- 投資で利益を出すには必ず利確をする必要がある
- 利確のタイミングは初心者にとって非常に難しい
- 相場は大衆が意識するアノマリーを基準にすると勝ちやすい
本記事では利確について、「押さえておくポイント」「徹底するポイント」「格言」「利確のタイミング」について解説します。
投資では利確で全てが決まるので、利確について押さえておくことが重要であるといえるでしょう。
利確をする際に押さえるポイント
そもそも利確とは
利確とは利益確定のことを指しています。投資で利益を出すには必ず利確をする必要があります。
利確するタイミングですべてが決まるといっても、投資初心者の方にとって利確をするタイミングは難しいことでしょう。ポジションを保有していても「もう少し待てばさらに利益が増えるのでは・・」と思うものです。
これから解説する内容はカンタンな内容ですが、これを実践できるかできないかで投資で成功者となるか敗北者となるかが決まるといっても過言ではありません。
逆に以下の内容が守れる方は早々に初心者を脱することができるでしょう。
確定するまでは利益にならない
何度も記載していますが、投資ではポジションを決済するまでは利益が確定されません。たとえ保有しているポジションが1億円の含み益になっていたとしても、利確をして初めて利益です。
万が一「もっと利益を伸ばしたい」と思い保有し続けた場合、0になることもあります。
自分の売却ルールを定める
自分の投資する目的や目標金額を決めて、そこから逆算し保有したポジションの利確するラインを決定しておきましょう。自分なりの決済するルールを決めてポジションを保有しておけば、投資でしっかりと利益を出すことができます。
買値から〇〇%の上昇を基準とする場合
買いポジションを持った時点から〇〇%の上昇で決済すると決めた場合、迷うことなく利確することができます。投資でしっかりと結果を残すには、取引におけるルールを決めておきましょう。
利確を徹底するためのポイント
投資では基本的に取引回数に関わらず「損小利大」を心がけると良いでしょう。投資でポジションを持つために、多くの投資家が試行錯誤しています。そして思い描いたシナリオと違う動きをしたときに、ポジションを損切りするのです。
その損切りはなるべく小さくして、何回かの取引で自分が思い描いたシナリオと一致したときに大きな利益が発生します。
損切りは早めにして、利益をしっかりとるポイントについて解説します。今回は最終的に20%の利益を出すことを前提に解説します。
- トレイリングストップを用いる
- 5%の上昇で損切りラインを買値に設定する
- 10%の上昇で5%の利確する
- 20%の上昇で持ち分全てを利確する
ポイント1 トレイリングストップを利用する
「トレイリングストップ」とは、損切りラインの基準値を動かすことを指しています。トレイリングストップすることで、損益が膨らむことを防ぐことができます。
さらに徐々に損切りラインを上げて、最終的な利確ラインを上げていくことでさらに大きな利益を出すことが期待できます。一度決めた基準を守ってトレイリングストップを利用しましょう。
トレイリングストップを用いる際の注意点
トレイリングストップを守ることで利益をあげることができます。しかし投資方法にはメリットだけでなくデメリットがあるのです。トレイリングストップを利用するうえで注意したいのが、利確ラインを下げてしまうことでしょう。
最初に利食い価格を決める決め打ち方法とトレイリングストップでは、どちらにもメリット・デメリットがあるので使い分ける必要があります。
ポイント2 5%の上昇で損切りラインを買値に設定する
例えば10%の利確を目指す取引で、5%価格が上昇したときに損切りの基準を変更します。このように少しずつ損切りする基準を上げていき、損失が少なくなるように調整することを指しているのです。
ポイント3 10%の上昇で5%の利確する
基準をさらに上げて利益を出します。1,000円の購入からの利確ラインは1,200円です。10%上昇した1,100円の段階で、半分を利確して利益を確保しておきましょう。同時に損切りラインをあげることも忘れないようにしましょう。
ポイント4 20%の上昇で持ち分全てを利確する
最終段階の20%です。多くの投資家はこのとき、あらかじめルールを決めているにも関わらず利確をすることが困難になります。理由は「さらに利益を伸ばすことができる」と思ってしまうからです。
しかし投資では必ず決めたルールを守ることが大切といえます。そしてここまで決めてきた利確ラインは絶対に上げないことが大切です。20%にまで達した場合、決めたことは守って利確しましょう。
しっかり利確できないと損小利大を実現することはできません。投資では途中がマイナスでも、最終的にプラスであることが大事なのです。
利確の格言を紹介
投資には「利確をためらう心理状態に勝つための心構え」として格言があります。格言の内容が絶対ではありませんが、格言通りに投資判断を行うのもひとつの手段なので、ぜひ覚えておきましょう。
噂で買って事実で売れ
投資ではかなり有名な格言です。株式取引では多くの投資家が企業の将来を予想してシナリオを描き、業績などの噂から取引を行なっています。
そして予想通り決済内容が良い方向で発表された時点で最高値だったという場合がよくあるのです。
「噂で買って事実で売れ」という格言では、噂の段階でリスクを取った投資家が、事実になったときに利益を得ているといった意味があります。
利食い千人力
利確することを利食いするともいいます。格言には利食いをすれば、その後「千人の味方がいる大船に乗ったような気持ちでいられる価値がある」といった意味があります。「利食い千人力」という格言には、利確の大切さが込められているのです。
利確は投資におけるゴールの一種といえるでしょう。精神的にも楽になり、次の投資に万全の精神状態で挑むことができます。人間なので失敗を悔いることは仕方ありません。
しかし含み益の増減に一喜一憂せず、一度決めた基準を守ることは徹底しましょう。
頭と尻尾はくれてやれ
魚において美味しいのは頭と尻尾をのそいた胴体部分です。「頭と尻尾はくれてやれ」という格言は、残りを猫にでもあげてしまえばいいという気構えです。
投資ではどうしても最安値で買い、最高値で決済したい (最高値で売り、最安値で決済したい) と思うものです。しかし大半の投資家が読み間違い、失敗に終わります。
「頭と尻尾はくれてやれ」という格言では、投資において「心に余裕を持て」ということが込められています。
利確のタイミングを逃さないためには
しっかりと利確して利益を出すために、利確するタイミングをなるべく逃さない方法を解説します。投資の勝ち負けに絶対はありません。しかしある程度のことを意識することで、「勝つ確率」をあげることはできます。
指標を用いた利確タイミングの把握
指標を用いて利確するタイミングは、主に短期トレードでより大きな効果を発揮します。利確ラインの上限・下限を決めることは大切です。しかしラインの決定に時間をかけすぎてもよくありません。
そのため効率よく次のエントリーポイントを探すためにも、利確の基準を指標に置き換えてみましょう。指標を基準にすればある程度の価格予想ができ、時間が来れば決済するようになります。そのため無駄な時間を省略することができるのです。
価格の節目
1,000円や1,100円といった価格の節目は、多くの投資家が利確するタイミングとして意識しています。さらに意識されていることを多くの投資家が認識しているため、売り注文が増えるタイミングでもあります。
そのため価格の節目より少し前、「990円~995円」などを目安に売り注文を入れたりしてみましょう。画像のドル円チャートでも、価格の節目である112円と111円が意識されています。
ラインより外にローソクの実体はなくヒゲだけになっていることから、一度はラインをブレイクしたものの意識されているので戻ったという様子がわかります。
移動平均線
一定期間の終値平均値を線で繋いだ「移動平均線」を使うとき、注文時に多くの投資家が使用する25日期間に設定しておくことをおすすめします。
25日移動平均線を価格が割ってしまうと、下降トレンドに転換する可能性が高くなります。線が下向いてきた段階で売りと判断できます。そのときに利確の基準として設けていた20%のラインが厳しいと判断ができれば、早めに利確することが懸命な判断でしょう。
利確したあとはこの指標を基準することで買うこともできます。
アノマリーを用いた離隔た利確タイミングの把握
投資の世界には「Sell in May」、日本語に訳すと5月は株を売れといった言葉があります。
これは5月には大口である機関投資家の決算で相場が荒れやすいことからいわれています。さらに「夏季休暇に備える」といった理由でも、価格が下がる前である5月に売っておこうというアノマリーです。
アノマリーと照らし合わせて決済基準を決める投資家が多いため、実際に相場はそのとおりに動きやすく利確のタイミングを計るときに有効活用できます。
アノマリー
ある法則・理論からみて異常であったり、説明できない事象や個体などのこと
まとめ
いかがでしたでしょうか。利確は実際に損益が形となって現れる、投資において最も大事な瞬間です。
利確の瞬間は、含み損の場合「もう少し待てば利益に変わるかも」と考えてしまったり、逆に含み益の場合「もっと利益が大きくなるかも」と考えてしまったりと、自分の中の甘言と常に戦い続けなければなりません。
適切な利確を行えるか否かが、投資の成功と失敗を分けるといっても過言ではありません。利確についてしっかり覚えておきましょう。