注文のメリット・デメリット
IFD注文のメリット
IFD注文のメリットは、2つの注文を指値・逆指値注文などと一緒に合わせることによって新規注文と決済をある程度自動的に取引が可能となるといった点です。これによって丸1日中画面に張り付く必要がないというところが魅力の一つです
また、新規注文が約定した後でも相場によって決済注文の執行前に取り消すことや条件を変更することが可能な点もメリットの一つです。
IFD注文のデメリット
IFD注文は一つの注文に対して一つの決済方法しか選ぶことはできません。利益確定の例で挙げたようなパターンで自分の予想と違う価格の動きをした場合、損切りを手動で行わなければなりません。こういった点から、ポジションを全く確認せずに自動的に取引を行ってしまった場合、思いもよらない損失を出してしまう恐れがありますので自分のポジションはこまめに確認するように心がけましょう。
相場をこまめに見ることができない場合は、利益確定パターンでIFD注文を出しておくのではなく、損切りパターンで決済を行うことがおすすめです。しかし、損切りパターンにおいてもこまめに相場をチェックしないと利益確定のポイントを失ってしまったり、利幅が小さくなったりトレンド転換により損失を出してしまう可能性があります。
IFD注文を出す際は放置するのではなくできるだけ自分のポジションや価格の動きについて目を見張るようにしましょう。
OCO注文 | IFD注文との違いは?
OCO注文の意味
OCO注文とは、「One cancel other order」の略称で、この英語で表されているように2つの注文を出しても片方の注文が約定されなかった場合自動的に取り消す注文方式のことを指しています。
例えば、1ドル=100円の相場で買い注文をOCO注文で出し、1ドル=104円で決済を行うよう注文を出します。同時に1ドル=98円になった場合の損切りとし売り注文を出すよう設定します。
すると、そのまま価格が1ドル=104円になった場合104円の時点で決済が行われます。この時に98円の方の損切り注文は自動的にキャンセルされます。
逆に、相場が下落した場合予め設定しておいた1ドル=98円で損切り注文が決済され、それ以上の損失は出ません。この場合利益確定パターンで注文を出した1ドル=104円の買い注文は自動的に取り消されます。
OCO注文とIFD注文の違いは、片方の注文がキャンセルできるか否かといった点です。例えば、IFD注文では利益確定パターンと損切パターンのどちらかでしか注文することができません。それにより、自分の予想と違った動きを相場がすると損失を出してしまう恐れがあります。
しかし、OCO注文の場合は利益確定パターンと損切確定パターンの両方を設定することができ、自分の予想通りの相場にならなかった場合でも片方の注文を取り消すことが可能になるのでIFD注文のように大きい損失を出してしまうリスクが減ります。
OCO注文の利用方法
新規注文でOCO注文を使う
まず、新規注文でOCO注文を用いる方法について説明します。たとえば、相場が1ドル=113円だとして、上昇トレンドであると予想を行うとします。
そして1ドル=113円にて買い注文 (逆指値) をOCO注文で出し、利益を確保するために1ドル=118円になった場合に売り注文 (指値) を設定します。しかし、損失が出てしまう場合があるので損切りのために1ドル=112円になったら売り注文 (逆指値) を設定します。
このOCO設定により、予想通りに価格が上昇したら1ドル=118円で利益は確定され5円の利益が発生します。反対に、相場の予想が外れ下落したとしても1ドル=112円で損切りされるため損失は1円のみとなります。
注文済みのポジションにOCO注文を使う
すでにポジションを持っていて、上昇トレンドの流れが来ている場合にもOCO注文は非常に有効です。例として挙げると1ドル=111円のポジションを持っていて、価格が1ドル=120円まで上昇しているとします。
この場合、利益確定を狙いに行くために1ドル=121円で指値注文を出し、万が一相場が下がってしまった場合に備えて1ドル=117円で逆指値注文を出します。すると、そのまま121円に達した場合は10円の利益を得ることができ、相場が下がってしまった場合でも6円の利益を出すことが可能です。こういった場合、相場の急変が起きてしまった場合でも利益を得ることができるということが分かります。
OCO注文のメリット
前述の通り、OCO注文は2つの注文を同時並行で行うことができるため、利益の確定や損切りがIFDよりもさらに楽になります。OCO注文を用いることによって、一度注文しても安定した相場であれば損切りと利確を楽に行うことが可能です。
あらかじめ注文を設定できるのでそのまま放置しても大きな損失を出してしまうこともないので非常に便利な注文方法です。
OCO注文のデメリット
OCO注文は安定した相場の中では非常に有効ではありますが、逆にいうと急な相場変動が起きてしまった場合にチャンスを取りこぼしてしまう可能性が高いというデメリットがあります。
OCO注文は2つの注文の間で相場が注文ラインに触れた場合決済が自動的に決済が行われてしまうので、大きい上昇や下落が起きてしまった場合にチャンスを失ったしまうことがあるので注意しましょう。
IFO注文 | IFD注文との違いは?
IFO注文の意味
IFO注文とはこれまで説明してきたIFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法で、新規注文・利益確定・損切まで網羅的に行うことができる注文方法です。
最初にIFD注文で新規注文を出し、その後OCO注文と同じように利益確定・損切りパターンを用いることができる仕組みです。IFDは新規注文を出した後決済注文は一つしか出せない注文方法であり、OCOは2つ同時に決済注文を出せる注文方法です。これらの注文方法を組み合わせることによって1度に三つの注文を出し、決済注文も二つ一気に出すことが出せる便利な注文方法です。
例を挙げると相場が1ドル=117円のときに、1ドル=114円に対してIFD注文により買い注文により指値で新規注文するとします
利益の確保のために1ドル=119円を指値で買い注文し、損失回避のために1ドル=113円を逆指値で売り注文します。こちらは二つ条件を設定しているためOCO注文です。
この注文で相場が1ドル=119円に触れた場合は、自動的に決済注文されるため、2円の利益が確定できます。反対に、1ドル=113円に触れてしまった場合は決済注文が行われ1円の損失となります。
IFO注文のメリット
IFO注文は新規購入から2つの同時注文を行うことができるため、為替レートをこまめにチェックすることができなかったり、パソコンやスマホに張り付かなくても取引が可能です。
IFO注文のデメリット
デメリットとしては、OCO注文と同じように急激な相場変動が起きてしまった場合に機会損失が起きてしまうことです。例えば、1ドル=115円で買い注文を行い120円で決済という設定にした場合、120円で決済されてることによってその後も伸び続けた場合は機会損失となってしまいます。
IFD注文のまとめ
IFD注文・OCO注文・IFO注文と3通りの注文方法をまとめました。それぞれの注文方法を理解して今後の取引をスムーズに行っていきましょう。
これらの注文方法の用途は人によって変わってきますので自分にあった注文方式を選んでいくことが重要です。