- 仮想通貨のレバレッジ取引はリターンが大きいが借金をする危険性がある。
- リスクを抑えて稼いでいくなら仮想通貨の現物取引がおすすめ。
- 余剰資金で投資をおこなうことで余裕をもって投資に取り組める。
仮想通貨投資は投資市場の1つとして、今後も何十倍以上の拡大が見込まれています。その仮想通貨市場で投資を続けていくためには、無理のない範囲での継続が求められます。本記事では仮想通貨投資における借金やレバレッジ取引について、仮想通貨投資を長期間続けるために必要な情報や注意点を紹介します。
なぜ仮想通貨で借金を背負ってしまうのか
現物取引ではなくFX取引を行ってしまう
投資では安い時期に仮想通貨を購入して、そのコインが高くなった際に売却することで売買で発生した価格差を利益として得ます。
現物取引では投資家が保有する資産をそのまま使用して投資します。そのため保有資産以上のリスクを背負うことがなく、もし仮想通貨投資で損をしたとしても保有資産の範囲内に収まります。
仮想通貨のFX取引は投資家の資産を証拠金として預けることで、資金の何倍も大きい金額を動かして投資する方法です。通常の現物取引で20万円の利益を出した場合、もし5倍のレバレッジをかけていたなら100万円の利益を出したことになります。
FX取引は大きなリターンをかけられる分損益を出した場合もレバレッジをかけた分の資産を失うことになり、場合によっては証拠金以上のマイナスを被り借金を背負う場合もあります。
レバレッジ取引はさらにリスクが高い
FX取引はレバレッジをかけられることによって、リターンを得る可能性がある分相応のリスクを背負うことになります。仮想通貨FXより以前から存在していた通常のFX取引である外国為替証拠金取引では、最大25倍のレバレッジをかけることができます。
しかし仮想通貨取引を規制する日本仮想通貨規制協会では、レバレッジの水準を下げる方針が決定し、国内取引所のbitFlyerでは最大15倍から4倍に下がることが決まっています。仮想通貨市場は価格の変動幅が広いコインも多く、価格変動率が高いことによってレバレッジをかけるリスクも大きくなります。
価格変動率が高い場合は証拠金の額を控えることでリスクを抑えられますが、レバレッジは証拠金以上の金額を動かすことであるため、仮想通貨FX取引で借金を背負うリスクは背負っています。
仮想通貨の借金以外に生まれる可能性のある損失
①草コインが無価値になってしまう
草コインは投機性が高く時価総額が低いコインのことです。認知度も低いためコインの価格も低いですが、認知度が高まることで爆発的に価格が高騰する可能性を秘めています。
しかし草コインは基本的に存在する社会的意義や使用用途がない場合が多く、開発者が資金を持ち逃げする目的で作り出されたコインもあります。そのため価格が急落しほとんど価値のないコインになった仮想通貨もあり、一度高騰する機会を逃すことで利益を得られない危険性もはらんでいます。
②ICOプロジェクトの破綻
仮想通貨投資が流行した方法の一つとしてICOがあります。ICOはInitial Coin Offeringと呼ばれます。新規発行する仮想通貨を格安価格で提供することで、プロジェクト主催者が資金提供を受ける方法です。
ICOではプロジェクトに賛同した不特定多数の投資家から資金提供を受ける機会があり、投資家もプロジェクトの進展によってコインの価値が上がることで売却益を得られるようになります。
しかしICOは必ず成功するとは限りません。競合するプロジェクトとの対立や資金難による開発中止、さらに開発実態のない詐欺プロジェクトによる持ち逃げなどにより、ICOは破綻し購入した仮想通貨が無価値になる場合もあります。
仮想通貨で利益を出しても借金する場合も
利益分の税金が払えない
仮想通貨投資で儲けた場合、一定額以上の利益に税金がかかります。仮想通貨による利益は雑所得として課税されます。仮想通貨を投資対象にしている投資家は、税金の支払い分の金額を用意する必要があります。
しかし仮想通貨投資で利益を得ていても、利益の全てを考えなしに使っていては翌年の税金の支払いができません。給与所得者なら20万円以上の利益を出した場合に、また個人事業主や専業主婦なら33万円以上の利益を出した場合に課税対象となります。
金融機関による投資資金の借金
手元に資金がない時は、金融機関から借金をする方法も存在します。しかし借金をおこなう場合月々の利息が重なり、大きな額を返済することになります。
仮想通貨投資がうまくいけばいいですが、資産がマイナスとなり返済分の金額を返せなくなると元も子もありません。投資をおこなう場合には金融機関から融資を受けるのはおすすめしません。自分の資金で投資をおこなうことで、万全な体制の下で利益を狙っていけます。
仮想通貨取引で借金をしないためには
①現物取引を心がけるようにする
仮想通貨の取引方法には大きく分けて、現物取引とレバレッジ取引があります。仮想通貨投資で借金を避けるためにはリスクを取りすぎないことが大切です。つまり保有する資産をそのまま使用する現物取引をおこなうことで、保有資産以上の損失は避けられます。
またレバレッジ取引ではうまく運用することで、現物取引よりも効率よく素早いスピードで稼ぐことが可能ですが、その分のリスクを背負うことになります。焦りはミスに繋がり損失へと直結します。現物取引だけで稼いでいる人も多くおり、元々リスクのある投資対象である仮想通貨を扱うには現物取引が適しています。
初めのうちは仮想通貨の現物投資で経験を積み、慣れてきたらレバレッジ取引に挑戦してみるのがよいでしょう。
②レバレッジ取引は、マージンコールなどに気を付ける
マージンコールとは
証拠金として収めた金額が、ポジションを維持するために必要な金額を下回ることで発生する通知のことです。マージンコールを受けた投資家はポジションの維持のために、追加の証拠金を入れるかポジションを生産する必要があります。
ロスカットとは
口座の証拠金維持率が定められた基準を下回ることで、維持しているポジションが一斉に決済されることです。レバレッジ取引では証拠金以上の金額を使用した取引が可能になりますが、相場に反した値動きが発生した場合に、投資家と投資会社が共に必要以上の損害を被らないようにする役割を持っています。
③利益は全額使わないようにする
仮想通貨投資による利益は、一定額を超えることで雑所得として課税対象になります。税金の支払いの際に手元にお金を残していないと、借金をしてまで支払いをすることになります。仮想通貨投資で利益を出したなら、ある程度の余裕をもって手元に利益を残しておきましょう。
なお課税対象として計算されるタイミングは以下の通りです。
- 仮想通貨から日本円に換金する
- 仮想通貨から仮想通貨に換金する
- 仮想通貨でモノやサービスを購入する
④余剰資金で運用するようにする
投資をおこなう基本として余剰資金を使用することが挙げられます。生活資金や年収の半分など必要なお金に手を出してしまうと、生活を犠牲にすることになり余裕を持った投資ができません。余裕を持てない投資では勝てるポイントを逃してしまい、長期的に見てマイナスの結果を呼ぶことになります。
仮想通貨を投資対象にすることは、価格の変化が激しく安定していない銘柄を扱うことを意味します。これからさらなる発展が期待される仮想通貨市場で勝ち残るために、継続して勝てる投資を続けていきましょう。
まとめ
仮想通貨投資を続けるには、無理のない範囲で資金を投じていく必要があります。レバレッジ取引をおこなうことで一気に何倍もの利益を得られる可能性はありますが、リターンにあったリスクが課せられます。
仮想通貨市場は今後も発展を続けると予想されており、投資を堅実に続けるだけで将来大きな利益を得られる可能性があります。仮想通貨を投資対象にするなら、現物取引をおこなうといいでしょう。