- 取引所形式のビットコインはスプレッドが小さい
- 販売所形式のビットコインと他のコインは他の「販売所」と同じくらい
- イーサリアムクラシックのスプレッドは大きめ
2019年1月に正式に金融庁へ認可されたCoincheck。Coincheckのスプレッドは高いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。今回は、通貨ごとにCoincheckと他の取引所のスプレッドを比較し、スプレッドが高いかどうかを検証しました。
また本記事を読む前に暗号資産(仮想通貨)取引所の総合比較ランキングをご覧になりたい方は、以下のページをご一読ください。
スプレッドとは
スプレッドとは売値と買値の差額を指し、金融の言葉としては「金利」とよく訳されます。そもそもスプレッド(spread)は直訳で「広がり」という意味です。例えば、ETHの買値が18000円で売値が17000円であった場合、スプレッドは1000円となります。
スプレッドは仮想通貨の銘柄や取引所によって異なるため、よく確認して取引を行わなければ思わぬ損失を抱える可能性があるためお気をつけください。
スプレッドと手数料の違い
仮想通貨を売買する際、「取引所」と「販売所」の二つのルートがあります。
取引所ではユーザー同士が仮想通貨を売買するため、取引所に手数料を払う必要があります。Coincheckでは手数料がかからないため、スキャルピングなど取引回数の多いトレード方法には向いていると言えるでしょう。
販売所では仮想通貨を販売している会社からユーザーが取引を行うため、スプレッドが設定されています。これは上記で説明した手数料とは異なるものです。
Coincheck (コインチェック) のスプレッドは他の取引所と比べて高い?
Coincheckの取り扱い通貨ごとに、他の取引所とスプレッドを比較しました(調査日時2019年1月8日21時~23時)。
Coincheckが取引所形式で取り扱いしているビットコインについては、同じように取引所形式でビットコインを取り扱いしているところと比較しています。同様に、販売所形式で取り扱いしているその他のコインについては、販売所形式で取り扱いしているところと比較しています。
販売所・取引所とは
「販売所」とは運営会社とコインを売買する形式のこと。これに対して、ユーザー同士でコインを売買する形式のことを「取引所形式」と言う。
ビットコイン (Bitcoin/BTC) 【販売所】
販売所で売買されるビットコインのスプレッドは1.1%でした。他の販売所と比べて平均的な値です。
ビットコイン (Bitcoin/BTC) 【取引所】
取引所で売買されるビットコインのスプレッドは0.01%でした。他の取引所と比べてスプレッドは小さいと言えるでしょう。
イーサリアム (Ethereum/ETH) 【販売所】
イーサリアムのスプレッドは1.6%でした。他の販売所と比べると平均値です。
ライトコイン (Litecoin/LTC) 【販売所】
ライトコインのスプレッド1.6%でした。他の販売所と比べてやや小さいと言えるでしょう。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH) 【販売所】
ビットコインキャッシュのスプレッドは2.5%で、他の取引所と同じくらいです。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC) 【販売所】
イーサリアムクラシックのスプレッドは2.7%となっており、非常に高いです。
リスク (Lisk/LSK) 【販売所】
リスクを取り扱っている国内取引所はCoinchekとbitFlyerの2社のみです。2社のうち、Coincheckのスプレッドの方が小さいです。
リップル (Ripple/XRP) 【販売所】
Coinchekのリップルのスプレッドは0.8%です。GMOコインと比べて安いと言えるでしょう。
ネム (Nem/XEM) 【販売所】
Coinchekにおけるネムのスプレッドは1.5%です。これはZaifと同じくらいです。
ファクトム (Factom/FCT) 【取引所】
ファクトムを取り扱っている国内取引所はCoincheckのみです。取引所のスプレッドは4.5%で、比較的高めに設定されています。
ファクトム (Factom/FCT) 【販売所】
販売所でのスプレッドは7.8%です。板が薄いことからスプレッドが大きくなっていると予測できます。Coincheckでファクトムを取引する際、スプレッドが高いことを注意してください。
ステラルーメン (Stellar/XLM) 【販売所】
上記の表から、ステラルーメンの販売所でスプレッドが1番低いのはCoincheckであることがわかります。
クアンタム (Quantum/QTUM) 【販売所】
上記の表から、販売所におけるクアンタムのスプレッドが一番低いのはGMOであることがわかります。
アイオーエストークン (IOStoken/IOST) 【販売所】
国内でアイオーエストークンを取り扱っているのはCoincheckのみです。販売所でのスプレッドは11%と非常に高くなっています。
エンジンコイン (Enjin Coin/ENJ) 【販売所】
GMOとCoincheck両方の販売所でスプレッドは高く設定されています。もし取引回数が多い場合はバイナンスを利用すると良いでしょう。
Coincheck (コインチェック) のスプレッドを可視化する方法
Coincheckのスプレッドは、通常の状態では表示されません。
ご覧のとおり、スプレッドがどれくらいあるのかについては表示されておりません。これをスプレッドが分かるようにする方法があります。
パソコンのブラウザで表示する方法
パソコンのブラウザでCoincheckのスプレッドを表示する手順は次のとおりです。
では、ひとつずつ詳しい手順を見ていきましょう。
STEP1 Tampermonkeyをインストールする
まず、Google ChromeにTampermonkeyをインストールしましょう。Chromeでへアクセスし、「Tampermonkey 安定版」をダウンロードします。
次に、「Chromeへ追加」ボタンを押しましょう。
「Tampermonkeyを追加しますか?」と確認画面が出ますので、「拡張機能を追加」ボタンをクリックして下さい。
STEP2 新規スクリプトを追加する
Chromeに追加されたTampermonkeyを起動します。ChromeのURL欄の右側に表示されている「Tampermonkeyのマーク」をクリックしましょう。
そして、「新規スクリプトを追加」をクリックします。
ブラウザにエディターが立ち上がりますので、このエディターに書かれているすべての文字を削除してください。そして、「仮想通貨取引所の比較をするなら比較コイン.com」様のページの「CCSpreadVisualizer改造版のコード」をコピーして、貼り付けましょう。
次に、「ファイル」>「保存」をクリックして保存します。
以上で完了です。
STEP3 Coincheckにログインして表示を確認する
最後にCoincheckにログインして、表示を確認しましょう。
Coincheckにログインし「取引所」をクリックしましょう。買値と売値が表示されていれば成功です。
これでスプレッドがどれくらいなのか一目瞭然となります。
スマホで使えるブックマークレット版もある
スマホでCoincheckのスプレッドを確認する方法は、次のとおりです。
では、手順を説明します。
STEP1 コードをコピーする
ひとりぶろぐ様へアクセスし、「スマートフォン、タブレットで使えるブックマークレット版」という見出しまでスクロールしましょう。
そして「CCSpreadVisualizer」と書かれている文字を右クリックし、「リンク先のアドレスをコピー」をクリックします。
STEP2 新規メールにコードを貼り付けスマホ宛に送信する
続いて、このコピーしたコードをスマホ宛に送信します。
パソコンで新規メールを立ち上げ、先ほどコピーしたコードを貼り付けてください。そしてスマートフォンのメールアドレス宛に送信しましょう。
スマートフォンでメールを受信したら、メールに書かれているコードをコピーしておきます。
STEP3 Safariで新規ブックマークを追加する
続いてSafariに新規ブックマークを追加します。どこのWebページでも構いませんのでSafariに新規ブックマークを追加します。
ちなみに、なぜ関係ないページをブックマークするかというと、ブックマークを作成するときはURLを変更できないからです。
STEP4 ブックマークの編集でコードを貼り付ける
先ほど追加したブックマークを「編集」します。Safariのブックマークを立ち上げ、「編集」をクリックしましょう。
そして、先ほど追加したブックマークを選択します。URLを編集できるようになりますので、URL欄にコピーしておいたコードを貼り付けます。
「完了」を押すと終わりです。
STEP5 Coincheck (コインチェック) にログインし表示を確認する
あとは、Coincheckへログイン後、保存したブックマークを起動するだけです。ブックマーク起動後に、以下のような、スプレッドが追加された表示になっているか確認しましょう。
確認できれば終了です。
Coincheck (コインチェック) のスプレッドの評判
Coincheckのスプレッドについてのツイートをピックアップしました。
コインチェックにはスプレッドの縮小、将来的な板取引やMoney Trader FXクラスのツール導入に期待したいですね。
— はたお@仮想通貨ぼやき (@Hatao_btcalt) January 11, 2019
マネックスグループのリソースがあればグローバルで業界のトップランナーになれると信じています。
coincheckのXRP、スプレッドが14円くらいになっててワロ
— タツ@仮想通貨データアナリスト (@Tatsuxx) February 1, 2021
こんにちは。#仮想通貨 ブームに乗ろうと#Coincheck に口座を開いたのですが・・・・
— 登坂(とうさか,素人投資家) (@kv63mcwUbuOoYWA) December 4, 2020
スプレッドの広さに恐れおののいてます(販売所と取引所の違いだと言われればそれまでなのですが、あのスプレッドで積立てを皆様がしてらっしゃるのに、尊敬でしかないです(*´ω`*))
ご覧のとおり、スプレッドの広さを指摘するツイートが多くあることがわかります。
Coincheck (コインチェック) のスプレッド対策
売買する上で、Coincheckのスプレッドが大きいのは厄介な問題です。では、私たちはどのようにすればこの問題を回避できるのでしょうか?
頻繁な取引は避けよう
短期で売り買いする場合は、Coincheckの「販売所」は利用しないほうが無難です。なぜなら、スプレッド分の値上がりを待つのはとても効率が悪いからです。
例えば、45万円でビットコインを購入したときは、最低でも45万円以上で売却しないと利益が出ません。スプレッドが1.1%だった場合、買った時点での売却価格は43万円ですから、2万円以上値上がりを待つ必要があります。
これに対し、Coincheckの「取引所」であればスプレッドは0.001%程度です。つまり、利益を出すにはたった200円分の値上がりを待つだけ。「販売所」で売買するよりも効率がよく、利益を出しやすいと言えます。
スプレッドが小さい取引所を使用する
Coincheckにおいて、スプレッドの小さい「取引所」形式で売買できるコインはビットコインだけです。では、ビットコイン以外のコインを売買する場合はどうすればいいのでしょうか?
それは、Coincheck以外の取引所を使うことです。その中でも、アルトコインを「取引所」形式で売買できる取引所を利用するのがよいでしょう。そこで、通貨ごとに取引所形式で売買できる取引所の一覧と、そのスプレッドをまとめました。
イーサリアム (Ethereum/ETH)
イーサリアムを取引するのであれば、BTCBOXやLiquid by QUOINEを利用するとよいでしょう。
ビットコインキャッシュ (BitcoinCash/BCH)
ビットコインキャッシュを取引するのであれば、bitbankがおすすめです。
ライトコイン (Litecoin/LTC)
ライトコインを取引所形式で取り扱っているのは、BITPointとBTCBOXです。スプレッドはどちらも同じくらいです。
リップル (Ripple/XRP)
リップルを取引するのであれば、bitbank一択です。リップルの取引高は世界一となっていますので、注文が成立しやすいでしょう。
イーサリアムクラシック (Ethereum Classic/ETC)
イーサリアムクラシックを取引所形式で売買できる取引所は、残念ながら日本にありません。販売所形式になりますが、CoincheckかbitFlyerで購入するのがよいでしょう。
リスク (Lisk/LSK)
リスクを取引所形式で売買できる取引所は、残念ながら国内にありません。販売所形式では、Coincheckの他にbitFlyerが取り扱いしています。
ファクトム (Factom/FCT)
ファクトムを取り扱いしている交換所は、Coincheckのみとなります。
ネム (NEM/XEM)
ネムを取引所形式で取り扱いしているのは、Zaifだけです。
スプレッドの低い暗号資産(仮想通貨)取引所3選
当該記事をお読みの方の中で、取引回数の多い方、またそうでない方でも、スプレッドの低い仮想通貨取引所を知っておいて損はないでしょう。
特にスプレッドが低い取引所は 「GMOコイン、bitbank、bitFlyer」 です。以下に詳細を記載しますので、ぜひご確認ください。
GMOコイン
GMOコインではBTC・ETH・BCH・XRP・LTCの5銘柄を取り扱っており、BTCのスプレッドが非常に低いことが特徴です。取引所では0.11%、販売所では3.9%と他の取引所と比べても低いことがわかります。他のコインも同様にスプレッドが低いためオススメの取引所となります。
bitFlyer (ビットフライヤー)
bitFlyerはGMOコインと同様にスプレッドが低いことが特徴です。取引量が非常に多いため、注文が通りやすいことも特徴にあげられます。注文が通りづらいと思わぬ損失を抱える可能性があるため、取引量が多いbitFlyerは初心者の方に特にオススメとなっています。
bitbank (ビットバンク)
bitbankも上記二つの取引所とスプレッドが低いことはもちろんのこと、アルトコインの取引量が多いことも特徴として挙げられます。実際にイーサリアムやモナコインの取引量が多いことが見受けられるため、アルトコインの取引をしたい方はbitbankがオススメです。
Coincheck (コインチェック) のスプレッドに関するQ&A
Coincheckのスプレッドはなぜ高いのですか?
Coincheckのスプレッドが高いのは企業のビジネスモデルに由来します。スプレッド自体が取引所の利益につながることから、利益をあげるためにスプレッドを高く設定しています。Coincheckがここまで人気な理由は高いスプレッド以上に期待できるものがあるからと予想できます。
Coincheck積立にスプレッドはありますか?
Coincheck積立にスプレッドはございます。Coincheck積立はCoincheck販売所で運用されているため、Coincheck販売所のスプレッドが適用されます。
Coincheck (コインチェック) のスプレッドに関するまとめ
本記事では、コインチェックのスプレッドについて解説しました。コインチェックのスプレッドは他の取引所と比べると少し割高になってしまいます。
コインチェックでのスプレッド対策として以下の2つを意識しましょう。
- 頻繁な取引は避けよう
- スプレッドが小さい取引所を使用する
コインチェックでは国内最大の16種類の暗号資産 (仮想通貨) が取り扱われているため、多くの種類の暗号資産 (仮想通貨) で取引をしたい方はぜひ口座開設してみてください。