- 仮想通貨とはどこの国にも銀行にも属さないインターネット上にある財産的価値を持つもの
- ビットコインなどの仮想通貨は法定通貨に換金できる
- 仮想通貨は投資・投機、送金・決済といった利用用途がある
- 史上初の仮想通貨ビットコイン (BTC) は、2008年にサトシ・ナカモトという人物によりインターネット上で発表された
- ビットコイン (BTC) の過去最高値は700万円
- 2021年6月現在、仮想通貨は全世界に10,000種類以上ある
- 仮想通貨は500円から始められる
仮想通貨とは
仮想通貨とは、電子データのみでやりとりされるインターネット上の通貨のことです。ブロックチェーン技術による暗号化でインターネット上にのみ存在するため、ドルや日本円のように実物を手に取って利用することはありません。
日本では、資金決済法にて仮想通貨を以下のような性質を持つものと定義しています。
- 不特定の者を相手方として相互に交換を行うことができる財産的価値
- 電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
また仮想通貨は、デジタルデータとして通貨の価値を記録したものという観点からは電子マネーと同じですが、電子マネーは発行した国の通貨をデジタル化したものです。仮想通貨は、国や中央銀行といった中央集権が存在しないため、どこの国の通貨でもないということになります。
仮想通貨の特徴
今回は仮想通貨の一種であるビットコイン (BTC) を例に、仮想通貨の以下特徴について解説します。
- 中央の管理システムが存在しない
- 上限発行枚数が存在する
- 法定通貨に換金できる
仮想通貨の1つ目の特徴は、中央の管理システムが存在しないことです。
ブロックチェーン技術により、全ての取引の記録がインターネット上で分散されて記録される仕組みで成り立っています。
仮想通貨の2つ目の特徴は、上限発行数が存在する点です。
日本円などの法定通貨とは異なり、たとえばビットコイン (BTC) であれば上限発行枚数が2,100万枚と決められています。上限発行枚数が定められているのは、ビットコイン (BTC) が市場に出回りすぎて価値が低下するのを防ぐためです。ビットコイン (BTC) は一定のペースで上限に達成するように、発行枚数がプログラムに組み込まれています。
仮想通貨の3つ目の特徴は、法定通貨に換金できることです。
仮想通貨は電子マネーとは異なり、ドルや日本円などの法定通貨に換金できます。主に仮想通貨取引所や販売所で日本円に換金することが可能です。
仮想通貨の利用用途
仮想通貨の利用用途は、主に以下の2つが挙げられます。
- 投資・投機
- 送金・決済
仮想通貨の代表的な利用用途の1つ目は、投資と投機です。
仮想通貨は需要と供給のバランスで価格が決定されるため、投資あるいは投機の対象になります。仮想通貨に投資したい場合は、仮想通貨取引所や販売所で取引を行う必要があります。
仮想通貨の代表的な利用用途の2つ目は、仮想通貨の送金や決済です。
仮想通貨は中央の管理システムが存在せず、個人間の取引が行えるため、個人間での送金が可能です。また仮想通貨決済に対応している店舗やショッピングサイトでは、ビットコイン (BTC) などの仮想通貨で買い物できます。
その他にも、仮想通貨の仕組みは「分散型アプリケーション (dApps)」の開発にも利用されています。分散型アプリケーションとは、中央管理者が存在せずに全体のシステムが機能するアプリケーションのことです。分散型アプリケーションの基本概念はビットコイン (BTC) によって形作られています。
仮想通貨の歴史
仮想通貨の誕生からの大まかな歴史は、以下の通りです。
2008年 | サトシ・ナカモトを名乗る人物が論文を発表 |
2012年 | 初の半減期 |
2014年 | Mt.Goxがハッキングを受け閉鎖 |
2017年 | 「改正資金決済法等」施行 |
2018年 | ビットコイン (BTC) バブル崩壊 |
2021年 | ビットコイン (BTC) が過去最高値を更新 |
仮想通貨は、2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物がインターネット上に論文を発表したことから始まりました。
その後仮想通貨市場は上昇や下落トレンドを繰り返しながらも、全体的には右肩上がりで成長していましたが、2014年には仮想通貨取引所であるMt.Goxが2度目のハッキング被害を受けて、取引所の閉鎖に追い込まれる事件が発生しています。
また2017年は改正資金決済法等が施行され、日本でも仮想通貨の認知度が高まり、価格も上昇していました。しかし2017年末から2018年にかけて、加熱していた市場が軒並み下落して仮想通貨のバブルが崩壊しました。
その後は上昇や下落を繰り返し、新型コロナウイルスの影響による相場の混乱も乗り越えて仮想通貨の価格は回復しました。2021年4月14日に仮想通貨主要取引所の一つであるCoinbaseがナスダック株式市場に上場することを受け、上場日当日にはビットコイン (BTC) 過去最高値である700万円台を記録しました。
ビットコインとアルトコイン
仮想通貨のアルトコインとは「Alternative Coin (代替のコイン) 」の略称で、ビットコイン (BTC) 以外の仮想通貨の総称です。アルトコインのほとんどはビットコイン (BTC) を基にしたもので、根本的なしくみはビットコイン (BTC) と同じといえるでしょう。
アルトコインの主な特徴は以下の通りです。
- 種類が多い
- ボラティリティが高い
執筆時点 (2021年6月) では、全世界に10,000種類以上のアルトコインが存在しているとされています。アルトコインが持つ特徴もそれぞれ異なるため、アルトコインの取引を考えている場合は、それぞれのアルトコインの特徴を知っておく必要があります。
特徴2つ目に挙げられるのは、ボラティリティの高さです。ボラティリティとは、価格の変動性のことを指します。アルトコインはビットコイン (BTC)に比べると時価総額が小さくボラティリティが高いため、価格の上下が大きくなっています。
10,000種類以上存在するアルトコインの中でも、有名で取引が盛んに行われている主な銘柄の例として以下のコインが挙げられます。
- イーサリアム (ETH)
- リップル (XRP)
- ライトコイン (LTC)
- ネム (XEM)
- ビットコインキャッシュ (BCH)
またこれらアルトコインはホワイトリストと呼ばれる日本の金融庁から許可を得ている取引所で取扱のある銘柄でもあり、国内仮想通貨取引所で比較的簡単に取引が可能です。
上記銘柄が購入できる主要な国内仮想通貨取引所は以下があります。
- bitFlyer
- Coincheck
- DMM bitcoin
これら以外にもたくさんの取引所があります。各取引所の特徴や詳細については以下の記事を参考にしてみてください。
参考:日本国内おすすめ仮想通貨取引所比較ランキング
参考:海外おすすめ仮想通貨取引所比較ランキング
仮想通貨投資
- 誰でも簡単に始められる
- 値動きの幅が大きい
これら2点は仮想通貨投資の特徴として挙げられます。
仮想通貨投資を行うためには仮想通貨取引所や販売所に登録する必要がありますが、仮想通貨の取引所は手軽に口座開設できるため実際の取引までのハードルが低いです。また500円などの少額からでも投資できるので、初心者でも比較的参入しやすい環境が整っています。
また仮想通貨は日々の価格の上昇と下落の変動が大きく、歴史も浅いため今後の需要拡大と利益に期待して投資をする手法があります。また日々上下する市場を利用して短期のトレードで利益を出す手法もあります。
一方で、仮想通貨投資を行う上でいくつかの注意点があります。
- 少額・余剰資金から始める
- 慣れない間はレバレッジ取引はやらない
仮想通貨投資の注意点1つ目は、少額・および余剰資金から始めることです。仮想通貨は日々の値動きが激しく、資産の増加だけでなく減少の幅も大きいといえます。そのため、いきなり多額の取引を行うのはおすすめできません。自身のリスク許容度を把握して市場に慣れるためにも、まずは少額からスタートしましょう。
仮想通貨投資の注意点2つ目は、慣れない間はレバレッジ取引に手を出さないことです。仮想通貨取引には主に「現物取引」と「レバレッジ取引」の2つがあります。現物取引は、保有する資産を使って仮想通貨を購入したり売却するシンプルな取引方法です。一方レバレッジ取引とは、証拠金を担保に証拠金の何倍もの金額で取引する仕組みのことです。成功すれば短期間で大きな利益を得られますが、損失が膨らんだ場合は証拠金以上の負債を背負う可能性があります。レバレッジ取引は上級者向けでリスクも高いので、慣れない間は少額の現物取引から始めることをおすすめします。
仮想通貨まとめ
仮想通貨とは、電子データのみでやり取りされるインターネット上の通貨のことです。
中央管理者が存在しないことが特徴で、ビットコイン (BTC) の他にも10,000種類以上のアルトコインが存在します。
仮想通貨市場は成長を続けているため投機対象となりますが、いきなり多額の取引を行うことはせず、仮想通貨の特徴や仕組みなどを理解してから少額から始めて取引にまずは慣れるようにするとよいでしょう。
また日頃から仮想通貨に関するニュースや市場の動向をチェックして、仮想通貨投資におけるリスクなどもしっかりと把握したうえで安全な仮想通貨取引を行いましょう。