- 「指値」とは価格を設定する注文方法のこと
- 「成行」などそのほかの注文方法についても要チェック
トレードはただ金融商品を売り買いするだけではなく、様々な注文方法が存在します。
今回はその中の一つ、「指値注文」をそのほかの「成行注文」や「逆指値注文」と比較しながら解説していきます。
指値注文とは
指値は注文方法の一種で、チャートをずっと見れない方にとってとても便利な方法です。
指値注文の基本情報
指値とは、買いや売りの注文をある条件に達したときに自動的に行ってもらう執行条件の一つです。
その中でも指値は価格を指定して注文をする方法です。買い指値を出した後に価格がその指値まで下落すると自動的に買い注文が実行され、売り指値を出した後に価格がその指値まで上昇すると売り注文が実行されます。チャートを見れなくても、目標値を定めて利益確定や損切りができるのでとても便利な注文方法です。
他の執行条件について
指値の他にも執行条件はいくつかあり、場面に応じて使い分けると効果的です。こちらでは株の取引の際の執行条件も含めて紹介します。
- 成行
- 本日中
- 今週中
- 寄付
- 引け
- 不成
- 大引不成
成行(なりゆき)
価格を指定せず、どのような価格でもいいから買う・売るという注文です。
本日中(ほんじつちゅう)
その日の間のみ有効な注文です。
今週中(こんしゅうちゅう)
注文を出した日からその週の最終日まで有効な注文です。成行では選択できません。また、週の半ばで失効してしまうこともあるので注意が必要です。
寄付(よりつき)
立会時間の寄付だけ有効とする注文です。前場の寄付前に入力すると「前場の寄付」、後場の寄付前に入力すると「後場の寄付」になります。また、ザラバ中だとすぐに「出来ず」となって注文が失効します。
引け(ひけ)
立会時間の間の引けのみ有効な注文です。前場が終わる前に入力すると「前場引け」に執行される一方で、約定が成立しなかった場合には「出来ず」となり後場への繰越はありません。前場が終わった後の大引前入力すると「大引け」に執行されます。「ザラバ引け」の場合には約定が成立しません。また、前場引けより前の時間帯には「大引け」は選択できません。
不成(ふなり)
引けまでは指値注文として執行され、その間に約定が成立しなかった場合には引けの成り行き注文に変わり執行される注文です。前場が終わる前に入力すると前場の「引け」の価格で注文され、前場が終わった後の大引け前に入力すると「大引け」の価格で成り行き注文となります。また、「ザラバ引け」の場合には約定は行われません。
大引不成(おおびけふなり)
大引けまでは指値注文として実行されますが、その期間に約定が成立しなかった場合には自動的に大引けの成行注文として実行される注文方法です。また、「ザラバ引け」になった場合には約定は成立しません。もしザラバ中に一部約定したときには残りの未約定の部分が自動的に引けの成行注文になります。
指値注文と成行注文の違い
指値注文の強みはやはり自分の希望する価格で取引を行える点です。
たとえば、今回Aさんがびっとコインを〇円で買いたかったとします。この時にはビットコインの価格が△円から〇円まで下落した時点で購入が成立します。しかし、〇円まで下落しなかった場合にはビットコインを買うことはできません。
下の表に成行注文と指値注文のメリットとデメリットをまとめてみました。
寄付の場合では、成行注文が取引の成立までのスピードが最も早いと言えます。ただ、それが自分の希望する価格になるとは限りません。
一方の指値注文では寄付の場合に約定が成立する保証はありません。極端に高い・安い価格を指定しても成立しない可能性が高いのでこういった点にも留意する必要があります。
指値注文と成行注文の約定の優先順位
注文方法によっては約定の優先順位があります。以下が買いの場合の優先順位をまとめた表になります。
成行注文が最も優先され、次に注文価格と注文を出した時間で優先順位が決まります。すぐに約定を成立させたいときは成行注文を使うのが良いでしょう。
指値注文と逆指値注文の違い
指値注文には、指値注文と逆指値注文の2種類があります。以下がそれぞれの機能をまとめた表になります。
指値注文は自分の動いてほしい方向にチャートが動いたときに、逆指値注文はその逆にチャートが動いてしまったときに発動します。ゆえに指値注文は利益確定のために、逆指値注文は損切りのために使われることが多いです。これらの注文方法を使いこなせるとチャートを見ていなくても希望した価格で取引ができるのでとても便利です。
参考 : 逆指値とは|逆指値の特徴や種類、メリットや注意点を解説!
まとめ
日々のトレードを行う中で指値注文が有効な場面はとても多いです。また他にも多くの注文方法がありますが、指値注文はその中でも最も基本的な方法といえます。
まずは指値注文の使い方に慣れて他のツールを使う足掛かりとしましょう。