- 世の中に広く普及させるは簡単ではないが、独自で仮想通貨を作ることは簡単にできる
- イーサリアムなど新規作成に特化したプラットフォームがある
日本円や米ドルといった法定通貨は、国が発行し、国がその価値を保証しています。では、ビットコインやイーサリアムは、誰が発行して誰が管理しているのでしょうか。
国や組織に支配されない仮想通貨は、誰でも自由に作り出すことができます。しかし仮想通貨ウォレットの機能などで、仮想通貨を作ることは、簡単にできるということはあまり知られていません。
世の中に普及するような仮想通貨を作るのは簡単にはできませんが、仮想通貨に対する理解を深める為に仮想通貨を作ってみることは有効な手段です。
仮想通貨って作れるの?
ビットコインをはじめ、多くの仮想通貨はオープンソースで開発されています。オープンソースというのは、プログラムを公開しているということです。
つまり、ビットコインのプログラムを読み解くことができれば、ビットコインの仕組みが100%分かります。また、オープンソースの仮想通貨を基にして、新しい通貨が開発されてきました。
例えば日本発の仮想通貨モナコインは、実はビットコインから作られたものです。
プログラムが読めなくても、仮想通貨を作る方法はあります。現在様々な仮想通貨が普及していますが、それぞれの目的は異なります。「新しい仮想通貨を作ること」を目的とし、特化した仮想通貨もあります。
仮想通貨を作ったらできること
仮想通貨を作ったらできることは、アイデア次第で無限にあります。
例えば・・・
- グループ内で遊びに使う
- ブログ読者に配布する
- ちょっとしたお礼にチップとして使う
- 自分の価値を測る
- クラウドファンディングで資金調達する
- 独自のサービス内で利用できる通貨にする
- ビットコインに対抗する通貨を目指す
遊び感覚の通貨から、ビットコインに取って代わる通貨まで、目指す所は自由です。
仮想通貨の作り方
仮想通貨にはたくさんの作り方がある
一口に「仮想通貨を作る」といっても、その方法は多岐にわたり、それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。
オープンソースを基に開発する方法は、より自由度の高い仮想通貨を作ることができます。ただし、プログラミングの知識が必要となります。
イーサリアムは分散型アプリケーションを作るプラットフォームで、スマートコントラクト機能を実装したトークンを作ることができます。
カウンターパーティーやウェーブスといった、新しい仮想通貨の作成に特化した仮想通貨を利用すれば、専門知識がなくても新しい仮想通貨を作ることができます。
仮想通貨作りに必要なもの
新しい仮想通貨が発表されるときは、「ホワイトペーパー」や「ロードマップ」が公開されます。
その中で示された理念や将来性に共感できる投資家が、ICOなどに参加します。個人で仮想通貨を作る際はそこまで詳細なものは求められませんが、「何で仮想通貨を作るのか」、「どういったルールで仮想通貨が授受されるのか」ということは明確にしておくとどんな目的で作る場合でも中途半端なものにはならない可能性が高くなります。
オープンソースの仮想通貨をもとに作る
この作り方の特徴・メリット
多くの仮想通貨は、オープンソースで開発が行われています。誰でもプログラム(ソース)をダウンロードし、改良、再配布が行えます。ビットコインから派生した通貨は多く誕生しました。
時価総額が高いものに、ライトコインやモナコインがあります。ライトコインは送金スピードに特化し、モナコインは特定のグループのコミュニケーションツールとして開発されました。
オープンソースを利用する方法の最も大きなメリットは、必要となる部分だけを書き換えることで、新しい通貨を作れるという点です。
大まかな枠組みが合えば、詳細を自分で設定することができます。自由度が高く、自分の理念に合った通貨を作ることができます。
ただし、この方法は他の方法と比べて難易度が高い方法でもあります。プログラミングの知識はもちろん、サーバー構築やリナックス(Linux)などの専門知識も必要です。
作り方
オープンソースをダウンロードすることから始まります。ソフトウェア開発のための「GitHub」というソースコード管理サービスがあります。ここにアクセスし、該当する仮想通貨のオープンソースをダウンロードすることができます。
GitHub 日本語サイトはこちら
ビットコインのソースコードはコチラから手に入ります。
GitHub ビットコインページはこちら
難易度の高い方法ですが、ビットコインとライトコインやモナコインのソースを比較し、変更されている所をピックアップすると、新しい通貨を作成するときの参考になります。
カウンターパーティー (Counterparty/XCP)で独自トークンを作る
この作り方の特徴・メリット
カウンターパーティーは、ビットコインのブロックチェーンを利用しています。そのため、ビットコインの特性がそのままカウンターパーティーの特性にもなっています。
XCPは、総取引量の約3割が、日本の取引所ザイフ(Zaif)で取り引きされています。
作り方
用意するもの
- 0.5XCP(約1,000円分:2018年5月12日のレート)
- 0.0005BTC(約500円分:2018年5月12日のレート)
- 「IndieSquare Wallet」のアプリ
IndieSquare Walletのアプリを利用することで、カウンターパーティーで簡単に新通貨を発行することができます。
IndieSquare Walletは、カウンターパーティーを利用して独自通貨の発行ができるほか、ビットコインやビットコイン系の通貨のウォレットとして利用することもできます。
IndieSquare Walletは、iOS、Androidとも日本語対応したアプリが用意されています。また、次のサイトからスマホアプリと連動させ、パソコンで管理することもできます。ただし、サイトは英語です。
作成手順
必要となるXCPは、国内ではザイフ(Zaif)で購入できます。XCPとBTCを用意できたら、IndieSquareのアドレスに送金します。
スマホアプリで「トークン新規発行」を選択し、以下の必要事項を入力していけば、新通貨の発行ができます。
- 通貨の名称(後で変更不可)
- 取引単位(後で変更不可)
- 初回発行量
注意事項
カウンターパーティーで作った通貨を送金する場合は、送金手数料としてBTCが必要になります。
ビットコインがベースとなるためですが、ビットコインの送金手数料は高騰しているので注意が必要です。
イーサリアム (Ethereum/ETH)で独自トークンを作る
この作り方の特徴・メリット
イーサリアムの特徴は、スマートコントラクトです。スマートコントラクトとは、設定した条件が満たされると自動的に契約が実行されるという機能です。
イーサリアムをプラットフォームにする場合、スマートコントラクトを実装することができます。カウンターパーティーより難易度は高めですが、より高度な機能を持った通貨を作ることができます。
作り方
用意するもの
- 0.15ETH(約1万円:2018年5月12日のレート)
- GoogleChrome(ウェブ閲覧ソフト)
- MyEtherWallet(イーサリアム系通貨のウォレット)
- MetaMask(GoogleChromeの拡張機能:イーサリアム系通貨のウォレット)
MyEtherWalletとMetaMaskは、連携させて利用します。
この2つのウォレットは、イーサリアム系の仮想通貨を購入したり、ICOに参加するときに利用することが多いウォレットです。
作成手順
まず、MetaMaskに0.15ETHを送金します。
次に、Token Factoryにアクセスし、以下の必要事項を入力していきます。
- 発行枚数
- 通貨名
- 取引単位(小数点以下の桁数)
- 通貨記号(単位)
これで新通貨が発行されるので、発行された通貨をMyEtherWalletに送金します。
注意事項
利用するソフトやサイトは英語が基本になります。MyEtherWalletは日本語にも対応していますが、MetaMaskやTokenFactoryは英語です。
ただ、日本語の解説サイトも多くあるのでそちらを参考にして作業することもできます。
ウェーブス (Waves/WAVES)で独自トークンを作る
この作り方の特徴・メリット
ウェーブスは、「カスタムアプリケーショントークン(Custom Application Token/CAT)」という自由性と拡張性に優れたシステムを持っています。送金が高速で手数料が非常に安いことから、多くのICOにも利用されています。
ロシアのバーガーキングでは、ポイントに代えてウェーブスで作られたオリジナル通貨「Whoppercoin(WHO)」を配布しています。
他にも、モバイルゲームに特化した「MobileGo(MGO)」、個人情報等のブロックチェーン化のための「Darcrus (DAR)」、ギャンブルサービスのための「Monster Byte (MBI)」など、様々な通貨が作られています。
また、ウェーブスには「Waves Decentralized Exchange」という分散型取引所(DEX)が備わっています。作成した通貨は、すぐに売買することが可能です。
作り方
用意するもの
- 1.5WAVES(約1,000円:2018年5月12日のレート)
必要となるのは1WAVESですが、送金手数料がかかるので、1.5WAVESくらい購入しておきましょう。
ただし、WAVESは国内では取り扱っている取引所がありません。海外の取引所を通じて入手する必要があります。
作成手順
ウェーブスの公式ウォレットサイトにアクセスします。
アカウントを作成し、「Tokens Creatoin tab」から各項目の入力を行います。
- 通貨名
- 通貨説明
- 発行枚数
- 取引単位
- 追加発行の可否
以上で、新しい通貨が発行できます。発行した通貨は、パソコンの場合は「Waves platform」サイトから、スマホの場合は「Waves Wallet」をインストールすることで確認できます。
Waves platformはこちら
注意事項
ウェーブスを利用する新通貨の発行は他の方法と比べて簡単ですが、国内の取引所でWAVESが手に入らなかったり、サイトやアプリが全て英語だったり、言葉の壁が多々あります。
ネム (NEM/XEM)で独自トークンを作る
この作り方の特徴・メリット
ネムの公式ウォレット「NanoWallet」のモザイク(mosaic)機能を利用すれば、簡単に新しい通貨を作ることができます。
ネムを利用する最も大きなメリットは、ほとんど日本語で作成できるという点です。新しい通貨を作成するツールが日本語に対応しており、最初に必要となるXEMも、日本の取引所で購入することができます。
また、作った通貨はtipnumというサービスを利用して、「投げ銭」として使うこともできます。モナコインのように、Twitterを介して少額送金ができます。
作り方
用意するもの
- 120XEM(約1,200円:2018年5月12日のレート)
- Nano Wallet(ネムの公式ウォレット)
最初に必要となるのは120XEMですが、その後も通貨を継続させるには費用がかかります。NanoWalletはネムの公式ページからダウンロードしてインストールします。ここだけは英語ですが、頑張ってください。「MENU」-「Get Wallet」からダウンロードできます。
作成手順
自分のNanoWalletに、120XEMを送金します。
Nano Walletのサービスメニューから「ネームスペースを作成」を選択し、必要事項の入力を行います。
- 通貨名称
- 初期発行量
- 取引単位
- 譲渡の可否
- 供給量の変更の可否
- 手数料
以上で、新通貨の発行ができます。
注意事項
作った仮想通貨を継続するには、毎年利用料がかかります。毎年約120XEMが必要になります。
仮想通貨のつくり方のまとめ
仮想通貨を作ることは、簡単にできます。プログラミングなどの専門知識がなくても可能です。
作った通貨をどのように使うかは、アイデア次第で無限の可能性があります。
仮想通貨には、「売る」「買う」の他に、「作る」という楽しみ方もあります。実際に作ることで仮想通貨への理解度は格段にあがります。
ビットコインやイーサリアムを取り扱っているおすすめ仮想通貨取引所は下記になります。ぜひ参考にしてください。
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