セルフィッシュマイニングとは、新しく生成されたブロックをメインチェーンから非表示にしてプライベートネットワーク内のシステムで利用できるようにすることで、マイナーがマイニングにおける収益のシェアを増やす方法です。セルフィッシュマイニングは仮想通貨が持つ分散型の性質を損なうことから、ブロックチェーンに対する一種の攻撃とみなされます。
セルフィッシュマイニングを行うマイニングプールは、メインチェーンから非表示にしたブロックを表示するタイミングを戦略的に設定して、パブリックチェーンの正直なマイナーがプライベートチェーンに参加できるようにします。そして、プライベートチェーンがパブリックチェーンよりも長くなるまで、プライベートチェーンで新しいブロックがマイニングによって生成されるたびに、そのブロックを非表示にするプロセスが繰り返されます。
最終的にプライベートチェーンがパブリックチェーンよりも長くなった段階で、ブロードキャストが行われます。その結果、パブリックチェーンのマイナーはより高い報酬を得るために、ブロックを放棄してプライベートチェーンに参加します。このことにより、セルフィッシュマイニングによって生成されたブロックチェーンが、パブリックチェーンの過半数となる状況がもたらされる可能性があるのです。つまり、セルフィッシュマイニングを実行するマイニングプールによって、システムが制御される事態が引き起こされる恐れがあります。