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ブロックチェーンとは

ブロックチェーンは「あらゆる価値をインターネットで通信できるようにする技術」として昨今大きな注目を浴びています。金融の専門家でも理解し始めたばかりの新しい技術なだけあり専門用語が多く、難しいと感じている方も多いでしょう。ここでは、ブロックチェーンの概念や特徴、仕組みについて初心者にも分かりやすくかみ砕いて解説していきます。

編集:
安藤 啓明 (Hiroaki Ando)
この記事の編集者
安藤 啓明

暗号資産 (仮想通貨) に関する記事のディレクターで、これまでにも「お金」をテーマにした記事のディレクションを多数行った経験があります。

編集ポリシー

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、仮想通貨の取引を記録する方法です。分散型ネットワークを構成している複数のコンピューターと暗号技術を組み合わせて、取引データを同期、記録しています。

ブロックチェーンでは、ある一定期間にわたる取引データをブロックごとにまとめます。そしてそのブロックを、ネットワークに参加する複数のコンピューター同士が検証し合いながら、時系列順につないでいく仕組みです。

取引データをまとめたブロックをチェーンでつないでいくように見えることから、ブロックチェーンと呼ばれます。またブロックチェーンは「分散型台帳」とも呼ばれており、ビットコインをはじめとした仮想通貨の基盤に用いられている技術です。

ブロックチェーンの歴史

ビットコイン以前

現在ではブロックチェーンと言えば、仮想通貨関連の話題を指します。仮想通貨は最近話題となって来ましたが、実は、ブロックチェーンの元となるアイデアは、1991年から既に存在していました。

研究者であるW. Scott Stornetta氏とStuart Haber氏が、デジタルデータにタイムスタンプをつけることで、改ざんや日付を遡ることを防ぐデータ管理の方法を考案したのです。翌年の1992年になるとマークルツリーが設計に組み込まれ、複数のデータをひとつのブロックにまとめるという現在のブロックチェーンの形により近くなってきます。しかしこのときは、残念ながら実用化までには辿り着きませんでした。

その後、2004年になると暗号分野のコンピューターサイエンティストであるHal Finney氏が、Reusable Proof of Workと呼ばれるシステムを発表しました。Reusable Proof of WorkはRPoWと略され、現在のブロックチェーンのプロトタイプと呼ぶことができるものです。

サトシナカモト

2008年の終わり頃になると、分散型P2P電子決済システムがあるホワイトペーパーによって発表されました。その内容がビットコインネットワークです。このホワイトペーパーは「サトシナカモト」と名乗る人物によって投稿されました。現在でもサトシナカモトの素性は不明で、個人かグループなのかすら分かっていません。

2004年に発表されたRPoWとの主な違いは、RPoWでは取引データの検証と記録を信頼できるサーバーで実行しようとしたのに対し、ビットコインにおいては同じことを分散型P2Pプロトコルによって実現しようとしたところにあります。

2009年1月には、サトシナカモトによって世界初のビットコインのブロックがマイニングされ、ビットコインが誕生しました。同じ月にビットコインを初めて送金によって受け取ったのは、RPoWを提唱したHal Finney氏で、このとき10BTCを受け取ったとされています。

ヴィタリック・ブテリン

2013年になると、プログラマーのヴィタリック・ブテリン氏が「ビットコインには分散型アプリケーションを構築するためのスクリプト言語が必要だ」と主張しました。

しかし残念ながらコミュニティ内での賛同は得られなかったため、ヴィタリック・ブテリン氏は、新しい仮想通貨の開発を行うこととなりました。こうして誕生したのが、イーサリアムです。

イーサリアムにはビットコインにはない、スマートコントラクトと呼ばれるスクリプト機能があります。スマートコントラクトはSolidityというプログラミング言語で記述し、ある条件を満たした場合に取引を実行する、といったことが可能です。

ブロックチェーンのメリット

改ざん不可能性

取引データのことをトランザクションと呼びますが、各トランザクションは連続したブロックに保存されています。

ブロック同士は相互に依存関係にあるため、もし過去の情報を改ざんした場合は、他のブロックの情報もそれにあわせて整合性のあるものにしなくてはなりません。つまり、事実上過去のブロックを改ざんすることは不可能なのです。

ビザンチン耐性

故障したコンピューターや虚偽の情報を流しているコンピューターが一定数ネットワーク内に存在したとしても、ブロックチェーンは問題なく稼働し続けます。

単一障害点の排除

単一障害点とはシステム全体の障害となる場所のことで、コントローラーやマスター、認証局などがそれにあたります。しかしブロックチェーンには、これらの単一障害となる箇所が存在しません。

ブロックチェーンのデメリット

記録されたデータを削除できない

ブロックチェーンでは、記録されたデータを削除することはできません。これは改ざんや不正を防止するという面では、メリットと言えます。

しかし間違った情報を入力してしまった場合にも、取り消しができないのです。個人情報など他人に知られたくないデータは、ブロックに書き込まないように注意しましょう。

処理能力と障害耐性を両立しにくい

ブロックチェーンはP2P方式を採用しています。P2P方式のデメリットとしては、スペックの低いコンピューターが複数ネットワークに接続している状態だと、処理能力が落ちてしまう点です。

しかしその対策として、ノードを減らしてスペックの高いコンピューターの割合を増やそうとすると、今度は障害耐性が低くなるため、バランスをとるのが難しいのです。

将来的に役に立たなくなる可能性がある

ブロックチェーンは現在、改ざんや不正を行うのが極めて難しいシステムです。ブロックチェーン上で51%を超えるノードが同時に不正を行わなければ、二重支払などが発生することはありません。また、先ほども説明したように、過去のブロックに書き込まれた情報を変更することもできません。

しかし、上記で述べたような改ざん不可能性は、現在におけるコンピューターの処理能力を前提にしています。将来的に量子コンピューターが誕生した場合、量子コンピューターは現在のコンピューターとは比較にならない計算能力を持つため、少数のノードによって取引記録の改ざんや削除を行うことが可能になってしまうのです。

量子コンピューターの実用化はまだまだ先と言われていますが、将来的に実用化されることによって、ブロックチェーンだけでなくさまざまな暗号化技術が役に立たなくなってしまう可能性があります。

ブロックチェーンの分類

パブリックブロックチェーン

パブリック型のブロックチェーンには、管理者が存在しません。インターネットに接続している人であれば誰でもノードとなることができます。ブロックチェーンと言った場合、多くはパブリックブロックチェーンを指しますので覚えておきましょう。誰でもネットワークに参加してノードになれるということは、それだけ分散化されていると言うことができます。

パブリックブロックチェーンのメリットはノードが分散化されているため、過去の情報を改ざんするのが非常に難しい点です。また、単一障害点となるノードが存在しないため、悪意のある第三者からの攻撃に強いのも特徴といえます。

しかしデメリットもあり、取引の内容がネットワーク全体に公開されるため、機密情報を扱うのが難しい点が挙げられます。さらに、取引データの処理に多くの時間がかかるため、大量の取引や大きな処理をするには不向きなのもデメリットです。

プライベートブロックチェーン

プライベートブロックチェーンは、特定の管理者が存在するブロックチェーンで、参加には管理者の許可が必要です。プライベートブロックチェーンのメリットは、取引データの承認に携わるのが特定の管理者に限定されるため、取引データの処理速度が高い点が挙げられます。さらにノード運用者にインセンティブを払う必要がないため、手数料がかからない点もメリットです。

デメリットとしては、特定の管理者が1人ないし少数で処理を行うため、不正や改ざんがしやすくなる点です。ノードを分散することによって、不正や改ざんを防ぐブロックチェーンの利点そのものが失われているといった指摘もあります。

コンソーシアムブロックチェーン

コンソーシアムブロックチェーンは、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの中間に位置するブロックチェーンです。

複数の管理者によって運用されるブロックチェーンで、パブリックチェーンの改ざんが難しい点とプライベートチェーンの取引速度が速い点を両立しているシステムです。複数の企業や団体が垣根を超えてデータの共有や管理を行いたい場合に適しており、実際に国内外問わず大手企業が、コンソーシアムブロックチェーンを基盤にしたシステムを採用している例が多くあります。

ブロックチェーンの仕組み

ブロックとチェーン

ブロックチェーンは、取引データを格納したブロックがチェーンによってつながれているといった形状を持っています。たとえばビットコインでは、1つのブロックがおよそ10分ごとに生成され、時系列順につながっていきます。

取引データがブロックに格納される際、そのデータはそのまま格納されるのではなく、暗号化されて記録されのです。

取引データ・ハッシュ値・ナンス値

ビットコインのブロックには、具体的に3種類のデータが格納されています。取引データとハッシュ値、ナンス値の3つです。

取引データは「誰が」「いつ」「どのくらい」の取引をしたかを記録したデータとなります。ハッシュ値とは、簡単に説明するとひとつ前の取引を暗号化したデータです。ナンス値は、取引の承認作業 (マイニング) で用いられる数値です。

ハッシュ値とは

ハッシュ値とは、ハッシュ関数によってデータを不規則な文字列に変換したもので、数字とアルファベットで表記されます。ハッシュ値は元となるデータが少しでも異なれば、異なる文字列となるのが特徴です。またハッシュ関数は一方向にしか値を変換できず、ハッシュ値から元のデータを知ることはできません。

ビットコインのブロックチェーンでは、1つ前のブロックに格納された取引データのハッシュ値を、新しく生成されたブロックに記録します。ブロックチェーンはブロックが時系列順に連なっているため、過去の取引データもハッシュ値として時系列順に保存されていることになります。

ナンス値とマイニング

取引データをハッシュ値に変換するのは難しいと考える人もいるかもしれませんが、実はそれ自体は難しい作業ではありません。ハッシュ関数に元となるデータを入力するだけでよいのです。

ただしビットコインの場合は、ブロックに格納されるハッシュ値の文字列は特定の数値より小さくなくてはならないというルールがあります。そのため、ハッシュ値に対してナンス値と呼ばれる数値を入力することで、生成されたハッシュ値をその特定の数値よりも小さくする必要があります。しかし、生成されるハッシュ値を予め予測することは不可能なため、何度もナンス値を当てはめる大量の計算が必要です。

このハッシュ値に対して正しいナンス値を探し当てる作業を、マイニングと呼びます。マイニングを行う人をマイナーと呼びますが、大量の計算をこなして正しいナンス値を一番最初に探し当てたマイナーに、取引データを承認する権利が与えられるのです。

取引データを承認してブロックを生成したマイナーには、報酬として一定額のビットコインが支払われます。このマイニングが繰り返されることで、ビットコインのブロックチェーンは更新、維持されつづけているのです。

改ざん不可能な理由

ブロックチェーンは、取引データの改ざんが実質的に不可能といわれています。それはブロックのデータを改ざんしようとすると、後に続くすべてのブロックのハッシュ値を変更する必要があるためです。

ビットコインのブロックチェーンではおよそ10分ごとに新しいブロックが生成され、その生成されたブロックに1つ前のブロックの取引データがハッシュ値として記録されています。たとえば、全部で50個のブロックを持つブロックチェーンがあるとしましょう。30番目のブロックを改ざんするには、整合性を保つために31~50番目のブロックすべてのハッシュ値を計算し直さなければなりません。

しかも、改ざんするためにハッシュ値を計算し直している最中にも、10分ごとに新しいブロックが生成されていきます。つまり上記の場合、51番目のブロックが他のマイナーによって生成される前に、すべての計算を完了しなければなりません。

もちろん計算を最後まで完了させることで、ブロックの改ざんを行うことは理論的には可能です。しかし、ここまでしてブロックチェーンの改ざんをしたとしても、膨大な手間やコストがかかるだけのため、改ざん者にメリットがありません。そんなことをしているうちにも、他のマイナーはブロック1個分の計算を行い、手数料として報酬を受け取っているのです。

ブロックチェーンの技術

コンセンサスアルゴリズム

コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンにおいて取引データを検証する方法のことです。どのような方法を採用するかは、ブロックチェーンによって異なります。ビットコインで採用されているコンセンサスアルゴリズムはPoWと呼ばれ、これは「プルーフ・オブ・ワーク (Proof of Work) 」の略です。

スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、プログラムが契約を自動で実行する仕組みのことを指します。従来の契約と異なり仲介者が存在しないため、取引にかかる時間や人件費を削減することが可能です。契約の内容によってはセキュリティの心配もあるかもしれませんが、そこをブロックチェーンの技術を利用することによって克服しています。

スマートコントラクトを実装した有名な仮想通貨として、イーサリアムが挙げられます。イーサリアムはスマートコントラクト機能によって、DApps (分散型アプリケーション) の構築や独自トークンの発行が可能です。現在イーサリアムがビットコインに次ぐ時価総額を持つのも、スマートコントラクト機能によるものが大きいと言えます。

P2Pネットワーク

ビットコインなどのブロックチェーンでは、情報管理にP2Pネットワークが採用されています。P2PネットワークのP2Pは、「ピアツーピア」の略称です。

P2Pネットワークは、複数のノードが分散してデータを保持しており、他のノードから要求があった場合に保持している情報を提供する仕組みです。ノードとは、仮想通貨に接続しているコンピューター端末ひとつひとつのことを指し「pear (ピア) 」とも呼ばれます。

暗号技術

ビットコインのブロックチェーンは、暗号技術によってセキュリティが保たれています。

暗号技術のうち、ビットコインの取引で用いられているのは「秘密鍵」と「公開鍵」の2つです。公開鍵は誰でも知ることができますが、秘密鍵は自分だけしか知りません。ビットコインの送金の際に秘密鍵で署名を行うため、もし秘密鍵を第三者に知られてしまった場合、仮想通貨が盗まれてしまう可能性があります。

取引がブロックチェーンに記録される流れ

トランザクション:取引情報の生成

トランザクションとは、取引情報を生成する作業のことです。たとえば「山田さんが田中さんに1BTCを送金する」としましょう。これをトランザクションを作成するといいます。自分の秘密鍵を使って署名すると、他のノードがその内容を確認できるようになる仕組みです。

マイニング:データの検証と記録

トランザクションの生成に問題点がなければ、マイナーと呼ばれる人たちが、ブロックに記録を行います。先ほどの例で説明すると「山田さんが田中さんに1BTCを送金する」といった内容をデータ化して、ブロックに記録する作業をマイニングと呼びます。

ブロックチェーンを活用した企業事例

ソフトバンク

ソフトバンクは他企業と連携してブロックチェーンや通信技術の組み合わせに対する取り組みを行っており、2019年には米国企業のTBCASoft社と共同のワーキンググループが作られました。

ソフトバンクは、ユーザーが個人情報を提供せずとも安心してID認証できる仕組みなどに取り組んでします。さらに2019年10月には上記のワーキンググループに日本IBM社も参加し、通信技術にブロックチェーンを応用するさまざまな取り組みへに注力しています。[1]

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デンソー

デンソーはスマホでおなじみの「QRコード」を開発した会社です。しかしQRコードを知っていても、デンソーを知らない人は多いのではないでしょうか。

デンソーは自動運転の分野で、ブロックチェーン技術を活用しようとしています。自動運転の際に、車内で取得できるデータの信頼性を確保するためです。これによって、万が一事故の際にもデータの正当性が高くなるといったメリットがあります。[2]

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GA technologies

GA technologiesは、不動産にITを活用することを推進している会社です。GA technologiesではスマートコントラクトを活用したプラットフォームを開発しており、プログラムにより取引内容を自動化させ、改ざん性の低い安全な取引を目指しています。

この開発で利用できるのは「賃貸申し込み・契約」と「入居審査」「物件の管理」です。これらの一連の工程を、スマートコントラクトを実装することにより自動化し、今より高い効率化を図っています。[3]

GA MAG, ブロックチェーンとGA technologies, 2021年6月22日参照

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ウォルマート

ウォルマートは、アメリカ最大手のスーパーマーケットチェーンです。ウォルマートは、IBM社と提携してブロックチェーン技術を利用した「フードトラスト」というシステムを導入しています。これにより、効率的な商品管理が可能になりました。[4]

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2019年8月には、ブロックチェーンを活用したドローンのデータ共有に関する特許を公開しています。[5]

Patentscope, 1. WO2019152533 - CLONING DRONES USING BLOCKCHAIN, 2021年6月22日参照

triangleブロックチェーンを活用することで、セキュリティも同時に確保することができるのが特徴です。

ソニー

大手IT企業であるソニーを日本では知らない人はいないでしょう。ソニーは、著作権情報に関するシステムをブロックチェーンを活用して開発しています。

ブロックチェーンのデータベース上で、著作権情報を一元管理することによってわずらわしい管理体制が不要になります。改ざんの可能性も非常に低いため、安全性も同時に確保できるのがメリット。このシステムは、映画や音楽など著作権が絡むコンテンツに幅広く提供していくとのことです。[6]

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ブロックチェーンまとめ

ブロックチェーンは仮想通貨の取引を記録する方法で、分散型ネットワークを構成している複数のコンピューターと暗号技術を合わせてデータを記録しています。

ビットコインのブロックチェーンは、生成されたブロックが時系列順に繋がれていきます。それぞれのブロックには前のブロックの取引データがハッシュ化されて格納されているため、もし取引データを改ざんしようとすると、後続のブロックすべてのデータを変更する必要があります。そのため、実質的に改ざんが不可能となっているのです。

ブロックチェーンは仮想通貨で使われているイメージが多いですが、ソフトバンクやデンソー、ソニー、ウォルマートなどさまざまな会社で利用方法が模索されています。

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